十津川警部 愛と祈りのJR身延線
評判
十津川警部 愛と祈りのJR身延線の評価:
4.00/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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十津川警部 愛と祈りのJR身延線の評価:
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私立探偵の橋本の叔母みさ子が身延山参拝の旅行へと出たまま旅程を過ぎても帰って来ない。心配した橋本が旅行会社に問い合わせると、添乗員の早田敬子は社員ではない事が判明する。そして橋本が偶然にもホテルで目撃した早田と一緒にいた男が後日刺殺される事件が起きるのだった。
本書はミステリーとしてみれば、真犯人が登場するのが後半からという事でフェアではなく犯人探し推理小説の要件を満たしてはおりませんが、まあ著者の意図はミステリーの枠組みを借りた普通小説を書く事にあったのだろうなと思いますね。この小説の最大の眼目は信美教団の「あの世へのポストマン」というシステムを許容できるか?という点にあると思いますが、はっきり言って微妙でかなり判断に迷う所ではありますね。明確に書かれていないでぼかされている点に、遺族に夢を見させる為に薬物を使用しているという疑惑がありますが、それがもし事実であるならばそこは幾ら何でも遣り過ぎだろうと思いますね。でも100%の悪であるかと問われれば必ずしもそうは思えず不幸な人々に善行を為している面も確かにあると感じますね。金儲けという視点だけで物事を見ると本質を見誤ってしまう部分があるでしょうね。結果的に見れば信美教団の消滅は利益の減少を恐れるライバル教団との争いに敗れて叩き潰されてしまったと言えるでしょうね。西村氏も十津川警部も弱者に対する憐憫の情を持たれていて、巨大権力の前では弱小集団は敗れ去る運命にあるのが世の習いといった哀切なストーリーを繰り返し書かれますが、賛否両論あろうかとは思いながらもラストで死者を鞭打たず殺人者にさえも一抹の哀れみの心を抱かせる優しさには胸を打たれるものがありましたね。