書楼弔堂 破暁
評判
書楼弔堂 破暁の評価:
4.19/5点 レビュー 48件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 21〜40 2/4ページ
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書楼弔堂 破暁の評価:
4.19/5点 レビュー 48件。 A ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
店主は元僧侶だという白装束の着物を着た物静かな男性。「本は墓のようなものであるから弔っています。それをお客様に買っていただいて生かしてもらうのがこの店の役目」だと述べます。
高遠が狂言回しの役になり、弔堂を通して歴史上でも知られた様々な人物と出会い、自分の人生を振り返ることになります。
登場するお客さんたちは、最後の浮世絵師月岡芳年、青年時代の泉鏡花、勝海舟と東洋大の創立者であり妖怪博士と呼ばれた井上圓了、ジョン萬次郎と土佐勤王党で人斬り以蔵として知られる岡田以蔵、日本の児童文学の父と言われた巖谷小波、そして最後の一編にはなつかしいあの人のご先祖らしき人が。
個人的には、泉鏡花、井上圓了、巖谷小波に興味があり、読後に調べてみましたがちゃんと実際の出来事に沿って書かれていることがわかり、彼らの人生の一時期を伝記のように知ることができました。
他のレビューアさんたちもおっしゃっているように、店主には京極堂と共通したものを感じます。が、京極堂がもっと癖が強く行動的でもあるのに対して、この店主は常に薄暗い書楼の帳場に座って淡々と客の要望する本を選び、意義を説くあたり、いかにも元僧侶という感じがします。
客が自然と自分の抱えている問題を吐露することになり、それが亭主の話によって自然に解けてゆくあたりは、京極堂の”憑物落とし”とも似ていますし、現代でいうカウンセリングの役割を果たしているように思えます。
ミステリ色はほとんどなく、天窓から入る光と蝋燭のともし火の中で、ゆったりと時間が流れていきます。
正直、最初は読んでいて眠くなりました(苦笑)。衒学的で理屈っぽいのは京極氏の小説に共通していますから、独特のこの雰囲気がしんどい人はダメだと思います。が、読んでいくうちにそのリズムがだんだんと気持ちよくなり、半ばあたりでは早く次が読みたくなっていました。
京極氏の小説にはめずらしく、お店でうなぎをうまそうに食べる場面があり、なんだか池波正太郎のような。また、猫が登場するので猫好きの方にもいいかも。
ガス燈が灯り、蒸気鉄道が走り、まだ緑深かった明治の東京がレトロでなつかしく風情があります。心安らぐ連作集です。