マイクロワールド
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あらすじ
ピーター・ジャンセンは生物学を専攻する大学院生。マサチューセッツ州ケンブリッジの大学で、仲間の六人の院生と共に先端研究にいそしんでいた。そんな七人の科学者が、新薬開発を行なうベンチャー企業Nanigenマイクロテクノロジーズにリクルートされる。ハワイの謎めいた研究所に招かれたピーターたちは、そこでハイテクを駆使した革新的な装置“テンソル・ジェネレーター”の存在を知るが…。やがてNanigenが関わる犯罪を知ったピーターら七人は、“テンソル・ジェネレーター”によって身体を百分の一サイズに縮められ、ハワイの密林に放り込まれてしまう。四十八時間以内にもとの大きさに戻らないと副作用から死を招くらしい。牙をむく獰猛な大自然を前に、若き科学者たちは専門知識のみを武器にジャングルから決死の脱出を図る―。クライトンの死後パソコンから発見された未完の遺稿を、練達のサイエンス・ライターが書き継いだ、巨匠の真骨頂を示す最後の傑作スリラー。(「BOOK」データベースより)
評判
マイクロワールドの評価:
9.00/10点 レビュー 1件。 A ランク
マイクロワールドの総合評価:
7.63/10点 レビュー 19件。
感想一覧
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Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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恐竜からウイルス、ナノテクと、いろんなスケールでの物語を編みだしてきたクライトンだが、最後となるこの作品は、なんとミリやセンチメートルの世界。
7人の大学院生が2センチメートルのサイズに縮小され、密林をサバイバルせざるを得ない状況に追い込まれる。そこは6本脚や8本脚や、何十本脚や脚のないやつらがうごめき、捕食しあう世界。専門知識をたよりに植物から化学物質を抽出し、ヤスデからは青酸をかき集め、腹が減ればとにかく食べられるものを見つけ、ファーブル昆虫記にもでてくる狩人バチと戦い・・・といった感じである。
残されていた原稿は全体の1/4ほどだったそうなので、かなりの部分をリチャード・プレストンが書いたことになる。それでもクライトンの特徴をできるだけ残そうと努力してくれたおかげで、最後まで楽しめた。ところどころクライトンらしからぬ部分もある。縮小されるまでの展開が稚拙だし、縮んだあとの物理描写が曖昧である。人称がときどき揺らいだりもする。クライトンだったらそういった部分を決しておろそかにしなかっただろう。でもそれらを許容すれば、よくできた作品になっている。
縦横無尽に科学技術を使いこなしてきた著者の最後の作品が、身近な生き物というのは感慨深い。かつて無知な環境保護論者が、夏休みの昆虫採集は環境破壊と、のたまわったことがある。著者のまえがきにも、自然を知らない環境保護論の話があった。クライトンの言いたかったことがまえがきによく込められていると感じた。