黒衣の女 ある亡霊の物語

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黒衣の女 ある亡霊の物語の評価:

4.04/5点 レビュー 27件。 C ランク

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平均点4.04pt

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全23件 21〜23 2/2ページ
No.3
(4pt)

巧みな構想に驚かされる英国流怪談の傑作

著名な英国の怪談。物語は主人公アーサーの若き弁護士時代の回想談の形式で語られる。その時のアーサーの仕事は、北部地方の河口付近の<うなぎ沼の館>に一人住まいをしていたドラブロウ夫人の葬儀出席と遺産整理。<うなぎ沼の館>は満潮時には海で村と隔離されていて、干潮時にだけ<九死人の土手道>を通って村と行き来できる。アーサーが村に着いた際、ドラブロウの名前を出すと、皆恐怖に慄いた様子で無視を決め込む。怪談らしい道具立てである。

そして葬儀の際、アーサーは「黒衣の女」を見るが、他の誰にも見えないらしい。アーサーは書類整理のため、一人<うなぎ沼の館>に向かうが、近くの墓地で「黒衣の女」を見かけ、女を亡霊だと確信する...。アーサーは<九死人の土手道>を通って村に戻ろうとするが、闇と濃霧のため迷いそうになり、しかも誰もいない筈なのに、子供の叫び声と馬車の音を聴く。悪夢の始まりである。幻視・幻聴と言った概念は語り手には一切ない。

館の魔力に取り憑かれたように、アーサーは犬のスパイダーと共に館を再訪する。そこで、60年前のドラブロウ夫人宛ての手紙を見て、かつての悲劇と亡霊の正体がほぼ明らかになる。が、作者は、開かずの子供部屋の揺り籠の音、潮騒に混じる馬車の音、沼地で溺れそうになるスパイダーの姿等を通して更に恐怖を煽る。そして、最後で明かされる悲劇の真相。館が持つ執念が分かるような因果譚。こんな意外な人物が悲劇に関係していようとは。そして、戦慄の結末。全てが計算されていたのだ。回想談だから仕方ないが、正直、私はアーサーが「怖い、怖い」、と連呼し過ぎて却って怪談の雰囲気を壊していると思ったが、結末を読むと巧みな構想に驚かされる。英国流怪談の傑作と言える。
黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV)より
4150412685
No.2
(5pt)

ウーマンインブラックの原作

20年位前に見た「ウーマンインブラック」を最近また見て来ました。
やっぱり面白いです。
舞台では二人の俳優によって演じられるという事を知りつつ読んでみると、
台詞選択・場面設定などの料理の仕方や、聞き覚えのある台詞が出た時の
懐かしさみたいなものを感じました。
筆者によって詳らかにされる風景描写と主人公の心理状態などは見事で、
特に未見の人でも楽しめる(背筋が寒くなれる)と思います。
舞台を見て読みたくなり、読んでまた舞台を見たくなるストーリーです。
黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV)より
4150412685
No.1
(5pt)

正攻法のホラー。

クリスマス・イヴの夜、家族で暖炉を囲みお互い怪談話を披露しあう場面から物語は幕を開けます。でも、主人公である『私』は、話を披露する事なくその場をあとにします。彼には、再婚した妻にも話していない恐ろしい過去があったのです。ほんとに本書はゴシックの正統な系譜に連なる丹精な恐怖小説です。血や内臓が飛び散る昨今のスプラッタにはない正攻法のホラーを堪能して下さい。驚きますよ。
黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV)より
4150412685