蝶として死す: 平家物語推理抄
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
蝶として死す: 平家物語推理抄の評価:
8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
蝶として死す: 平家物語推理抄の総合評価:
8.44/10点 レビュー 9件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「禿髪殺し」は冒頭から、一気に物語に引き込まれ、「葵前哀れ」「屍実盛」はオーセンティックな推理の展開が楽しい。
「弔千手」のトリックは判ったが、その後の後日談の部分―千手前の遊女としての切ない願いを描いた部分は、胸に迫る思いだ。
「六代秘話」鎌倉方の検分役・北条時政との丁々発止のやり取りにはらはらした。本作のネタ元に横溝正史の「犬神家の一族」が入っていた理由に納得!更に本連作の作品や、全編と関係する仕掛けも施され、実に緻密な構成となっている。読者は頼盛、いや、羽生飛鳥の掌(たなごころ)の上で転がされていたと気がつくだろう。見事なエンディングに感服した。
主人公、平頼盛は異母兄の清盛から謀反の疑いをかけられ、解官、所領没収の憂き目にあいながら、自らを芋虫に例え、蛹から蝶となって羽ばたく姿を想い、自身の才覚を頼りに自らと子孫の安寧を計る。蝶となれるか否か…謎解きと共に興味をそそられる。謎解きはもとよりだが、作者の正確な歴史観に、頼盛の知的な雰囲気が漂う文体が相まって、稀有な時代ミステリーの秀作が生まれた。
著者が大学時代に専攻した日本の中世と呼べる期間は約500年。そのうち平安時代はおよそ400年あるそうだ。作品の主役となる人物には事欠かないだろう。今後も時代ミステリーの秀作が期待できそうだ。
著者「あとがき」も面白い。
自作解説として自著を称揚する作家もいたが、著者は時代背景の解説や、参考としたミステリー作品を列挙し、どのような作品からヒントを得て執筆したか示している。いわば、創作上の秘密を明かしているのだが、読者としてはそれがどのように作品に盛り込まれたかーそれを探索することもでき興味深い。
因みに。
登場人物の会話は現代語表記だが、当時の言葉は今と全く異なっていた。NHK『木村多江の、いまさらですが・・・平安時代の女性作家たち〜蜻蛉日記 枕草子 和泉式部日記〜』(2024年8月26日放送)で平安時代の言葉を再現していたが、全く分からなかった。大和言葉による頼盛らのやり取りがどのようなものだったか、実際に聞いてみたいと思った。