■スポンサードリンク


闇の中の猫



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)

闇の中の猫の評価: 4.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

ネットの本格ミステリ愛好家たちへの挑戦状

島田荘司がペンネームの名付け親、という気になる新人作家。たしかに島田荘司が好きそうな、密室あり、サイコパスあり、シリアルキラーに発展する本格ミステリ。ネットの本格ミステリファンサイト<猟犬クラブ>に書き込みされた通りに、女子大生が殺されます。10名しかいない会員制サイトなので、容疑者は絞られるのですが、果たしてメンバーに殺人犯がいるのかどうか。語り手の中心となるのはメリヴェールというハンドルネームの英文科学生・深町麟。殺されたのは同級生の樋口佐和子で、彼女は、社会人を経て入学してきた美人の高市美保子に興味を持ち、彼女にそっくりな女性まで見つけてきてなにやら探ろうとしていた様子でした。語り手が<猟犬クラブ>10人プラス犯人で、しかも現実とネットでの姿と両方から語っていきます。(せめて一人称か、三人称かどちらかにしてほしい)これもまた読者を混乱させる意図があるのでしょうけれど。このもつれた紐を最後に安楽椅子探偵の小波涼が解きほぐしていくのですが、シリーズものの途中のように書かれていて彼の正体がいまいちはっきりしない。新人らしい勝手さや、設定の甘さがそこここに見えるのですがそれを凌駕して、ミステリは考え抜かれています。それぞれの人間ドラマはありきたりなのですが、それが連続して起こった場合、どんなふうに世間は混乱するのか。さまざまなミステリを読んできた著者だからこそやってみたいと思ったのかもしれません。
闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)より
4488017576

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!