Xと云う患者 龍之介幻想
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あらすじ
小説家、芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、己が生み出した虚構の分身と邂逅し、キリストと信仰の物語に心を囚われ、漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人―キリスト。私のキリスト。イギリスの鬼才が芥川文学をコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、精妙に美しい日本語に移し替えた決定的翻訳。文学的にして音響的、イギリス文学であり日本文学であり、近代文学と現代文学を越境する野心作。(「BOOK」データベースより)
評判
Xと云う患者 龍之介幻想の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
Xと云う患者 龍之介幻想の総合評価:
9.60/10点 レビュー 5件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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あっ...もっと早く読了すればよかった。
作者はマッシュアップではなく「コラージュ」という表現を好んでいるようですが、コラージュというよりもうちょっと層が厚い印象です。
私は浅はかにも冒頭1,2章で表層的な内容と判断してしまっていたのですが、コラージュという言葉から、日本語では同じように思う人がいて損をするかもしれません。
私は、芥川の熱心な読者とは言い難いのですが、芥川の関心や嗜好や精神の持ちようがほんのちょっと違っていたら、シェイクスピアの存在が日本に現れることになっていたのではないかな…と読むたびになんとなく思っていたのですが...
本書でデイヴィッド・ピースが描くところの芥川は、その印象を強めるものでした。
過去からの物語の森を伐採したり刈り込んで整えたりしながら活かしていくようなシェイクスピア的な物語の構築に向かわず、自分がその森に迷い込んで幻想の世界に入っていってしまう本書の芥川は、けれども非常にチャーミングです。その線の細さも弱さも、すべて人間的魅力として映るように描かれています。
それが実在した芥川龍之介の実像とどこまで一致するのかはわかりませんが、作品を通じて知る姿と私にとっては見事に重なりました。作者ピースの手腕と、自分の好みとの合致の両面で満足した作品でした。