壷中の回廊

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長編
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あらすじ

2013年06月26日 壺中の回廊

昭和五年、東京。「忠臣蔵」の舞台で事件は起きる。容疑者は役者、裏方、観客すべて。だが、「嘘をつくのが商売」の役者たちを相手に捜査は難航。築地署は江戸狂言作者の末裔・桜木治郎に捜査協力を要請した。激動の時代を背景にした渾身の長編歌舞伎バックステージ・ミステリー。(「BOOK」データベースより)

評判

壷中の回廊の評価:

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壷中の回廊の総合評価:

7.71/10点 レビュー 7件。

感想一覧

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No.7
(5pt)

勉強になる

歌舞伎に詳しくなる
壷中の回廊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 壷中の回廊 (集英社文庫)より
4087454584
No.6
(5pt)

勉強になる

歌舞伎に詳しくなる
壺中の回廊 Amazon書評・レビュー: 壺中の回廊より
4087715124
No.5
(5pt)

梨園を舞台にしたミステリー 著者の歌舞伎への愛が感じられる

三部作最後の『愚者の階梯』を先に読んだが、ミステリーとしてはこちらの方がよくできている。
舞台は歌舞伎の殿堂である「木挽座」、といえばモデルは歌舞伎座しかないのだが、関東大震災後に建築された歌舞伎座がよく描かれており、また、大衆の人気を博していた浅草の映画館や新進の築地小劇場にも触れられており、大正から昭和にかけての東京の演劇界の雰囲気が感じられて興味深い。
とりわけ、歌舞伎役者の階級社会が詳しく描かれているが、こんな感じである。
「歌舞伎役者には江戸の昔から名題、相中、中通り、下立役といった階級があり、明治になってそれが名題、名題下、上分、相中、新相中の五階級になったが、国家が厳然と定めた等級も別に存在する。それは義務づけた納税額による等級で、一等から八等まで分かれていた。」
現在でも、梨園の名家の御曹司の襲名披露は先頃の市川團十郎襲名のように賑々しく行われているが、階級制度はなお健在なのであろうか。
こうした梨園の階級制度と格差社会を打ち破るべく、当時の労働運動の波が歌舞伎座にも押し寄せ、幹部役者も巻き込んだ労働争議に発展しそうになることが事件の様相を複雑にし、ミステリーを面白くしている。

全体を通じて作者の歌舞伎への愛が感じられる作品となっているが、末尾の桜木治郎の独白は余韻の深いものである。
「喧騒に満ちた猥雑なまでに活気の漲るあの場所は、一方で滅入るほどに狭苦しくて、埃っぽい、饐えた臭いの澱んだ空気がこもっているのだ。それなのに皆なぜあんな場所に留まって、そこから出て行こうとしないのか、ここで見ていると実に不思議な気がしてくる。/だが己れの出番が来てちゃんと役を果たすまでは、皆そこから出てはならない、それが芝居の約束事なのである。」
歌舞伎の劇場と芝居について述べたこの言葉は、人生そのものの隠喩であろう。

ちなみに、著名な狂言作者の末裔で坪内逍遙の弟子とされる主人公の桜木治郎は、あの河竹黙阿弥の養子である河竹繁俊がモデルであろうか。今年は河竹黙阿弥没後130年で、新年から多数の作品が上演されていることを付記する。
壷中の回廊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 壷中の回廊 (集英社文庫)より
4087454584
No.4
(5pt)

梨園を舞台にしたミステリー 著者の歌舞伎への愛が感じられる

三部作最後の『愚者の階梯』を先に読んだが、ミステリーとしてはこちらの方がよくできている。
舞台は歌舞伎の殿堂である「木挽座」、といえばモデルは歌舞伎座しかないのだが、関東大震災後に建築された歌舞伎座がよく描かれており、また、大衆の人気を博していた浅草の映画館や新進の築地小劇場にも触れられており、大正から昭和にかけての東京の演劇界の雰囲気が感じられて興味深い。
とりわけ、歌舞伎役者の階級社会が詳しく描かれているが、こんな感じである。
「歌舞伎役者には江戸の昔から名題、相中、中通り、下立役といった階級があり、明治になってそれが名題、名題下、上分、相中、新相中の五階級になったが、国家が厳然と定めた等級も別に存在する。それは義務づけた納税額による等級で、一等から八等まで分かれていた。」
現在でも、梨園の名家の御曹司の襲名披露は先頃の市川團十郎襲名のように賑々しく行われているが、階級制度はなお健在なのであろうか。
こうした梨園の階級制度と格差社会を打ち破るべく、当時の労働運動の波が歌舞伎座にも押し寄せ、幹部役者も巻き込んだ労働争議に発展しそうになることが事件の様相を複雑にし、ミステリーを面白くしている。

全体を通じて作者の歌舞伎への愛が感じられる作品となっているが、末尾の桜木治郎の独白は余韻の深いものである。
「喧騒に満ちた猥雑なまでに活気の漲るあの場所は、一方で滅入るほどに狭苦しくて、埃っぽい、饐えた臭いの澱んだ空気がこもっているのだ。それなのに皆なぜあんな場所に留まって、そこから出て行こうとしないのか、ここで見ていると実に不思議な気がしてくる。/だが己れの出番が来てちゃんと役を果たすまでは、皆そこから出てはならない、それが芝居の約束事なのである。」
歌舞伎の劇場と芝居について述べたこの言葉は、人生そのものの隠喩であろう。

ちなみに、著名な狂言作者の末裔で坪内逍遙の弟子とされる主人公の桜木治郎は、あの河竹黙阿弥の養子である河竹繁俊がモデルであろうか。今年は河竹黙阿弥没後130年で、新年から多数の作品が上演されていることを付記する。
壺中の回廊 Amazon書評・レビュー: 壺中の回廊より
4087715124
No.3
(2pt)

文字通り壺中

読むのに時間がかかりました。時代や歌舞伎の世界というのは好みなのですが、今ひとつのめり込めなかったです。
労働の苦労を知らない女優志望のヒロインが安易に共産主義の思想に共感しているのも、あり得るかもしれないけれど、納得できないところがあります。
ただミステリーの謎がとけるときの伏線は、どろどろしていて、そこはちょっと面白かったです。
やっぱり好きな作家さんなので、引き続き読んでいきたいです。
壷中の回廊 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 壷中の回廊 (集英社文庫)より
4087454584

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