ブラッディ・カンザス
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あらすじ
人生というのは作物の収穫みたいなものだ。毎年、同じところ―同じ種、肥料、土壌―から出発するのに、結果は毎年ちがってくる。グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカンザスのコー・ヴァレーにやってきたのは、1855年のことだった。それ以来、三つの一族は隣人として生活してきた。ある時は奴隷解放に抗う者たちの襲撃を受け、またある時は疫病や旱魃といった大自然の猛威にさらされながらも、大地とともに、愛憎を紡ぎながら。歳月が過ぎ、フリーマントル家の屋敷は当主を失って無人になった。シャーペン、グルリエの両家は信教をめぐって対立を続ける。そして、激動の現代において、農場を営む人々といえども、世界と無縁ではいられない。親子の断絶、男女平等、イラク戦争、マスコミ、インターネット…フリーマントル屋敷にニューヨークから新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、人々の生活に巨大な波紋が起きてゆく…。V・I・ウォーショースキー・シリーズの著者が自らの故郷を舞台に、現代社会でのさまざまな問題を織りこみ、大地に生きようとする人々を重厚かつ華麗に描く野心作。(「BOOK」データベースより)
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評判
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ブラッディ・カンザスの総合評価:
9.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
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ストーリーは主に農場を営むグルリエ家の4人家族を中心に展開されるが、彼らの祖先はもともとフリーマントル家とシャーペン家と共に1855年にこの地、コー・ヴァレーに移住してきて隣人付き合いをしていた。しかし、今ではフリーマントル家は当主を失って無人化し、シャーペン家とは信教をめぐって対立していた。
そんな時、フリーマントル屋敷に親戚筋の女性がニューヨークから移り住み、グルリエ家に波紋を投げかけることになる。
その女性ジーナに誘われて、異教の儀式に参加したり反戦運動を始めたりする母親スーザンと対立して、息子のチップが軍隊に入隊し、イラクに派兵され戦死してしまう。スーザンはその痛手から寝たきり状態となり、父親ジムと娘のラーラも心を通わすことができずに家族はバラバラになってしまうのだ。
この物語は、主にジムやラーラの視点を軸に進行してゆくが、彼らの心の揺れや言動を通して、思春期を迎えた子供と親との断絶、夫婦の絆、家族の絆、隣人たちとの軋轢、町や学校での噂の広がり、青春期の恋愛など数々の問題を描いている。もっと観点をおおきくすると、男女平等、イラク戦争、宗教の問題まではらんでいる。かつては未開の大草原で肩を寄せ合うように暮らしていた人々も、歳月が過ぎ、激動の現代においては、世界と無縁ではいられないのだ。
本書は、ある家族の物語であると同時に、現代社会でのさまざまな問題を織り込んだ、パレツキーがいつか書きたいと思っていた重みのある大作である。