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(短編集)
本能寺遊戯
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本能寺遊戯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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2013年に出た単行本の文庫化。 「本能寺遊戯」「聖剣パズル」「大奥番外編」「女帝大作戦」「『編集部日誌』より」の5話が収められている。 いずれも3人の女子高生が主人公となり、歴史上のミステリについて新解釈をひねりだすというもの。ジョゼフィン・テイ『時の娘』の系統に連なる一冊だ。 テーマとして取り上げられるのは、本能寺の変の真相、草薙の剣と熱田神宮の関係、春日局の実力はいかに、道鏡と宇佐八幡神託事件。 あれやこれやと推理して、突飛なアイディアがいろいろ出て来るのが楽しい。 ただ、全体に漂う雰囲気は奇妙だ。正統な歴史学と、軽薄な歴史ファンの溝をつついたような表現が多く、なんだか怨み節のような……。著者に嫌な体験でもあったのだろうかと勘ぐりたくなる。 | ||||
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待ってました。 一冊は、角川書店、じゃなくてKADOKAWAっていうんですね、から文庫書下ろしで、「名刀月影伝」、 もう一冊は、文芸社から単行本(ソフトカバー)で「浮世絵師の遊戯 新説 東洲斎写楽」。 どちらも、東京創元社でも光文社でもない、初めての出版社です。楽しみだなあ。 1.漂流巌流島 東京創元社 単行本2008年 文庫本2010年 四篇収録 文庫のみ本格ミステリ作家有栖川有栖の解説あり 2.柳生十兵衛秘剣考 東京創元社 文庫本2011年 四篇収録 文芸評論家細谷正充の解説あり 3.本能寺遊戯(ゲーム) 東京創元社 単行本2013年 文庫本2015年 五編収録 文庫のみ著者あとがきあり 4.蜃気楼の王国 光文社 単行本2014年 文庫本2016年 五編収録 文庫のみ書評家福井健太の解説あり 5.柳生十兵衛秘剣考 水月之抄 東京創元社 文庫本2015年 三篇収録 文芸評論家末國善己の解説あり 6.浮世絵師の遊戯 新説 東洲斎写楽 文芸社 単行本2016年 四篇収録 何と3.の続編? 7.名刀月影伝 KADOKAWA 文庫本2016年 四編収録 文芸評論家細谷正充の解説あり 嬉しいのでレビューを一つ、簡単に。 上記の通り、本書「本能寺遊戯」文庫版は、著者の作品として三作目、通算七冊目の著書になります。 親本との違いは、本編の前にエピグラフ、っていうんですか、 ポーの「マリー・ロジェの謎」(丸谷才一訳)からの引用があることと 本編後に著者あとがきがあることです。 なので、勝手ながら、この文庫版こそ、決定版と呼んでいいかと思います。 まだ「本能寺遊戯」を持っていない、これから買うつもりの方、こちらがお勧めです。 そうそう、カバー画がお気に入りの方、文庫版、親本とも同じイラストレーターさんですが、文庫版のカバーは、親本と違います。 つまり、文庫化のために、わざわざ親本と違うカバー画が新規に描き下ろしてあるのです!!! 著者とイラストレーターさん両方のファン、或いはこの本(文章、イラストetc.)が醸し出す世界が好き、一冊の書籍として好きな方、 経済的余裕があれば、文庫本と単行本両方お勧めです。 内容については、他のレビューアーさん達の弁に尽くされているのですが、 強いて、ネタバレにならないように気をつけつつ、一つだけ言うと、 作中歴史雑誌に横行する或る傾向、それは惹いては、歴史ミステリを書く、或いは(歴史ものにかかわらず)ミステリを書く、 更には、(ミステリにかかわらず)物語る時に気をつけなければならないことだと思うのですが、に対して批判的な視線が存在します。 しかし作品内の結末は、その視線とは、ややズレたところに着地します、というか、したと感じました。 これは、ミステリという形式、構造上の要請に由来するものかもしれないのですが、 著者の考えも必ずしも批判的一辺倒ではないんだと、勝手に思い込んでいました。 で、今回あとがきを読んで、あれれ…。思ったより、批判的、というか困惑のようなものを、勝手ながら、感じてしまいました。 それだけ世に志の低い、工夫の足りない作品が多いってことなんでしょうか。色々考えさせられてしまいました。 さあ、次は何を考えさせてくれるのでしょうか。今から楽しみです。 | ||||
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歴史的な内容は良いのですが、登場する3人の女の子のキャラの設定が今一つわかりずらかったです。途中で休んでしまいました。もう少し、感情移入ができる工夫があればと思います。同作家の「漂流巌流島 (創元推理文庫)」のほうが、秀逸でした。内容が面白い分、残念です。 | ||||
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歴史の新解釈としては面白かったが、小説としてはイマイチ。 主要登場人物は定型的なキャラで魅力に欠けるし、あまりに長話で小説としては動きが無さすぎる。 どんでん返しも効果的でなく、ストーリーを混乱させるためのものになっていた。 しかしアイデアは豊富で、うまく処理すれば何冊もかけそう。 もの惜しみしない作者には小説的面白さとバランスのとれた次回作を期待します。 | ||||
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歴史推理小説なのかもしれないが、あまり面白いと感じなかった。 | ||||
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正直 表紙絵や帯には引きました。また「歴女かよ」と、いわれなき偏見・先入観がありました。 数頁読んだ時 登場人物の名前や描写には「やっぱりかよ」と本を閉じようともしました。 しかし、そこから更に数頁読んでからは、読むことを止めることが出来ませんでした。 戦前から脈々と続く歴史の謎を解く「これぞ新説にして真説」という歴史ミステリーのアプローチは、 私の世代には、高木彬光や松本清張で強く印象付けられています。 近年は、そうしたミステリー作家達は歴史の議論に身を投じることなく、軽く時代背景に扱う人が多く感じますが、 他方で、ミステリー本来の謎解きをうっちゃった、トンデモ本に近いものばかりが幅を利かせている風潮で、 正直げんなりしていました。 しかし、本書は、その流れに大きく飛び込んで、真っ当な歴史ミステリーを展開しています。 (注:本書で提示されるアイディアは、登場人物がキチンと断っている通り、「真説」では必ずしもないですし、著者が「新説」と言っているわけでもありません。しかし、あたかも「新説」「真説」と思えるようなアイディアを捻り出すプロセスこそが、ある種の倒叙的なミステリーとなっている点で、また、名探偵とプチ抜けた助手という登場人物の構成や異説を論破するあたりは探偵モノの基本を踏襲している点でも、本作は真っ当な歴史ミステリーといえると考えます) もちろん、冒頭から歴史ミステリー自体の構造をバッサリと斬った上でのストーリーですから、変に熱くなることもない。 ひたすらに、断片が残る史実を巧みに組み立て・組み替えることで、あえてトンデモ説を置きながら、実に面白く読める。 表題通りの「遊戯」を実に知的かつエンタテイメントとしても抜かりなく仕立てた出来は、強烈なスマッシュヒット! ある程度は歴史の謎に知識があると自負して、かつ、ガチにならずにパロディを楽しめる余裕のある方にはお勧めです。 | ||||
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歴史ミステリのふりをした歴史ミステリアンチ本であります。 難しくて分からないやらオタク向けやらと悲鳴が上がっておりますが、いざ読んでみたら歴史雑誌や歴史小説では当たり前レベルの話題ばかりで、学研、新人物往来社くらいの歴史本読者ならあっけなさに拍子抜けするのでは。 本編の内容とやかくより、普段歴史になじみのない読者との認識のギャップがちょっと恐くなります。何で怪しい謎解き本の前にちゃんと正史を押さえないのかしらん。 締めの話では手軽で突飛なセンセーショナルな説ばかりが歓迎される風潮を嫌みたっぷりにこきおろしておりますが、いい加減な俗説が横行する現状はホントに深刻なので、とても笑いごとではありません。 | ||||
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まず、表紙に面食らった。前二作とガラッと変わってラノベ調?なイラストで、教室に集う美少女三人が描かれている。題材としては、「漂流巌流島」と同様の歴史上の出来事に、詳細な資料を元に新たな解釈を与えていく、いわば歴史ミステリ。今回は主人公が女子高生三人組となり、なんだか華やかな雰囲気かと思いきや、読み始めると膨大な資料をこねくり回して、驚くような説を出してくる、氏得意の作風であった。それぞれの事件の新説は文句なく面白いと思うが、資料多さ故のとっつきにくさは完全には解消されていないと思う。それに女子が多い割には華やかさに欠ける気もする。しかし、「柳生十兵衛秘剣考」同様、連作中のエピソードを伏線よろしく最終章で鮮やかに回収するのは見事だし、特に本能寺と道鏡の謎解きは本当に面白かった。 | ||||
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