(短編集)

AX アックス

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種別
短編集
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あらすじ

2020年02月21日 AX アックス (角川文庫)

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐために仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。物語の新たな可能性を切り拓いた、エンタテインメント小説の最高峰!(「BOOK」データベースより)

評判

AX アックスの評価:

7.71/10点 レビュー 7件。 A ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.71pt

AX アックスの総合評価:

8.73/10点 レビュー 300件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全4件 1〜4 1/1ページ
No.4
(7pt)

AX アックスの感想

久しぶりに伊坂作品らしくて読後感が良かった

▼以下、ネタバレ感想

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mick
M6JVTZ3L
No.3
(8pt)

恐妻家の殺し屋による「妻のトリセツ」

殺し屋シリーズの第3弾。雑誌掲載の3作に書き下ろし2作を合わせた連作短編集のような構成だが、長編として読めるエンターテイメント作品である。
本作の主人公は凄腕の殺し屋「兜」。仲介人である「医師」の指示で仕事をしてきたのだが、愛する子供と妻のために引退したいと思い、その意思を伝えるものの受け入れてもらえず、渋々仕事を続けていた。そんなある日、兜は自分が狙われていることに気が付いた・・・。
家族を愛しながら家族に内緒で殺し屋を続けているという設定自体が笑いを誘うのだが、さらに兜が徹底した恐妻家だというのが面白い。息子に呆れられるほど妻の機嫌をうかがい、妻を怒らせないための傾向と対策のメモを作成し、日々、妻の機嫌を悪くさせないためだけに生きている様子が、とてもリアルに描かれている。世の恐妻家たちはほとんどが大きくうなずくであろう。
ミステリーというよりエンターテイメント作品であり、本シリーズのファンはもちろん、伊坂幸太郎作品のファンには安心してオススメできる。

iisan
927253Y1
No.2
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

AX アックスの感想

殺し屋シリーズ第三弾。
テーマはこれまで同様「家族愛」ですかね。
視点切り替えを多用した過去2作と違って、ずっと視点独占の主人公。
そんな主人公を、たった一行で殺してしまった時には驚いたけど、この後の「泣かせ」のポイントになっているように思いました。
個人的には、前作までのハチャメチャな方がこのシリーズには合ってそうに思いました。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1
(8pt)

AX アックスの感想

大好きな殺し屋シリーズということで、本屋で見つけて飛びつきました。
今回の主人公「兜」は、もう「仕事」をやめて家族と幸せに暮らしたいと願う殺し屋で、
ストーリーも前作とは違って、殺し屋の仕事現場というより、仕事屋の表の顔を描いた作品といえるでしょう。
楽しめました。

Hidezo
GX0TU62Y

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.293
(5pt)

私の場合は、魚肉ソーセージですw

殺し屋シリーズ第三弾にして、今の処最終作。
 「AX」(2012)、「Bee」(2012)、「Crayon」(2014)、「EXIT」(2017)、「FINE」(2017)からなる連作短篇集。
 迂闊にも「解説」で杉江松恋に云われるまで、アルファベット順に並んでいることに気づかなかった。当初は四篇目となる「Drive」という作品で〆る予定で、その簡単な梗概もあったらしいが、とある事情でポシャり、その数年後にEとFを加えることで完結したという。
 分量的には、後ろ二作で前半の三作よりも多くを占めている。

 それにしても、軽妙な会話の魅力は『グラスホッパー』から変わらないが、本作冒頭から檸檬、蜜柑、克巳との立て続けの無駄な会話による強力な惹きは怖ろしいほど。
 シットコムパワーというべきか。
 この技とさんざんに散りばめた布石を駆使する技巧が、著者の大きなアドバンテージだろう。

 本書の魅力の大半は、やはり兜が担っていて、彼のキャラ設定と家族をはじめとする周辺人物の会話がなんとも楽しい。
 ほとんど触れられないが、兜は幼少期より人間づきあいをあまり学んでこれずに、他者への共感性がないサイコパスのようで、自分でもそれを認識しているそぶりも散見する。しかし家族との繋がりは、彼の共感能力をみるみる育てたようで、現在進行形で学び続けているようでもある。彼の並外れたw恐妻家としての性質は、彼に共感力に気づかせるきっかけになった、妻との出会いを失いたくないという恐怖に源があるのだろう。
 彼自身は「甘えるような彼女との時代は、紀元前の四大文明のことに思いを馳せるようにしか捉えられない」(P.147)なんて思っているが、最後の最後に二十代前半の兜と妻の出逢いのシーンを挿入してきたのは、そういうことだと思う。
 とは言え、一方で彼と「Crayon」「EXIT」で交友が生じた松田や奈野村の名前や顔も短い時間で記憶が薄れている描写もあり、彼の脳機能には大きな問題がある気配も残っている。

 周囲に裏の顔を見せていない兜の設定からは、この秘密が家族にバレそうになる/またはバレる処からコメディ要素が広がるものだと思っていたが、家族は最後まで兜を普通の夫/父と思っていた。それでいて、最初から脇キャラとして十分に存在感のあった息子の克巳が、「FINE」では中心人物になったりと意表を突く展開に繋がり、これもまた巧い。
 兜が一括で購入したマンションの費用をどのように納得したのかは不明だがw

 杉江松恋は、兜とローレンス・ブロックの殺し屋ケラーシリーズの類似を述べているが、残念ながらわたしはそちらを読んだことがないのでわからない。また読むべきリストにあらたな本が加わってしまった。
 読むべきリストと云えば、本作内で兜が読んでいて、引用もされる古山高麗雄も知らなかった……。
 ふざけた名前(失礼)なので、テキトーな創作かと思ってしまったが、なんと芥川賞受賞作家だったw
 Wikipediaでさらっと見てみると、生まれが半島とのことだが戦前のことでもあるから、親は日本人ながら出生地にちなんで高麗雄と名付けたのかも知れない。しかしあちらの人なら、通名でわざわざ高麗雄は名乗らないように思う。
 受賞作の『プレオー8の夜明け』は、戦犯容疑でサイゴンの刑務所に抑留された日本兵云々と紹介されていたので、やや危険な臭いがしたが、彼は「憲兵にも良い奴はいたし、一等兵にも嫌な奴はいた。また、将校と結婚し幸せになった慰安婦もいる」という認識の持ち主らしいので、これも読むべきリスト入りだ。
 新しい歴史教科書をつくる会の賛同人でもあったらしい。

 閑話休題。
 ちなみにわたしは、兜のキャラに最初、人間に興味を持つアンドロイド、データ少佐を思い浮かべたが、犯罪ドラマであることや、「感情を演じる」のが「それ本物の感情でしょ」と変化していくのは、洋ドラ『デクスター』のデクスター・モーガンにより近い。そして最後に恐妻家と云えばやはりあの人、中村主水w

 当初『グラスホッパー』では、登場人物の大半がヤバい人たちで引っかかると書いたが、同様に殺し屋関連の人物が数多く登場する本作で、よもやこんな暖かい気持ちにさせられるとは……。
AX アックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: AX アックス (角川文庫)より
4041084423
No.292
(5pt)

合理性と感情が最後に収束する──家族を守る物語

※ネタバレあり※
伊坂幸太郎『AX』を読了しました。最終章「FINE」に至るまで、兜という恐妻家の殺し屋の姿に何度も心を揺さぶられました。

冒頭で兜の死が描かれ、強烈な喪失感を与えられますが、息子・克巳の視点に切り替わることで物語は推理小説的な展開へ。診察券や謎の鍵といった小さな証拠が真相への導線となり、父の合理性と感情を継承した克巳が行動していく姿は「兜の生き写し」のようでした。

兜の遺したノートには「怒ってない=怒っている」「相槌は大きく」「料理は一口でやめない」といった実践的な家庭ルールが記されており、殺し屋の合理性を家庭に転用するユーモラスさも魅力的です。

そして、兜の死は「復讐」ではなく「家族を守るための合理的な防衛」として描かれます。マンションの扉を開けると矢が飛ぶ仕掛け、家族には絶対に扉を開けさせないルール──合理性と愛情が最後まで両立していました。

タイトルが「FIN」ではなく「FINE(=大丈夫)」なのも象徴的です。兜が残した仕掛けやルールによって、家族は大丈夫でいられる。死を絶望ではなく希望に転換する伊坂らしい構造でした。

予想を外しながらも最後まで緊張感が続き、読者に余白を残す作品。合理性と感情の両立が「家族を守る」という一点に収束する物語に、深い余韻を感じました。
AX アックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: AX アックス (角川文庫)より
4041084423
No.291
(5pt)

私の場合は、魚肉ソーセージですw

殺し屋シリーズ第三弾にして、今の処最終作。
 「AX」(2012)、「Bee」(2012)、「Crayon」(2014)、「EXIT」(2017)、「FINE」(2017)からなる連作短篇集。
 迂闊にも「解説」で杉江松恋に云われるまで、アルファベット順に並んでいることに気づかなかった。当初は四篇目となる「Drive」という作品で〆る予定で、その簡単な梗概もあったらしいが、とある事情でポシャり、その数年後にEとFを加えることで完結したという。
 分量的には、後ろ二作で前半の三作よりも多くを占めている。

 それにしても、軽妙な会話の魅力は『グラスホッパー』から変わらないが、本作冒頭から檸檬、蜜柑、克巳との立て続けの無駄な会話による強力な惹きは怖ろしいほど。
 シットコムパワーというべきか。
 この技とさんざんに散りばめた布石を駆使する技巧が、著者の大きなアドバンテージだろう。

 本書の魅力の大半は、やはり兜が担っていて、彼のキャラ設定と家族をはじめとする周辺人物の会話がなんとも楽しい。
 ほとんど触れられないが、兜は幼少期より人間づきあいをあまり学んでこれずに、他者への共感性がないサイコパスのようで、自分でもそれを認識しているそぶりも散見する。しかし家族との繋がりは、彼の共感能力をみるみる育てたようで、現在進行形で学び続けているようでもある。彼の並外れたw恐妻家としての性質は、彼に共感力に気づかせるきっかけになった、妻との出会いを失いたくないという恐怖に源があるのだろう。
 彼自身は「甘えるような彼女との時代は、紀元前の四大文明のことに思いを馳せるようにしか捉えられない」(P.147)なんて思っているが、最後の最後に二十代前半の兜と妻の出逢いのシーンを挿入してきたのは、そういうことだと思う。
 とは言え、一方で彼と「Crayon」「EXIT」で交友が生じた松田や奈野村の名前や顔も短い時間で記憶が薄れている描写もあり、彼の脳機能には大きな問題がある気配も残っている。

 周囲に裏の顔を見せていない兜の設定からは、この秘密が家族にバレそうになる/またはバレる処からコメディ要素が広がるものだと思っていたが、家族は最後まで兜を普通の夫/父と思っていた。それでいて、最初から脇キャラとして十分に存在感のあった息子の克巳が、「FINE」では中心人物になったりと意表を突く展開に繋がり、これもまた巧い。
 兜が一括で購入したマンションの費用をどのように納得したのかは不明だがw

 杉江松恋は、兜とローレンス・ブロックの殺し屋ケラーシリーズの類似を述べているが、残念ながらわたしはそちらを読んだことがないのでわからない。また読むべきリストにあらたな本が加わってしまった。
 読むべきリストと云えば、本作内で兜が読んでいて、引用もされる古山高麗雄も知らなかった……。
 ふざけた名前(失礼)なので、テキトーな創作かと思ってしまったが、なんと芥川賞受賞作家だったw
 Wikipediaでさらっと見てみると、生まれが半島とのことだが戦前のことでもあるから、親は日本人ながら出生地にちなんで高麗雄と名付けたのかも知れない。しかしあちらの人なら、通名でわざわざ高麗雄は名乗らないように思う。
 受賞作の『プレオー8の夜明け』は、戦犯容疑でサイゴンの刑務所に抑留された日本兵云々と紹介されていたので、やや危険な臭いがしたが、彼は「憲兵にも良い奴はいたし、一等兵にも嫌な奴はいた。また、将校と結婚し幸せになった慰安婦もいる」という認識の持ち主らしいので、これも読むべきリスト入りだ。
 新しい歴史教科書をつくる会の賛同人でもあったらしい。

 閑話休題。
 ちなみにわたしは、兜のキャラに最初、人間に興味を持つアンドロイド、データ少佐を思い浮かべたが、犯罪ドラマであることや、「感情を演じる」のが「それ本物の感情でしょ」と変化していくのは、洋ドラ『デクスター』のデクスター・モーガンにより近い。そして最後に恐妻家と云えばやはりあの人、中村主水w

 当初『グラスホッパー』では、登場人物の大半がヤバい人たちで引っかかると書いたが、同様に殺し屋関連の人物が数多く登場する本作で、よもやこんな暖かい気持ちにさせられるとは……。
AX アックス Amazon書評・レビュー: AX アックスより
4041059461
No.290
(5pt)

合理性と感情が最後に収束する──家族を守る物語

※ネタバレあり※
伊坂幸太郎『AX』を読了しました。最終章「FINE」に至るまで、兜という恐妻家の殺し屋の姿に何度も心を揺さぶられました。

冒頭で兜の死が描かれ、強烈な喪失感を与えられますが、息子・克巳の視点に切り替わることで物語は推理小説的な展開へ。診察券や謎の鍵といった小さな証拠が真相への導線となり、父の合理性と感情を継承した克巳が行動していく姿は「兜の生き写し」のようでした。

兜の遺したノートには「怒ってない=怒っている」「相槌は大きく」「料理は一口でやめない」といった実践的な家庭ルールが記されており、殺し屋の合理性を家庭に転用するユーモラスさも魅力的です。

そして、兜の死は「復讐」ではなく「家族を守るための合理的な防衛」として描かれます。マンションの扉を開けると矢が飛ぶ仕掛け、家族には絶対に扉を開けさせないルール──合理性と愛情が最後まで両立していました。

タイトルが「FIN」ではなく「FINE(=大丈夫)」なのも象徴的です。兜が残した仕掛けやルールによって、家族は大丈夫でいられる。死を絶望ではなく希望に転換する伊坂らしい構造でした。

予想を外しながらも最後まで緊張感が続き、読者に余白を残す作品。合理性と感情の両立が「家族を守る」という一点に収束する物語に、深い余韻を感じました。
AX アックス Amazon書評・レビュー: AX アックスより
4041059461
No.289
(5pt)

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面白かった
AX アックス (角川文庫) Amazon書評・レビュー: AX アックス (角川文庫)より
4041084423

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