ジャパンタウン
- 完全犯罪 (68)
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すごくシンプルな筋立てを、現代のニンジャとの対決と日本美術などの道具立てで、海外読者の喜びそうなエキゾチズムで膨らませた話。謎解きもなく答えが順に明かされるだけで驚きもない。B級テレビドラマのノベライズみたい。 | ||||
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日本在住の長いアメリカ人の作家が書いたミステリーで読み応えがありました。現代に生き続ける忍者組織を扱った日本人作家の本をいくつか読みましたが、どれも忍者組織はヒーロー扱い。この作品は真逆、新鮮でした。いくつか日本文化を誤解されているかと思えるところもありましたが、作品の価値を損ねてはいません。 緊張感のある面白い作品で、数日で一気に読み通せました。1/4くらいまではやや単調ですが、それを過ぎると先を読まずにいられなくなります。 時代小説ファンでもある小生には、非常に楽しい作品でした。次作に大いに期待しています。 | ||||
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アメリカの私立探偵ものだが、日本に深くかかわっている。現代の忍者のような巨大な悪に、なすすべもなく翻弄されていく主人公が、ぎりぎり追いつめられ絶望の淵で死んだ妻の言葉を思い出し、達観と心の静謐を取り戻し再び立ち向かっていく、その痛々しさに胸が苦しくなるほどであった。 緻密な描写でありながら実にスピーディー。これほどの作品は自分の中でも初めて出会った。超一級の小説でありすべての人に薦められる素晴らしい作品。OO7、ミッションインポッシブルを続けてみたような読後感に数日は興奮が収まらなかった。これからこの作者の作品をすべて読むことになるだろう。 | ||||
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白浪のあとはなけれど岡崎のよせくる音はなおきこえけれ 日本趣味を背景にしたアクションスリラーというと、かつて「シブミ」(トレヴェニアン)という傑作があったが、あの精神性を薄めてエンタテインメント性を思い切り強めたサスペンスアクションである。 こういうジャンルだと日本人作家だとどうしてもハジケ足りない、というかリアルさが足りないと言われることを恐れて中途半端に現実的な設定になりがちだが、この作品は「もり過ぎ」一歩手前という凄まじさである。 主人公ジム・ブローディはサンフランシスコで店構えは小さいが優れた鑑識眼と品揃えで知られた古美術商。本人はアイリッシュ系白人だが日本育ちで、日本の事情に詳しいことからサンフランシスコ市警の日本関連事案のアドバイザーを務める・・・というのは表向きで、知られざる顔としては亡くなった父(戦後期からMPとして日本に滞在していた)から受け継いだ調査・探偵社ブローディ・セキュリティ社の共同経営者にして代表者である。ジム本人も柔道・空手・テコンドーをベースにダウンタウンのストリートファイトを組み合わせた対人戦闘の達人だが、ブローディ・セキュリティの日本人調査員たちは非合法工作員クラスの諜報員から組織のハッカーと単独で対抗できるコンピューター専門スタッフまで一騎当千のスタッフ。登場人物の一人評して「ひとつの軍隊」。シスコのジャパンタウンで起きた路上での一家皆殺し事件を皮切りに、ジムと仲間たちは日本を裏から操る闇の一族との対決に向かう。殺害現場にのこされた漢字の意味は何か?謎を追うジムに迫る死の影。倒れゆく仲間。やがてそこにはかつてのジムを苦しめた妻の死の真相が・・・。魔の手はついにジムの一人娘ジェニーに迫る! 原書はマーク・グリーニーの賛辞を受けているそうだが、ここまでくるとグレイマンというより七月鏡一原作・藤原芳秀作画のコミック「闇のイージス」「ジーザスJESUS」の世界である。 フロシキが大きい分開巻しばらくは展開が遅く感じるが、中盤からは危機から危機へのサスペンスで読ませるノンストップアクションで大変楽しめた。 外国作家の書く小説には珍しく日本人キャラクターが日本人の目で見ても魅力的で、アメリカ人キャラクターとのカラミでもあまり不自然さを感じません。ただし日本人女性キャラは「だいぶん欧米オトコのファンタジー入ってんなあ・・・」という感じですが。 最大の問題点は、アメリカ人が”日本の秘密結社”などを書く場合、ほとんど必然的に”アメリカン・ニンジャ”のイメージになってしまう点でしょうか。荻がショー・コスギにしか見えん(笑) 最終章のあとに作者は「真実性について」という項目を設け、作者自身が実体験として訪ねた「その土地」について 「過去にはその地域に、出自のさまざまな暗殺者たちの秘密のグループが住んでいたこともある」 とそれらしく書いてはいるが、ジムが作中何度も口にする短歌の作者、太田垣蓮月が「伊賀上野」の城代家老の娘だということを知っていれば、もうミエミエである。 アメリカ人特有のニンジャ趣味が気にならなければ読んで損のない佳作ですが・・・やっぱりすこしお値段がねえ。 | ||||
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このスリラーを読むことで、ジャンルは異なりますが、「津波の霊たち」(リチャード・ロイド・パリー)、「トウキョウ・バイス」(ジェイク・エーデルスタイン)とこの国の<真実>を描き出そうとする優れた"インバウンド"の書き手たちのことを思いました。そしてこの国の日本語で書かれた、まるでシューティング・ゲームのようなスリラーはもしかするとこのまま衰退していくのかもしれません。そして、たとえそうであったとしても、それはそれでいいのだと思います。 「ジャパンタウン "Japantown"」(バリー・ランセット 集英社)を読みました。 舞台は、サンフランシスコ、ジャパンタウン。ショッピングモールで日本人一家五人が惨殺される事件が起きます。古美術商であり私立探偵でもあるジムが「市警」からの要請によりその事件に巻き込まれていきます。その現場には、謎の「漢字」が書かれた紙が残されています。そしてその漢字が、彼の「日本人」の妻が火災で亡くなった現場にあったものと同じものであることに気づくことになります。 西海岸のパセティックな「私立探偵小説」と思って読み始めましたが、違っていました。 勿論、今回もスリラーですからストーリーの詳細を明かすことはできません。その漢字の謎を追ってジムは、東京へ、そして「滋賀」へと捜査の足を延ばすことになります。テクノロジー、セキュリティ、<明鏡止水>(笑)。「堂々と頭を高くかかげよ......」 日本という国に蔓延る巨大な<悪>による謀略の物語であり、権力の濫用の物語でもあります。荒唐無稽なのでしょうか?それについては、スリラーの一読者としてこの物語を楽しめればいいと思いながら、この「三権分立」が機能しない国の中で生きていると、もしかすると「あるのかもしれない?」と思わせるような力強い物語でもあります。また、作者が戦時中に存在した「警察組織」に言及した段階でこのスリラーが、「優れもの」であることの証であるような印象を持つことにもなりました。 「マチズモ」を感じる物語でもあります。昨今では良き「マチズモ」と"ことわりがき"を入れる必要があるのかもしれませんが(笑) 少し戯言を書いてしまいました。戻りましょう。 舞台が東京へ移行する1/3までは少し我慢が必要です。しかし、以降はエモーションを超えた肉体、血の通ったアクションに次ぐアクション、スリル、間然とするところがありません。日本をよく知る<アート・ケラー>のような主人公ジム。そして必要な「相棒」、野田の存在。申し分ありません。 また一人、「追跡」すべき作家が現れてしまいました。そして、たとえそうであったとしても、それはそれでとても心躍るできごとだと思います。 | ||||
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