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楊令伝



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【この小説が収録されている参考書籍】
楊令伝 1 玄旗の章
楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)

楊令伝の評価: 4.46/5点 レビュー 24件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

買おうか思案している人へ

まずはじめに6巻まで読んでレビューしております。
この巻単独レビューではありません。

その理由としてこの巻単独だと、おそらくほぼ全員が水滸伝を読み
その余韻が残った状態でこの楊令伝に移るため、期待値が高くなってしまい
その評価も過剰に高くなってしまいます。
物語の始動ですし、この巻単独の評価だと星4〜5でしょう。

あくまで水滸伝を読み、続けて購入しようか迷っている人に
参考になればと思いレビューしておりますので
この巻のみの情報ではありませんし、このあと物語が急変し
名作に変わるかもしれません。その際はご容赦下さい。

でここから本作「楊令伝」について述べさせていただきます。
現時点での結論ですが、私はこの作品は北方作品としては、
もう失敗したと思っております。それはいくつも理由があると思います。

私が思う最大の理由は
楊令を最初から頭領にしてしまったことだと判断しております。
あくまで私個人が思っている事ですが、北方さんは史実の人物もしくは
最初からかなり練って設定した人物を書かれると天才的だと思いますが、
そうでない場合、途端に人物に魅力が少なくなってしまいます。

この人物の魅力は基本的に物語を主観的な視点で書かれ、
その描写に大変優れている方なので作品の評価に直結します。

楊令は若年にして、様々な経験をしその経緯からも
頭領になってもおかしくはありません。
しかし人物としてみた場合、小さな頃から長年王進師範の所で鍛えられた為
特色の少ない非常に万能で優等生なキャラになってしまい、結果人物に深みが無く
単独頭領としては魅力が絶対的に足りません。

この点を補完する為なのか、楊令の凄い所が延々と出てきます。
その凄いと言われている所が、何だか人間味を感じない
妙に抽象的な物に感じられてしまい全然心に訴えかけてきません。
水滸伝で頭領だった宋江は言うに及ばず、
その他様々な人物が心に訴えかけてきたのとは対照的です。

そもそも水滸伝では(と言うか北方作品の名作と判断している物は全て)
凄いと言う事をおくびにも出さず、エピソードを読んだ後自然とそう思わされます。
楊令伝は意図的に凄さを出そうとしているように感じ、
余計にそう思ってしまうのかもしれません。

又、楊令を魅力的に見せようとするあまり、
只でさえ人物の掘り下げが浅く印象の薄い2世キャラはますます印象が薄くなり
前作「水滸伝」の主要キャラは相対的に能力が低くされ魅力が無くなると言う
本末転倒な結果になってしまっています。
現在一番魅力的なのが、楊令から離れ江南にいた為その影響を受けず
伸び伸びと人物描写がなされた○○と言うのが、何とも皮肉な結果です。

個人的に書かれている内容的には、
楊令伝も三国志も水滸伝も楊家将も変わらないと思います。
しかし登場人物への思い入れの差が読後感に明確な差として出てしまいます。

結論としては買おうか迷っている人へは、
以下のコメントを残しレビューを終えさせていただきます
「この作品は水滸伝の後日談としてさらっと読む作品であり、
物語が完結した後、古本等で(まとめて)買うのが良い作品です」
楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:楊令伝 1 玄旗の章 (集英社文庫)より
4087467058

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