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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数36件
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東野圭吾のアンチミステリ、メタミステリかと思ったがどちらかというとミステリの未来への警告、メッセージ性の強い啓蒙的な作品となっていて捻くれたミステリを期待した方は肩透かしを食らうだろう。 というか私である。 まぁ自分はアンフェアとかフェアだとかルールとか掟の前に驚けるかどうかの二分割でしか考えていないのであんまりこういう構成の作品は同調できない。 当時は本格ミステリが隆盛を極めた時期で焼き増しやテンプレート的な作品も溢れていたのだろうか、大先生もミステリ界の行き詰まりを感じていたということだろうか。 大丈夫、読者が犯人だったり幽霊が犯人だったりしてますよ。 |
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若くして芸能界を引退し隠遁生活を送っていた往年の名女優、美里織絵が逝去した。 〈蒼色館〉でしめやかに葬式が行われる中、遠く離れた織絵の実家で誘拐事件が発生する。 関係者一同は蒼色館にいたという鉄壁のアリバイがあり事件は難航、そして美しい犯罪を渇望する上小野田警部自身にはどこか外の世界から怪しい気配が・・・。 作者はあまり気にしてないみたいだけど、過去作は読んでおいた方がいいでしょう。 かなり綱渡りな作品なので故人を見送るような温かい心で読みましょう。 |
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日暮百人は早々に引退して自適な生活を送る綾鹿市の実業家。 美術に造詣の深い彼は私財で美術館兼アトリエを建て奇抜な現代芸術家6名を招待していた。 やがて起きるのは芸術家を始めとする連続怪死事件、動機も何もかもも奇抜すぎる事件を綾鹿市の刑事と探偵は解決できるのか!? 痙攣的に続く美術ミステリの皮を被ったとんでもミステリ。 ところどころ尖った解決が提示されるがやはりラストのどんでん返しがシリーズの中でも弱すぎる。★は4つ。 |
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倉知淳の短編集。 奇抜な作品をよく書いている彼の中でもブラックユーモアとSF的な不思議空間を利かせた異色作になっている。 ★は4つ。 |
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1988年、日本初の屋根付き野球場が竣成した。 そのアーチ状の柔らかな見た目からBIG EGGとも呼ばれ、今日までプロ野球や社会人野球、ライブに各種イベントと数多くの人を収容し楽しませてきた施設、東京ドームである。 本作はそんな完成直後の東京ドーム、巨人-阪神戦5万人の観衆の中、無差別殺人に踏み切った男のサイコスリラー。 文庫版の粗筋が下手だったのかな、随分と想像と違った作品でした。 ノベルス版の粗筋はしっくりくる、本作はある出来事をきっかけに自身を誇大させてしまった男の猟奇的暴走と狂気的思考を描いています。 あんまり毒とか野球とかドームとか考えなくていいです(私が勝手に想像しすぎただけか)。 ★は4。 |
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医師としての誤った診断の可能性を指摘しつつ始まる殺人事件。 真相は読者任せの藪の中・・・。 |
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夢野久作にしてはあまりに普通過ぎる探偵小説。 つまり普通に犯人がいて動機があって社会性があって理にかなっている。 そして不思議なことに凡になっているのだ。 狂ってるくらいが丁度いいですよね。 |
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「弥生を殺したのは俺だよ」 時効間近の宵、容疑者の一人は宣言する。 どうやって毒殺を成し遂げたのか、ハウダニットを意識した倒叙ミステリー。 雪の山荘、限られた人数、限られたアイテムで遂行された毒殺事件。 2010年代では中々見ないオールドな設定な感じですね、出来はともかくこういう作品は消えないでほしいです。 「毒」という強力なアイテムが出てくるわけですがその扱いがちょっと自由過ぎるかなぁ、トリックにツッコミたくなるような欠点も散見する気がします。 アガサ・クリスティーを意識したようなどんでん返しもこれでは栄えない。 ★は4つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「麻雀」で検索したら出てきた作品。 この時代には雀荘と言う商売が成立していたのか。 色々突っ込みどころはあるが中々に面白いです。 なにより非常に読みやすいです。 海野十三、浜尾四郎、大阪圭吉あたりは本当に退屈しない、青空文庫漁りがはかどります。 |
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倒叙ミステリは最初に犯人が作者によって明かされています。故に読者はそれ以外の要素、動機なり方法なりを推測することになります。 複数の登場人物の行動、アリバイを考慮しなくて良いので色々と楽に読めますね。
古今東西様々な探偵役がいますが本作程魅力ない人物は珍しいと思います。 「探偵と警察の違いは真実を胸に秘めていられるかどうか」と誰かが言ってました。 私自身探偵役は飄々として犯人よりも事件の真相が大事というような輩が好きではあるのですが、まぁ限度はありますよね最低限人としての。 どこぞの知的強姦者かと思いましたもの、あっちは悪役なのに。 動機に関しては欠陥物ですね。 殺す必要がそもそもない。 一方で犯人の偽装による行動トリックと密室の役割については非常に精巧です。 ★は4つ ▼以下、ネタバレ感想 |
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樹海シリーズの一作目。150Pほどの中編小説。
山荘で起きた惨劇に興味を持った大学生、その事件を追っていくうちに彼らに災厄が・・。 この作品だけでは事件の全貌が解決せずぱっとしません。 シリーズ物を見越してということでしょうがあまりに疑問点が残り過ぎます。 手記と主人公、そして犯罪者の視点を複雑に使い分けるのは折原氏らしく好ましいですが今作の容量では如何せん厳しい。 ラストの展開に大きいものがあるのでもうちょっと話を膨らまして描いてもよかったかもしれないです。 尤もストーリーの破綻はしてないので手軽に数時間で驚きを楽しめるという意味では有りかもしれません。 ミステリーよりも樹海でのパニックホラー感が強く出ています。 |
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乙一氏のデビュー作、賞応募作であって140Pほどの中編小説。
読んで十数ページで凄惨な展開、そしてこの作品の斬新な装いに気付かされます。非常にシンプルながらきっちりまとまりを持った今作は若い才能が賞を受賞するに相応しいものになっています。しかし推理小説、現実的な要素はほぼ無くミステリーとして楽しめるかは微妙なところ、それでもぜひ長編作品を拝読してみたい、そんな気分にさせられる作品です。 |
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