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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数36

全36件 21~36 2/2ページ
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No.16:
(4pt)

名探偵の掟の感想


 東野圭吾のアンチミステリ、メタミステリかと思ったがどちらかというとミステリの未来への警告、メッセージ性の強い啓蒙的な作品となっていて捻くれたミステリを期待した方は肩透かしを食らうだろう。 というか私である。
 まぁ自分はアンフェアとかフェアだとかルールとか掟の前に驚けるかどうかの二分割でしか考えていないのであんまりこういう構成の作品は同調できない。 当時は本格ミステリが隆盛を極めた時期で焼き増しやテンプレート的な作品も溢れていたのだろうか、大先生もミステリ界の行き詰まりを感じていたということだろうか。 大丈夫、読者が犯人だったり幽霊が犯人だったりしてますよ。
 
名探偵の掟 (講談社文庫)
東野圭吾名探偵の掟 についてのレビュー
No.15:
(4pt)

さようなら、上小野田警部


 若くして芸能界を引退し隠遁生活を送っていた往年の名女優、美里織絵が逝去した。 〈蒼色館〉でしめやかに葬式が行われる中、遠く離れた織絵の実家で誘拐事件が発生する。 関係者一同は蒼色館にいたという鉄壁のアリバイがあり事件は難航、そして美しい犯罪を渇望する上小野田警部自身にはどこか外の世界から怪しい気配が・・・。

 作者はあまり気にしてないみたいだけど、過去作は読んでおいた方がいいでしょう。 かなり綱渡りな作品なので故人を見送るような温かい心で読みましょう。
不可能楽園 〈蒼色館〉 (講談社ノベルス)
No.14:
(4pt)

四神金赤館銀青館不可能殺人の感想

 
 湾を跨いで対峙する二つの館、金赤館銀青館。 両館で起こる不可能事件をミステリー作家の屋形は解くことができるのか・・。

▼以下、ネタバレ感想
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四神金赤館銀青館不可能殺人 (講談社ノベルス)
倉阪鬼一郎四神金赤館銀青館不可能殺人 についてのレビュー
No.13:
(4pt)

紙の碑に泪を 上小野田警部の退屈な事件の感想


 上小野田警部シリーズの一作目で倉阪氏のバカミスでは比較的初期の作品。 主人公の警部には既に首魁が分かっていて読者は事件の資料である容疑者のブログから事件を推理することになる、しかしそこの挟まるのは警部の読む海外ミステリー。 果たしてあなたは犯人の名前を当てられるだろうか・・・。 



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紙の碑に泪を (講談社ノベルス)
No.12:
(4pt)

6人の芸術家と7つの芸術作品


 日暮百人は早々に引退して自適な生活を送る綾鹿市の実業家。 美術に造詣の深い彼は私財で美術館兼アトリエを建て奇抜な現代芸術家6名を招待していた。 やがて起きるのは芸術家を始めとする連続怪死事件、動機も何もかもも奇抜すぎる事件を綾鹿市の刑事と探偵は解決できるのか!?

 痙攣的に続く美術ミステリの皮を被ったとんでもミステリ。 ところどころ尖った解決が提示されるがやはりラストのどんでん返しがシリーズの中でも弱すぎる。★は4つ。
爆発的 七つの箱の死
鳥飼否宇爆発的 7つの箱の死 についてのレビュー
No.11:
(4pt)

密室+遺体+豆腐=


 倉知淳の短編集。 奇抜な作品をよく書いている彼の中でもブラックユーモアとSF的な不思議空間を利かせた異色作になっている。 ★は4つ。
豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 (実業之日本社文庫)
No.10:
(4pt)

殺人!ザ・東京ドームの感想


 1988年、日本初の屋根付き野球場が竣成した。 そのアーチ状の柔らかな見た目からBIG EGGとも呼ばれ、今日までプロ野球や社会人野球、ライブに各種イベントと数多くの人を収容し楽しませてきた施設、東京ドームである。
本作はそんな完成直後の東京ドーム、巨人-阪神戦5万人の観衆の中、無差別殺人に踏み切った男のサイコスリラー。

文庫版の粗筋が下手だったのかな、随分と想像と違った作品でした。 ノベルス版の粗筋はしっくりくる、本作はある出来事をきっかけに自身を誇大させてしまった男の猟奇的暴走と狂気的思考を描いています。 あんまり毒とか野球とかドームとか考えなくていいです(私が勝手に想像しすぎただけか)。 ★は4。

殺人!ザ・東京ドーム (講談社文庫)
岡嶋二人殺人!ザ・東京ドーム についてのレビュー
No.9: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

館シリーズ抜きで考えれば面白いと思う


 妖しい噂の「びっくり館」。 過去の私はその館で不思議な少年「俊生」と館の主の老人と出会う。 交流のうちに明かされる館の秘密と過去、そして聖夜の殺人へ―――。

 ミステリーランド発のジュブナイル向けということで主人公の「少年」にピントを合わせ、一連の事件と超常的な事象に想像の余地を持たせる試みは良いことだと思います。 夢野久作然り解説の道尾秀介然り考えさせる展開は楽しいですものね。 そうなると過去7作品のシリーズ設定が邪魔な気もするのですが・・・。


 

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びっくり館の殺人 (講談社文庫)
綾辻行人びっくり館の殺人 についてのレビュー
No.8:
(4pt)

青空文庫 短編

 
 医師としての誤った診断の可能性を指摘しつつ始まる殺人事件。 真相は読者任せの藪の中・・・。 
小酒井不木誤った鑑定 についてのレビュー
No.7:
(4pt)

青空文庫 短編

 
 夢野久作にしてはあまりに普通過ぎる探偵小説。 つまり普通に犯人がいて動機があって社会性があって理にかなっている。 そして不思議なことに凡になっているのだ。 狂ってるくらいが丁度いいですよね。
夢野久作S岬西洋夫人絞殺事件 についてのレビュー
No.6: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

「毒殺」で長編に挑んだミステリー


 「弥生を殺したのは俺だよ」 時効間近の宵、容疑者の一人は宣言する。 どうやって毒殺を成し遂げたのか、ハウダニットを意識した倒叙ミステリー。

雪の山荘、限られた人数、限られたアイテムで遂行された毒殺事件。 2010年代では中々見ないオールドな設定な感じですね、出来はともかくこういう作品は消えないでほしいです。 「毒」という強力なアイテムが出てくるわけですがその扱いがちょっと自由過ぎるかなぁ、トリックにツッコミたくなるような欠点も散見する気がします。 アガサ・クリスティーを意識したようなどんでん返しもこれでは栄えない。 ★は4つ。
 

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致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫JA)
三沢陽一致死量未満の殺人 についてのレビュー
No.5:
(4pt)

存在しなかった男: 警視庁捜査一課田楽心太の事件簿の感想

 
 ハネムーンの帰国便から新郎が消えた!? 北館奈々は夫の姿を訴えるも不自然なほど彼の痕跡は残されていなかった。 明かされていく彼の過去と虚実、彼と私は本当に愛し合っていたのか・・・。

 悲劇的社会派ミステリを目指したようですが登場人物の描写が薄すぎてこれでは共感とか同情とか感傷とかの前に唯々悲しい話になってしまっているかと。 人間消失の謎もミステリ好きが読んで面白いとは思えない代物です。 表紙を空港にするほどのものじゃない、★は4つ。

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存在しなかった男
No.4:
(4pt)

青空文庫より 短編50頁

 
 「麻雀」で検索したら出てきた作品。 この時代には雀荘と言う商売が成立していたのか。
色々突っ込みどころはあるが中々に面白いです。 なにより非常に読みやすいです。 海野十三、浜尾四郎、大阪圭吉あたりは本当に退屈しない、青空文庫漁りがはかどります。
海野十三麻雀殺人事件 についてのレビュー
No.3:
(4pt)

ここまで魅力ない探偵も珍しい

 倒叙ミステリは最初に犯人が作者によって明かされています。故に読者はそれ以外の要素、動機なり方法なりを推測することになります。 複数の登場人物の行動、アリバイを考慮しなくて良いので色々と楽に読めますね。  

古今東西様々な探偵役がいますが本作程魅力ない人物は珍しいと思います。 「探偵と警察の違いは真実を胸に秘めていられるかどうか」と誰かが言ってました。 私自身探偵役は飄々として犯人よりも事件の真相が大事というような輩が好きではあるのですが、まぁ限度はありますよね最低限人としての。 どこぞの知的強姦者かと思いましたもの、あっちは悪役なのに。

動機に関しては欠陥物ですね。 殺す必要がそもそもない。 一方で犯人の偽装による行動トリックと密室の役割については非常に精巧です。 ★は4つ

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扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)
石持浅海扉は閉ざされたまま についてのレビュー
No.2:
(4pt)

樹海伝説 騙しの森へ・・・

 樹海シリーズの一作目。150Pほどの中編小説。
山荘で起きた惨劇に興味を持った大学生、その事件を追っていくうちに彼らに災厄が・・。

この作品だけでは事件の全貌が解決せずぱっとしません。 シリーズ物を見越してということでしょうがあまりに疑問点が残り過ぎます。
手記と主人公、そして犯罪者の視点を複雑に使い分けるのは折原氏らしく好ましいですが今作の容量では如何せん厳しい。 ラストの展開に大きいものがあるのでもうちょっと話を膨らまして描いてもよかったかもしれないです。 尤もストーリーの破綻はしてないので手軽に数時間で驚きを楽しめるという意味では有りかもしれません。 ミステリーよりも樹海でのパニックホラー感が強く出ています。
樹海伝説―騙しの森へ (祥伝社文庫)
折原一樹海伝説 についてのレビュー
No.1: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

ミステリではないが衝撃的なデビュー作

 乙一氏のデビュー作、賞応募作であって140Pほどの中編小説。
読んで十数ページで凄惨な展開、そしてこの作品の斬新な装いに気付かされます。非常にシンプルながらきっちりまとまりを持った今作は若い才能が賞を受賞するに相応しいものになっています。しかし推理小説、現実的な要素はほぼ無くミステリーとして楽しめるかは微妙なところ、それでもぜひ長編作品を拝読してみたい、そんな気分にさせられる作品です。
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
乙一夏と花火と私の死体 についてのレビュー


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