(短編集)

セヘルが見なかった夜明け



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    初公開日(参考)2020年04月
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    短編集

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    セヘルが見なかった夜明け

    2020年04月02日 セヘルが見なかった夜明け

    工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。一冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史の如き孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集。(「BOOK」データベースより)




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    No.1:
    (4pt)

    「暴力」への怒りに震える

    この短編集の著者がトルコでは、あのエルドアンに対する著名な大統領候補であり、テロリズムへのプロパガンダを行った廉で拘束され、服役中であることなどを知らずに、この「セヘルが見なかった夜明け "SEHER"」(セラハッティン・デミルタシュ 早川書房)を読むことになりました。(オルハン・パムクを読んだからと言って、トルコが理解できるわけでもなく、クルド人と言えば多くの冒険小説の中では、敵役が多いですね。私の理解などはその程度です)12の短編が収録されていますが、技巧的でヴァラエティに富んだ優れた短編集だと思います。

     ①「我々の内なる男」・・・ 虚勢ばかりの雄の雀も人間の男もまた同じ。
     ②「セヘル」・・・・・・・ 表題作。クルバンバイラム(犠牲祭)は、トルコのお祭りのことだったんだ。これほどの悲劇。憎むべき慣習。おそらく、バックグラウンドでは①が存在しています。唾棄すべき内なる男。
     ③「掃除婦ナっち」・・・・ 憧れの車は黒の「マスタング」。衝撃。デモ。そして、何故かソフィスティケイテッド。
     ④「知った顔すんなってば」 女性で身を滅ぼす。そう、知った顔はできない。墓石に刻まれた言葉。ターキッシュ・ノワール。
     ⑤「黒い瞳によろしく」・・ 彼女の瞳はもっと高みを見つめていた。とんでもない高みを。「恥辱」
     ⑥「刑務所内書信検査委員会への手紙」 ピアノと詩とパストラミ。深いアイロニーに満ちています。
     ⑦「にんぎょひめ」・・・・ 最近読んだ「夕陽の道を北へゆけ」の難民を思い、ジェーン・カンピオンの映画「ピアノ・レッスン」がフラッシュ。映画つながりで「シェイプ・オブ・ウォーター」を想起したところで、この短編の「愛」にはとても届かないことに気づくことになりました。最も好きな短編。
     ⑧「アレッポ挽歌」・・・・ テロリズムと郷土料理。
     ⑨「ああ、アスマン!」・・ スリラーの読み手として、Twistが素敵だ。
     ⑩「母との清算」・・・・・ 母親への思い。
     ⑪「歴史の如き孤独」・・・ これはとてもいい小説です。俗ですが、飛んでイスタンブール。父親への思い。
     ⑫「最後は大団円」・・・・ そして、誰もがアメリカへ向かう。

     「政治的なのかもしれない」という私の予想を覆し、庶民的で、ローアングルで、時に詩的でした。そして、「セヘル」が見なかった夜明けを思うとき、「暴力」への怒りに震える。

     この困難な時代において、今も戦っている世界中の多くの医療従事者、介護従事者に敬意を表します。本当にありがとうございます。この短編集の「母との清算」のように、「どんな厳しい時代も絶対にいつか過ぎ去る」
    セヘルが見なかった夜明けAmazon書評・レビュー:セヘルが見なかった夜明けより
    4152099321



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