ニッポニアニッポン

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ニッポニアニッポンの評価:

3.82/5点 レビュー 22件。 C ランク

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平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全44件 21〜40 2/3ページ
No.24
(4pt)

国家の抱える問題をあぶりだし。韜晦の技術。

この作品の発刊により、阿部和重が韜晦の技師であることは明らかになった。
概要・17歳の少年は、自分の名に「鴇」がある故に、トキへのシンパシーを感じている。
トキの解放または殺害を試みるために、ネットでサーチを行い、大量の情報を入手する。
そして、佐渡にあるトキ保護センターへ向かう、といった極めて単純なストーリーだ。
しかし、阿部和重の作品には小説としての面白みの他に、解読の面白みがある。
解説者が記述しているように、二人のヒロイン・本木桜と瀬川文緒の名前の由来は
カードキャプターさくらの木之本桜であるとか、おじゃ魔女ドレミの瀬川おんぷに由来するものだとか。
個人的な見解を述べると、阿部和重の面白みは「小説を読むだけ」には絶対ない。
隠された魅力を探し出すところにあるのだ。
また、解説者が「読みやすく、何度も読み返せる」といった文を書いているが、
僕はインディヴィジュアル・プロジェクションよりもハードな文体だと感じた。
この作品は文学を探求したいものしか、楽しめないのではなかろうか。
ただ単純に、小説で感動したい! なんて人には絶対にむかない。
阿部和重は常に読者を騙しているので、隠された魅力を突き止めていくところに、本当の意味があるのだ。
この作品は特にそういったものだ。
ただ単純に読むだけではなく、色々と視点を変更しながら、論理的に考えていくことに本当の魅力がある。
阿部和重の巧みな技術を解読することにより、絶頂の快楽が与えられる壮大な作品だ。
阿部和重は韜晦の技師である。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.23
(4pt)

国家の抱える問題をあぶりだし。韜晦の技術。

この作品の発刊により、阿部和重が韜晦の技師であることは明らかになった。
概要・17歳の少年は、自分の名に「鴇」がある故に、トキへのシンパシーを感じている。
トキの解放または殺害を試みるために、ネットでサーチを行い、大量の情報を入手する。
そして、佐渡にあるトキ保護センターへ向かう、といった極めて単純なストーリーだ。
しかし、阿部和重の作品には小説としての面白みの他に、解読の面白みがある。
解説者が記述しているように、二人のヒロイン・本木桜と瀬川文緒の名前の由来は
カードキャプターさくらの木之本桜であるとか、おじゃ魔女ドレミの瀬川おんぷに由来するものだとか。
個人的な見解を述べると、阿部和重の面白みは「小説を読むだけ」には絶対ない。
隠された魅力を探し出すところにあるのだ。
また、解説者が「読みやすく、何度も読み返せる」といった文を書いているが、
僕はインディヴィジュアル・プロジェクションよりもハードな文体だと感じた。
この作品は文学を探求したいものしか、楽しめないのではなかろうか。
ただ単純に、小説で感動したい! なんて人には絶対にむかない。
阿部和重は常に読者を騙しているので、隠された魅力を突き止めていくところに、本当の意味があるのだ。
この作品は特にそういったものだ。
ただ単純に読むだけではなく、色々と視点を変更しながら、論理的に考えていくことに本当の魅力がある。
阿部和重の巧みな技術を解読することにより、絶頂の快楽が与えられる壮大な作品だ。
阿部和重は韜晦の技師である。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.22
(5pt)

まとまり感のある作品に仕上がっています

この小説は、佳作としてある作品のような気がします。
政治的なテーマが通低にあるような気配を漂わせながら、
引きこもりな凶悪少年の妄想がついに現実へと向かう、
その一部始終が、緊張感を持って語られていくさまはなかなかの
ものがあります。
初読の際は、「うーん、つまらんかも」と思ったのですが、
しばらく経って再読したら「うーん、おもしろい」に変わって
いました。
初読の当時は、まだ、『ニッポニアニッポン』のもつ時代性を
掴みきれていなかったのかもしれません。その意味でも、じつに
同時代性を伴った作品だとは思います。
最後に、阿部氏のロリータ・コンプレックス描写は小気味いいもの
があります。 ボクは好きです、こういうの。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.21
(5pt)

まとまり感のある作品に仕上がっています

この小説は、佳作としてある作品のような気がします。
政治的なテーマが通低にあるような気配を漂わせながら、
引きこもりな凶悪少年の妄想がついに現実へと向かう、
その一部始終が、緊張感を持って語られていくさまはなかなかの
ものがあります。
初読の際は、「うーん、つまらんかも」と思ったのですが、
しばらく経って再読したら「うーん、おもしろい」に変わって
いました。
初読の当時は、まだ、『ニッポニアニッポン』のもつ時代性を
掴みきれていなかったのかもしれません。その意味でも、じつに
同時代性を伴った作品だとは思います。
最後に、阿部氏のロリータ・コンプレックス描写は小気味いいもの
があります。 ボクは好きです、こういうの。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.20
(5pt)

物語の終わりと小説の終わりを二度楽しむ

「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」計画を構想する内省的な前半と、それを実行に移す過程を描く、「物語」的な後半で読み応えが違ってくる。後半は、「なぞとき」(といっても推理小説的なものではない)的な展開が多い著者の作品の中ではちょっと珍しいかなという感想。ここでは「映画」の「シーン」を描いている気がするし、そうならば「物語」の結末としては納得。ただし、「小説」の終わり方としては、「インディビジュアル・プロジェクション」同様、「物語」への肩透かしを食らわせてくるので要注意(そんなおおげさじゃないですけど)。あ、あと、この文庫本には、斎藤環先生(精神科医:存じ上げないのですが)のあとがきで本の表紙、登場人物の名前に関する解説をしてくれている。思わず、「ヘー」と思えるネタである。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.19
(5pt)

物語の終わりと小説の終わりを二度楽しむ

「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」計画を構想する内省的な前半と、それを実行に移す過程を描く、「物語」的な後半で読み応えが違ってくる。後半は、「なぞとき」(といっても推理小説的なものではない)的な展開が多い著者の作品の中ではちょっと珍しいかなという感想。ここでは「映画」の「シーン」を描いている気がするし、そうならば「物語」の結末としては納得。ただし、「小説」の終わり方としては、「インディビジュアル・プロジェクション」同様、「物語」への肩透かしを食らわせてくるので要注意(そんなおおげさじゃないですけど)。あ、あと、この文庫本には、斎藤環先生(精神科医:存じ上げないのですが)のあとがきで本の表紙、登場人物の名前に関する解説をしてくれている。思わず、「ヘー」と思えるネタである。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.18
(5pt)

小説と映画

阿部和重の小説は映画の為にあると言っても過言ではない。
(別に映画化に向いているという意味ではなく)
彼の小説群は青山真治や黒沢清の映画作品に近いイメージがある。
(特に『helpless』はこの小説のテーマと重複している部分がある)
彼の小説が多くの人に読まれ
小説という枠組を越えて語られるのは文芸界だけではなく
日本映画界にとってもプラスになるのではないだろうか。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.17
(5pt)

小説と映画

阿部和重の小説は映画の為にあると言っても過言ではない。
(別に映画化に向いているという意味ではなく)
彼の小説群は青山真治や黒沢清の映画作品に近いイメージがある。
(特に『helpless』はこの小説のテーマと重複している部分がある)
彼の小説が多くの人に読まれ
小説という枠組を越えて語られるのは文芸界だけではなく
日本映画界にとってもプラスになるのではないだろうか。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.16
(3pt)

朕は不満である

う~ん、なんて言うのかな。まとまってるし、上手いといえば上手いんだけど、ただそれだけ、ということになっちゃいますね。残念なことに。この作品、素材が物凄くいいんですよ。読者を引き込めるし、読んでる間でも私なんか期待に胸を膨らませてましたから。だけど、結局は「えっ、それで終わり?」となってしまって、すこしガックリ。あと、素材と世界観がどう考えても笑いの方向に持っていけるのに、その方面に意識をさほど向けていないようであり、その点でも残念です。私などはついつい「このアイデアを筒井康隆に渡せば何倍も面白い作品をかくんだけどなぁ」と思ったぐらいです。犯罪者をテーマに据えた作品は古今東西沢山あるわけで、例を出すならドストエフスキーの『罪と罰』だとか三島由紀夫の『金閣寺』があります。しかし、どう考えてもこれらの「歴史的」な傑作の次元にはたどりついていない。そうでないならば、筒井康隆のように「笑い」の側面を追求するなどの特別なオプションが必要になる。そうでなければ、とてもとても☆五つはつけれねぇな。だからこの時点で☆四つが限度。しかも、ラストが無駄。たかだか一頁ほどだけど、読者の今日を削ぐ事をしてはいけません。作為が見え透いていて気が滅入ります。これで☆一つ減点。注目すべき作家の一人であることは間違いないのですが。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.15
(3pt)

朕は不満である

う~ん、なんて言うのかな。まとまってるし、上手いといえば上手いんだけど、ただそれだけ、ということになっちゃいますね。残念なことに。この作品、素材が物凄くいいんですよ。読者を引き込めるし、読んでる間でも私なんか期待に胸を膨らませてましたから。だけど、結局は「えっ、それで終わり?」となってしまって、すこしガックリ。あと、素材と世界観がどう考えても笑いの方向に持っていけるのに、その方面に意識をさほど向けていないようであり、その点でも残念です。私などはついつい「このアイデアを筒井康隆に渡せば何倍も面白い作品をかくんだけどなぁ」と思ったぐらいです。犯罪者をテーマに据えた作品は古今東西沢山あるわけで、例を出すならドストエフスキーの『罪と罰』だとか三島由紀夫の『金閣寺』があります。しかし、どう考えてもこれらの「歴史的」な傑作の次元にはたどりついていない。そうでないならば、筒井康隆のように「笑い」の側面を追求するなどの特別なオプションが必要になる。そうでなければ、とてもとても☆五つはつけれねぇな。だからこの時点で☆四つが限度。しかも、ラストが無駄。たかだか一頁ほどだけど、読者の今日を削ぐ事をしてはいけません。作為が見え透いていて気が滅入ります。これで☆一つ減点。注目すべき作家の一人であることは間違いないのですが。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.14
(4pt)

「何でトキ?」って思ったけど

「インディヴィジュアル・プロジェクション」で衝撃を与えてくれた阿部和重の2001年の作品。
これまでも、どこまでが現実かわからない世界の描写がすごかったですが、本作品の主人公は妄想・壊れ具合が最高です。
トキの字「鴇」を、苗字に持っているゆえに、トキにこだわる17歳の主人公。故郷で、好きな女の子との仲が、絶望になり、都会で一人暮らしをして、インターネット漬けの毎日。
そんな彼は、「ニッポニアニッポン問題の最終解決」に向けて着々と進みつづける行動(インターネットでの情報収集や、スタンガンとか危ないグッズのインターネット通販)をとります。そして、その間に入る彼の妄想全開その他の回想シーンが笑えます。
「何でトキをテーマに?」と思ったけど、日本の3つの象徴の最後のひとつという主人公の強引なこじつけにはちょっと納得できました。
最後に、後半は、いきなり、学習効果を発揮して、女子中学生に優しくなったり、これまで主人公の視点だったのが、最後の最後にいきなり他者の視点になるのが気になりました。なんか力抜けるし。
そして物語は別の人に受け継がれる?
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.13
(4pt)

「何でトキ?」って思ったけど

「インディヴィジュアル・プロジェクション」で衝撃を与えてくれた阿部和重の2001年の作品。
これまでも、どこまでが現実かわからない世界の描写がすごかったですが、本作品の主人公は妄想・壊れ具合が最高です。
トキの字「鴇」を、苗字に持っているゆえに、トキにこだわる17歳の主人公。故郷で、好きな女の子との仲が、絶望になり、都会で一人暮らしをして、インターネット漬けの毎日。
そんな彼は、「ニッポニアニッポン問題の最終解決」に向けて着々と進みつづける行動(インターネットでの情報収集や、スタンガンとか危ないグッズのインターネット通販)をとります。そして、その間に入る彼の妄想全開その他の回想シーンが笑えます。
「何でトキをテーマに?」と思ったけど、日本の3つの象徴の最後のひとつという主人公の強引なこじつけにはちょっと納得できました。
最後に、後半は、いきなり、学習効果を発揮して、女子中学生に優しくなったり、これまで主人公の視点だったのが、最後の最後にいきなり他者の視点になるのが気になりました。なんか力抜けるし。
そして物語は別の人に受け継がれる?
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.12
(2pt)

妄想の彼岸

芥川賞候補作ということでいまさらながら読んでみました。
主人公・鴇谷春夫のトキに対する感情が綴られているわけなんだけど、
正直、読んでてシラけてしまった。
つまり感情移入できない。
マスコミが取り上げる類型的少年を描写してて、それが僕には食傷気味としか感じなかった。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.11
(2pt)

妄想の彼岸

芥川賞候補作ということでいまさらながら読んでみました。
主人公・鴇谷春夫のトキに対する感情が綴られているわけなんだけど、
正直、読んでてシラけてしまった。
つまり感情移入できない。
マスコミが取り上げる類型的少年を描写してて、それが僕には食傷気味としか感じなかった。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.10
(2pt)

試みとしては評価する

中学生くらいのとき、毎日世界が終わってしまえばいいのに、と考えていた私にとっては、主人公がテロを計画する心情はわりと理解できる。ところがいまひとつこの小説が私の胸を打たないのは、「引きこもり少年の1人称で病んだ日本を描こう」という著者の意図が見え見えだからだ。失敗作ではないし、試みとしては評価できるかもしれない。セーフティバントで出塁を狙ったが、野手の正面をついて内野ゴロといった感じだ。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.9
(2pt)

試みとしては評価する

中学生くらいのとき、毎日世界が終わってしまえばいいのに、と考えていた私にとっては、主人公がテロを計画する心情はわりと理解できる。ところがいまひとつこの小説が私の胸を打たないのは、「引きこもり少年の1人称で病んだ日本を描こう」という著者の意図が見え見えだからだ。失敗作ではないし、試みとしては評価できるかもしれない。セーフティバントで出塁を狙ったが、野手の正面をついて内野ゴロといった感じだ。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.8
(5pt)

テロ

 近年の日本の問題(犯罪の低年齢化・ひきこもり・ストカー)を凝縮した小説ではないだろうか?主人公である春夫は、変質的なストーカー行為をしたことで、高校を退学させられ、故郷まで追い出された。自分のことを見くびった社会や親への反発から、トキを殺すという、テロを決行する。 芥川最終候補作だけあって、読者を十分惹きつける力のある小説だった。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.7
(5pt)

テロ

 近年の日本の問題(犯罪の低年齢化・ひきこもり・ストカー)を凝縮した小説ではないだろうか?主人公である春夫は、変質的なストーカー行為をしたことで、高校を退学させられ、故郷まで追い出された。自分のことを見くびった社会や親への反発から、トキを殺すという、テロを決行する。 芥川最終候補作だけあって、読者を十分惹きつける力のある小説だった。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243
No.6
(5pt)

ニューヒーロー現る!?

スリルなんて求めちゃダメよ。手に汗握るような経験をしたい人は映画でも見た方が確実です。確かに見た目は国家転覆を狙うテロ小説かもしれないけれど、それは上辺の形がそうなのであって、最後まで読んでみて『なんだあ、この結末は!?』と憤慨するのはお門違いです。ちなみに政治問題に対するブラックユーモアだという見方にも賛成は出来ない。っていうかこれがユーモアだったら僕は悲しい(笑)だからといって『じゃあなんだ?』って言われたら困るんだけど(笑)、たぶん大切なのは救われないってことなんじゃないかって思う。別に少年法の問題に結びつけるつもりはないけど、18歳だから救われるなんて嘘だってことじゃないかなあ。だから〈救われる〉瀬川文緒にはみんな親近感を抱いちゃうんだろう。だって彼女は〈これまで理解されてきた典型的な少女〉だから。皆さんの目の前に現れる鴇谷春生という人物は、僕らにとって出会ったこともなければ、理解もできない人物である。しかしだからこそこの作品は面白いし、また読むべきなのだ。鴇谷春生の無茶苦茶な理論に腹を抱えて笑うべし。
ニッポニアニッポン Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポンより
4104180025
No.5
(5pt)

ニューヒーロー現る!?

スリルなんて求めちゃダメよ。手に汗握るような経験をしたい人は映画でも見た方が確実です。確かに見た目は国家転覆を狙うテロ小説かもしれないけれど、それは上辺の形がそうなのであって、最後まで読んでみて『なんだあ、この結末は!?』と憤慨するのはお門違いです。ちなみに政治問題に対するブラックユーモアだという見方にも賛成は出来ない。っていうかこれがユーモアだったら僕は悲しい(笑)だからといって『じゃあなんだ?』って言われたら困るんだけど(笑)、たぶん大切なのは救われないってことなんじゃないかって思う。別に少年法の問題に結びつけるつもりはないけど、18歳だから救われるなんて嘘だってことじゃないかなあ。だから〈救われる〉瀬川文緒にはみんな親近感を抱いちゃうんだろう。だって彼女は〈これまで理解されてきた典型的な少女〉だから。皆さんの目の前に現れる鴇谷春生という人物は、僕らにとって出会ったこともなければ、理解もできない人物である。しかしだからこそこの作品は面白いし、また読むべきなのだ。鴇谷春生の無茶苦茶な理論に腹を抱えて笑うべし。
ニッポニアニッポン (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ニッポニアニッポン (新潮文庫)より
4101377243