夜明けのフロスト
- フロスト警部 (7)
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ずいぶん前に読んだ本書『夜明けのフロスト』を在庫のなかから手にして再読することにした。 すっかり忘れていたが、本書が「『ジャーロ』傑作短編アンソロジー③」という何人かの作家の短編集のなかに、中編のR・D・ウィングフィールドの『夜明けのフロスト』が最後に編入されていたのである。 すべての作品がクリスマス・ストーリーで構成された本であったことも10年ほど前に読んだ評者は忘れてしまっていた。 まあ、最初の作品から読み始めたので下に各作品の感想&星数を書いてみました。 ● 『クリスマスツリー殺人事件』・・・エドワード・D・ホック 評者は、この作家の名前を記憶していたから、氏の作品を少しは読んだ記憶である。 レオポルド警部ものだったかは定かではないが、この短編はいただけない。 警部が引退後に後輩のフレッチャー警部に頼まれて迷宮入りした殺人事件を調べるよう依頼されて捜査を始める。 が、平凡な結末で終える短編であったから多分手抜きして書き上げた作品のだろうと思ってしまった。 星2ヶ進呈と評価してしまった。 ● 『Dr.カウチ大統領を救う』・・・ナンシー・ピカード 彼女の作品は何冊か読んだ記憶だったから在庫を調べてみたらすぐに見つけたのは、『虹の彼方に』『悲しみにさよなら』の二冊であった。 この二冊の内容など全く記憶に残ってない。(『虹の彼方に』の帯に「アガサ賞最優秀長編受賞」などと記されていたから評者が衝動買したものだろう) この短編『Dr.カウチ大統領を救う』は、獣医のフランクリン・カウチが孫娘フランキーに、自分が体験した昔話をすることで始まる。 時は第二次大戦を終えた1945年のクリスマスの夜に、若きDr.カウチが寒さのなかミズーリー州のインディペンデンス市の街のなかで散歩中にトルーマン大統領に偶然出逢うというストーリーである。 子供向けおとぎ話としては面白そうな作品だろうが、大人にとって読ませるほどの作品ではない。 残念ながらせいぜい星3ヶ進呈です。 ● 『あの子は誰なの?』・・・ダグ・アリン この作家の名前は覚えていたが、在庫を調べてみても一冊も見つけることはできなかった。 この作家が短編ミステリとはなにかを知りつくしている才能の持ち主だと思ひながらこの作品を興味深く読み終えた。 主人公ブルース・ドラモンド警部補と包帯男イライジャ・スミスと最後に交わす会話にはジンとくる。 ハッピーエンドではないが、作者が読者のカタルシスを慰撫する玄人好みの作風には魅了されてしまった。 この作家の本を、Amazon古書で探してみたくなってしまったので星5ヶ進呈したい。 ● 『お宝の猿』・・・レジナルド・ヒル アンディ・ダルジール警視ものは、何冊か読んだ記憶であったが、短編を読んだ記憶はない。 ピーター・バスコー主任警部が心配性で、お気楽なダルジーズ警視がなんだか知らないうちに事件を解決する物語はうっすらと記憶していた。 本作もこの二人の会話にはユーモアもあり、たいしたしたストリーではないのだが読ませてくれた。 第一次大戦時のクリスマスの夜のよく知られている逸話(独軍と英軍が塹壕から出てクリスマス・キャロルを合唱し、サッカーまでした)を、モチーフにして事件を解決するところなど心憎い手腕である。 作者の才能へ星4ヶ進呈したい。 ● 『わかちあう季節』・・・マーシャ・マラー&ビル・プロンジーニ この短編は、夫ビル・プロンジーニとマーシャ・マラーとの合作短編である。 評者は、マーシャ・マラーの作品を読んだ記憶がない。 マーシャ・マラーの女性探偵シャロン・マコーン・シリーズが何作も刊行されていることをネットで調べて知った。 夫ビル・ビル・プロンジーニもネットで調べたら、名無しの探偵シリーズのタイトルに記憶があり、何冊か読んだはずだから在庫を調べたら少しは探せるはずである。 本作は、夫婦の合作ストーリーでマラーのマコーンとプロンジーニの名無しの探偵(本編では”ウルフ”と呼ばれる)が共演する。 各章を、マコーンとウルフが交互に語るという構成でこの盗難事件は始まる。 マコーンが依頼された市の家屋検査指導課の上級職員の収賄に関する調査結果のフロッピー・デスクが盗まれるという話である。 市長に提出するため情報漏れを防ぐためたった一枚だけのオリジナル・デスクである。 偶然ウルフが盗難現場で犯人と遭遇し、犯人も誰か分かるのだが、クリスマスのチャリティー・パーティ会場のどこにそのデスクを隠したか? と、まったく本作は平凡極まるストーリーなのである。 夫婦ともいろいろな賞を受賞した経歴の持ち主であるが、この短編に評者はなんの感興も憶えず星2ヶと評価したい。 ● 『殺しのくちづけ』・・・ピーター・ラブゼイ 評者は、ピター・ラブゼイのダイヤモンド警視シリーズは全巻読んでいるから、このような短編は珍しいと思いながら読み進んだ。 この短編は、”ダイヤモンド警視夫妻はクリスマスをニューヨークですごしていた”という書きだしで始まる。 ステフ(ダイヤモンド夫人)の姉のエリーがブルックリンに住んでいるから、クリスマスを一緒に過ごそうと訪ねたのである。 かってバースの警察にいたことがあるニューヨーク市警の刑事を訪ねたところ、事件を捜査しないかと頼まれてダイヤモンド警視が解決する話である。 「ヤドリギ」にヒントがあるという意外性を除けば、なんということもない事件である。 ページ数がたった18ページという短い話であるからかも知れないが、ストーリーが平凡であり、なんとか星3ヶ進呈。 ● 『夜明けのフロスト』・・・R・D・ウィングフィールド ウィングフィールドの作品を下に時系列で書いてみたが、日本で翻訳出版されるのが10年ほど遅く、翻訳されたのが5年後というのが『フロスト気質』で例外である。 2013年に、『冬のフロスト』上・下巻が最近翻訳出版され残るは、”A Killing Frost"一冊だけとなっている。 “Frost at Christmas” (1984) 『クリスマスのフロスト』(芹澤恵 訳:創元推理文庫1994年9月初版) “A Touch of Frost” (1987) 『フロスト日和』(芹澤恵 訳:創元推理文庫1997年10月初版) “Night Frost” (1992) 『夜のフロスト』(芹澤恵 訳:創元推理文庫2001年6月初版) “Hard Frost” (1995) 『フロスト気質(上・下)』(芹澤恵 訳:創元推理文庫2008年7月初版) “Winter Frost” (1999)『冬のフロスト(上・下)』(芹澤恵 訳:創元推理文庫2013年6月初版) “A Killing Frost” (2008)・・・(未発刊) 本書の奥付を見ると2005年12月初版としてあり、原書のタイトルは”Seven Stories of Christmas” であるから、まあフロストの番外編として読むことになる。 ウィングフィールドのフロストものの多くは当初ラジオドラマであり、その後テレビでもドラマ化されてから小説を書くようになった経緯は、本書の解説で木村仁良氏が記述されていた。 長編は、評者が列記した6作品だけであり、 2007年にウィングフィールドが鬼籍に入って次作を期待することもできなくなり寂しい限りである。 ”A Killing Frost”は、ウィングフィールドが亡くなったあとに残された原稿から出版されたようである。 評者が始めてフロストに出会ったのが『クリスマスのフロスト』であり、ウィングフィールドのモジュラー型ミステリの魅力に嵌ってしまったのは、今から22年も昔であった。 その後翻訳版が刊行されるたびに手にしたのだが、あまり翻訳版が刊行されず、ついに原書まで衝動買して二冊も電子辞書頼りに読んで(?)しまった。 その他の作品としては、『ミステリ・マガジン』1998年6月号に、「ファックスで失礼」という作品が掲載されているとのことである。 評者がネットで調べてもそのバックナンバーを見つけることができないのが残念である。 さて、本書『夜明けのフロスト』は、『クリスマスのフロスト』を短縮したようなストーリーである。 相変わらずの悪態や品のないジョーク、マレット署長の葉巻タバコをこっそり頂戴したりと、フロスト流の活躍に衰えを見せず健在であるから読者は退屈しない。 フロストにとって平穏無事で和やかなクリスマスが訪れるはずもなく、クリスマス・イブのパーティから早朝にデントン署で休もうと顔を出す途端に事件発生。 デントン百貨店の前に赤ん坊が捨てられていたり、少女失踪事件も発生したり、百貨店の事務所の金庫が荒らされ大金が盗難に遭っていたりと相変わらずデントン署はてんやわんやの大騒ぎ。 この『夜明けのフロスト』で多少他の作品と異なるのは、部下がドジをしないでタイミングよく(マレット署長にとってだが)行方不明の少女をデントンの森で発見したりしたことであろうか。 フロストファンの手前味噌評価は当然星5ヶでした。 | ||||
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いや、もちろんいつものフロスト節も全開で、しっかりと楽しめますが。 居並ぶ名物刑事・探偵たちの悪党の裏をかく鮮やかな手並み、 短編ならではのすっきりとした味わいがあります。私、初夏にこれを読んじゃいましたけど クリスマスシーズンの夜更けにグラス片手に読めたら最高の贅沢でした。惜しいことしました。 ところでフロスト物は季節はいっつもクリスマスなんですよね。 で、毎年出勤を命じられ、署の受付を押し付けられる「彼」の痛烈なボヤキに シリーズのファンは思わずニヤついてしまう・・・この正月は寅さん的な お楽しみに、ぜひあなたもハマッてほしい。個人的には『フロスト日和』が一番好き。 | ||||
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「ジャーロ」傑作短編集'B『夜明けのフロスト』は、R・D・ウィングフィールドのフロスト警部シリーズのファンならば必読だろう。 クリスマスの夜に発生した、いくつもの事件に翻弄されるフロストとデントン署の面々の活躍(?)が描かれている。100頁だから短編というより、中編なんだろうけれど、読み応えはたっぷりである。フロストシリーズは、長編ならではの良さはあるが、短編は短編で、スッキリとキレよくまとまっているし、若干枯渇感もあって楽しかったりする。 フロストの毒舌、減らず口はあいからわず。ショボくれたおっさん警部が、迷走の挙句、なんだかんだと事件を解決してしまう定番ストリーである。今回の事件は、ショッピングセンターに捨てられた赤ん坊、生命の危機に瀕する15歳の少女の失踪、百貨店への侵入窃盗、さらには殺人とてんこ盛り。デントン署オールスターが登場し、それぞれの役割をきっちりこなしてくれる。フロストとマレット署長のからみは、やっぱり最高! R・D・ウィングフィールドが逝去して久しいけれど、今更ながら、新作が読めないと思うと残念でしかたがない。 その他の収録作品は、「夜明けのフロスト」に比べると色あせて見える。決して面白くないわけではないんだが。エドワード・D・ホック「クリスマスツリー殺人事件」(レオボルド警部)、レジナルド・ヒル「お宝の猿」(ダルジール警部)、マーシャ・マラー&ビル・ブロンジーニ「わかちあう季節」(マコーン&名無しの探偵)では、それぞれの作家のシリーズ・キャラクターが登場している。 その他の作家陣は以下のとおり。 ナンシー・ピカード/ダグ・アリン/ピーター・ラヴゼイ | ||||
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品質,即配送には満足していますが、 肝心のフロストは短編一つしか載っておらず、がっかりでした。 | ||||
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『夜明けのフロスト』フロストの短編は長編の時のお約束どおり、デントン警察署に次々と舞い込む事件の知らせ、全てを背負い込む羽目になるフロスト…最後はちょっとほろ苦いというお話です。 長編の何分の一かの文字数なのに、いつも通りいろいろ盛り込まれていて面白いですよ。 『お宝の猿』レジナルド・ヒルのダルジール&パスコーコンビも好きなので、入っていて嬉しかった。こちらは短編のせいか、シリアスさはなく、最初から最後まで凸凹コンビの掛け合いと(もちろんウィールドも登場します)巨漢のご愛嬌が楽しめます。 | ||||
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