とむらい機関車
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初版刊行(参考)
種別
短編
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あらすじ
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評判
とむらい機関車の評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
とむらい機関車の総合評価:
9.36/10点 レビュー 14件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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短編九本とエッセイ十本を収録する。すべて戦前の作品である。
これは驚いた。論理明快な本格派である。
はっきり言って謎解きの面白さは、90年前後にデビューした新本格作家の平均値をはるかに上回る。
表題作は、機関車による連続轢豚事件(豚の鉄道事故)の謎を解く。豚さんには気の毒だが、笑える情景だ。
が、動機はとても切ない。ヒロイン?の設定は、現代ではまず許されないだろう。
『デパートの絞刑吏』怪死の謎と背景の解明が鮮やかだ。
『気違い機関車』(別に表題作とシリーズではない)は、動機の意外さに仰天する。
『白鮫号の殺人』は謎解きもさることながら、事件の背景に隠された事情に唸らされた。
伏線もしっかり張ってある。この二作はホワイダニットの傑作だ。
『あやつり裁判』は不可思議な証人を追求する知的パズルである。欧米の推理作家の作品みたいだ。
『雪解』は金鉱探しに狂った男の顛末を描く。緊迫した文体と風刺の効いた結末は、サキの秀作を思わせる。
戦前の日本にこんな作家がいたのか。
『坑鬼』本書の白眉である。この一篇で値段の元は取れた。
炭坑で火災事故が起こった。生き埋めにされた炭鉱夫の呪いか、次々と死者が出る。
奇怪な謎と論理的解明が揃った一級の本格ミステリである。労働現場を舞台にしたところが素晴らしい。
古今東西、小説の殺人は金持ちや芸術家が暇つぶしにやらかすのが多い。あるわけないだろ、そんなもん。
本作は臨場感があるだけでなく、動機に必然性があり、説得力抜群である。
エッセイは1935年前後の探偵小説界の雰囲気が感じられて楽しい。60年代の日本SF黎明期のような活況を呈していたようだ。本書はミステリファンなら必読のお宝本だ。