虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ

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種別
長編
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あらすじ

2025年02月28日 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ

虚言症が蔓延するアメリカで、稀代の嘘つき男が仕掛ける奇想天外なロードトリップ――ピュリッツァー賞候補作家が放つ長編小説、待望の全訳!  オブライエン(著)×村上春樹(訳)ある理由で一流ジャーナリストからフェイクニュースの王に転落した中年男ボイド。カリフォルニアの田舎町でデパートの店長をしている彼は地元銀行の窓口係アンジーに銃をつきつけ、奪った8万1千ドルと彼女を連れ逃避行に出る。仕切り屋で喋り通しのアンジーに閉口しつつアメリカを縦断するボイドと、彼をとりまく大富豪、悪徳警官、美人妻、殺人者――追う者追われる者が入り乱れ、嘘と疫病に乗って全米を疾走するが……。ティム・オブライエン、20年ぶりの長編小説。(「BOOK」データベースより)

評判

虚言の国 アメリカ・ファンタスティカの評価:

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虚言の国 アメリカ・ファンタスティカの総合評価:

8.89/10点 レビュー 9件。

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.9
(4pt)

「シリアスな喜劇」に挑戦したオブライエンの新境地

これまで日本語に訳されたオブライエンの作品をすべて読み、すべての作品に大きな感銘を受けてきた者にとっては、待望の新作である。前作「世界のすべての七月」から約20年。数年前にノンフィクション作「戦争に行った父から、愛する子供たちへ」(名作!)が刊行されてはいるが、本当に久しぶりの長編だ。しかも、本国での出版から約1年後に、村上春樹氏の名訳で本書を読めることは、本当にうれしいことだ。

しかし、読み始めてすぐ、オブライエン氏の文体の変化に大いに戸惑うことになった。全体が56の章に分けられており、興味深い幾つかの事件が起こり、登場人物の抱えている秘密が徐々に明らかになっていく。読みやすい。新作は、会話主体、しかも気の利いた印象的なセリフを主体にして物語が進む。まるでスティーブンキング作品のようだ。文章を読むスピードと物語が展開するスピードが同じで、ドキドキの読書体験が得られる。

しかし、違うのだ。これまでのオブライエンの文体の特徴は、会話よりも、グダグダとした登場人物についての説明や描写の書き込みにあった。その記述の間は、ストーリ展開は停滞するが、その文章にひたることによって読者は独特のオブライエン的な世界にどっぷりと浸ることができた。今回の新作には、それがない。

そもそも、本作は村上氏もあとがきで指摘している通り「シリアスな喜劇」として書かれているようだ。物語は、銀行強盗や殺人、金融犯罪を軸にしながら進んでいくが、ご都合主義的に破滅が回避されたり、逆にあっさりとした死が訪れたり、リアリティを無視した「喜劇」として描かれている。そもそも現実のアメリカで起こっている様々な悲惨な事件が、ある意味で非リアルな喜劇と化していることを反映しているのかもしれない。

新たなオブライエン作品を読めた喜びと、その変化に戸惑いを感じた読書体験であった。文章の密度を楽しむのではなく、「セリフ」の面白さに着目した、また別の味わい方をすれば、評価も変わっていくのかもしれない。軽めではあるが、世界になじめない者に寄り添うような物語であり、一読の価値は十分ある。
虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ Amazon書評・レビュー: 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカより
4596725640
No.8
(5pt)

嘘が渦巻く世界を俯瞰した感じの作品

ある男が、銀行を強盗し、人質を取って逃亡し・・・というお話。

登場人物が多く、互いに絡まったり、絡まなかったり、発言も真実かどうかよく判らなかったり・・・という判読するのに骨の折れる作品でしたが、そういう風に互いが信用できない、自分も信用できない、誰を信用すればいいか判らない時代を総括して、「虚言の国」というテーマやタイトルにした作品に思えました。最後の方に出てくる、コロナも人によっては謀略とか、ワクチンも効かない、という啓発活動をしている人も駅などで見ましたが、アメリカやそのほかの国でも、そういう問題を孕みつつ、結局効果的な対処法が見つからずに収束するのを待つ・・・という感じだったので、政府や国家も信用できない、という現代の問題をテーマにした作品とも思いました。

前の大統領が嫌いで、今更に嫌がられる人が大統領に再選されましたが、アメリカの場合、国が絶対に正しい、最強と思いたい方も多いみたいで、「トップガン」という映画も、アメリカがよその国を、主権を侵害して爆撃するという内容でしたが、アメリカが正しいので、爆撃するのも正しい、という内容で大ヒットしたみたいで、大統領も国粋主義っぽい人がなるのも、さもありなん、という感じですよね(ただ、爆撃する国の名前がはっきりでてこないのが、ポリティカリィコレクトみたいで)。

今までのこの人の作品で、ベトナム戦争をネタにしたものが多かったので、戦争の事しか書かない、書けないとおもっておりましたが、この作品はあまり戦争の話しが出てこないので少し意外でしたが、普通に面白かったです。

著者のオブライエンさんは、加齢か他のことで手に問題があり、これが最後の作品らしい、と村上さんのあとがきに書いてありますが、まだ活躍してもらいたいですね。健康上の問題なら、しかたないですが。

この作品を読む人で、①村上さんのファン、②オブライエンさんのファン、③海外小説のファン、という風に大雑把の分かれるかもしれませんが、私の場合は三つとも含めて読みました。オブライエンさんは「カチアートを追跡して」が面白かったので、これで興味がでた方にお勧めしておきます。

嘘が渦巻く世界を俯瞰した感じの作品。是非ご一読を。
虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ Amazon書評・レビュー: 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカより
4596725640
No.7
(4pt)

主人公は正常に病んでいる

614ページのボリュームだったけれど長編小説というよりドラマのノベライズのようで逃避行と追跡劇がぐるぐると巡りめぐりスピーディーで読みやすい。ドゥーニーに復讐しなくてよかったのか?ランディーとの対決は必要ではなかったか?と強く思う。

最後、アンジーと強烈に交じり合ってもよかったと思うけどそれだと村上春樹作品になっちゃうか。
虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ Amazon書評・レビュー: 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカより
4596725640
No.6
(5pt)

活き活きした秀逸な傑作、「節度や慎み深さ」など嘲笑われ、「嘘だど知りつつ、その嘘を受け入れる」アメリカの今の病理を抉り出す

日々唖然とさせられるアメリカ、世界一の経済力、軍事力を背景に「脅し」で世界を蹂躙、屈服させようとしているアメリカ。
ヒットラーやスターリンがやったことと変わりないか、それ以上か?!(戦争自体は儲からないし、ノーベル平和賞や史上最も偉大な大統領という尊敬、崇敬が得られないので興味がないようですが)
冷酷全体主義の習近平が賢人に見えてくる。
「節度や慎み深さ」など吹き飛ばされ、「嘘だど知りつつ、その嘘を受け入れる」現在アメリカの病理を抉り出していきます。
「嘘八百リスト」ができるほどの主人公が、「頭がいかれている」小さくてかわいい自称伝道師と、銀行強盗から出会い、長い長い旅へと・・そして再生していきます。奇妙なゆるい冒険活劇。雑多な登場人物たちが活き活き、リアルに描かれ、飛び回っています。
久々に傑作を読みました。
圧倒的な現実の狂気を前にしては、ただの戯言と嘲笑われるだけでしょうが、爪痕は残せるかと思います。ポピュリストたちは興味もなく見向きもしないでしょうが。
虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ Amazon書評・レビュー: 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカより
4596725640
No.5
(2pt)

村上春樹は難しい

難しい
虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ Amazon書評・レビュー: 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカより
4596725640

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