中原の虹

評判

中原の虹の評価:

4.35/5点 レビュー 128件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全164件 141〜160 8/9ページ
No.24
(5pt)

歴史に疎い私

全巻完結してから一気に読めば、もっともっと、この小説の醍醐味を味わえたと思う。そう思うと、このシリーズが出る度すぐ買いすぐ読んでしまった自分が恨めしい。2巻から3巻、3巻から4巻と、それぞれ数ヶ月の間を空けて読んだのだけど、それでもやはりこの大作には星5つの評価。今からこの小説を読み始める人には、全巻一気に読むという選択肢があると思うと、うらやましくてしょうがない。何年か後、「蒼穹の昴」から一気に読み直そうかと、今から考えている次第。
中原の虹 第四巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第四巻より
4062143933
No.23
(5pt)

言葉一つひとつの構成が酔わせてくれた

蒼穹の昴を偶然手に取ってから文庫しか購入しないと決めている私をこの2年弱単行本でも早くよみたい気持にさせてくれた。歴史が得意でない人もその丁寧で丹精な無駄の無い言葉と構成で読み進むことができると思われる。1巻〜順次刊行されていく中で、何度読み返したことだろう。李兄弟の再会でかなりの涙をながし、その後もうクライマックスはないかと思っていたが、自分の浅はかさが感じられる。長城を超えた勇者たちについてももっと詳しくしりたくなってしまった。
中原の虹 第四巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第四巻より
4062143933
No.22
(5pt)

超大河ロマン、ついに完結

「蒼穹の昴」から続く龍玉シリーズが、また一つ完結を向かえた。最初から読んでいる人は、思い入れも大きいだろう。蒼穹の昴を読み終わった時に、圧倒的な感動と、終わってしまった・・・、という虚脱感を感じたが、今作でも同じ思いを味わった。 今作の大きな見せ場の一つで、前作の主人公、李春雲はついに兄の李春雷と再会する。その事実だけで私は泣けてしまうが、悲しい再会のなかに見た兄弟愛に感動した。そして李春雷にはもう一つの再会がある。そのシーンの春雷の言葉に涙があふれた。浅田次郎という人は、どうしてこんなセリフが思いつくのか・・。 もう一つ、私を泣かせた場面がある。蒼穹の昴からずっと出ていたあるキャラが物語中盤で死んでしまう。これには参った。もともと大好きなキャラだったし、中国を最後まで見守ってほしい人物であった。その最後も壮絶で、ただ悲しくて、涙がとまらなかった。 ただし、今作の主役はあくまで張作霖である。彼はヒールっぽいキャラなのだが、頭がよく、とにかくかっこいい。それでいてセリフや行動の端々に見せる深い優しさ。李春雲に続く主役として、素晴らしい活躍を見せてくれた。最終章で、過去の英雄と張作霖がシンクロするシーンは最高である。この構成力、盛り上げ方は見事というほかない。 私はこの作品は特別な感情を持っている。小説の面白さ、活字の素晴らしさがこの上なく堪能できる。龍玉シリーズはこれで終わりではないらしい。次回作を心から楽しみにしたいと思う。 最後に、今作のテーマ「我が勲(いさおし)は民の平安」。今の日本の政治家に言ってほしいセリフである。
中原の虹 第四巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第四巻より
4062143933
No.21
(5pt)

スケールの大きさにのめりこんで読みました。

「蒼穹の昴」に続いて、清王朝の滅亡と新しい中国の歩み、その中で台頭する人、没落する人を描いた大河歴史ロマンが堂々の完結!2巻で西太后が亡くなってトーンダウンした気もしたけれど、最終巻では、貧しさゆえに宦官になった春児と、貧しさゆえに馬賊となった兄、そして、日本に渡った妹の運命がふたたび…というクライマックスがあったり、民主主義の波の中で滅びていく古い中国の姿が切なく感じられたり、さすがの読み応え。個人的には、「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」からずっと出ずっぱりだった海外ジャーナリストたちが魅力的でお気に入りキャラ。
中原の虹 第四巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第四巻より
4062143933
No.20
(4pt)

壮大な歴史ロマン・・・

哀しいかな、人物名が記憶の底にあるだけで、歴史の背景を殆ど忘れてしまっている私ですが、清朝末期の中国の混乱、諸外国による干渉の激化を描くにとどまらず、家族とは、民族とは何かを問う物語でもあり、人物描写も巧みで、「龍玉」のロマン的要素も盛り込まれていて、思わず引き込まれてしまいました。
中原の虹 第一巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第一巻より
4062136066
No.19
(4pt)

西太后

はじめて「蒼穹の昴」を読んだのがたぶん10年ぐらい前、それ以来読む本がなくなると浅田さんの本のお世話になっています。普通は気に入ったフレーズをチェックするんですが、浅田さんの本を読むときはそれよりも登場するキャラクターをチェック今回はなんと言っても「西太后」が最高総督との会話だけでも私には満足です、彼女「蒼穹の昴」にも出てきたんですよね。第2巻以降も登場してくれることを祈っています。
中原の虹 第一巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第一巻より
4062136066
No.18
(4pt)

国家のエリートを選抜する科挙というしくみの功罪

清朝を支えていた西太后が第二巻の最後で亡くなりました。物語の上でも、歴史の上でも巨星を失った清朝は、最後の迷走をはじめます。 歴史の教科書で教わった記憶では、すぐに孫文が革命内閣を創設したような印象があります。しかし、ここまでゆっくりと主人公たちの運命を追ってきた小説が、急にテンポを速めるわけはありません。 溥儀を支える皇族内閣は、軍のトップである袁世凱を引退させることに成功しました。 しかし、革命軍の蜂起が南方の諸州で成功し、袁将軍のいない軍隊が役にたたない状況を何とかしなければ、王朝の滅亡も目前となってしまいました。 この八方さがりの状況のなか袁将軍が復帰。予想通り、清王朝の権威と権力を一身に集めようと、ひとつ一つ手を打っていきます。 かたや『中原の虹』の主人公張作霖は、着実に中国東北地方を手中に収め、中原の覇を得ようとして、いよいよ万里の長城を超えんとしています。 西太后という語るべきことの多い登場人物を失った第3巻は、第4巻の大団円に向かう助走のように、淡々と清朝の衰亡が描かれていました。物語としては盛り上がりに欠ける中継ぎのような巻でしたが、浅田氏が強調していたのは、国家のエリートを選抜する科挙というしくみの功罪でした。 中国では、遠く隋の時代から科挙制度が続いており、合格時の成績とその後の役人としての働きぶりによって人間の実力を判定してきました。それは、多くの国が貴族身分の人間(家門と経済力に恵まれた特権階級)によって運営されていることに比べると、公平な制度です。 しかし、この制度が見落としてしまう人間が多かったのも事実。そんな人材が、この物語のような動乱の時代には、実力を発揮するチャンスに恵まれます。 袁世凱がその代表です。 国家とは何か。民の平安とは何か。民を安んずる真のエリートとは何か。浅田氏の問題提起たっぷりの第3巻でした。
中原の虹 第三巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第三巻より
4062140713
No.17
(4pt)

苦しみの生き仏(西太后)に仕える宦官の春児の姿に胸を打たれる

前巻までに第六代皇帝の乾隆帝がたびたび登場していましたが、この第2巻では、清朝を起こしたヌルハチの時代の回想場面が何度も登場します。 女真族を統一し偉大なるハーンとなったヌルハチは、明朝を倒して中華帝国全体を手中に収めることに消極的でした。中原に駒を進めるよう強く求めた長男を幽閉し、最後には死なせることによって、自分には中華皇帝の天命がないことを明らかにします。 浅田次郎は、ヌルハチの子の太宗が明の王城に入ったとき、太宗の幼き息子(将来の順治帝。ヌルハチの孫にあたる)の手に天命の印しである龍玉が収められているのに気づいた、と描いています。 それほど、龍玉と天命の関係は深い、と。 その龍玉を乾隆帝が子孫に伝えず隠してしまってから、清王朝は衰退の坂を転げ落ちていきます。19世紀末の中国は、西太后の頑張りでなんとか国の形を持ちこたえている状態でした。 その立役者が死ぬのです。 いったい、四億の民の運命はどうなるのか。 死ぬに死ねない思いの西太后でしたが、自分の寿命の尽きたことを知り、まだ三歳の溥儀を皇帝の座に据えるという最後の仕事を果たします。 最期の最期に西太后の胸に去来するものは……。 読み終わって、大きく溜息をつきました。 重苦しい場面の多い第2巻でした。 元より、小説というのはすべてが絵空ごとの世界です。 一般に知られている史実と違い、四億の民のために夫を殺し、子を殺し、最後に残された最愛の光緒帝まで殺そうとしている西太后は、そこまでして中華の民を守ろうとする生き仏として描かれています。 苦しみの生き仏が最晩年に迎えた悲劇。 その中で唯一の救いは、これまた生き仏のような家郎(宦官の春児)に身近に居てもらえることができたこと。 浅田次郎の浪花節に、またも心を震わされてしまいました。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.16
(2pt)

大丈夫だろうか・・・・・・

私は浅田次郎先生の大ファンである。前作「蒼穹の昴」では久しぶりに泣かされてしまった。しかし・・・・・・。今作『中原の虹』はどうも、ぱっとしない。第1巻は文句なしに面白かった。清朝末期という激動と混沌の時代、そこに咲いた一輪の徒花・張作霖。それを聞いただけで、「うおおお、キターーー!!」と、ガラにもなくテンションを上げたものだ。しかし、第2巻からどうも感情移入できずにいる。徒に長いモノローグに煩わしさすら感じてきた。理由を考えるに、どうも魅力的なキャラクターが欠けている気がしてならない。前作の主人公・李春雲は政治的・物語的第一線から退いてしまったし、稀代の女傑・西太后はお隠れになり、天下第一等の才子・梁文秀はメインキャストですらなくなった。その他、前作を彩った魅力溢れるキャラクターの多くが舞台から降りてしまったり、いまひとつぱっとしない役に降格してしまった。引き続き現役で頑張っているのは袁世凱のジジイだけである。代わって舞台の中央に駆け上がったキャラクターはというと、主人公・張作霖ただ一人である。第一巻で李春雲の兄・李春雷が登場したが、存在感は薄い。あくまで脇役であって、この先物語に絡むことがあるんだろうか?という心配すら抱かせる。第三巻で一番ゲンナリしたのが、歴史的な転換点に西太后の亡霊が介入した、という件である。死人に口を出させるくらいなら、生きてるキャラクターを絡ませろよ!と、本気で失望してしまった。とは言え、第四巻が発売されれば、私は間違いなく購入するだろう。期待しているわけではない。これはもはや義務感と義理、多少の意地である。
中原の虹 第三巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第三巻より
4062140713
No.15
(5pt)

あまりに大きかった西太后の存在

第二巻からずいぶん待たされたが、待望の第三巻。第二巻で西太后が亡くなり、中国は混乱を極める。馬賊の張作霖は勢力を拡大していくが、紫禁城ではあまりに幼い皇帝のため、全く先が見えない。袁世凱が権力を取り返すが、こいつしかいないのか・・・とため息ばかり。一人の女性の死は、国家そのものの死でもあった。蒼穹の昴から続くこのシリーズで、西太后がいない舞台はなんと寂しいことだろう。物語の中心には、圧倒的な存在感を誇る慈悲深き女帝が常に存在していた。彼女がいない・・。改めてその死の悲しみが襲った。 しかし相変わらず文章や人物描写は巧みで何度も感動する。馬賊達の義理の切り方、西太后を想う人たちの心理、そして李春雲の優しさと決意。ついにクライマックスへ話は加速していく。張作霖は、李春雲は、そして梁文秀はどうなるのか?あらゆる期待を抱かせつつ、最終巻へと続く。その第四巻は11月発売だそうだ。また半年待たないとだめなのか・・・。
中原の虹 第三巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第三巻より
4062140713
No.14
(3pt)

「彼女」の不在を思いながら

前巻で愛する者とともに堂々とこの世と別れを告げた西大后。彼女亡きあとの混乱する清の貴族たち、張作霖を得て力を広げていく馬賊たち。この栄枯盛衰のすれ違いみたいな描写が交互に丁寧になされていて相変わらずの濃厚な読みごたえはさすがである。春児とその兄の生き方のそれぞれのせつなさも陰影があって心惹かれる。馬賊の男の筋の通し方、貴族の悲しい体面の重んじ方、どちらも真摯で胸にせまる迫力。だけど、西大后が去ってしまった物語世界は、なんだか淡いグレーに染まってしまったようで少し物足りないのだ。「蒼穹の昴」からヒロインとして君臨し続けてきた彼女の不在が物足りなかった。もしかしたら、彼女亡き後の中華世界も、こういう感じでぽっかり風穴が開いてしまったようだったのかも、と思いながら。
中原の虹 第三巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第三巻より
4062140713
No.13
(4pt)

壮大な歴史物語に登場する任侠の世界

『蒼穹の昴』の最終巻で描かれた、戊戌の政変から10年が経過しました。 義和団の乱、日露戦争が勃発し、清王朝がますます国力を失うなか、飢えることのない世の中を作ろう、民の苦しみを除こうとする青年主人公が登場します。 その名は張作霖。満洲馬賊の長、総攬把です。 清王朝を見限った張作霖は、自らの天命の証として「竜玉」を探し出しましたが、自分は満州の覇者で終わることを悟り、息子の張学良に「竜玉」を託しました。 監禁されている光緒帝が、袁世凱に「竜玉」の秘密を打ち明け、張作霖が清国の正規軍をしのぐ勢いに勢力を伸ばし、さあ、両雄の対決近し……、というところで、第1巻は終了しました。 物語の縦糸は、壮大な歴史物語ですが、浅田次郎が綴る横糸は、任侠の世界そのものです。 張作霖は幼いころに父を亡くし、貧しさの中で育ちました。同じように働き手を亡くし、故郷の村を捨てた春雷(もう一人の主人公)は、自分ひとりが生きるために家族を捨てたことが悔悟の念となって、心の奥底に沈んでいます。 故郷を捨てた日、どうしようもない(没法子《メイファーヅ》)と口にする春雷を、兄の親友は叱りました。  「おまえも弟や妹の身の上を心配する兄貴ならば、そんな下らん文句は   二度と口にするな。   没法子だと思えば、人は一歩も前に進めない。誰も生きてはいけない。   いいな、春雷。俺と約束しろ。   そうすればきっと、ひとりぼっちでも生きていける」 張作霖も春雷も、弱い者、虐げられた人々に共感の涙を流し、飢えないですむ社会を作るため、血を流し続けます。 やくざ小説でデビューし、任侠の世界を描いては天下一品の浅田次郎が書く物語は、やはり義理・人情が似合います。 心にジーンとくる小説であることは請け合いですが、できれば、『蒼穹の昴』を先に読むことをお薦めします。
中原の虹 第一巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第一巻より
4062136066
No.12
(5pt)

まず蒼穹の昴を読んでから

第一巻、第二巻を読んだ。名著「蒼穹の昴」、ちょっとずっこけたかなという続編「珍妃の井戸」に続く、清朝末期の中国の混乱を描く長編歴史小説である。今回は、西太后の老化に伴う皇帝の権威の低下、日本をはじめとする諸外国による干渉の激化、華北地域における馬賊の勃興などをそれぞれの立場の視点からバランスよく描写しており、没頭して読んでしまう。ただ、登場人物が重なり、前著からのストーリーの流れがあるため、「蒼穹の昴」などを読了せずにいきなりこの「中原の虹」を読むのはお薦めではない。また、これは自分で失敗したなと思ったのだが、12月末現在でまだ第三巻、第四巻の発売予定が明確になっておらず、「いったいこの後どうなるのだろうか?」と日々悶々とさせられている状態である。4巻を通読して意味のあるものなので、あわてずに、全巻が発売されてから通しで読んだ方がよい。それにしても、いったいいつ発売になるのだろうか。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.11
(5pt)

まず蒼穹の昴を読んでから

第一巻、第二巻を読んだ。名著「蒼穹の昴」、ちょっとずっこけたかなという続編「珍妃の井戸」に続く、清朝末期の中国の混乱を描く長編歴史小説である。今回は、西太后の老化に伴う皇帝の権威の低下、日本をはじめとする諸外国による干渉の激化、華北地域における馬賊の勃興などをそれぞれの立場の視点からバランスよく描写しており、没頭して読んでしまう。ただ、登場人物が重なり、前著からのストーリーの流れがあるため、「蒼穹の昴」などを読了せずにいきなりこの「中原の虹」を読むのはお薦めではない。また、これは自分で失敗したなと思ったのだが、12月末現在でまだ第三巻、第四巻の発売予定が明確になっておらず、「いったいこの後どうなるのだろうか?」と日々悶々とさせられている状態である。4巻を通読して意味のあるものなので、あわてずに、全巻が発売されてから通しで読んだ方がよい。それにしても、いったいいつ発売になるのだろうか。
中原の虹 第一巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第一巻より
4062136066
No.10
(5pt)

あいかわらず・・・

心に染み入る文章・・美しいのです。私はナレーターをしているのですが、読書をしていて、思わず声に出して読みたくなる小説って以外に少ない。 浅田さんの文章は思わず声に出したくなる。平易だけど、美しく、テンポ感がある。きっと著者自身が実際に声に出しながら、推敲しているのでは・・と思えてしまう。 早く三巻を!
中原の虹 第一巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第一巻より
4062136066
No.9
(5pt)

ドラゴンボールをめぐる物語

浅田次郎の一連の清末のシリーズは面白い歴史小説の要素を詰め込んだ作品群といえるだろう。丹念に調べられた史料と、大胆な歴史解釈と魅力的な架空の人物。近代史の史料は膨大に存在する。気の遠くなるような時間と労力をかけなければこれだけのしっかりした背景を描くことはできなかっただろう。それでも歴史の謎といえる部分は清朝末期にも数多く存在する。光緒帝は西太后に殺されたのか?この謎も小説の中では一つの答えをみちびきだしている。前作『蒼穹の昴』から、中国の未来を担うべき指導者の候補が次々とあらわれ物語の主人公となっているのだが、本作では張作霖がメインキャラクターとして活躍する。そして、物語の鍵を握るのが天命を受けた者の御印である龍玉である。そう、ドラゴンボールを手にしたものこそが歴史の覇者たることを暗示されているのだ。我々は張作霖・張学良の親子、袁世凱の運命は知っている。だが、そのようにその終末を迎えるかは予想もつかない。ドラゴンボールは最終的に誰の手に渡るのだろうか?やはり『蒼穹の昴』の最後に顔見せで登場したあの人なのだろうか?西太后死して、辛亥革命へと突き進むであろう第3巻以降が楽しみである。なお、西太后に関しては中公新書『西太后―大清帝国最後の光芒』を副読されるとこの作品世界がよりいっそう楽しめるだろう。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.8
(5pt)

面白いの一語です

浅田次郎氏の本を読み始めるきっかけは、友人に『蒼穹の昴』を勧められてからです。この夏、『蒼穹の昴』4巻を二度読みました。読めば読むほどに、その面白さに惹きつけられました。その『蒼穹の昴』の続編、この『中原の虹』1巻、2巻とも読了し、また1巻に戻っています。『蒼穹の昴』で、日本に亡命をした梁文秀、リンリンが出てきたときには、涙がこみ上げてきました。壮絶な最後を迎える、西太后、感動的なシーンです。もちろん、張作霖、李春雷なども、魅力的です。ただ、李鴻章が亡くなっているのが残念です、亡霊でも良いですから、3巻には出てきて欲しいですね。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.7
(5pt)

「蒼穹の昴」の最終巻はこれかもしれません。

「蒼穹の昴」で、主人公の春児が仕えてきた西太后の最期が描かれる1冊。「中原の虹」1巻では、張作霖ら馬賊を中心とした新しい物語がスタートした印象を受けたが、この2巻は、前巻で登場した新キャラクターたちが平原で壮大な戦いを繰り広げるパートと同時に、宮廷で衰えていく西太后が、清朝の次の皇帝を指名して死んでゆく物語が進んでいく。こちらの物語は、「蒼穹の昴」の後編の続きのようだ。「蒼穹〜」「珍妃の井戸」を読んでから読むことをお薦めします。物語をずっと牽引してきたヒロイン(?)西太后の最期のモノローグの壮絶さと美しさに涙しました。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.6
(5pt)

歴史の立会人になれる小説

この本の帯には「偉大なる母・西太后、死す」とある。「蒼穹の昴」から続くこのシリーズで西太后がいかに偉大な人物として描かれているか、読者はお分かりだろう。その西太后が死ぬのである。浅田次郎ほどの筆力がある人がその最期をいかにして描くのか、楽しみにしていた。その結果は・・・まさに凄絶である。一人の人間の死という言葉では表されないぐらい、圧倒的な終焉であった。この作品を読んで、感動して泣いたことは幾度とあるが、今回はいつもと違った涙が出た。ただ純粋に西太后の死が悲しかった。まるで身内が死んだときの様に涙し、これで清王朝も終わりだ・・と肩を落とした。私はそれほどまでにこの小説に感情移入している。この本を読んでいる時間は、読書をしているのではなく、歴史に立ち会っている気持ちになっている。これほどに人をひきつける本は滅多に無い。間違いなく名作である。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399
No.5
(5pt)

待望の第2巻

待望の第2巻がでました。張作霖はどうなるのかと思っていたら、まだまだ、話は続くといった感じですね。でも、決して冗長ではなく、話はどんどん流れるように進んでいきます。エンセイガイは、春児は、西太后のなくなった後どうするのか、最後の皇帝溥儀蔵の運命はどうなるのか、ますます面白くなってきました。第3巻が楽しみです。
中原の虹 第二巻 Amazon書評・レビュー: 中原の虹 第二巻より
4062137399