昏き目の暗殺者
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初版刊行(参考)
種別
長編
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評判
昏き目の暗殺者の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク
昏き目の暗殺者の総合評価:
8.00/10点 レビュー 11件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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と書きましたが、一行では総括できないような長い作品で、主人公を中心とするある一家の20世紀が詳細に語られる中に主人公の妹が書いたとされる小説の挿話が挿入されながら進行していくとても長いお話。
主筋の主人公一家の話はカナダの激動の20世紀を編年体で叙述した感じのストーリーであまり語られてこなかった、或は日本では紹介されてこなかったカナダの歴史を概括していて面白く読めました。
傍筋の挿話はあるくたびれた感じの男女のラヴ・ストーリーでその男の方が作中作を書いていて、チャイニーズ・ボックスみたいに入れ子構造になっていてフラン・オブライエンの傑作「スイム・トゥー・バーズにて」みたいで楽しめました。
全体としてアトウッド女史がこの作品で何をやりたかったかはよく判りませんが、勝手に憶測して書かせてもらえば、カナダの20世紀の総括を一つの小説でやりたかったのでは、と思いましたが安易でしょうか。主筋の釦工場一家の波乱に満ちた歴史がそのままカナダの通年史、疲れた感じの男女の傍筋が大国であるにも関わらずアメリカの影に隠れて存在を無視されがちなカナダの暗喩、その男が書いているSF戦争小説がカナダの戦争の歴史のまた暗喩ではないか、という風に捉えることが出来ると考えましたが穿ちすぎでしょうか。
または以上のようなことを全て無視して単なるサスペンスとして読むべきか、とも思いましたが・・・。
いずれにしろ文章は平明で読みやすく、主筋と傍筋の描き分けも巧みで非常に楽しめました。ちょっと長いようにも感じましたが・・・。カナダにも偉大なる文学の伝統があるということを知らしめる秀作。長いけど面白かったです。
上記はハードカバーで読んだ際の感想です。今回文庫で読み直しても同じ様な感想を持ちました。以下で多少ネタに触れるので、興を削ぐとまずいので、未読の方は読まないでください。
ハードカバーで読んだ際は気づかなかったのですが、主人公が一人称で語っている所に仕掛けがあり、所謂信頼できない語り手の工夫がなされているのが今回読み直して判りました。その後の展開も作中作の著者も実は・・・という展開で、何が事実で何が真実かよく判らない文学的迷宮に彷徨う様な感じを受けました。ナボコフの「淡い焔(青白い炎)」みたいでした。ミステリの賞を獲ったのも頷けます。
また、ただ文章を読むだけで、楽しい、読む喜びに溢れていたいたので、単純に楽しめました。アトウッドさんはノーベル賞を獲っても獲らなくても偉大だと思います。前読んだ時よりも面白かったので、☆の数を増やしました。
カナダを代表する作家の傑作。必読。