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銀河英雄伝説外伝3 千億の星、千億の光



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銀河英雄伝説外伝3 千億の星、千億の光の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

本編がどんどん肉付けされていき、実に面白い

ラインハルトがまだミューゼル姓だった頃の、まだヤンが一介の大佐で本領を発揮する1年前の頃の話であるため、ごく初期に出演した面々がいくつか顔を見せ、こんな人物だったのかと想像を膨らまさせてくれる。
また後に中心人物の1人として活躍するロイエンタール、ミッテンマイヤーは勿論のこと、ビッテンフェルトやケンプ、そしてケスラーと錚々たる面々も現れ、非常に心をくすぐられる。

今回の中心はやはりシェーンコップと帝国軍に寝返った元上司リューネブルクとの関係にあるだろう。特にシェーンコップが若く、ヴァンフリート4=2星で図らずも軍の指揮を執るエピソードなど興味深い。こういった本編で語られなかった各登場人物の外枠の挿話、また知られざる登場人物間の相関関係を補完する事で物語としての深化を行い、正に外伝の長所を余す所なく利用している作者の手際に賞賛を贈る。
また本編では設定上語ることの出来なかったラインハルトとキルヒアイスとの関係が如何に深く、強いものであるかを説くのもこの外伝の本当の意義の1つであろう。

今回惜しまれるのはリューネブルクが何故斜に構えて人に接するかという理由付けが成されなかったこと。作者の狙いはリューネブルクと他の登場人物とを絡ませることで仄めかそうとしたのだろうが、成功しているようには思えない。寧ろ最終章の初めにエリザベートが兄を殺害するに至った経緯をケスラーがラインハルトに説明する節においてリューネブルクについても触れておれば性格付けの効果も大きかっただろう。非常に勿体無い(このエピソードで第6章のリューネブルクが妻に向ける台詞の意味が全く変わってしまうのが見事であるだけに本当に惜しい)。

Tetchy
WHOKS60S

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