氷壁

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評判

氷壁の評価:

4.37/5点 レビュー 83件。 B ランク

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平均点4.37pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全377件 341〜360 18/19ページ
No.37
(5pt)

小説とドラマの違い

テレビドラマに惹かれて原作を読んだが、ドラマの方が娯楽性が強く面白いと思った。

まず、主人公魚津恭太(TV=奥寺)の親友の小坂乙彦(TV=北沢)の登攀途中の滑落死については、ドラマではカラビナの故障、小説では使用したザイルが突然切れた事によるもので大した違いはない。しかしその後、ドラマでは事故の真相をめぐり製造元の佐倉製鋼を絡めた法廷論争に展開するのに対して、小説はザイルの耐久不良を匂わせる程度。親友の死を無駄にしないため、事故の真相を解明しナイロンザイルの特性を理解しようとする魚津の姿勢は立派だと思うが、世間の人は大方無関心だったのである。なぜなら、登山家は人口のごく一部に過ぎないからだ。しかしだからといって、ザイルは決して切れないと言い切る佐倉製鋼の傲慢さも許せない。それは両者共通だが、問題は、小説には真実を捻じ曲げようと暗躍する人物が登場しない事である。物言わぬ大企業も確かに不気味だが、これでは不善な企業に警鐘を鳴らしているとは言い難い。

 一方、二人の男をたぶらかす八代美那子は悪女だと思うが、魚津と奥寺ではその対応が異なる。何処までも硬派な魚津は八代美那子を忘れ、小坂の妹かおると結婚を誓い合うが、奥寺は情熱に身を任せ、結果的に夫哲夫の手から美那子を奪ってしまう。なるほど、理性より、友情より、愛情である。ストーリーはこの方が面白い。

 結局の所、著者は一登山家の姿を描いていた。山を心から愛し、義理人情に厚い男のそれだ。そんな心情を察すると、美那子を忘れる為に一人単独で穂高に登ろうとする魚津の悲愴感が痛いほど胸に伝わってくる。魚津はこの登攀で命を落とすが、自分の趣味に命を捧げたのだからなんて幸せなのだと言いたい。童謡に『山男の歌』という曲があるが、魚津はその例にピッタリ合致する。冒頭でドラマに一票投じたが、お互い視点が違う。甲乙つけがたい傑作と言うのが本音だ。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.36
(5pt)

小説とドラマの違い

テレビドラマに惹かれて原作を読んだが、ドラマの方が娯楽性が強く面白いと思った。

まず、主人公魚津恭太(TV=奥寺)の親友の小坂乙彦(TV=北沢)の登攀途中の滑落死については、ドラマではカラビナの故障、小説では使用したザイルが突然切れた事によるもので大した違いはない。しかしその後、ドラマでは事故の真相をめぐり製造元の佐倉製鋼を絡めた法廷論争に展開するのに対して、小説はザイルの耐久不良を匂わせる程度。親友の死を無駄にしないため、事故の真相を解明しナイロンザイルの特性を理解しようとする魚津の姿勢は立派だと思うが、世間の人は大方無関心だったのである。なぜなら、登山家は人口のごく一部に過ぎないからだ。しかしだからといって、ザイルは決して切れないと言い切る佐倉製鋼の傲慢さも許せない。それは両者共通だが、問題は、小説には真実を捻じ曲げようと暗躍する人物が登場しない事である。物言わぬ大企業も確かに不気味だが、これでは不善な企業に警鐘を鳴らしているとは言い難い。

 一方、二人の男をたぶらかす八代美那子は悪女だと思うが、魚津と奥寺ではその対応が異なる。何処までも硬派な魚津は八代美那子を忘れ、小坂の妹かおると結婚を誓い合うが、奥寺は情熱に身を任せ、結果的に夫哲夫の手から美那子を奪ってしまう。なるほど、理性より、友情より、愛情である。ストーリーはこの方が面白い。

 結局の所、著者は一登山家の姿を描いていた。山を心から愛し、義理人情に厚い男のそれだ。そんな心情を察すると、美那子を忘れる為に一人単独で穂高に登ろうとする魚津の悲愴感が痛いほど胸に伝わってくる。魚津はこの登攀で命を落とすが、自分の趣味に命を捧げたのだからなんて幸せなのだと言いたい。童謡に『山男の歌』という曲があるが、魚津はその例にピッタリ合致する。冒頭でドラマに一票投じたが、お互い視点が違う。甲乙つけがたい傑作と言うのが本音だ。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.35
(5pt)

ドラマになってなければ読まなかった作品

久しぶりに美しい日本語を読んだ気がします。井上靖というと、わたしの中では『しろばんば』『敦煌』というイメージしかなかったので、この内容は意外でした。かおるの描写の美しいことといったらありません。対する美那子の若さを抑えようと苦労している中にもにじみ出てくる怪しさが女豹という言葉で表されていたり(これは現代としてはちょっと古いかな)、海面がぶさぶさと波立つなどとおもしろい表現も。

読み終わったあとに、これが昭和32年に出版されたものだと知って驚きました。確かに妻を呼ぶときにに手をたたいて呼ぶなんて、古風な描写もありますが、そんなことは気にならず人物は生き生きとしています。

何十年も前に出版された小説を読む気にさせたのは、TVドラマ化されたのを知ったからです。

ドラマ自体は見ていませんが、この小説だけでなく、原作に触れる機会を作ってくれるドラマ化は、わたしにとってはありがたいです。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.34
(5pt)

ドラマになってなければ読まなかった作品

久しぶりに美しい日本語を読んだ気がします。井上靖というと、わたしの中では『しろばんば』『敦煌』というイメージしかなかったので、この内容は意外でした。かおるの描写の美しいことといったらありません。対する美那子の若さを抑えようと苦労している中にもにじみ出てくる怪しさが女豹という言葉で表されていたり(これは現代としてはちょっと古いかな)、海面がぶさぶさと波立つなどとおもしろい表現も。

読み終わったあとに、これが昭和32年に出版されたものだと知って驚きました。確かに妻を呼ぶときにに手をたたいて呼ぶなんて、古風な描写もありますが、そんなことは気にならず人物は生き生きとしています。

何十年も前に出版された小説を読む気にさせたのは、TVドラマ化されたのを知ったからです。

ドラマ自体は見ていませんが、この小説だけでなく、原作に触れる機会を作ってくれるドラマ化は、わたしにとってはありがたいです。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.33
(5pt)

ドラマになってなければ読まなかった作品

久しぶりに美しい日本語を読んだ気がします。井上靖というと、わたしの中では『しろばんば』『敦煌』というイメージしかなかったので、この内容は意外でした。かおるの描写の美しいことといったらありません。対する美那子の若さを抑えようと苦労している中にもにじみ出てくる怪しさが女豹という言葉で表されていたり(これは現代としてはちょっと古いかな)、海面がぶさぶさと波立つなどとおもしろい表現も。

読み終わったあとに、これが昭和32年に出版されたものだと知って驚きました。確かに妻を呼ぶときにに手をたたいて呼ぶなんて、古風な描写もありますが、そんなことは気にならず人物は生き生きとしています。

何十年も前に出版された小説を読む気にさせたのは、TVドラマ化されたのを知ったからです。

ドラマ自体は見ていませんが、この小説だけでなく、原作に触れる機会を作ってくれるドラマ化は、わたしにとってはありがたいです。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.32
(5pt)

ドラマになってなければ読まなかった作品

久しぶりに美しい日本語を読んだ気がします。井上靖というと、わたしの中では『しろばんば』『敦煌』というイメージしかなかったので、この内容は意外でした。かおるの描写の美しいことといったらありません。対する美那子の若さを抑えようと苦労している中にもにじみ出てくる怪しさが女豹という言葉で表されていたり(これは現代としてはちょっと古いかな)、海面がぶさぶさと波立つなどとおもしろい表現も。

読み終わったあとに、これが昭和32年に出版されたものだと知って驚きました。確かに妻を呼ぶときにに手をたたいて呼ぶなんて、古風な描写もありますが、そんなことは気にならず人物は生き生きとしています。

何十年も前に出版された小説を読む気にさせたのは、TVドラマ化されたのを知ったからです。

ドラマ自体は見ていませんが、この小説だけでなく、原作に触れる機会を作ってくれるドラマ化は、わたしにとってはありがたいです。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.31
(5pt)

ドラマになってなければ読まなかった作品

久しぶりに美しい日本語を読んだ気がします。井上靖というと、わたしの中では『しろばんば』『敦煌』というイメージしかなかったので、この内容は意外でした。かおるの描写の美しいことといったらありません。対する美那子の若さを抑えようと苦労している中にもにじみ出てくる怪しさが女豹という言葉で表されていたり(これは現代としてはちょっと古いかな)、海面がぶさぶさと波立つなどとおもしろい表現も。

読み終わったあとに、これが昭和32年に出版されたものだと知って驚きました。確かに妻を呼ぶときにに手をたたいて呼ぶなんて、古風な描写もありますが、そんなことは気にならず人物は生き生きとしています。

何十年も前に出版された小説を読む気にさせたのは、TVドラマ化されたのを知ったからです。

ドラマ自体は見ていませんが、この小説だけでなく、原作に触れる機会を作ってくれるドラマ化は、わたしにとってはありがたいです。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.30
(5pt)

山と井上靖の文章の魅力

淡々とした物語の進行がいい。山から下りてくると、人と話をしたくなる。そして、都市生活の雑多な毎日に飽きてくる(或いは疲れてくる)と、また山へ行きたくなる。主人公は登山家とはいえ、スポンサーがついているわけではない。金を工面する為に給料を前借りし、登山の時間をつくるために周囲を気にしながらも休日取得を会社に申告する。そこには一人のサラリーマンの姿がある。難関ルートを一緒に踏破しようとしていた友人は、山を下りてみれば、女性に翻弄されている普通の男の面をもっていた。更に、登山用品としてのザイル、一癖ありながらも理解のある上司、実験結果重視の技術者など物語はいくつかのポイントを織り交ぜながら進み、最後はまた山へ。

 読んでいる途中で何度も行きたいと思った。穂高へ、新宿駅へ。静かにそんな気持ちにさせてくれる一冊。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.29
(5pt)

山と井上靖の文章の魅力

淡々とした物語の進行がいい。山から下りてくると、人と話をしたくなる。そして、都市生活の雑多な毎日に飽きてくる(或いは疲れてくる)と、また山へ行きたくなる。主人公は登山家とはいえ、スポンサーがついているわけではない。金を工面する為に給料を前借りし、登山の時間をつくるために周囲を気にしながらも休日取得を会社に申告する。そこには一人のサラリーマンの姿がある。難関ルートを一緒に踏破しようとしていた友人は、山を下りてみれば、女性に翻弄されている普通の男の面をもっていた。更に、登山用品としてのザイル、一癖ありながらも理解のある上司、実験結果重視の技術者など物語はいくつかのポイントを織り交ぜながら進み、最後はまた山へ。

 読んでいる途中で何度も行きたいと思った。穂高へ、新宿駅へ。静かにそんな気持ちにさせてくれる一冊。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.28
(5pt)

山と井上靖の文章の魅力

淡々とした物語の進行がいい。山から下りてくると、人と話をしたくなる。そして、都市生活の雑多な毎日に飽きてくる(或いは疲れてくる)と、また山へ行きたくなる。主人公は登山家とはいえ、スポンサーがついているわけではない。金を工面する為に給料を前借りし、登山の時間をつくるために周囲を気にしながらも休日取得を会社に申告する。そこには一人のサラリーマンの姿がある。難関ルートを一緒に踏破しようとしていた友人は、山を下りてみれば、女性に翻弄されている普通の男の面をもっていた。更に、登山用品としてのザイル、一癖ありながらも理解のある上司、実験結果重視の技術者など物語はいくつかのポイントを織り交ぜながら進み、最後はまた山へ。

 読んでいる途中で何度も行きたいと思った。穂高へ、新宿駅へ。静かにそんな気持ちにさせてくれる一冊。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.27
(5pt)

山と井上靖の文章の魅力

淡々とした物語の進行がいい。山から下りてくると、人と話をしたくなる。そして、都市生活の雑多な毎日に飽きてくる(或いは疲れてくる)と、また山へ行きたくなる。主人公は登山家とはいえ、スポンサーがついているわけではない。金を工面する為に給料を前借りし、登山の時間をつくるために周囲を気にしながらも休日取得を会社に申告する。そこには一人のサラリーマンの姿がある。難関ルートを一緒に踏破しようとしていた友人は、山を下りてみれば、女性に翻弄されている普通の男の面をもっていた。更に、登山用品としてのザイル、一癖ありながらも理解のある上司、実験結果重視の技術者など物語はいくつかのポイントを織り交ぜながら進み、最後はまた山へ。

 読んでいる途中で何度も行きたいと思った。穂高へ、新宿駅へ。静かにそんな気持ちにさせてくれる一冊。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.26
(5pt)

山と井上靖の文章の魅力

淡々とした物語の進行がいい。山から下りてくると、人と話をしたくなる。そして、都市生活の雑多な毎日に飽きてくる(或いは疲れてくる)と、また山へ行きたくなる。主人公は登山家とはいえ、スポンサーがついているわけではない。金を工面する為に給料を前借りし、登山の時間をつくるために周囲を気にしながらも休日取得を会社に申告する。そこには一人のサラリーマンの姿がある。難関ルートを一緒に踏破しようとしていた友人は、山を下りてみれば、女性に翻弄されている普通の男の面をもっていた。更に、登山用品としてのザイル、一癖ありながらも理解のある上司、実験結果重視の技術者など物語はいくつかのポイントを織り交ぜながら進み、最後はまた山へ。

 読んでいる途中で何度も行きたいと思った。穂高へ、新宿駅へ。静かにそんな気持ちにさせてくれる一冊。
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.25
(4pt)

強い人など、いないのだ

人はなぜ山に登るのか。

アルピニスト野口健氏は、「地上に帰ってきてすぐは “もういい!”と思う

のに、しばらくすると山に帰りたくなる」と何かで語っていた。

会社の上司、常磐になぜ登るのかと問われたとき、主人公の魚津は

山の魅力を彼なりの言葉で説明しようとした。

続いて常磐が、登っているときに、人はそこで賭けをするものなのかと

問うたとき、賭けはしない。無理だと思ったら引き返すのがするべきことだ、

と魚津はいった。

山とは、そこで自分の力を誇示する場所ではないのだろう。

どんなにがんばったところで、見ているのは神のみ。

ところが、その山に、ある女性を連れて行ってみたいという気持ちが

魚津と、そして切れるはずのないザイルが切れて落ちていった小坂の

胸にわき上がったとき、いつもと同じはずの登山が

何か違う目的のものに姿をかえてしまった。

登ることが目的だったのに、戻って誰かに逢うことが目的のようになったのは

決して責めることではないが、魚津と小坂の「山」で結ばれた絆が

こうも簡単に、ひとりの女性の存在で崩れてしまうとは。

もろい、と言っては言い過ぎだろうか。

しかし、人は、弱いのだ、という事実を突きつけられるような結末に心が痛んだ
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.24
(4pt)

強い人など、いないのだ

人はなぜ山に登るのか。

アルピニスト野口健氏は、「地上に帰ってきてすぐは “もういい!”と思う

のに、しばらくすると山に帰りたくなる」と何かで語っていた。

会社の上司、常磐になぜ登るのかと問われたとき、主人公の魚津は

山の魅力を彼なりの言葉で説明しようとした。

続いて常磐が、登っているときに、人はそこで賭けをするものなのかと

問うたとき、賭けはしない。無理だと思ったら引き返すのがするべきことだ、

と魚津はいった。

山とは、そこで自分の力を誇示する場所ではないのだろう。

どんなにがんばったところで、見ているのは神のみ。

ところが、その山に、ある女性を連れて行ってみたいという気持ちが

魚津と、そして切れるはずのないザイルが切れて落ちていった小坂の

胸にわき上がったとき、いつもと同じはずの登山が

何か違う目的のものに姿をかえてしまった。

登ることが目的だったのに、戻って誰かに逢うことが目的のようになったのは

決して責めることではないが、魚津と小坂の「山」で結ばれた絆が

こうも簡単に、ひとりの女性の存在で崩れてしまうとは。

もろい、と言っては言い過ぎだろうか。

しかし、人は、弱いのだ、という事実を突きつけられるような結末に心が痛んだ
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.23
(4pt)

強い人など、いないのだ

人はなぜ山に登るのか。

アルピニスト野口健氏は、「地上に帰ってきてすぐは “もういい!”と思う

のに、しばらくすると山に帰りたくなる」と何かで語っていた。

会社の上司、常磐になぜ登るのかと問われたとき、主人公の魚津は

山の魅力を彼なりの言葉で説明しようとした。

続いて常磐が、登っているときに、人はそこで賭けをするものなのかと

問うたとき、賭けはしない。無理だと思ったら引き返すのがするべきことだ、

と魚津はいった。

山とは、そこで自分の力を誇示する場所ではないのだろう。

どんなにがんばったところで、見ているのは神のみ。

ところが、その山に、ある女性を連れて行ってみたいという気持ちが

魚津と、そして切れるはずのないザイルが切れて落ちていった小坂の

胸にわき上がったとき、いつもと同じはずの登山が

何か違う目的のものに姿をかえてしまった。

登ることが目的だったのに、戻って誰かに逢うことが目的のようになったのは

決して責めることではないが、魚津と小坂の「山」で結ばれた絆が

こうも簡単に、ひとりの女性の存在で崩れてしまうとは。

もろい、と言っては言い過ぎだろうか。

しかし、人は、弱いのだ、という事実を突きつけられるような結末に心が痛んだ
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM
No.22
(4pt)

強い人など、いないのだ

人はなぜ山に登るのか。

アルピニスト野口健氏は、「地上に帰ってきてすぐは “もういい!”と思う

のに、しばらくすると山に帰りたくなる」と何かで語っていた。

会社の上司、常磐になぜ登るのかと問われたとき、主人公の魚津は

山の魅力を彼なりの言葉で説明しようとした。

続いて常磐が、登っているときに、人はそこで賭けをするものなのかと

問うたとき、賭けはしない。無理だと思ったら引き返すのがするべきことだ、

と魚津はいった。

山とは、そこで自分の力を誇示する場所ではないのだろう。

どんなにがんばったところで、見ているのは神のみ。

ところが、その山に、ある女性を連れて行ってみたいという気持ちが

魚津と、そして切れるはずのないザイルが切れて落ちていった小坂の

胸にわき上がったとき、いつもと同じはずの登山が

何か違う目的のものに姿をかえてしまった。

登ることが目的だったのに、戻って誰かに逢うことが目的のようになったのは

決して責めることではないが、魚津と小坂の「山」で結ばれた絆が

こうも簡単に、ひとりの女性の存在で崩れてしまうとは。

もろい、と言っては言い過ぎだろうか。

しかし、人は、弱いのだ、という事実を突きつけられるような結末に心が痛んだ
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
B0099FMQS6
No.21
(4pt)

強い人など、いないのだ

人はなぜ山に登るのか。

アルピニスト野口健氏は、「地上に帰ってきてすぐは “もういい!”と思う

のに、しばらくすると山に帰りたくなる」と何かで語っていた。

会社の上司、常磐になぜ登るのかと問われたとき、主人公の魚津は

山の魅力を彼なりの言葉で説明しようとした。

続いて常磐が、登っているときに、人はそこで賭けをするものなのかと

問うたとき、賭けはしない。無理だと思ったら引き返すのがするべきことだ、

と魚津はいった。

山とは、そこで自分の力を誇示する場所ではないのだろう。

どんなにがんばったところで、見ているのは神のみ。

ところが、その山に、ある女性を連れて行ってみたいという気持ちが

魚津と、そして切れるはずのないザイルが切れて落ちていった小坂の

胸にわき上がったとき、いつもと同じはずの登山が

何か違う目的のものに姿をかえてしまった。

登ることが目的だったのに、戻って誰かに逢うことが目的のようになったのは

決して責めることではないが、魚津と小坂の「山」で結ばれた絆が

こうも簡単に、ひとりの女性の存在で崩れてしまうとは。

もろい、と言っては言い過ぎだろうか。

しかし、人は、弱いのだ、という事実を突きつけられるような結末に心が痛んだ
氷壁 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (新潮文庫)より
4101063109
No.20
(5pt)

常磐支社長最高(笑)。

文庫本の裏表紙に書いてある紹介文が、そのままあらすじなんだもん、読み終えてびっくりした。いやそれでも筋を知っていたとしてもおもしろい作品だと思う。魚津・小坂・美那子・かおる・八代・常磐の6人の生き方というか心の推移というか、皆が皆「生きている」と思えるような語り口というか。うまく言えませんごめんなさい。でも良いです。 解説にあったけど、これって「恋愛小説」と捉えるヒトもいるんだね。推理小説っぽい雰囲気もあるし、社会派小説とも言えるし、スポーツ文学(登山がテーマ)とも言えるし、60年代大映ドラマ的な青春小説とも言える。解説の言葉を借りるなら、「自然vs文明という基軸」がしっかりしており、それを多面から切った結果がこのような様々な見方に取れる作品になるのだろうけど、それでいて破綻してないもんなぁ。すげぇ。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025093
No.19
(5pt)

常磐支社長最高(笑)。

文庫本の裏表紙に書いてある紹介文が、そのままあらすじなんだもん、読み終えてびっくりした。いやそれでも筋を知っていたとしてもおもしろい作品だと思う。魚津・小坂・美那子・かおる・八代・常磐の6人の生き方というか心の推移というか、皆が皆「生きている」と思えるような語り口というか。うまく言えませんごめんなさい。でも良いです。 解説にあったけど、これって「恋愛小説」と捉えるヒトもいるんだね。推理小説っぽい雰囲気もあるし、社会派小説とも言えるし、スポーツ文学(登山がテーマ)とも言えるし、60年代大映ドラマ的な青春小説とも言える。解説の言葉を借りるなら、「自然vs文明という基軸」がしっかりしており、それを多面から切った結果がこのような様々な見方に取れる作品になるのだろうけど、それでいて破綻してないもんなぁ。すげぇ。
氷壁 Amazon書評・レビュー: 氷壁より
4103025123
No.18
(5pt)

常磐支社長最高(笑)。

文庫本の裏表紙に書いてある紹介文が、そのままあらすじなんだもん、読み終えてびっくりした。いやそれでも筋を知っていたとしてもおもしろい作品だと思う。魚津・小坂・美那子・かおる・八代・常磐の6人の生き方というか心の推移というか、皆が皆「生きている」と思えるような語り口というか。うまく言えませんごめんなさい。でも良いです。 解説にあったけど、これって「恋愛小説」と捉えるヒトもいるんだね。推理小説っぽい雰囲気もあるし、社会派小説とも言えるし、スポーツ文学(登山がテーマ)とも言えるし、60年代大映ドラマ的な青春小説とも言える。解説の言葉を借りるなら、「自然vs文明という基軸」がしっかりしており、それを多面から切った結果がこのような様々な見方に取れる作品になるのだろうけど、それでいて破綻してないもんなぁ。すげぇ。
氷壁 (1963年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 氷壁 (1963年) (新潮文庫)より
B000JAHJIM