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十二人目の陪審員
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十二人目の陪審員の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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また、また、昔読んだ本の中から選んで読むことにした。 本書B・M・ギル著『十二人目の陪審員』を、チョイスした理由は、表紙に英国推理作家協会賞受賞と記されていたからである。 人気テレビキャスターのエドワード・カーンが、妻殺しの犯人として法廷で裁かれる裁判シーンからこの物語は始まる。 十二人の陪審員の一人ロバート・クインは、本書の主人公であるが、クインの家に住む大道芸人たちが、こともあろうにカーンの娘フランシスが酔いつぶれているから介抱しようと家に連れてきてしまったのである。 その後、フランシスは、行くあてもなくクインの家で過ごすことになるのだが、これは陪審員としてやってはならないことである。 被告人であるカーンが、自分の殻に閉じこもって自分に不利な審議が進みながらも泰然としている姿に、クインは、法に触れるがフランシスに憐みを感じていることもあり、彼が無罪であると陪審員のなかで熱弁をふるい一人ひとり無罪を支持する陪審員を増やしていくのである。 泰然とした被告を、著者が描写するところを読み進みながら、めったに昔読んだ本のストーリーを思い出さない評者であるが、犯人を思い出してしまった。(本書奥付に、1991年と記しているから評者が24年も前に読んだ本なのに不思議である) 評者は、この陪審員が審議する部屋の情景で、アメリカ映画、『十二人の怒れる男』を、どうしても思いだしてしまったのである。 もちろんヘンリー・フォンダ演じる陪審員と本書の主人公クインを重ねてしまったのである。 映画『十二人の怒れる男』は、観客のカタルシスを満足させて終えているのだが、本書では読者の期待に反した結末で終えている。 このような結末が、著者のプロット構成の上手さなのだろうと思いながら何十年も前に読んだ本書を再読し終えた。 ・・・作者のギルは、あるインタビューとの対話の中で、この作品は「愛は良心に優先する」というテーマで書いたと述べている。そう言いながら愛がかならずしも人間の運命を救えるものではない、むしろ悲劇を将来する場合もあると書いているところが興味深い。・・・ 訳者の島田三蔵氏が、あとがきのなかで・・・内に転載した著者の言葉は、何故か評者の心に残ってしまった。 | ||||
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