怒り

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

怒りの評価:

3.68/5点 レビュー 203件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.68pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全263件 221〜240 12/14ページ
No.43
(4pt)

読後感が胸苦しい

推理小説として読むと物足りない作品だと思うが、人の心の機微や人間関係の難しさが書かれた小説として読むと、
良い作品、というか胸に残る作品だと思う。犯人の動機、犯行手口、これまでの逃走経緯を、ラストに崖の上でとうとうと
涙ながらに犯人に語ってもらって探偵役の人達と分かち合う姿を見てスッキリしたい、という人は読むとイライラが募って
たまらなくなるだろう。

ちょっとニュアンスが違うかもしれないが「異邦人」を読んだ時のモヤモヤと似ている気がする。
これまでの人生で自分が言ってしまった言葉、取ってしまった態度の理由の全てを、一から十まで理路整然と語れる人は
いるだろうか。自分が起こしてしまった出来事にどのような理屈や感情が働いたのかを全て、他人にキッチリと説明しきって、
納得してもらえる自信のある人はいるのだろうか?

こうすれば上手くいったかもしれない、ああ言えばうまく運べたかもしれないと、後から思っても、取り返しのつかないことがある。
そういったことをまざまざと見せつけてくる小説だと思う。星5つにしたいところだけど、苦しすぎて読み返すのが辛いからマイナス1。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.42
(4pt)

読後感が胸苦しい

推理小説として読むと物足りない作品だと思うが、人の心の機微や人間関係の難しさが書かれた小説として読むと、
良い作品、というか胸に残る作品だと思う。犯人の動機、犯行手口、これまでの逃走経緯を、ラストに崖の上でとうとうと
涙ながらに犯人に語ってもらって探偵役の人達と分かち合う姿を見てスッキリしたい、という人は読むとイライラが募って
たまらなくなるだろう。

ちょっとニュアンスが違うかもしれないが「異邦人」を読んだ時のモヤモヤと似ている気がする。
これまでの人生で自分が言ってしまった言葉、取ってしまった態度の理由の全てを、一から十まで理路整然と語れる人は
いるだろうか。自分が起こしてしまった出来事にどのような理屈や感情が働いたのかを全て、他人にキッチリと説明しきって、
納得してもらえる自信のある人はいるのだろうか?

こうすれば上手くいったかもしれない、ああ言えばうまく運べたかもしれないと、後から思っても、取り返しのつかないことがある。
そういったことをまざまざと見せつけてくる小説だと思う。星5つにしたいところだけど、苦しすぎて読み返すのが辛いからマイナス1。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.41
(4pt)

信じることの難しさ・・

殺人事件の犯人の可能性がある人物が、作中に3名出てくる。

3名の近くにいる人物たちは、信じたいがもしものことがあったら・・、
という考えにとらわれる。

他の方も書いておられるようにミステリーではないが、
他者を信ずることの難しさを突きつけられる。

途中、間延びがする感じがあったが、後半は一気に読めた。
ラストは、かなり切ない・・。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.40
(4pt)

信じることの難しさ・・

殺人事件の犯人の可能性がある人物が、作中に3名出てくる。 3名の近くにいる人物たちは、信じたいがもしものことがあったら・・、 という考えにとらわれる。 他の方も書いておられるようにミステリーではないが、 他者を信ずることの難しさを突きつけられる。 途中、間延びがする感じがあったが、後半は一気に読めた。 ラストは、かなり切ない・・。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.39
(4pt)

「犯罪小説」とひとくくりにはできない小説

「悪人」もそうですが、常に今の日本の「普通の人々の生活」が
丁寧に描かれているからこその、この読後感。

物語は夫婦の殺害現場から始まります。
そして、逃亡しているその殺人犯らしき青年が3人描かれます。
3人とも過去の何かから逃げている様子。

一人は千葉の漁村で、徐々に地域にうけいれられつつある。
もう一人は波照間島から、さらには慣れた孤島でくらすバックパッカー。
最後の一人はゲイの男性の部屋に、ひょんなことから居ついた男性。

それぞれの生活が周りの人々の生活に加えて
殺人犯を追う刑事の様子とともに、描かれていきます。

この3人のうち、誰が殺人犯??と思いながら読み進めると
3人の周りの人々もTV報道などで
「ひょっとして・・あの殺人犯では?」と疑い始めます。

人と人とのつながりとは?
「NO!」と言い続けることの難しさ。
そして「人を信じるとは、どういうことか」を
考えさせられる小説でした。

満足、満足。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.38
(4pt)

「犯罪小説」とひとくくりにはできない小説

「悪人」もそうですが、常に今の日本の「普通の人々の生活」が
丁寧に描かれているからこその、この読後感。

物語は夫婦の殺害現場から始まります。
そして、逃亡しているその殺人犯らしき青年が3人描かれます。
3人とも過去の何かから逃げている様子。

一人は千葉の漁村で、徐々に地域にうけいれられつつある。
もう一人は波照間島から、さらには慣れた孤島でくらすバックパッカー。
最後の一人はゲイの男性の部屋に、ひょんなことから居ついた男性。

それぞれの生活が周りの人々の生活に加えて
殺人犯を追う刑事の様子とともに、描かれていきます。

この3人のうち、誰が殺人犯??と思いながら読み進めると
3人の周りの人々もTV報道などで
「ひょっとして・・あの殺人犯では?」と疑い始めます。

人と人とのつながりとは?
「NO!」と言い続けることの難しさ。
そして「人を信じるとは、どういうことか」を
考えさせられる小説でした。

満足、満足。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.37
(4pt)

真相は闇の中に、、

上巻で描かれていた物語が徐々にまとまり最後のゴールへと向かう流れは非常に面白かったが、
最後の結末は少し残念。

「怒り」の真相を解かないところと、今回登場する人物たちの葛藤がリンクする感じがしたが、
他人を理解するのは難しいというメッセージなのかな。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.36
(5pt)

「怒り」の裏に隠された真相が気になり一気に読める

様々な登場人物の日常に犯人が潜んでいる雰囲気を出しながら進んでいくストーリー。
流れ者を信じていいのか疑心暗鬼になりながらも信じようとする人たちの葛藤。

自分も同じ立場にたったらと、想像出来ることが妙にリアリティがあり、
先が気になって一気に読める内容です。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.35
(5pt)

この作家はどこまでゆくのだろう

上巻を読み終えた時点で、なにか鋭い爪でつかまれているような思いに駆られ
一挙に下巻を読み終えました。
エンターテーメントと呼ぶにはあまりにも混沌とした重たい読後感が残りました。
とてもスッキリとはいえない終わり方で、読んだ直後はそのあっけなさにあ然としましたが
時間が経つにつれ共にもがいている作者の姿がみえてくるようになりました。
吉田修一はこの作品を習作としてなにかとてつもないものを描こうとしているのではないか。
恐ろしいような期待です。
人のこころの深淵を分析的にではなく、あくまで小説としてそのどろどろとした膿のにおいまでも感じさせる
そんなものが世に出る日もそう遠くはないと感じさせる秀作です。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.34
(4pt)

真相は闇の中に、、

上巻で描かれていた物語が徐々にまとまり最後のゴールへと向かう流れは非常に面白かったが、 最後の結末は少し残念。 「怒り」の真相を解かないところと、今回登場する人物たちの葛藤がリンクする感じがしたが、 他人を理解するのは難しいというメッセージなのかな。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.33
(5pt)

「怒り」の裏に隠された真相が気になり一気に読める

様々な登場人物の日常に犯人が潜んでいる雰囲気を出しながら進んでいくストーリー。 流れ者を信じていいのか疑心暗鬼になりながらも信じようとする人たちの葛藤。 自分も同じ立場にたったらと、想像出来ることが妙にリアリティがあり、 先が気になって一気に読める内容です。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.32
(5pt)

この作家はどこまでゆくのだろう

上巻を読み終えた時点で、なにか鋭い爪でつかまれているような思いに駆られ
一挙に下巻を読み終えました。
エンターテーメントと呼ぶにはあまりにも混沌とした重たい読後感が残りました。
とてもスッキリとはいえない終わり方で、読んだ直後はそのあっけなさにあ然としましたが
時間が経つにつれ共にもがいている作者の姿がみえてくるようになりました。
吉田修一はこの作品を習作としてなにかとてつもないものを描こうとしているのではないか。
恐ろしいような期待です。
人のこころの深淵を分析的にではなく、あくまで小説としてそのどろどろとした膿のにおいまでも感じさせる
そんなものが世に出る日もそう遠くはないと感じさせる秀作です。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.31
(5pt)

犯人を取り巻く人間関係を描く巧みさに脱帽!

後半に犯人像が明らかにされ、思いがけない結末が用意されています。犯人かと思われる人物達とその人物を取り巻く人間関係を描くことがとても巧く、犯人を捕らえ、犯罪を究明するのがミステリーだとすれば、本書は明らかにミステリーではなく、ミステリー形式をとった文学作品だと言えましょう。犯人が誰かよりも、犯人もしくは犯人と疑われる人物と親しく交わってきた人間達の動揺や、その人物が失踪したことによる喪失感が見事に描かれています。読者が犯人が誰かということよりも、周囲の人間達の苦しみや悩みの方に気が向いていくように書かれています。人間がどういう状況であれ、他者と関わり、かけがえのない人間関係を結ぶことの重みや大切さを読者に伝える小説です。めまぐるしい場面転換のために、ストーリーの流れをともすれば失いがちになりやすい書き方をとっていますが、本書は間違いなく傑作です。文学ファンにお薦めの一冊です。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.30
(4pt)

現代社会の問題を描く。さて、誰の『怒り』?

『愛に乱暴』を読んで数日後に読みました。前作と同じく構成の巧みさに圧倒されます。

上巻は若干読み進むのが遅かったけれど、下巻ではひとりの謎の男の正体がわかってからは、読み進まずにはいられませんでした。
それぞれの謎の男たちの正体がわかった後も、その後の顛末も書き込んであり納得して読み終えました。

それぞれの登場人物の言動や心の動きも多くの人が「そうするかもしれない」と共感するだろう。心と言葉と行動の微妙なズレによって大きく変わっていく他人との関わり、それぞれの心象をすとんと腑に落ちる言葉で表現されている。

3つ(正確には刑事自身の話もあるので4つ)の話からは、今の実際に起きたいろいろな事件や現代社会の要素を散りばめてそれぞれの話を構成してあり、この上下巻の2冊でこれだけのトピックが入っているのは「もったいない」と思えるくらいだった。とりわけ、少数派(又は、大嫌いな表現ですが社会的弱者)が登場人物の多くを占めているのも興味深い。著者の視野の広さを再確認できる。

単なる主観ですが、
読み終えて時間がたつにつれて、このタイトルが熟成している。勿論、登場人物のものであるのは間違いないが、ひょっとしたら、著者のものではないかと思う。視野が広いが故に気づくあれこれ。それが納得がいかない結末をむかえるあれこれ。そして、真実っていったい...。
著者が感じていることの全てに共感できるとは思わないけれど、いくつかを共感して『怒り』として実感したい。
願わくば、自らなんらかの行動を起こしたい。

★4つにしたのは、前作もそうですが、構成が凝っているので、(今のところ)しばらくは再読したいとは思わない。
それぞれの話をつなげたヴァージョンを読んでみたい。それなら、何度でも再読したいと思う。
電子図書ヴァージョンではそれを選べるといいな。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.29
(5pt)

犯人を取り巻く人間関係を描く巧みさに脱帽!

後半に犯人像が明らかにされ、思いがけない結末が用意されています。犯人かと思われる人物達とその人物を取り巻く人間関係を描くことがとても巧く、犯人を捕らえ、犯罪を究明するのがミステリーだとすれば、本書は明らかにミステリーではなく、ミステリー形式をとった文学作品だと言えましょう。犯人が誰かよりも、犯人もしくは犯人と疑われる人物と親しく交わってきた人間達の動揺や、その人物が失踪したことによる喪失感が見事に描かれています。読者が犯人が誰かということよりも、周囲の人間達の苦しみや悩みの方に気が向いていくように書かれています。人間がどういう状況であれ、他者と関わり、かけがえのない人間関係を結ぶことの重みや大切さを読者に伝える小説です。めまぐるしい場面転換のために、ストーリーの流れをともすれば失いがちになりやすい書き方をとっていますが、本書は間違いなく傑作です。文学ファンにお薦めの一冊です。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.28
(4pt)

現代社会の問題を描く。さて、誰の『怒り』?

『愛に乱暴』を読んで数日後に読みました。前作と同じく構成の巧みさに圧倒されます。

上巻は若干読み進むのが遅かったけれど、下巻ではひとりの謎の男の正体がわかってからは、読み進まずにはいられませんでした。
それぞれの謎の男たちの正体がわかった後も、その後の顛末も書き込んであり納得して読み終えました。

それぞれの登場人物の言動や心の動きも多くの人が「そうするかもしれない」と共感するだろう。心と言葉と行動の微妙なズレによって大きく変わっていく他人との関わり、それぞれの心象をすとんと腑に落ちる言葉で表現されている。

3つ(正確には刑事自身の話もあるので4つ)の話からは、今の実際に起きたいろいろな事件や現代社会の要素を散りばめてそれぞれの話を構成してあり、この上下巻の2冊でこれだけのトピックが入っているのは「もったいない」と思えるくらいだった。とりわけ、少数派(又は、大嫌いな表現ですが社会的弱者)が登場人物の多くを占めているのも興味深い。著者の視野の広さを再確認できる。

単なる主観ですが、
読み終えて時間がたつにつれて、このタイトルが熟成している。勿論、登場人物のものであるのは間違いないが、ひょっとしたら、著者のものではないかと思う。視野が広いが故に気づくあれこれ。それが納得がいかない結末をむかえるあれこれ。そして、真実っていったい...。
著者が感じていることの全てに共感できるとは思わないけれど、いくつかを共感して『怒り』として実感したい。
願わくば、自らなんらかの行動を起こしたい。

★4つにしたのは、前作もそうですが、構成が凝っているので、(今のところ)しばらくは再読したいとは思わない。
それぞれの話をつなげたヴァージョンを読んでみたい。それなら、何度でも再読したいと思う。
電子図書ヴァージョンではそれを選べるといいな。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144
No.27
(4pt)

星4つです!

さすが吉田修一、上下巻一気読みさせていただきました。
星を分けるとするなら、上巻4.5、下巻3.5です。
上巻を読み終えた時点では、(あえてストーリーに触れることは避けます)事件の真相は?
どうリンクするの?この人はどうなっちゃうの?と、久しぶりに「ページを捲る手が止まらない」状態でした。
私にとっては「読ませる」本っていうのがとても貴重で、こういう本にはなかなか出会えません。

さて、本作ですが、読み終えた時点ではちょっとした残念感が拭えませんでした。
もう少しなんとかならなかったのかなと、読み手の勝手な感想を持ってしまいますね。
結末がどうでも、後味が悪くても、登場人物がみんな不幸に終わってもいいんです。
ただ、小説の入りである事件を、読者はどうしても追ってしまいます。
書き手の思惑が少し別次元にあるのは、本作の後半には見えてきますが、やはり別々の物語は「事件」という共通項はあるものの、
きちんとリンクして欲しかったし、せめて確固たる犯人の動機や背景は描いて欲しかった。
「ホクロ」「左利き」などのキーワードを登場させたのは、当然収束に向けての意思があったと思うのですが。
全部拾えきれなかったのかなあ、と思わざるを得ません。
もう少し分厚い本で構わないので、その部分は描ききって欲しかったですね。
と、吉田修一だからこそ思います。
怒り(下) Amazon書評・レビュー: 怒り(下)より
4120045870
No.26
(5pt)

ここ数年では最も引き込まれた。

設定は、実際の事件をいくつか参考にしたうえで書き込まれたもの。 しかし、小説として本当に深みがあり、引き込まれた。 「面白かった」という陳腐な表現では語れませんね。 ここ数年読んだ小説のなかではベストでした。
怒り(上) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(上) (中公文庫)より
4122062136
No.25
(5pt)

ここ数年では最も引き込まれた。

設定は、実際の事件をいくつか参考にしたうえで書き込まれたもの。
しかし、小説として本当に深みがあり、引き込まれた。
「面白かった」という陳腐な表現では語れませんね。
ここ数年読んだ小説のなかではベストでした。
怒り(上) Amazon書評・レビュー: 怒り(上)より
4120045862
No.24
(4pt)

星4つです!

さすが吉田修一、上下巻一気読みさせていただきました。
星を分けるとするなら、上巻4.5、下巻3.5です。
上巻を読み終えた時点では、(あえてストーリーに触れることは避けます)事件の真相は?
どうリンクするの?この人はどうなっちゃうの?と、久しぶりに「ページを捲る手が止まらない」状態でした。
私にとっては「読ませる」本っていうのがとても貴重で、こういう本にはなかなか出会えません。

さて、本作ですが、読み終えた時点ではちょっとした残念感が拭えませんでした。
もう少しなんとかならなかったのかなと、読み手の勝手な感想を持ってしまいますね。
結末がどうでも、後味が悪くても、登場人物がみんな不幸に終わってもいいんです。
ただ、小説の入りである事件を、読者はどうしても追ってしまいます。
書き手の思惑が少し別次元にあるのは、本作の後半には見えてきますが、やはり別々の物語は「事件」という共通項はあるものの、
きちんとリンクして欲しかったし、せめて確固たる犯人の動機や背景は描いて欲しかった。
「ホクロ」「左利き」などのキーワードを登場させたのは、当然収束に向けての意思があったと思うのですが。
全部拾えきれなかったのかなあ、と思わざるを得ません。
もう少し分厚い本で構わないので、その部分は描ききって欲しかったですね。
と、吉田修一だからこそ思います。
怒り(下) (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 怒り(下) (中公文庫)より
4122062144