妖月の航海
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そういえば船乗りシンドバッドと藤原薬子は同時代人なんだよね!ということでアラビアンナイトの世界と平安王朝絵巻を接続してしまった多国籍海賊伝奇ファンタジ―系秘境冒険活劇。分かりやすくまとめると『パイレーツ・オブ・カリビアン』の東洋版。といっても、こちらの方が十年少々早いのか。底本は1992年刊行だしね。 主人公のシンバ(真破)は王朝貴族から依頼されて、海の外まで秘宝を探しに旅するトレジャーハンター的な海賊。前半は「朧竜石」、後半は「反魂香」と二度の航海とその顛末がよくこんなに詰め込んだなというほどスピーディーに展開されていくのであります。スピーディー過ぎて、どんな怪物に襲われても、数ページでやっつけちゃうくらい(笑)。 この秘宝探し、依頼主の目的は欲望がらみだし、妨害者の意図は嫌がらせレベルで何とも締まらないのは難ありなのですが、周囲のそんな思惑は途中からどうでもよくなってしまい、秘宝の正体ともからんでシンバの冒険は思いがけない方向へ進んでいくことに。 序盤で自分の船と仲間を失った後、シンバは海上をさまようアラビア船に流れつき、かのシンドバッドの霊魂を宿した酒を飲んでしまうのですが、シンドバッドの霊魂と一体化したといっても特別な能力を得るわけではなく、都合のいい状況で記憶と知識がアドバイスしてくれるという程度。こんな扱いでしたら、いっそシンドバッドが日本に残した隠し子?という設定でもよかったような。そんなシンバの冒険は、クトゥルフ神話を下敷きにしつつ、レイ・ハリーハウゼンのシンドバッド三部作へのオマージュたっぷりで次から次にモンスターが登場する大盤振舞い。読書中、頭の中ではCGもあらず、ハリーハウゼン流のダイナメーションで映像化されるといった調子です。何しろ、シンバにとっては知恵袋的存在の陰陽師が波龍鳳膳(ハリューホーゼン)なんて名前なんだから! 結末は、ラム・ジーンとの別れあり、ディーナと結ばれる形でハッピーエンドかと思いきや、エピローグでまさかの逆転劇! シリーズ化に色気を出してしまったということかもしれないですが、シンバの冒険は本書一作限りで続編は描かれず、まことに残念なのであります。 | ||||
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