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歌川国芳猫づくし
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歌川国芳猫づくしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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とてもキレイな状態で届きました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。 | ||||
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深みはないですけど、さらりと読める軽快な文章、主人公〈歌川国芳(うたがわ くによし)〉への親近感が湧くキャラ作り、同時代の有名人が一堂に会する趣向の妙など、これは面白かったなあ。思いがけない掘り出し物を拾ったという感じ。読んで良かったにゃ | ||||
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料亭の女将が殺され愛猫がその下手人を見ていたと、猫好きの絵師・国芳は主張。動物の絵を描かなかった広重は、そんな猫はいなかったと言う。国芳の観察眼がモノを言う「江の島比べ」など7連作。 | ||||
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河路和香氏の国芳ものを読んだので、ついでに・・・といっては失礼だけれど、とても楽しく読めました。 河路氏の著作がいわばタテにつっこむようなものとすれば、本作はヨコの広がりというか。歴史上の人物はどのみち同時代に生きることはできないのだから、自分なりのイメージを膨らますことが楽しい。 葛飾応為(お栄)が絡んでくる一篇は伏線とオチが見事で、「やられたワ」 | ||||
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以前単行本が出てすぐ走り読みをし面白なと思いましたが、8代目団十郎の話が印象に残るくらいで、他はすっかり忘れていました。 この夏の終わり、ミルクを飲ませて育て17年間共に暮らした猫を闘病の末亡くし、 以来力が出ない日々を送っていました。ああそうそう、こんな本が在ったんや、と 引っ張り出してゆっくりと読みました。 老年期に向かいつつある主人公国芳の感慨が染み入ってくるようでした。 私が心身ともにすっかり年を取ったからからかも知れません。(現在では、 この時の国芳の年齢ではまだ老年とは言わないようですが) 猫を失った寂しさは愛猫家でなければわからない。猫に置いていかれた気持ちになる。 8代目の話のこの文に接したとき、ああそうなんだ、私のこの寂寥感はそういうことなんだと 深く合点がいきました。 北斎の娘お栄の話もNHKドラマの宮崎あおいのお栄さんと重なってとても面白く読みました。 一つ一つは短いけれども全てが繫がって、下っ引きの若者の成長物語?にもなり、寂しさを温かく包むような結末が心地よい作品です。 風景や作品、人物名が出てくるので、今度は絵などを手元に置いて見ながらまた読もうと思います。老婆心ながら、じっくり読むには、国芳の表紙絵が導入となって単行本がお勧めです。 | ||||
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猫好きで知られる歌川国芳の周りで起こる様々な事件。 猫がいなくなったり、金魚を偏愛する男が現れたり、北斎の娘・応為に振り回されたり、歌川広重との冷戦があったり、お上に雇われた小者に監視されたり、偽物の国芳や団十郎の幽霊が現れたり。 様々な国芳作品や有名人たちも絡んでテンポよく読める。時に人の死や殺人もあったりするが、陰惨ではないので引き摺ることはない。 ただ音曲と絵と、両方の才能があった弟子の顛末は可哀相だった。 五十代半ばの国芳が描かれているので、健康を気遣ったり老いらくの恋(プラトニックですらない片思い)があったり、自分の作品が後世にどう残るかを考えたりという内面も興味深かった。 他の方も書かれているが、作中に出てくる国芳の絵が掲載されていればもっと良かった。自分で絵を調べながら読んだ。 | ||||
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2014年に出た単行本の文庫化。 江戸後期の浮世絵師・歌川国芳を主人公に据えた時代小説だ。 「下手の横好き」「金魚の船頭さん」「高い塔の女」「病人だらけ」「からんころん」「江ノ島比べ」「団十郎の幽霊」の7話が収められている。 猫の絵で知られ、実際にたくさん飼っていたことで知られる国芳だが、物語そのものは猫ばかりというわけではない。弟子たちにまつわる事件があったり、北斎の娘がからんできたり、安藤広重との確執が描かれたり。 浮世絵の世界に詳しい読者ほどニヤリとできるだろう。 | ||||
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世知に長けてはいるものの、人生にも疲れが見えてきて、猫にかまけて居たい気もちがつのる初老の国芳 おなじみの作品が次々と登場するのも楽しみの一つ 次々と人を驚かせる作品に感嘆するばかりでなく、作ってきた国芳って人はどんな人だったんだろうという疑問を膨らませたような作品 文章の名手なので、安心して読めます | ||||
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絵を少しは入れて欲しかった。題が詐欺(?)でしょ。期待外れの極みです。 | ||||
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人気シリーズ「妻はくノ一」の著者だけに、読み易さは抜群。それでいて、とても味わい深く、読後感の良い上質な連作集でした。 国芳の絵や江戸の絵師に少しでも興味を持つ人なら、ニヤリとするだろうネタが満載。もちろん、あまり絵に興味は無くても充分楽しめますが、 ちょっとでも知識があると面白さが深化する演出は心憎く、もうこれは読んで確かめてもらうのが一番でしょう。 絵師ならではの鋭い観察眼で語られる猫たちのちょっとした行動も、猫好きのツボを外しません。 また、他者(動物も人間も)に対する眼差しに愛が感じられるのも、読んでいて心地良かったです。 人気絵師として弟子を育てながら、飄々と、でも真摯に自分の絵を探求しつづける様や、若い女弟子に勝手にモヤモヤドキドキする様は、人間くさくてなんともチャーミング。 実際の国芳も、こんな人物だったのかも、と思えてきます。 色々な楽しみどころが、さりげなく織り込まれている、なんとも贅沢な一冊でした。 あと、ぜひカバーを外してみることをお勧めします。中の表紙も良いですよ。 | ||||
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オール讀物2012年4月、7月、11月、2013年2月、6月、9月、2014年3月発表の7編を収録。 北斎の娘のお栄なんかも登場します。 風野さんらしくない工夫の無いお話で、あまり興味を持てませんでした。 | ||||
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本書は、歌川国芳を主人公とした7編から成る短編集。 舞台は、ペリーの二度目の来航と八代目団十郎の自死の間という1854年の半年くらいの江戸は玄治店(げんやだな:今の日本橋界隈) 2年後には、世情不穏を一気にかき立てた安政大地震があり、国芳も予兆として描かれる死神に襲われヨイヨイとなる。 まさか国芳を知らずに本書を買う人もいないと思うが(もしそういう人には本書の面白さは十分には伝わらないことは念のため書いておく)幕末の浮世絵師で広重と並び人気があった。風景の広重、美人の北斎に対して、オールラウンドでの活躍で知られるが、刺青ブームの元になった武者絵をはじめ、大胆な構図やユニークな描き方で有名。 それと、国芳といえば、タイトルにもなっており、作品中でも大事な役割を果たす猫好き、そして、寄せ絵を知る人も多いだろう。 寄せ絵とは、たとえば猫とか野菜とかモノを小さく描いてその組み合わせで顔とか別のモノを表現する技法。 本書も、ミステリーとかホラーとか色恋とか別々のテーマだったり、各短編に広重や団十郎あるいは若き日の圓朝など国芳ゆかりの有名人を織込んだり、必ず国芳の代表作を絡めたりと、様々な小ネタが含まれている。ここの味わいが実に洒落ていて、国芳好きにはたまらないところだが、その全体を俯瞰すると、老い更には死を感じ始めた老年(60前)の感性豊かな一人の男が浮かんでくる。スラスラ読めるのだが、なかなかに味わい深い上等の作品であり、著者を初めて知ったが、不明を恥じる次第。 ネタバレにならない程度に、本書の小ネタを紹介しておく。 ・「高い塔の女」での「東都三つ股の図」で描かれた塔は、最近になってスカイツリーだよねというネタで取り上げられている。 ・「からんころん」に登場する小円太は圓朝、芳年は月岡姓で、それぞれ活躍することは本書にも書かれているが、圓朝が牡丹燈篭や真景累ヶ渕などの怪談落語の創作の始祖、芳年が血みどろ女のSMチックな画−無惨絵−で、おのおの世に知られたことまで知って読むと、この作品の怖さが数段に増す。 ・ 江戸歌舞伎は、七代目と猿若町で花開いたが、明治維新で再びの混乱期を迎える。当たり前と云えばそれまでだが、国芳の描く七代目も実に11代目海老蔵と似ている。なお、七代目は、国芳より先に亡くなっている。 あと、「下手の横好き」のラストのゾッとするオチは最後の話につながる感じ、それと、国芳に絡んでくる松吉が連作としてのスパイスになっている。著者の手練ぶりが分かるところであり、単なる国芳面白話にとどまらない、細部までの上等である。 | ||||
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国芳といえば、猫。猫づくしの絵は有名で、生涯に三十匹あまりの猫を飼っていたとのこと。ユーモラスな金魚の連作もあり、国芳を主人公としたこの一冊は、作者の生き物好きと呼応しあい、素材と筆致がマッチした芳醇な連作となっています。 七作すべてに、当時国芳が飼っていた八匹の猫が点景のように、あるいは見え隠れするモチーフのようにからみます。 物語はどれも国芳らしさをふくらませたもので、ミステリあり、ホラーあり、ちょっと奇妙な事件あり、中でも金魚の連作の中でのご政道批判(あとで実際の絵を調べてみたら、確かにそういう仕掛けもあるようでした)や、スカイツリーを予言したとされる「東都三ツ股の図」では国芳の高所恐怖症がとりあげられて興味深いです。 それぞれの物語には猫のほか、北斎の娘お栄、若き日の圓朝、ライバルともいえる広重などが登場、絵師としての国芳の日常が、そして絵画観がたちあがります。どれも味わい深いものですが、すべての事件にそれぞれかかわる、八匹の猫の描きかたにこもった愛情はこの作者ならでは。 最後の作品「団十郎の幽霊」は八代目団十郎の自害にからむミステリですが、この作品にも団十郎の飼い猫が大きな役割を果たします。 「猫がいなくなった寂しさは、猫といっしょに自分の膝までなくなったような気がする」。国芳の感慨です。 全体的には、いつもの風野真知雄らしく連作をつむぎながら、ひとつのモチーフを追求してゆく面もあり、本作では、老境にさしかかった国芳が、自分の死神はどんなだろうと絵師らしく夢想する(ドッペルゲンガーも登場)ことと、お上から彼のお目付役を命じられた下っ引きの若者が、しだいにふてぶてしく成長し、岡っ引きの十手を預けられるまでになるのを見つめる目です。 それもしみじみと読ませます。 人間もよう、猫もようを見つめ、それがアラベスクのようにゆったりとからみあう一冊。何層にもなる物語の豊かさを堪能しました。 | ||||
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