氷壁

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評判

氷壁の評価:

4.37/5点 レビュー 83件。 B ランク

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Amazonレビュー一覧

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全377件 161〜180 9/19ページ
No.217
(5pt)

徳澤園を舞台にした物語

この小説のことは徳沢園で知りました。
私が初めて徳澤園訪れた時、頭には『栄光の岸壁』の岳彦氏のことがありましたが、そこには「氷壁の宿 徳澤園」と、この小説を前面に出す表示がありました。
東京の雑踏を舞台に描かれる場面が圧倒的に多かったり、ナイロンザイルの問題点に触れていたりするのに比して山を舞台に描かれた紙面はそれほど多くないのかもしれません。
それでも読み終わった後の心の中に、徳澤園の林の中や梓川の上を駆け抜ける風の爽やかさが残るのが不思議です。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.216
(5pt)

死を賭してまで守るものは何かについて考えさせる小説

1957年に出版された長編小説。本文は609ページと長い印象だが、一つ一つの場面が短いので飽きずに数日で楽に読み終えることができる。1955年に起きたナイロンザイル切断事件が題材で、こちらは現在解決済みであるが事件の詳細を知ると小説の興味が失われるので実際の事件の顛末は読後に確かめることを薦める。また、舞台は穂高岳であり、山の写真などあると情景描写に共感が得られる利点はあるが、山の紹介文には本小説の結末が書かれてあったりするので注意が必要。登山家の魚津恭太が主人公で一緒に山に登った小坂乙彦のザイルが切れた原因と、小坂が片思いの人妻八代美那子に魚津も魅かれていくという二つのテーマがある。美那子の年長の夫、教之助は科学者で社長。ふたりが何故結婚するに至ったかは不明で、美奈子は夫に入れるコーヒーカップに凝ってみたり、お茶の入れ方を工夫したり、料理を気にかけたりと繊細なところをみせるのだが夫の仕事の理解はない。夫の美奈子に対する態度は女中か家政婦に近く、時に嫉妬をみせるものの、基本的には妻と離れたほうが落ち着くタイプ。解説にあるように美奈子は「都会の人工性につながれた存在p630」で、この夫婦が何故離婚せずにいるのか、特に魚津に魅かれる美奈子については疑問であるが、社長夫人という平安な「人生をおりた人=遁世p624」のような生活は、実際は人生と闘う必要がないので理想的かもしれない。ただ、これが魚津や小坂の命と秤にかけてでも守る生活なのかという点には美奈子の関心はない。魚津は、登山家としての小坂を信頼し、自分の信ずるところ(時に「神」という表現を用いる)を人が信じてくれずに苦悩する。そんな中で、小坂の妹、かおるだけは無条件に魚津を信じて愛するのだが、それに救われつつも、魚津の心は美奈子にある。魚津は自然を愛し自分の信じるところ、信じる道のために死を賭してまでに「反抗p624」していくところは魅力的であるが、小坂かおるを愛することが将来できるであろう想定のもとに結婚を考えるのは短絡的で、八代らと同様の愛のない結婚に至る可能性などは一顧にしない。人に惚れることは理屈ではいかないので、うまく事が運ばないということもあるが、本小説の恋愛感情は、外見に由来するものが殆どで、相手を人物としてその中身から愛しているのは、かおるのみ。本小説のように死が描かれるときに、自分の命を、一生を犠牲にしてまで守るに値するものは何かを、考えさせられる。本小説では、かおるの真実の愛と、魚津の自分の信じるもの(本当の自分自身=「神」)を貫く姿勢が、それに値するのではないか。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.215
(5pt)

死を賭してまで守るものは何かについて考えさせる小説

1957年に出版された長編小説。本文は609ページと長い印象だが、一つ一つの場面が短いので飽きずに数日で楽に読み終えることができる。1955年に起きたナイロンザイル切断事件が題材で、こちらは現在解決済みであるが事件の詳細を知ると小説の興味が失われるので実際の事件の顛末は読後に確かめることを薦める。また、舞台は穂高岳であり、山の写真などあると情景描写に共感が得られる利点はあるが、山の紹介文には本小説の結末が書かれてあったりするので注意が必要。登山家の魚津恭太が主人公で一緒に山に登った小坂乙彦のザイルが切れた原因と、小坂が片思いの人妻八代美那子に魚津も魅かれていくという二つのテーマがある。美那子の年長の夫、教之助は科学者で社長。ふたりが何故結婚するに至ったかは不明で、美奈子は夫に入れるコーヒーカップに凝ってみたり、お茶の入れ方を工夫したり、料理を気にかけたりと繊細なところをみせるのだが夫の仕事の理解はない。夫の美奈子に対する態度は女中か家政婦に近く、時に嫉妬をみせるものの、基本的には妻と離れたほうが落ち着くタイプ。解説にあるように美奈子は「都会の人工性につながれた存在p630」で、この夫婦が何故離婚せずにいるのか、特に魚津に魅かれる美奈子については疑問であるが、社長夫人という平安な「人生をおりた人=遁世p624」のような生活は、実際は人生と闘う必要がないので理想的かもしれない。ただ、これが魚津や小坂の命と秤にかけてでも守る生活なのかという点には美奈子の関心はない。魚津は、登山家としての小坂を信頼し、自分の信ずるところ(時に「神」という表現を用いる)を人が信じてくれずに苦悩する。そんな中で、小坂の妹、かおるだけは無条件に魚津を信じて愛するのだが、それに救われつつも、魚津の心は美奈子にある。魚津は自然を愛し自分の信じるところ、信じる道のために死を賭してまでに「反抗p624」していくところは魅力的であるが、小坂かおるを愛することが将来できるであろう想定のもとに結婚を考えるのは短絡的で、八代らと同様の愛のない結婚に至る可能性などは一顧にしない。人に惚れることは理屈ではいかないので、うまく事が運ばないということもあるが、本小説の恋愛感情は、外見に由来するものが殆どで、相手を人物としてその中身から愛しているのは、かおるのみ。本小説のように死が描かれるときに、自分の命を、一生を犠牲にしてまで守るに値するものは何かを、考えさせられる。本小説では、かおるの真実の愛と、魚津の自分の信じるもの(本当の自分自身=「神」)を貫く姿勢が、それに値するのではないか。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.214
(5pt)

死を賭してまで守るものは何かについて考えさせる小説

1957年に出版された長編小説。本文は609ページと長い印象だが、一つ一つの場面が短いので飽きずに数日で楽に読み終えることができる。1955年に起きたナイロンザイル切断事件が題材で、こちらは現在解決済みであるが事件の詳細を知ると小説の興味が失われるので実際の事件の顛末は読後に確かめることを薦める。また、舞台は穂高岳であり、山の写真などあると情景描写に共感が得られる利点はあるが、山の紹介文には本小説の結末が書かれてあったりするので注意が必要。登山家の魚津恭太が主人公で一緒に山に登った小坂乙彦のザイルが切れた原因と、小坂が片思いの人妻八代美那子に魚津も魅かれていくという二つのテーマがある。美那子の年長の夫、教之助は科学者で社長。ふたりが何故結婚するに至ったかは不明で、美奈子は夫に入れるコーヒーカップに凝ってみたり、お茶の入れ方を工夫したり、料理を気にかけたりと繊細なところをみせるのだが夫の仕事の理解はない。夫の美奈子に対する態度は女中か家政婦に近く、時に嫉妬をみせるものの、基本的には妻と離れたほうが落ち着くタイプ。解説にあるように美奈子は「都会の人工性につながれた存在p630」で、この夫婦が何故離婚せずにいるのか、特に魚津に魅かれる美奈子については疑問であるが、社長夫人という平安な「人生をおりた人=遁世p624」のような生活は、実際は人生と闘う必要がないので理想的かもしれない。ただ、これが魚津や小坂の命と秤にかけてでも守る生活なのかという点には美奈子の関心はない。魚津は、登山家としての小坂を信頼し、自分の信ずるところ(時に「神」という表現を用いる)を人が信じてくれずに苦悩する。そんな中で、小坂の妹、かおるだけは無条件に魚津を信じて愛するのだが、それに救われつつも、魚津の心は美奈子にある。魚津は自然を愛し自分の信じるところ、信じる道のために死を賭してまでに「反抗p624」していくところは魅力的であるが、小坂かおるを愛することが将来できるであろう想定のもとに結婚を考えるのは短絡的で、八代らと同様の愛のない結婚に至る可能性などは一顧にしない。人に惚れることは理屈ではいかないので、うまく事が運ばないということもあるが、本小説の恋愛感情は、外見に由来するものが殆どで、相手を人物としてその中身から愛しているのは、かおるのみ。本小説のように死が描かれるときに、自分の命を、一生を犠牲にしてまで守るに値するものは何かを、考えさせられる。本小説では、かおるの真実の愛と、魚津の自分の信じるもの(本当の自分自身=「神」)を貫く姿勢が、それに値するのではないか。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.213
(5pt)

死を賭してまで守るものは何かについて考えさせる小説

1957年に出版された長編小説。本文は609ページと長い印象だが、一つ一つの場面が短いので飽きずに数日で楽に読み終えることができる。1955年に起きたナイロンザイル切断事件が題材で、こちらは現在解決済みであるが事件の詳細を知ると小説の興味が失われるので実際の事件の顛末は読後に確かめることを薦める。また、舞台は穂高岳であり、山の写真などあると情景描写に共感が得られる利点はあるが、山の紹介文には本小説の結末が書かれてあったりするので注意が必要。登山家の魚津恭太が主人公で一緒に山に登った小坂乙彦のザイルが切れた原因と、小坂が片思いの人妻八代美那子に魚津も魅かれていくという二つのテーマがある。美那子の年長の夫、教之助は科学者で社長。ふたりが何故結婚するに至ったかは不明で、美奈子は夫に入れるコーヒーカップに凝ってみたり、お茶の入れ方を工夫したり、料理を気にかけたりと繊細なところをみせるのだが夫の仕事の理解はない。夫の美奈子に対する態度は女中か家政婦に近く、時に嫉妬をみせるものの、基本的には妻と離れたほうが落ち着くタイプ。解説にあるように美奈子は「都会の人工性につながれた存在p630」で、この夫婦が何故離婚せずにいるのか、特に魚津に魅かれる美奈子については疑問であるが、社長夫人という平安な「人生をおりた人=遁世p624」のような生活は、実際は人生と闘う必要がないので理想的かもしれない。ただ、これが魚津や小坂の命と秤にかけてでも守る生活なのかという点には美奈子の関心はない。魚津は、登山家としての小坂を信頼し、自分の信ずるところ(時に「神」という表現を用いる)を人が信じてくれずに苦悩する。そんな中で、小坂の妹、かおるだけは無条件に魚津を信じて愛するのだが、それに救われつつも、魚津の心は美奈子にある。魚津は自然を愛し自分の信じるところ、信じる道のために死を賭してまでに「反抗p624」していくところは魅力的であるが、小坂かおるを愛することが将来できるであろう想定のもとに結婚を考えるのは短絡的で、八代らと同様の愛のない結婚に至る可能性などは一顧にしない。人に惚れることは理屈ではいかないので、うまく事が運ばないということもあるが、本小説の恋愛感情は、外見に由来するものが殆どで、相手を人物としてその中身から愛しているのは、かおるのみ。本小説のように死が描かれるときに、自分の命を、一生を犠牲にしてまで守るに値するものは何かを、考えさせられる。本小説では、かおるの真実の愛と、魚津の自分の信じるもの(本当の自分自身=「神」)を貫く姿勢が、それに値するのではないか。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.212
(5pt)

死を賭してまで守るものは何かについて考えさせる小説

1957年に出版された長編小説。本文は609ページと長い印象だが、一つ一つの場面が短いので飽きずに数日で楽に読み終えることができる。1955年に起きたナイロンザイル切断事件が題材で、こちらは現在解決済みであるが事件の詳細を知ると小説の興味が失われるので実際の事件の顛末は読後に確かめることを薦める。また、舞台は穂高岳であり、山の写真などあると情景描写に共感が得られる利点はあるが、山の紹介文には本小説の結末が書かれてあったりするので注意が必要。登山家の魚津恭太が主人公で一緒に山に登った小坂乙彦のザイルが切れた原因と、小坂が片思いの人妻八代美那子に魚津も魅かれていくという二つのテーマがある。美那子の年長の夫、教之助は科学者で社長。ふたりが何故結婚するに至ったかは不明で、美奈子は夫に入れるコーヒーカップに凝ってみたり、お茶の入れ方を工夫したり、料理を気にかけたりと繊細なところをみせるのだが夫の仕事の理解はない。夫の美奈子に対する態度は女中か家政婦に近く、時に嫉妬をみせるものの、基本的には妻と離れたほうが落ち着くタイプ。解説にあるように美奈子は「都会の人工性につながれた存在p630」で、この夫婦が何故離婚せずにいるのか、特に魚津に魅かれる美奈子については疑問であるが、社長夫人という平安な「人生をおりた人=遁世p624」のような生活は、実際は人生と闘う必要がないので理想的かもしれない。ただ、これが魚津や小坂の命と秤にかけてでも守る生活なのかという点には美奈子の関心はない。魚津は、登山家としての小坂を信頼し、自分の信ずるところ(時に「神」という表現を用いる)を人が信じてくれずに苦悩する。そんな中で、小坂の妹、かおるだけは無条件に魚津を信じて愛するのだが、それに救われつつも、魚津の心は美奈子にある。魚津は自然を愛し自分の信じるところ、信じる道のために死を賭してまでに「反抗p624」していくところは魅力的であるが、小坂かおるを愛することが将来できるであろう想定のもとに結婚を考えるのは短絡的で、八代らと同様の愛のない結婚に至る可能性などは一顧にしない。人に惚れることは理屈ではいかないので、うまく事が運ばないということもあるが、本小説の恋愛感情は、外見に由来するものが殆どで、相手を人物としてその中身から愛しているのは、かおるのみ。本小説のように死が描かれるときに、自分の命を、一生を犠牲にしてまで守るに値するものは何かを、考えさせられる。本小説では、かおるの真実の愛と、魚津の自分の信じるもの(本当の自分自身=「神」)を貫く姿勢が、それに値するのではないか。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.211
(4pt)

登山家の主人公の「思い」と事件に対する世間の受け止め方のずれの描写が秀逸

「ハーネスは切れたのか切られたのか」で有名な本書。
登山家である主人公は、親友登山家の死にふさいでいるさなかに、社会の興味はハーネスの性能に集まります。

主人公としては「いやそんなことはどうでもよくて、親友である優秀な登山家が遭難したことを悼みたい」と感じつつ、社会のワイドショー的な興味にそそのかされながら、戸惑いつつも実験を受け入れる主人公。かたや、その主人公を取り巻く環境がなんとも言えないドラマ性にあふれます。勤務先のスポンサーの一つがハーネスメーカーであったり、そうでありながら暖かく主人公を信じてくれる上司がいたり、遭難した親友が心寄せていた女性が、実は主人公自身に思いを寄せていたり。

そのような登場人物がそろったところで行われるハーネス実験。結果は結果として出ますが、一方ですでに社会の興味は失われているという切なさ。ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.210
(4pt)

登山家の主人公の「思い」と事件に対する世間の受け止め方のずれの描写が秀逸

「ハーネスは切れたのか切られたのか」で有名な本書。
登山家である主人公は、親友登山家の死にふさいでいるさなかに、社会の興味はハーネスの性能に集まります。

主人公としては「いやそんなことはどうでもよくて、親友である優秀な登山家が遭難したことを悼みたい」と感じつつ、社会のワイドショー的な興味にそそのかされながら、戸惑いつつも実験を受け入れる主人公。かたや、その主人公を取り巻く環境がなんとも言えないドラマ性にあふれます。勤務先のスポンサーの一つがハーネスメーカーであったり、そうでありながら暖かく主人公を信じてくれる上司がいたり、遭難した親友が心寄せていた女性が、実は主人公自身に思いを寄せていたり。

そのような登場人物がそろったところで行われるハーネス実験。結果は結果として出ますが、一方ですでに社会の興味は失われているという切なさ。ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.209
(4pt)

登山家の主人公の「思い」と事件に対する世間の受け止め方のずれの描写が秀逸

「ハーネスは切れたのか切られたのか」で有名な本書。
登山家である主人公は、親友登山家の死にふさいでいるさなかに、社会の興味はハーネスの性能に集まります。

主人公としては「いやそんなことはどうでもよくて、親友である優秀な登山家が遭難したことを悼みたい」と感じつつ、社会のワイドショー的な興味にそそのかされながら、戸惑いつつも実験を受け入れる主人公。かたや、その主人公を取り巻く環境がなんとも言えないドラマ性にあふれます。勤務先のスポンサーの一つがハーネスメーカーであったり、そうでありながら暖かく主人公を信じてくれる上司がいたり、遭難した親友が心寄せていた女性が、実は主人公自身に思いを寄せていたり。

そのような登場人物がそろったところで行われるハーネス実験。結果は結果として出ますが、一方ですでに社会の興味は失われているという切なさ。ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.208
(4pt)

登山家の主人公の「思い」と事件に対する世間の受け止め方のずれの描写が秀逸

「ハーネスは切れたのか切られたのか」で有名な本書。
登山家である主人公は、親友登山家の死にふさいでいるさなかに、社会の興味はハーネスの性能に集まります。

主人公としては「いやそんなことはどうでもよくて、親友である優秀な登山家が遭難したことを悼みたい」と感じつつ、社会のワイドショー的な興味にそそのかされながら、戸惑いつつも実験を受け入れる主人公。かたや、その主人公を取り巻く環境がなんとも言えないドラマ性にあふれます。勤務先のスポンサーの一つがハーネスメーカーであったり、そうでありながら暖かく主人公を信じてくれる上司がいたり、遭難した親友が心寄せていた女性が、実は主人公自身に思いを寄せていたり。

そのような登場人物がそろったところで行われるハーネス実験。結果は結果として出ますが、一方ですでに社会の興味は失われているという切なさ。ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.207
(4pt)

登山家の主人公の「思い」と事件に対する世間の受け止め方のずれの描写が秀逸

「ハーネスは切れたのか切られたのか」で有名な本書。
登山家である主人公は、親友登山家の死にふさいでいるさなかに、社会の興味はハーネスの性能に集まります。

主人公としては「いやそんなことはどうでもよくて、親友である優秀な登山家が遭難したことを悼みたい」と感じつつ、社会のワイドショー的な興味にそそのかされながら、戸惑いつつも実験を受け入れる主人公。かたや、その主人公を取り巻く環境がなんとも言えないドラマ性にあふれます。勤務先のスポンサーの一つがハーネスメーカーであったり、そうでありながら暖かく主人公を信じてくれる上司がいたり、遭難した親友が心寄せていた女性が、実は主人公自身に思いを寄せていたり。

そのような登場人物がそろったところで行われるハーネス実験。結果は結果として出ますが、一方ですでに社会の興味は失われているという切なさ。ピュアに山に生きたい主人公と社会とのズレが、「主人公不在な小説」としてここに投影されているようです。5つ星ではない理由は、中盤でハーネス事件を引っ張りすぎてやや中だるみな点だけです。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.206
(4pt)

私も常盤支社長推し!

井上靖の文章はとても整然と美しく読みやすい。物語も最後まで面白く読めましたが、いざ感想となると上手くまとまりません。ですので、以下、思い付いたままを箇条書きにします。参考にならないかもしれませんが悪しからず。ネタバレ注意。

○ナイロンザイルの切れた理由が不明なまま終わってしまったことが、ちょっとモヤモヤします。逆に理由を特定しなかったから、結果的に深みのある物語になったような気もしますが。
実際の事故を題材に執筆した作品なので、断定的なことが書けなかったのでしょうね。

○自殺か事故死か判然としない男。女に執着するのがちょっと怖い感じ。煮え切らない女の方が悪いのか。もっとも女はきっぱりお断りしているつもりのようですが。

○女性2人のキャラクターはユニークで、女性って案外とこういう言動で男を迷わせそう。とは言っても、男性作家の書く女の心理描写には限界があるのか、やや平板な印象も受けました。

○主人公の性格や苦悩はよく書かれてると思います。山好きな男の孤高な雰囲気が良いです。

○他のレビューにもありますが、常盤支社長の存在感が素晴らしい。登場人物でひときわ鮮やかな印象が残りますね。

○昭和30年代前半の東京の描写がとても良いです。新宿駅や銀座など、当時の雰囲気が香ってくるようです。お酒や食事の場面も濃厚(?)で、素敵です。また、酒田市の描写も地味ながら心に残ります。
登山の小説ですが東京や酒田が生き生きとしてます。

○もちろん穂高の描写も凛と清々しくて良かったですよ。

自分的にはこの小説に感じた微妙な違和感(うまく説明できない)については、それは60年前という時代背景から来る部分もあるように思われます。
それが故に★5をつけるのにためらわれ、でも物語そのものは堪能できましたので、4以上5以下というつもりで★4とさせていただきました。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.205
(4pt)

私も常盤支社長推し!

井上靖の文章はとても整然と美しく読みやすい。物語も最後まで面白く読めましたが、いざ感想となると上手くまとまりません。ですので、以下、思い付いたままを箇条書きにします。参考にならないかもしれませんが悪しからず。ネタバレ注意。

○ナイロンザイルの切れた理由が不明なまま終わってしまったことが、ちょっとモヤモヤします。逆に理由を特定しなかったから、結果的に深みのある物語になったような気もしますが。
実際の事故を題材に執筆した作品なので、断定的なことが書けなかったのでしょうね。

○自殺か事故死か判然としない男。女に執着するのがちょっと怖い感じ。煮え切らない女の方が悪いのか。もっとも女はきっぱりお断りしているつもりのようですが。

○女性2人のキャラクターはユニークで、女性って案外とこういう言動で男を迷わせそう。とは言っても、男性作家の書く女の心理描写には限界があるのか、やや平板な印象も受けました。

○主人公の性格や苦悩はよく書かれてると思います。山好きな男の孤高な雰囲気が良いです。

○他のレビューにもありますが、常盤支社長の存在感が素晴らしい。登場人物でひときわ鮮やかな印象が残りますね。

○昭和30年代前半の東京の描写がとても良いです。新宿駅や銀座など、当時の雰囲気が香ってくるようです。お酒や食事の場面も濃厚(?)で、素敵です。また、酒田市の描写も地味ながら心に残ります。
登山の小説ですが東京や酒田が生き生きとしてます。

○もちろん穂高の描写も凛と清々しくて良かったですよ。

自分的にはこの小説に感じた微妙な違和感(うまく説明できない)については、それは60年前という時代背景から来る部分もあるように思われます。
それが故に★5をつけるのにためらわれ、でも物語そのものは堪能できましたので、4以上5以下というつもりで★4とさせていただきました。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.204
(4pt)

私も常盤支社長推し!

井上靖の文章はとても整然と美しく読みやすい。物語も最後まで面白く読めましたが、いざ感想となると上手くまとまりません。ですので、以下、思い付いたままを箇条書きにします。参考にならないかもしれませんが悪しからず。ネタバレ注意。

○ナイロンザイルの切れた理由が不明なまま終わってしまったことが、ちょっとモヤモヤします。逆に理由を特定しなかったから、結果的に深みのある物語になったような気もしますが。
実際の事故を題材に執筆した作品なので、断定的なことが書けなかったのでしょうね。

○自殺か事故死か判然としない男。女に執着するのがちょっと怖い感じ。煮え切らない女の方が悪いのか。もっとも女はきっぱりお断りしているつもりのようですが。

○女性2人のキャラクターはユニークで、女性って案外とこういう言動で男を迷わせそう。とは言っても、男性作家の書く女の心理描写には限界があるのか、やや平板な印象も受けました。

○主人公の性格や苦悩はよく書かれてると思います。山好きな男の孤高な雰囲気が良いです。

○他のレビューにもありますが、常盤支社長の存在感が素晴らしい。登場人物でひときわ鮮やかな印象が残りますね。

○昭和30年代前半の東京の描写がとても良いです。新宿駅や銀座など、当時の雰囲気が香ってくるようです。お酒や食事の場面も濃厚(?)で、素敵です。また、酒田市の描写も地味ながら心に残ります。
登山の小説ですが東京や酒田が生き生きとしてます。

○もちろん穂高の描写も凛と清々しくて良かったですよ。

自分的にはこの小説に感じた微妙な違和感(うまく説明できない)については、それは60年前という時代背景から来る部分もあるように思われます。
それが故に★5をつけるのにためらわれ、でも物語そのものは堪能できましたので、4以上5以下というつもりで★4とさせていただきました。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.203
(4pt)

私も常盤支社長推し!

井上靖の文章はとても整然と美しく読みやすい。物語も最後まで面白く読めましたが、いざ感想となると上手くまとまりません。ですので、以下、思い付いたままを箇条書きにします。参考にならないかもしれませんが悪しからず。ネタバレ注意。

○ナイロンザイルの切れた理由が不明なまま終わってしまったことが、ちょっとモヤモヤします。逆に理由を特定しなかったから、結果的に深みのある物語になったような気もしますが。
実際の事故を題材に執筆した作品なので、断定的なことが書けなかったのでしょうね。

○自殺か事故死か判然としない男。女に執着するのがちょっと怖い感じ。煮え切らない女の方が悪いのか。もっとも女はきっぱりお断りしているつもりのようですが。

○女性2人のキャラクターはユニークで、女性って案外とこういう言動で男を迷わせそう。とは言っても、男性作家の書く女の心理描写には限界があるのか、やや平板な印象も受けました。

○主人公の性格や苦悩はよく書かれてると思います。山好きな男の孤高な雰囲気が良いです。

○他のレビューにもありますが、常盤支社長の存在感が素晴らしい。登場人物でひときわ鮮やかな印象が残りますね。

○昭和30年代前半の東京の描写がとても良いです。新宿駅や銀座など、当時の雰囲気が香ってくるようです。お酒や食事の場面も濃厚(?)で、素敵です。また、酒田市の描写も地味ながら心に残ります。
登山の小説ですが東京や酒田が生き生きとしてます。

○もちろん穂高の描写も凛と清々しくて良かったですよ。

自分的にはこの小説に感じた微妙な違和感(うまく説明できない)については、それは60年前という時代背景から来る部分もあるように思われます。
それが故に★5をつけるのにためらわれ、でも物語そのものは堪能できましたので、4以上5以下というつもりで★4とさせていただきました。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.202
(4pt)

私も常盤支社長推し!

井上靖の文章はとても整然と美しく読みやすい。物語も最後まで面白く読めましたが、いざ感想となると上手くまとまりません。ですので、以下、思い付いたままを箇条書きにします。参考にならないかもしれませんが悪しからず。ネタバレ注意。

○ナイロンザイルの切れた理由が不明なまま終わってしまったことが、ちょっとモヤモヤします。逆に理由を特定しなかったから、結果的に深みのある物語になったような気もしますが。
実際の事故を題材に執筆した作品なので、断定的なことが書けなかったのでしょうね。

○自殺か事故死か判然としない男。女に執着するのがちょっと怖い感じ。煮え切らない女の方が悪いのか。もっとも女はきっぱりお断りしているつもりのようですが。

○女性2人のキャラクターはユニークで、女性って案外とこういう言動で男を迷わせそう。とは言っても、男性作家の書く女の心理描写には限界があるのか、やや平板な印象も受けました。

○主人公の性格や苦悩はよく書かれてると思います。山好きな男の孤高な雰囲気が良いです。

○他のレビューにもありますが、常盤支社長の存在感が素晴らしい。登場人物でひときわ鮮やかな印象が残りますね。

○昭和30年代前半の東京の描写がとても良いです。新宿駅や銀座など、当時の雰囲気が香ってくるようです。お酒や食事の場面も濃厚(?)で、素敵です。また、酒田市の描写も地味ながら心に残ります。
登山の小説ですが東京や酒田が生き生きとしてます。

○もちろん穂高の描写も凛と清々しくて良かったですよ。

自分的にはこの小説に感じた微妙な違和感(うまく説明できない)については、それは60年前という時代背景から来る部分もあるように思われます。
それが故に★5をつけるのにためらわれ、でも物語そのものは堪能できましたので、4以上5以下というつもりで★4とさせていただきました。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.201
(4pt)

氷壁

この小説が書かれた
時代背景は60年も前のことです。

 私は登山も趣味とし、アイゼンをつけて
冬山も登ります(1300m低山レベル)。
 携帯アイホンもなく、ネットでリアルタイムの
天気も見れない時代の、冬の北アルプス
氷壁を攻めるとは、当時としてはまさに自殺行為?

しかし恋愛&社会問題&山岳小説として
今の時代でも十分楽しめました。
 ただ中盤のザイルうんぬんの件が
だらだらと続くはなしや
 人妻の恋愛心理の描写にかんしては
少々しつこすぎる気がしました。
が、良作です。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.200
(4pt)

氷壁

この小説が書かれた
時代背景は60年も前のことです。

 私は登山も趣味とし、アイゼンをつけて
冬山も登ります(1300m低山レベル)。
 携帯アイホンもなく、ネットでリアルタイムの
天気も見れない時代の、冬の北アルプス
氷壁を攻めるとは、当時としてはまさに自殺行為?

しかし恋愛&社会問題&山岳小説として
今の時代でも十分楽しめました。
 ただ中盤のザイルうんぬんの件が
だらだらと続くはなしや
 人妻の恋愛心理の描写にかんしては
少々しつこすぎる気がしました。
が、良作です。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.199
(4pt)

氷壁

この小説が書かれた
時代背景は60年も前のことです。

 私は登山も趣味とし、アイゼンをつけて
冬山も登ります(1300m低山レベル)。
 携帯アイホンもなく、ネットでリアルタイムの
天気も見れない時代の、冬の北アルプス
氷壁を攻めるとは、当時としてはまさに自殺行為?

しかし恋愛&社会問題&山岳小説として
今の時代でも十分楽しめました。
 ただ中盤のザイルうんぬんの件が
だらだらと続くはなしや
 人妻の恋愛心理の描写にかんしては
少々しつこすぎる気がしました。
が、良作です。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.198
(4pt)

氷壁

この小説が書かれた
時代背景は60年も前のことです。

 私は登山も趣味とし、アイゼンをつけて
冬山も登ります(1300m低山レベル)。
 携帯アイホンもなく、ネットでリアルタイムの
天気も見れない時代の、冬の北アルプス
氷壁を攻めるとは、当時としてはまさに自殺行為?

しかし恋愛&社会問題&山岳小説として
今の時代でも十分楽しめました。
 ただ中盤のザイルうんぬんの件が
だらだらと続くはなしや
 人妻の恋愛心理の描写にかんしては
少々しつこすぎる気がしました。
が、良作です。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6