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(短編集)

アガサ・クリスティー賞殺人事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
アガサ・クリスティー賞殺人事件

アガサ・クリスティー賞殺人事件の評価: 2.00/5点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

意図がよく分からない

5作の連作。 4作までは、主人公が東北の各地で事件に巻き込まれながら、その謎を解いていくというもの。 それなりに雰囲気が出ていて、決して不可というレベルではない。 ただ、第5作が理解できない。 アガサ・クリスティー賞受賞パーティで殺人が起きる。 実名の作家も登場し、本来であれば盛り上がるはずなのに、イマイチ。 前作もそうだが、動機に説得力がない。 それと、メインの登場人物に強いインパクトがないので、全体に軽く流れていってしまっている気がする。
アガサ・クリスティー賞殺人事件Amazon書評・レビュー:アガサ・クリスティー賞殺人事件より
4152094818
No.1:
(2pt)

現代が舞台だが、全体的に古い

「作家や評論家が実名で登場する上、被害者は有栖川有栖」というあらすじを読み、興味を惹かれて購入しました。
五編からなる連作短編集で表題作は最後に収録されています。
表題作以外は、作家志望の「わたし」が旅先で遭遇する事件を夢の中で解決する、というパターンを踏襲しています。
以下、それぞれの短編の感想。
ネタバレは控えていますが、多少作中のトリックを暗示させる書き方をしています。

「柔らかな密室」…タイトルの通り、「柔らかな密室」で起きた殺人事件。
トリックはシンプルで分かりやすかったですが、密室にした動機が弱すぎます。
数十年前の作品ならともかく、明らかに殺人なのに密室トリックを解明できず頭を悩ませている警察という構図に古さを感じました。

「炎の誘惑」…トリックが小粒だったため、どちらかというとウィスキーに関する話や美術商とのやり取りの方が記憶に残っています。
登場人物の一人である美術商の藤岡が、まんま『ギャラリーフェイク』の藤田。

「蛇と雪」…この作品の中では発想が一番面白いと感じました。
トリックが非現実的というかバカミス入っていますが、だからこそ他の短編より半歩ずれたこの作品が印象に残りました。
ただ、登場人物の描写や考え方が全体的に旧時代的です。(この短編だけでなく、作品全体に言えることですが)
いっそのこと、時代設定を数十年前にした方が作風に合っていますね。

「首なし地蔵と首なし死体」…作者が首を切断した理由に拘り過ぎて、話がちぐはぐになっています。
結末で明らかになった「事実」について、犯人を除いて誰も知らなかったことなんてあり得ません。

「アガサ・クリスティー賞殺人事件」…あらすじの通り、多くの作家・評論家が実名で登場します。
ただし、一人ひとりの出番が少ないため、竹本健治のウロボロスシリーズのような小説を期待している人には肩透かしでしょう。
また、殺人やトリックは作中で一番地味ですし、何より動機が現実離れしています。
せっかくの連作短編集なのだから、それまでの四編で動機に関する伏線を撒いておけばもっと納得度は高かったと思います。
それと、有栖川本人と作品を神格化過ぎていて、読んでいる間、薄ら寒さを感じました。

私のように「作家や評論家が実名で登場する」というあらすじに興味を持って読もうという方には正直おすすめしません。
どちらかというと、「古き良き時代のミステリ」を感じたい方なら読んでみる価値はあるかもしれません。

※このレビューを書いた後、あらためて作者紹介を読むと「<<幻影城>>を愛読」とあって、作風の古さに納得しました。
アガサ・クリスティー賞殺人事件Amazon書評・レビュー:アガサ・クリスティー賞殺人事件より
4152094818

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