(短編集)

パン屋再襲撃

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

パン屋再襲撃の評価:

4.03/5点 レビュー 67件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全201件 81〜100 5/11ページ
No.121
(4pt)

お腹がすいたからパン屋を襲うという、何とも短絡的で衝動的なアイディアだが、ついつい最後まで読んでしまう。
やはり文章が面白く、アイディア優先かと思いきや、地の文の物語とは関係のないことがどうしようもなく面白い。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.120
(3pt)

ユニークな世界観

村上春樹の独特な世界観を感じられた。何度読み返してもさっぱり意味が分からない。頭がおかしくなりそう。しかし嫌みがない。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.119
(5pt)

いい感性だ

演劇でこの短編集にもなっているものを作り直して上演した、と新聞で知り、面白そうなんで買ってみた。

まだ、最初の短編しか読んでないが、面白かった。

私は春樹さんは案外短編向きだと思う。
カフカや安部公房もそうなんですが、こういうタイプの小説は短編の方がインパクトがある。
中編がギリギリで、長編になると、多分疲れてしまうんだと思う。
理性的に書いているつもりかもしれないけれど、それは夢なんで、どうしても辻褄が合わなくなる。でも、辻褄なんてあわせる必要はない。そんなものは、意味付けして、腑に落ちたいという脳の欲求で、現実とは関係のない欲求なのだから。

しかし、村上春樹の小説に出てくる女性は何かファムファタール?運命の女、の匂いがするなぁ。
謎めいている。
スフィンクス的な…

女って、謎めいている。自分も女だけど、時々自分がわからなくなる。子宮の欲求というやつが、脳の欲求と闘っている、そんな感じがして、時々おかしくなりそうになる。

生命って、やっぱ、神秘だ。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.118
(4pt)

ある小品に衝撃を受けた

「パン屋…」「象の…」といった有名な短編と、
「双子…」「ねじまき鳥…」という長編と絡んだ作品を含むので、
かなり重要な短編集だといえるし、
これらについてはかなり語りつくされてもいるだろう。

私は「ファミリー・アフェア」が面白かった。
私の知る限り、兄妹という関係は村上作品では珍しく、
新鮮に思えた。

最も衝撃を受けたのは、最も短い「ローマ…」だった。
著者の比喩表現は、天才と突飛の紙一重だと思ってきたが、
これを読むと、天才の方だと判断せざるをえない。
落語の三題噺みたいなものといえばそうかもしれないが、
それにしても著者の力量をまざまざと見せつけられた思いがする。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.117
(5pt)

さすが

村上春樹さんのユニークさと力を感じさせられ、楽しみました。
題材も設定も、すごい、とは思いませんでした。
ところが、引き込まれました。
何んなんでしょうか?

同じ題材と設定で他の作家の方が書いたら、こうはならなかったと思います。

さすが、と思いました。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.116
(4pt)

気楽に読もう

いつも彼の本を読むと
僕=村上春樹=ワタナベノボル
ではないかと思える。
そう思うと、
短編集というのは、
やはり珠玉の1作がないことには・・・
と思いがちであるが、
通勤の途中でもさらっと読んで、
後ろ髪をひかれるような作品の集まり。

気楽に読んで、後から深いところを考える
そんな風に読むことができる作品である。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.115
(3pt)

再襲撃

「パン屋再襲撃」「象の消滅」「ファミリー・アフェア」「双子と沈んだ大陸」「ローマ帝国の崩壊・一八八一のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」の6作品を収録した短篇集です。

「良い面だけを見て、良いことだけを考えるようにすれば、何も怖くないよ。悪いことが起きたら、その時点でまた考えればいいさ」
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.114
(5pt)

短編集の最高傑作

村上春樹の短編集の中で最も好きな作品。
一編一編のクオリティが非常に高い。

「パン屋再襲撃」
まず、この「再」襲撃の意味についてだが、登場人物は短編集「カンガルー日和」の中で若い頃に一度パン屋を襲撃した過去を持つ。
だから、「カンガルー日和」を事前に読んだことがあれば倍増とまでいかなくても、楽しさは増す。
そして、当時のパン屋襲撃の呪いが今は結婚した夫婦に襲いかかる。
呪いによって真夜中に激しい空腹感に苛まれた夫婦は、車を走らせ「マクドナルド」を襲うことにした。
夫婦の呪いは解くことができるのか。

そして、これも名作「象の消滅」。
町で飼育していた象がある日突然、飼育員とともにこつ然と姿を消してしまう。
それは状況から見て明らかに逃げたのではなかった。
消滅したのだ。
ただ、そんなことは誰も信用しないが「僕」だけは人に言えないものを目にしていたのだった。

「ファミリー・アフェア」
村上春樹の作品で主人公の兄弟が主体的に登場する物語はあまりないので、この作品は非常に珍しい。
兄と妹のファミリー・アフェアが描かれる。
村上作品にいつも登場するような、社会を斜に構えて見ている「僕」に対して現実的な「妹」。
その妹が婚約した。
相手の男との関係の中で見せる兄妹の掛け合いが、非常にユーモラス。
兄妹とはいえ、これほどコミカルに人間関係が描かれる村上作品が他にあるだろうか。

「双子と沈んだ大陸」
この双子は「ピンボール」に登場する双子。
主人公はこの双子が家から出て行ってしまった後に、偶然雑誌の写真で彼女達を発見する。
そして、主人公が勤める事務所の隣の歯科医院には「笠原メイ」と言う名の女の子がいる。
「ねじまき鳥」に登場する「笠原メイ」の名前はここからとられたのだろうが、キャラクターはまったく異なっている。
全体として、初期の村上春樹の乾いた雰囲気を思い起こさせる。

「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
短編ならではの言葉遊び。

「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
これは題名とおり長編の「ねじまき鳥」のベースになっている作品。
長編の初めの部分が、ほぼこの時点で出来上がっていたということがわかる。
長編の「ねじまき鳥」を読んだ人なら、この短編からあれだけの長編にまで膨らんでいく、作家の仕事について思いを馳せることになる。

やっぱり名作だ。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.113
(4pt)

虚無感と自己嫌悪感の漂う初期作品集

初期の作品集だ。いやな男が描かれているが、たぶん村上はこの作中人物がいやな奴であることを意識している。自己嫌悪のようなものが漂っている。「象の消滅」にしろ「パン屋再襲撃」にしろ、物質として現実に存在するものを信頼していない。それはいつか無くなるものだし、だとすれば今目の前で消えてしまっても何の不思議もないものなのだ。
 人の関係だって、だから真面目に永続的な関係なんて結ぶ気になれない。永続的な人間関係だって?という具合だ。だから世界を確固たるもののように不安げのない笑みを浮かべるワタナベノボルを、こんなにも憎むのだろう。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.112
(5pt)

村上さんは短編が秀逸

もし、この本を呼んで面白いと思えないのなら、村上春樹は無理だと思う。

色んなことについて「何で?」って深く理由を考えてしまうのであればやめといた方がいいと思われます。

深夜にハンバーガー屋を襲ったり、はんだごてが何となく嫌いだったり、このわけのわからない感じが好きなのです。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.111
(5pt)

何といっても「ファミリーアフェア」

何といっても「ファミリーアフェア」でしょう。1985年の刊行ですので、バブル(1986年〜)前夜のどことなく抜けた雰囲気、シリアスにならない都会的なタッチ、それでいて家族間のそこなかとない親愛と目線を高くしない主人公の自省の感もあって、大いに憧れたものです。80年中期にはこうしたキャラが時代の雰囲気だったし、社会的にもアクセプトされたのだと思います。

かなり気障ですが主人公のセリフや描写に思わずニヤリとさせられる作者の技量は流石だと思います。恐らく、このストーリーは映像化してもあまりその魅力の本質は伝わりにくいのではないでしょうか。文章であるが故に伝わるものがある、非常に技巧性の高い作品だと思います。

村上氏自身が言うところのドライブが利いた短編小説の秀作。1993年Knopf 社で編集、出版された短篇選集『The Elephant Vanishes』(2005年、「象の消滅」 短篇選集 1980-1991として日本でも発売)にも短編代表作のひとつとして収録されています。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.110
(3pt)

村上春樹はこんなに詰まらなかったのか、と一寸、驚いている。

トレーディングの方は完全自動化に移行しつつあるので、本ばかり読んでいるが、
この短編集は、記憶では今回初めて読むものだと思う。しかし、爆笑の太田光に
触発されてヴォネガットの『タイタンの妖女』を途中まで読んだだけでレヴューを
送ってくるいい加減な連中と、同様、私も2編を読んだだけである。
少なくとも、今の所は。

『パン屋再襲撃』は、押井守の『立ち食い師列伝』に影響を与えたところ
大である事は大方の人の知る所だと思う。「食う」と言う行為が
「飢えを満たす」事と密接にリンクしていた時代が終わろうとしていた1985年の
日本を象徴しているかの様な作品。この後、「飽食の時代」と言うよりも
「グルメの時代」に為っていく訳だが作品で描かれているのは、「暴食の一夜」である。
正確には「暴食」へと駆り立てる「暴力性」と言っても良いかも知れないし、
バブル期の「狂熱」の先鞭とも読み取れる。「呪い」を払拭して「無気力」と
「怠惰」をブレイクスルーするものが、アナーキーな「暴力性」とも言えるか。
1980年代当時のオブローモフが、彼の妻の「オーヴァー・ドライヴする欲望」に
付き合わされて引きずり回される話とも、読める。バブル期の女性の行動パターンが
既にこの時点で、主人公の妻に其の儘、表れている感がある。

『象の消滅』は、象と初老の飼育係が「異界」へと姿を消してしまう話。
やはり、1985年の作品だが、数年後に書かれた諸星大二郎『妖怪ハンター』の
『異界の客人』を髣髴とさせる。個人的には、稗田礼二郎のシリーズでは
この『異界の』が最も好きだが、『象』の主人公は「便宜的な此の世」に残って
日常をやり過ごし、唯、時が流れ季節が移り行く様を表して、本編は
終わる。日本的無常観を書き表した作品として読むと、「時の流れの無常」と言った
陳腐な事、この上ない一品に為ってしまう。この作品で「異界」を垣間見せる程度でも
良いから、描いて見せて欲しかったものである。若しかしたら、諸星大二郎も押井守同様、
本編にインスパイアされて、『異界の客人』を描いたのかも知れない。

『ファミリー・アフェア』は、私の知る限りでは、村上作品の中で最も阿呆臭い一作。
「やれやれと僕は思った」と言う決まり文句が頻発するので、村上春樹作品の語り手は
冗長的で自分の事ばかり一人称でダラダラ語りすぎると言うイメージは
恐らく、この作品によって定着して仕舞ったと言えよう。
They are what they are.
他人の人生の事は自分には関係ないと考えて生きている主人公は
成り行き上、血の繋がった妹と暮らしている。5年間も、である。
「家」「血縁」「血族」が片方にありながら、其れを断ち切る事無く
「個人主義」に徹しようとする「滑稽なる1985年のオブローモフ」の
姿。こういう人間は、「やれやれ」所ではなく、もっと死ぬほど「ウンザリするぜ!!」と
言う生活を5−7年位送った方が、本当の個人主義が身に付くし、一人で
生活しなくては駄目である。そうなって初めて、孤独が「通常状態」の
人生を「謳歌・享受」出来るのだ。しかし、実に「くだらねー!」一作だ。
世代論的に言えば、85年の時点で27歳の主人公は、1958年生まれか、
1957年生まれである。旧人類と新人類との境界線上の世代だが、
如何にも、「駄目なタイプの新人類モドキ」のカリカチュアの姿を
具現化している。『駄目になった王国』に倣って言えば、『最初から
駄目だったし、王国にすらならなかった、共同体だか何だか
判らない様な、有象無象の集合体』と言うべき「人生」、或いは
そう言う「生き方」。昨今の社会状況を鑑みると、「烏合の衆」と言うより
「学級崩壊」的な人生、と言えよう。

『双子と沈んだ大陸』について。『ファミリー』が「楽園の向こう側」なのに
対して「楽園の此方側」の情景から始まる。キヨサキ風に言えば、『ファミリー』の
「僕」がEクワドラント、『双子と』の「僕」はBクワドラントに属する。
しかし、笠原メイと一緒にオフィスを出た後、例に拠って例の如く
「一人称のグダグダ」が始まる。正確にはメイと分かれた後、より顕著に
なり、何度か訪れた事のある小さなバーでバーボンを飲み始めると
完全に「酔っ払いの戯言」。「やれやれと僕は思った」が、この時点で登場。
本書に収録されている先の三作の時代背景が1985年と言えるが、
本作は二部構成になっていて、1974年と、その3年後。
1977年の11月の時点で「僕」が語る夢がポーの『黒猫』を
思い出させる。4部作との「不吉なリンケイジ」を暗示している。

字数制限があるので他は一括してレヴュー。『ローマ帝国』は冷風ドライヤーの
風の様にドライな作品なのに対して『ねじまき鳥』は女性の胎内の様に
ウェット。前者の媚薬の象徴が「牡蠣鍋」と言う日本的日常に密着した
メタファ。それ程エッチではない。後者で繰り返し登場する「女達」が
「僕」の人生をどこかで狂わせた「死角」が自分自身の頭の中ではなく、
「女の中のどこか」である事を暗示する。

更に、続きのレヴューは、気が向いた時に、また書く「予定」である。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.109
(5pt)

不思議さん

村上春樹氏の初期の短編集。
比喩が上手な村上さんの作品に対しては
陳腐でチープな表現かもしれませんが
相変わらず
不思議過ぎます。
なんていうか
およその常人には行き着かないであろう方向に物語が進むのです。
それがたまらなく好きなのですが。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.108
(5pt)

質の高い短編集

カンガルー日和が短編集だとすれば、パン屋再襲撃は中編集と位置づけられそうです。
どの編も完成度が高く、読み終わった後に充実感を感じます。
そう言う意味では彼の長編著書が好きな方でも十分満足できる作品となっているでしょう。

また、「双子と沈んだ大陸」は村上春樹の"僕”シリーズの長編4作品に関わる短編作品となっていますし、
「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は題目通り“ねじまき鳥クロニクル”に関わる短編作品となっており、
彼の長編作品を読んだ人にとっても興味深い作品となっています。
もちろん、彼の本を読んだことの無い人でも、彼の魅力を感じるには十二分な作品であることは
間違いないでしょう。

作中には"ワタナベノボル”や”笠原メイ”も登場するので、彼のファンにはたまらない一冊です。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.107
(4pt)

特段の感想は持てないが、いやな感じではない。

普段の何気ない出来事がこの作者に書かせると、とても奇妙で不思議な出来事になっていく。登場人物の心の動きを、かなりひねった感じで伝えてくれるからだと思うのだが。。。
 何となく読んでいると、何となくあっという間に読めてしまい「う〜ん」とうなってしまう。そして特段の感想もない。でもいやな感じではない。そういう本。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.106
(5pt)

シュールでセンスよいガラクタ話

村上春樹の本は、いちいち解釈などせずスラスラ感覚で読むものだと思う。作者自身が云うように、すべてのモチーフは所詮ガラクタなのだから。意味を求める必要はなく、独特のユーモアと比喩を楽しく読んだほうがいい。私は深く重い教養だとか哲学を垂れ流す本が嫌いだけど、春樹本には自分なりの答えを見つけられる余裕があるから大好きだ。押しつけがましくなく、読みやすい。彼が長年文章の平易さにこだわるのもただいろんな人に個々の読み方で読んでほしいだけだと思う。
そしてこの短篇集は重みやうっとうしさがなく、シュールでふわっとしていておもしろい。やはり初期の短篇群には軽さと重さのバランスが絶妙。最近の短篇より良いと思う。
個人的には「ファミリーアフェア」と表題作が好きだ。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.105
(5pt)

最高傑作の一編「パン屋再襲撃」

私は、村上春樹氏の短編は一通り読んでしまいましたが、

本作に収録されている「パン屋再襲撃」が一番素晴らしいと思います。

村上春樹とマクドナルドの究極のコラボレーション作品とも言える、この一編のあらすじを目を閉じて静かに反芻すると、なぜなのか幸せな気持ちなってしまうのです。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.104
(4pt)

ねじまき鳥と双子

「象の消滅」がいいです。コーヒーメーカーのセールスというありきたりの現実のなかで偶然にも遭遇する不思議な世界・・。まさに大人の童話といえるのではないでしょうか。国を超えた普遍性があり、英訳本のタイトルになるというのもよくわかります。
「ファミリー・アフェア」は妹の婚約者のことが気に入らなくていやみを言っているだけのような感じでちょっと雰囲気が違います。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.103
(4pt)

2001年以降に読んで感じること

1986年に出された短編集。

「象の消滅」が収められている。タイトル通り、象が消える話である。

<象の消滅を経験して以来、僕はよくそういう気持ちになる。何かをしてみようという気になっても、その行為がもたらすはずの結果とその行為を回避することによってもたらされるはずの結果とのあいだに差異を見出すことができなくなってしまうのだ。>

語り手は、象の消滅以来、自分(とその行為)と世界の関係がよく分からなくなっている。昔読んだときは、何だかこの感覚がぴんとこなかったのだけど、今読んでみると、象が消えるっていうのは 9.11 にちょこっと近いかもしれないと思った。

とても大きな消えるはずのないものが、自分の目の前で(TVの中だけど)消えていってしまった。そんなありえないことが起こったあとで世界はとても大きく変わってしまったようにも思うのだけども、でも日本にいる自分のまわりではそんな変化は実感しない。ちょっと空港のチェックが厳しくなったくらい。変わってしまった世界が自分にあまり影響しないように、実は自分のすることも世界とぜんぜん関係ないような気がしなくもない。

小説に戻ると、象が消滅してもしなくても、実はあまり「僕」には関係がなかったのかもしれない。実際、「僕」の「便宜的」な仕事は象が消えてもぜんぜん変わらないのだ。ただ、象が消えた、という事実があっただけ。

一方で、もう一つの好きな短編「ファミリー・アフェア」の語り手は、妹の気に食わない婚約者が「僕」の家にはんだごてを持ってきたせいで、自分の家がまるですごく変わってしまったようにに思う。この気持ちはよく分かる。象の消滅と持ち込まれるはんだごての対照がおもしろい。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.102
(5pt)

お勧め度の高い短編

村上春樹の短編集の中で、かなり個人的評価の高い一冊です。他の長編に絡む話が多いということもありますが、登場人物の息づかいがリアルですし、短いながらに、まとまりのある、しっくり心になじむ話の連続。お勧めです。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306