豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録
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「豆腐小僧ふりだし」の文字通りの続編。「概念」と書いて「オバケ」と読ませ、「妖怪は人の心の中に棲む」と常々標榜する作者による妖怪解説本である事は前作と変りないが、様々な工夫が凝らされている。人間に感得されて初めて存在し得る、元々は"非存在"の妖怪の中で、感得されないまま存在し続ける「豆腐小僧」。これを主役としている理由は、作者(が個人的に気に入っている他に)の教義(?)を伝えるのに好都合という意味があるのだろうが、本作では「豆腐小僧」が自身のアイデンティティである「豆腐」を落としてしまったら、という仮定の中で、改めて妖怪の存在性・主体性・自主性を追求している点が面白い。「豆腐小僧」と滑稽達磨の漫才コンビは相変わらず健在だし、その他にも言葉によるギャグが増えている。間接的な民俗学批判となっている点も見逃せない。 この他、武田信玄の埋蔵金が1つの焦点となり、それを用いた倒幕計画及び埋蔵金横取りに関わる悪玉達が登場すると共に、それらの悪玉が感得する妖怪達も登場する。悪玉達の思惑と妖怪達の思惑が同時進行で自在に交錯し、百花繚乱・抱腹絶倒、悪く言えば支離滅裂の趣きが味わえる。更に、水木先生の八百八狸による「妖怪総狸化計画」に纏わる話も登場する等、サービス満点。上述の、妖怪の存在性・主体性・自主性についても結末で意表を突いた解決が提示される。作者自身が"与太話"と語っている通り、気楽に読み進められる物語でありながら、妖怪ファンにとっては十二分に堪能出来る仕上がりの秀作と言って良いのではないか。 | ||||
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■妖怪物エンタテインメントの当代随一の書き手が描く、ほのぼの妖怪・豆腐小僧のお話。私は京極作品では巷説百物語シリーズが痛快で大好きなのだが、豆腐小僧物は少々趣が違う。作者の妖怪に関する考察や解説が物凄く細かく書き込まれているのだ。熟読すれば妖怪伝承や、その背景などが理解しやすくなること請け合い。徳島と愛媛の狸合戦についても書かれているので、四国の郷土史研究家諸君は要チェック! | ||||
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タイトルに書いたように面白いのは確かなのですが、前作と比べると少し疑問符がつきます。 前作がさくっと腹を抱えて笑える作品だったのですが、今作は理屈っぽさ前回です(京極作品のデフォルトという気もするが)。 少々説明がくどすぎる。 妖怪とは気楽に付き合いたい私としては京極流の妖怪話はちょっと頭でっかちな印象がする。 京極堂シリーズや百物語では上手くそのあたりがフィットしているものの、こういうバカ話ではあまり効果が出ているとは思えません。 登場人物の見解としての意見ならともかく、地の文でこれをやると小うるさいです。 | ||||
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豆腐本の第2弾。全体の雰囲気は『ふりだし』と同じ。 ノンビリ、ほんわか、妖怪(人間)喜劇。 達磨と小僧のコンニャク問答に新たな仲間が加わって、そこに人間側のドタバタ劇が絡まって、話は二転三転こんがらがる。 登場妖怪・人物のキャラが立っていて面白い。 だが、「京極夏彦の新豆腐!!」とか期待して読んだら、いささかの大豆不足は否めない。 「京極本は装丁も楽しみ」という読者の期待に応えようとする作者の職人的精神は素晴らしいが、豆腐型の本という様式にこだわりすぎていて、大豆の量が足りないのを無理して仕上げた一丁のようにも感じられる。 口当たり的には『ふりだし』が濃厚な木綿、『おやすみ』はのどごし滑らか絹ごし。 しかし、独創的なエンターテイメント豆腐であり、中身は一級品であることは間違いない。 この一丁からでも美味しいが、『ふりだし』からのほうがさらに美味しく感じるはず。 酒(○ッパッパー、ルンパッパー♪)の肴に奴仕立てでチビチビといくのも良し。 湯豆腐鍋にして一気に平らげるのも良し。 美味しい豆腐です。 | ||||
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豆腐小僧双六道中という何やら楽しげな題名と表紙に惹かれ書店にて購入いたしました。 タイトルの通り、豆腐小僧が旅をするすがらで出会う人やお化け(妖怪)に関する様々な エピソードが著者を語り部として描かれています。 京極夏彦氏は小説家でありながら民俗学者としても著名な方ですので、この書籍にも自 身の妖怪に関する知見や考察が散りばめられております。中でも冒頭から幾度となく、 「お化け(妖怪)とは実在せず、人の概念の中でのみ存在する」と強調し、実際にお化け たちもそれを自覚しているという事が新鮮に感じられました。 このような性質がありますので、この書籍は冒険譚としての面白さと共に、様々な妖怪 の伝承や文化的背景に対する学問的な考察を楽しむ本でもあるかと思います。もしかし たら、お子様などはやや難解に感じられるかもしれませんが、子供から大人まで楽しめ るという点では非常に優れた小説であると感じます。 一応続編という事で、前作「豆腐小僧双六道中ふりだし」を既読の方が楽しめるかもし れませんが、作者が文中でおっしゃっているように、今作から読んでも十分に楽しむ事 ができました。 | ||||
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