神宿る手

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神宿る手の評価:

4.00/5点 レビュー 5件。 B ランク

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全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(3pt)

クラシック音楽ミステリというジャンル

宇神幸男は小説家であって、音楽評論は余技としてやっているのであろうか。評者はそう思っている。

小説家とはどういう存在か? 宇神のライナーノーツの文章を読んでいると、気恥ずかしくなるような表現と古風な言い回しに、この人はコテン的な作家だなあと思わせられること一再ではない。

ハイドシェック復活の宇和島コンサートと“幻のピアニスト”復活をダブらせて20年くらい前に初めて本作を読んだとき、その暗合に少し不思議な気がしたものだが・・・・。

今回、久しぶりに再読してみたが、なかなか楽しめた。それも評者がクラシック・ファンだから、というのが大きいことは否めない。おそらく本作は間口の狭いミステリなんだろうなと感じた。“クラシック音楽ミステリ”ということだ。
この面白さをクラシックと無縁な人に伝えることは難しい。クラシックファンを増やすためにこのミステリを勧めるというのも、どこか転倒している。

その点では、同じく巨匠音楽家を重要人物に配しながらも、多くのミステリ好きに受け入れられるだろうジョン・ガードナーの『マエストロ』(創元推理文庫、文庫版上・下)に軍配は上がる。
テイストはまるで別物だし、較べるのもどうかとは思うが、小説家としての年季が違うとは言えるかな。ストーリーの柄の大きさがまるで違うのである。しかも、音楽ファンが喜ぶその手の薀蓄もガードナーは手抜かりなし。

『マエストロ』は、元英国秘密情報部員「ハービー・クルーガー」シリーズのひとつである。クルーガーは世界的指揮者・パッサウのナチ、KGBとの関係疑惑を解くべく・・・という構成。アル・カポネも登場する。
このシリーズのファンは少なくないはずだ。

宇神も後年、フルトヴェングラーとナチの秘密文書の絡みをテーマとする『美神の黄昏』(講談社文庫)を書いているが、こちらは読んでいない。近々に読むつもりだ。
神宿る手 Amazon書評・レビュー: 神宿る手より
4062048698
No.1
(3pt)

クラシック音楽ミステリというジャンル

宇神幸男は小説家であって、音楽評論は余技としてやっているのであろうか。評者はそう思っている。

小説家とはどういう存在か? 宇神のライナーノーツの文章を読んでいると、気恥ずかしくなるような表現と古風な言い回しに、この人はコテン的な作家だなあと思わせられること一再ではない。

ハイドシェック復活の宇和島コンサートと“幻のピアニスト”復活をダブらせて20年くらい前に初めて本作を読んだとき、その暗合に少し不思議な気がしたものだが・・・・。

今回、久しぶりに再読してみたが、なかなか楽しめた。それも評者がクラシック・ファンだから、というのが大きいことは否めない。おそらく本作は間口の狭いミステリなんだろうなと感じた。“クラシック音楽ミステリ”ということだ。
この面白さをクラシックと無縁な人に伝えることは難しい。クラシックファンを増やすためにこのミステリを勧めるというのも、どこか転倒している。

その点では、同じく巨匠音楽家を重要人物に配しながらも、多くのミステリ好きに受け入れられるだろうジョン・ガードナーの『マエストロ』(創元推理文庫、文庫版上・下)に軍配は上がる。
テイストはまるで別物だし、較べるのもどうかとは思うが、小説家としての年季が違うとは言えるかな。ストーリーの柄の大きさがまるで違うのである。しかも、音楽ファンが喜ぶその手の薀蓄もガードナーは手抜かりなし。

『マエストロ』は、元英国秘密情報部員「ハービー・クルーガー」シリーズのひとつである。クルーガーは世界的指揮者・パッサウのナチ、KGBとの関係疑惑を解くべく・・・という構成。アル・カポネも登場する。
このシリーズのファンは少なくないはずだ。

宇神も後年、フルトヴェングラーとナチの秘密文書の絡みをテーマとする『美神の黄昏』(講談社文庫)を書いているが、こちらは読んでいない。近々に読むつもりだ。
神宿る手 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 神宿る手 (講談社文庫)より
4061853694