霧の国
評判
霧の国の評価:
4.40/5点 レビュー 5件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1〜5 1/1ページ
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霧の国の評価:
4.40/5点 レビュー 5件。 D ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
『失われた世界』でおなじみのエドワード・マローンと、チャレンジャー教授の娘イーニッド・チャレンジャーが、取材のために、二人して心霊教会へ出発しようとしているところから物語は始まります。ちなみに二人は恋人同士。
マローンもチャレンジャー教授も、相応に年を重ねています。かたや、教授の娘イーニッドは、お年頃です。なお、教授の妻はすでに他界しています。
さて、心霊教会についてはマローンは懐疑的であり、チャレンジャー教授にいたってはインチキ、イカサマと頭からバカにしている。しかし、その教授は妻を葬った(火葬にした)夜、不可解な体験をしているんです。
そして、そのことをマローンや娘イーニッドに話して聞かせる。
心霊教会でマローンとイーニッドは、さっそく不思議な体験をします。デッブス夫人の超能力!!
ここで、やはり『失われた世界』でおなじみのサマリー教授(すでに故人)が出てくる。
つづいて、ハマースミスの食料品商ボルソヴァー家での奇怪な出来事と、畳みかけるように不可解な話が語られる。
すなわち、"ちいさな子"(ボルソヴァー家特有の小娘先達(ガイドさん))および、第六天球層から来たという"高い霊(先達)"ルーク、さらにはレッド・クラウドと呼ばれるインディアン支配霊などなど。
最初は胡散臭いものを感じていたマローンとイーニッドは、それらの非常にリアリティーのある実話に、内心かなり動揺します。
その後、善良なロンドンの霊媒トム・リンデン氏の交霊会での体験により、マローンとイーニッドの心は、ますます霊の存在を信じるほうへと傾く。と言うのも、マローンはこの交霊会で、自分の死んだ母親に会うことができたのです。霊媒としての過度の集中で、リンデン氏自身は疲れ果ててしまいますが。
ところが、上記の交霊会の翌日、疲れ果てているリンデン氏の家に二人の悩める婦人がやってきて、亡くなった夫との交霊を希望します。過労のためか、リンデン氏はうまく交霊ができずに混乱してしまう。
実は二人は婦人警官であり、交霊会のインチキをあばこうとするスパイだったのです。
この女性スパイ二人によるリンデン氏の告発、裁判、リンデン氏の敗訴、逮捕、投獄と、事態は急に悪いほうへと向かいます。
ここで物語はかわって、マローンは、上司マッカドールから、これも『失われた世界』でなじみのロクストン卿に会いに行くように勧められます。
ロクストン卿は新たな冒険をもとめ、チャールズ・メイソン牧師とマローンを引き連れて、悪霊が住み着き奇怪な事件(自殺など)が頻発していたマジョレ壮にひと晩滞在し、悪霊の正体をつきとめようとします。
時あたかも真冬。この部分、全編中でも一番スリリングな冒険の場面です。ハラハラドキドキです。
深夜、予想通り悪霊が現れるが、そのパワーたるや凄まじく、ロクストン卿ら三人は、悪霊の力によって、マジョレ壮から叩き出されてしまう。
だが、メイソン牧師だけは勇敢にもマジョレ壮に戻り、みごと悪霊を説き伏せて無害化することに成功する。こうして一夜の大冒険が成功裏に終わる。
次には、前に善良な霊媒として登場したトム・リンデン家の怪事件がくる。この怪事件にも、われらがマローンとロクストン卿が一枚加わる。
ことの発端は、善良な霊媒トム・リンデンの不肖の弟サイラス・リンデンの悪事である。
元ボクサーのならず者サイラス・リンデンが、生活にいきづまって、偽霊媒になってひと儲けしようとたくらみ、兄の善人トム・リンデンの家にやってくる。しかし、けっきょくサイラスの悪行計画は、マローンとロクストン卿の実力行使によって阻止される。これも非常に面白い物語でした。
場面かわって、ヴィクトリア駅で赤帽(駅で乗客の手荷物を運ぶ雑役夫)をしているターベイン氏による、メイリー家での心霊現象。この部分で、霊媒が苦しそうに、「ホーキン! ホーキン!……」と、もがく場面は後半の伏線として重要。
ほかにも様々な死霊がターベイン氏をとおして召喚される。
章が改まって、前に出た悪党サイラス・リンデン(偽霊媒)の最後が語られる。サイラスとその妻は、二人の可愛い子供(10歳くらいの男の子と7〜8歳くらいの女の子)を虐待していたが、隣近所の忠告や、子供たちの今は亡き実の母親の出現などが相次ぐ。そして、それらの果てに、悪党サイラス・リンデンは、希望していた職にありつけず、酒を飲んだあげくに地下蔵に落下して死んでしまう。
いっぽう可哀そうな子供たちは、亡き母親の霊に導かれて、トム・リンデン夫人の家の戸をたたき、慈悲深いリンデン夫人に保護される。
これ以降も、さまざまな摩訶不思議な心霊現象、交霊のドラマが畳みかけるようにつづきます。
最後には、頑固なチャレンジャー教授を心霊の世界へと開眼させるべく、マローンとイーニッドが協力して画策する。
そこでは、デリシア嬢という女性が重要な役割を演じます。
ウルスラという年若い女性を霊媒として召喚されたフェルキン博士によって、チャレンジャー教授の愛弟子ロス・コットン博士が、重い病気(動脈硬化症)から奇跡的に回復。
さらにトム・リンデンを霊媒とする交霊において、チャレンジャー教授が過去に犯した医療ミスによる患者の死が、実はそうではなく病死であることを教えられるいたって、ついにチャレンジャー教授は、心霊現象を心から信じるにいたる。
一読、心霊小説としては出色の作品だと感じました。心霊現象に興味のある方にはお勧めです。