彼女がその名を知らない鳥たち

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彼女がその名を知らない鳥たちの評価:

3.90/5点 レビュー 136件。 C ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全186件 161〜180 9/10ページ
No.26
(5pt)

親子関係に似た無償の愛

生理的に嫌悪感を感じさせる陣治とその陣治を侮蔑、罵倒しながらも依存している十和子になかなか感情移入できずにいた前半は読むのがつらかった。この話は本当の愛の物語と言えるだろうが、私には男女の愛の物語でありながら、親子の愛の物語のように感じられた。親に金銭的、精神的に依存しながら、反抗的な子供、子供を愛しながらも表現が不器用な親。陣治の姿は年頃の娘に煙たがられ、疎まれる中年親父たちの悲哀に重なるものがある。ラストの描写にも未来永劫続いていく親子関係、生命の輪廻を感じた。あまりにも陰惨で重苦しい物語を最後に無償の愛へ昇華させたすばらしい小説で、一読をお勧めする。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.25
(5pt)

親子関係に似た無償の愛

生理的に嫌悪感を感じさせる陣治とその陣治を侮蔑、罵倒しながらも依存している十和子になかなか感情移入できずにいた前半は読むのがつらかった。この話は本当の愛の物語と言えるだろうが、私には男女の愛の物語でありながら、親子の愛の物語のように感じられた。親に金銭的、精神的に依存しながら、反抗的な子供、子供を愛しながらも表現が不器用な親。陣治の姿は年頃の娘に煙たがられ、疎まれる中年親父たちの悲哀に重なるものがある。ラストの描写にも未来永劫続いていく親子関係、生命の輪廻を感じた。あまりにも陰惨で重苦しい物語を最後に無償の愛へ昇華させたすばらしい小説で、一読をお勧めする。
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.24
(5pt)

圧倒されました

『ユリゴコロ』で気になる作家さんになったので、こちらも読んでみました。
あちらはわりとこざっぱりと短くまとまっていましたが、こっちはジックリ、ネットリ、ですね。
言葉の迫力に圧倒されつつ、一気に読んでしまいました。
読みやすくはないです。この真に迫る文章の重さは、嫌悪を感じる人もいると思います。
それほどすごい文章ということにもなりますね。
女主人公の同棲している男性を嫌う、呪いのような言葉や手を抜かない性の描写は、
読んでいて目眩がしてくるほどでした。
そこまで嫌いなら、なんで出て行かないのか、別れないのかという疑問が不思議とわいてきませんでした。
こういう女性の思考回路がありありと伝わってきたからでしょう。
そして、皆さんが絶賛なさってるラストですが、期待しまくりましたが、それでも裏切られませんでした。
うー、すごい作家がいたものだと、ただただ感心。次作も楽しみです。ちょっと読むのが怖いけどw
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.23
(5pt)

圧倒されました

『ユリゴコロ』で気になる作家さんになったので、こちらも読んでみました。
あちらはわりとこざっぱりと短くまとまっていましたが、こっちはジックリ、ネットリ、ですね。
言葉の迫力に圧倒されつつ、一気に読んでしまいました。
読みやすくはないです。この真に迫る文章の重さは、嫌悪を感じる人もいると思います。
それほどすごい文章ということにもなりますね。
女主人公の同棲している男性を嫌う、呪いのような言葉や手を抜かない性の描写は、
読んでいて目眩がしてくるほどでした。
そこまで嫌いなら、なんで出て行かないのか、別れないのかという疑問が不思議とわいてきませんでした。
こういう女性の思考回路がありありと伝わってきたからでしょう。
そして、皆さんが絶賛なさってるラストですが、期待しまくりましたが、それでも裏切られませんでした。
うー、すごい作家がいたものだと、ただただ感心。次作も楽しみです。ちょっと読むのが怖いけどw
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.22
(4pt)

ユリゴゴロを読む前に...

読んだ方が良いかと。
ユリゴゴロと違いダラダラが長いのでねw

怠惰怠惰怠惰ズルズル感。最低の女に最低の男 

   読みながら  ...そろそろ面白くなる?よね? ...まだなの?う〜〜ん

起伏が足りないのですよ。

後半まで散々ダラダラした挙句のラスト、  え...ええ?! ...そして涙 


読書後の感想を一言で言うと、
『なんでや? なんでぇ...こんなクソ女の為に...? 何してくれてんねん!><ばかぁ〜』
です。

一途で悲しく汚い男に 涙。そして、その男に対し イマイチの不可解さが残る小説でした。

著者の沼田まほかる さん って、社会に不適合なヘン女描くの得意ですよねw


彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.21
(4pt)

ユリゴゴロを読む前に...

読んだ方が良いかと。
ユリゴゴロと違いダラダラが長いのでねw

怠惰怠惰怠惰ズルズル感。最低の女に最低の男 

   読みながら  ...そろそろ面白くなる?よね? ...まだなの?う〜〜ん

起伏が足りないのですよ。

後半まで散々ダラダラした挙句のラスト、  え...ええ?! ...そして涙 


読書後の感想を一言で言うと、
『なんでや? なんでぇ...こんなクソ女の為に...? 何してくれてんねん!><ばかぁ〜』
です。

一途で悲しく汚い男に 涙。そして、その男に対し イマイチの不可解さが残る小説でした。

著者の沼田まほかる さん って、社会に不適合なヘン女描くの得意ですよねw


彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.20
(4pt)

デビュー作に比べて格段の進歩 !

デビュー作「九月が永遠に続けば」に次いで本作を読んだ。登場人物の特異なキャラクター設定のみに頼ったデビュー作には失望したが、本作で作者は化けたようだ。平凡な人間が抱える不満・鬱屈の掘り下げ方、男女間の機微の切り取り方、簡潔な文体でありながら濃密で狂気めいた世界を構築する描写力。いずれも格段の進歩を遂げている。

ヒロインは8年前に捨てられた元愛人の黒崎を忘れられないまま典型的な俗物中年男の陣治と同棲している33才の無職の女性。生計を依存して置きながら、陣治の卑俗さや無能ぶりを心から唾棄して暴言を度々吐く。ヒロインの言動が日常の範囲内なのか狂気の世界に入っているのか判然としない不穏な空気の中で読者を引っ張る筆力には凄味を感じた。「八日目の蝉」の前半を思わせる。また、舞台を大阪に設定している関係で、大阪弁で発せられる上述の罵詈雑言の嵐がある種の滑稽味を伴い、陣治への同情を引き出している辺り巧い。実際、陣治はヒロインに対して限りなく優しいのだ。反面、黒崎の魅力の源泉が伝わって来ない恨みがあるが、それが不条理感を増しているとも言える。

そして、ヒロインの前に同世代の妻子持ちの水島が現われ...。水島の造形には作者の僧侶体験が反映されている様に映ったが、水島の登場後、物語が却って凡庸化した感が否めない。繰り返される不倫、黒崎に捨てられた経緯、ヒロインと対照的だった筈の姉夫婦の実態、そして黒崎の失踪等が次々と描かれるが、要素を散りばめる事によって物語を複雑化される狙いが単なる昼メロ的パターン化に堕している印象を受けた。ヒロインと陣治と黒崎の幻影だけに焦点を絞った方が物語の濃密度を増したと思う。勿論、水島の登場はあるキッカケに過ぎないのだが...。

後半は小説としての体裁を整えたいとの意図からか既視感のある展開になってしまったが、前半の迫力と重圧感だけでも読む価値があると思う。今後も期待出来る作家ではないか。

彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.19
(4pt)

デビュー作に比べて格段の進歩 !

デビュー作「九月が永遠に続けば」に次いで本作を読んだ。登場人物の特異なキャラクター設定のみに頼ったデビュー作には失望したが、本作で作者は化けたようだ。平凡な人間が抱える不満・鬱屈の掘り下げ方、男女間の機微の切り取り方、簡潔な文体でありながら濃密で狂気めいた世界を構築する描写力。いずれも格段の進歩を遂げている。

ヒロインは8年前に捨てられた元愛人の黒崎を忘れられないまま典型的な俗物中年男の陣治と同棲している33才の無職の女性。生計を依存して置きながら、陣治の卑俗さや無能ぶりを心から唾棄して暴言を度々吐く。ヒロインの言動が日常の範囲内なのか狂気の世界に入っているのか判然としない不穏な空気の中で読者を引っ張る筆力には凄味を感じた。「八日目の蝉」の前半を思わせる。また、舞台を大阪に設定している関係で、大阪弁で発せられる上述の罵詈雑言の嵐がある種の滑稽味を伴い、陣治への同情を引き出している辺り巧い。実際、陣治はヒロインに対して限りなく優しいのだ。反面、黒崎の魅力の源泉が伝わって来ない恨みがあるが、それが不条理感を増しているとも言える。

そして、ヒロインの前に同世代の妻子持ちの水島が現われ...。水島の造形には作者の僧侶体験が反映されている様に映ったが、水島の登場後、物語が却って凡庸化した感が否めない。繰り返される不倫、黒崎に捨てられた経緯、ヒロインと対照的だった筈の姉夫婦の実態、そして黒崎の失踪等が次々と描かれるが、要素を散りばめる事によって物語を複雑化される狙いが単なる昼メロ的パターン化に堕している印象を受けた。ヒロインと陣治と黒崎の幻影だけに焦点を絞った方が物語の濃密度を増したと思う。勿論、水島の登場はあるキッカケに過ぎないのだが...。

後半は小説としての体裁を整えたいとの意図からか既視感のある展開になってしまったが、前半の迫力と重圧感だけでも読む価値があると思う。今後も期待出来る作家ではないか。

彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.18
(5pt)

久しぶりに痺れた名作

ここ最近、色々ジャンルを広げようと、これまで読んだことのない作家の作品を読んでいるのですが、久々に痺れる本、他の作品も読んでみたいと思わせる作家に出会えた感じです。他の方も書かれていますが、前半は、読んでいてかなりしんどい。寝る前なんかは読まない方がいいんじゃないかと思いますが、忘れられない男=黒崎を彷彿とさせる水島という優男が登場して以降は、過去と現実を行き来しながらストーリーがどんどん展開していき、読むのをやめられなくなりました。そして、最後、ラスト1ページ、涙がこぼれてしまいました。泣き本にはこれまでも何冊か出会っていますが、ラスト1ページだけで涙が出て止まらない本は初めてでした。苦しく切ない、本当に言葉では表現できない感情が湧きあがり、何とも言えない読後感が長い間後を引きます。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.17
(5pt)

久しぶりに痺れた名作

ここ最近、色々ジャンルを広げようと、これまで読んだことのない作家の作品を読んでいるのですが、久々に痺れる本、他の作品も読んでみたいと思わせる作家に出会えた感じです。他の方も書かれていますが、前半は、読んでいてかなりしんどい。寝る前なんかは読まない方がいいんじゃないかと思いますが、忘れられない男=黒崎を彷彿とさせる水島という優男が登場して以降は、過去と現実を行き来しながらストーリーがどんどん展開していき、読むのをやめられなくなりました。そして、最後、ラスト1ページ、涙がこぼれてしまいました。泣き本にはこれまでも何冊か出会っていますが、ラスト1ページだけで涙が出て止まらない本は初めてでした。苦しく切ない、本当に言葉では表現できない感情が湧きあがり、何とも言えない読後感が長い間後を引きます。
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.16
(5pt)

心地よい作品ではないけれど感動します!

8年前に別れた黒崎を忘れられない33歳の十和子は、寂しさから15歳年上のダメ男・陣冶(じんじ)と同棲している。 この陣冶の下品で貧相な様子の描写は容赦ない。 ストーカーまがいの執拗な電話攻撃、音をたてて食べ物を咀嚼し食事の途中で差し歯を調節、あまりにもだらしなくて読んでいて虫唾が走るが、読み進むにつれて段々この陣冶の愛情の深さに感動すら覚えて来る。 そしてどんどん話にのめり込んで行き途中で本を閉じる事が出来なくなる。 心地よいと思える文章では決してないのだが、文章の奥底に人間の悲しみや切なさ、暖かさが感じられ段々心地良くなって来る。 あんなに嫌な男だった陣冶がラストに至るまでには愛おしくて堪らなくなる。ラストシーンには胸が苦しくなってしまった。 悲しさと愛しさで何とも言えない気持ちに… すごいとしか言いようがない。 こんな深い愛情を与えられた十和子に嫉妬さえ感じてしまう。 沼田さんの本は止められない。今一番面白い作家だと思う。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.15
(5pt)

心地よい作品ではないけれど感動します!

8年前に別れた黒崎を忘れられない33歳の十和子は、寂しさから15歳年上のダメ男・陣冶(じんじ)と同棲している。 この陣冶の下品で貧相な様子の描写は容赦ない。 ストーカーまがいの執拗な電話攻撃、音をたてて食べ物を咀嚼し食事の途中で差し歯を調節、あまりにもだらしなくて読んでいて虫唾が走るが、読み進むにつれて段々この陣冶の愛情の深さに感動すら覚えて来る。 そしてどんどん話にのめり込んで行き途中で本を閉じる事が出来なくなる。 心地よいと思える文章では決してないのだが、文章の奥底に人間の悲しみや切なさ、暖かさが感じられ段々心地良くなって来る。 あんなに嫌な男だった陣冶がラストに至るまでには愛おしくて堪らなくなる。ラストシーンには胸が苦しくなってしまった。 悲しさと愛しさで何とも言えない気持ちに… すごいとしか言いようがない。 こんな深い愛情を与えられた十和子に嫉妬さえ感じてしまう。 沼田さんの本は止められない。今一番面白い作家だと思う。
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.14
(5pt)

心地よい作品ではないけれど感動します!

8年前に別れた黒崎を忘れられない33歳の十和子は、寂しさから15歳年上のダメ男・陣冶(じんじ)と同棲している。
この陣冶の下品で貧相な様子の描写は容赦ない。
ストーカーまがいの執拗な電話攻撃、音をたてて食べ物を咀嚼し食事の途中で差し歯を調節、
あまりにもだらしなくて読んでいて虫唾が走るが、読み進むにつれて段々この陣冶の愛情の深さに感動すら覚えて来る。
そしてどんどん話にのめり込んで行き途中で本を閉じる事が出来なくなる。
心地よいと思える文章では決してないのだが、文章の奥底に人間の悲しみや切なさ、暖かさが感じられ段々心地良くなって来る。
あんなに嫌な男だった陣冶がラストに至るまでには愛おしくて堪らなくなる。ラストシーンには胸が苦しくなってしまった。
悲しさと愛しさで何とも言えない気持ちに…
すごいとしか言いようがない。
こんな深い愛情を与えられた十和子に嫉妬さえ感じてしまう。
沼田さんの本は止められない。今一番面白い作家だと思う。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.13
(5pt)

心地よい作品ではないけれど感動します!

8年前に別れた黒崎を忘れられない33歳の十和子は、寂しさから15歳年上のダメ男・陣冶(じんじ)と同棲している。
この陣冶の下品で貧相な様子の描写は容赦ない。
ストーカーまがいの執拗な電話攻撃、音をたてて食べ物を咀嚼し食事の途中で差し歯を調節、
あまりにもだらしなくて読んでいて虫唾が走るが、読み進むにつれて段々この陣冶の愛情の深さに感動すら覚えて来る。
そしてどんどん話にのめり込んで行き途中で本を閉じる事が出来なくなる。
心地よいと思える文章では決してないのだが、文章の奥底に人間の悲しみや切なさ、暖かさが感じられ段々心地良くなって来る。
あんなに嫌な男だった陣冶がラストに至るまでには愛おしくて堪らなくなる。ラストシーンには胸が苦しくなってしまった。
悲しさと愛しさで何とも言えない気持ちに…
すごいとしか言いようがない。
こんな深い愛情を与えられた十和子に嫉妬さえ感じてしまう。
沼田さんの本は止められない。今一番面白い作家だと思う。
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.12
(5pt)

読後、しばらく放心しました。いろんな意味で後引く面白さ!

こんなに下品で、いやらくて、怠惰で、気味が悪くて、なのに、こんなに深くて、心をかき乱される”純愛”を私は他に知りません。
読後は、かなり後を引きます。。。。
 
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.11
(5pt)

読後、しばらく放心しました。いろんな意味で後引く面白さ!

こんなに下品で、いやらくて、怠惰で、気味が悪くて、なのに、こんなに深くて、心をかき乱される”純愛”を私は他に知りません。
読後は、かなり後を引きます。。。。
 
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.10
(5pt)

最高に不愉快な、でも本当に最高傑作。

一言で言えば、99%不愉快で、生理的に不快な、けれど間違いなく最高傑作。
働くこともせず、ただ手ひどくだまされた男の影を引きずりながら、
自分が蔑むしみったれた醜悪な年上の男の世話になって一日一日、
ただ惰性で生を浪費する主人公の十和子。
15歳年上の同居人陣治は、かつて一流企業に勤めた栄光の残滓にすがりながらも、
今は肉体労働をしながらその日暮らしで十和子を食わせている。
十和子の独白で綴られる前半は正直、かなりつらい。
基本的に現在形で吐露される十和子の、陣治への嫌悪感に満ちた呪詛はおぞましい。
陣治を傷つけたい。この男から逃れたい。
だらだらと心の中で呪い、怒鳴る十和子は醜い女の感情のわだかまりそのものだ。
うるさい、黙れ、お前が死ね。
そう心の中で思いながらも、この救いようのない女の独白から読者は逃れられない。
昔の男・黒崎のような優男の水島にだまされ、また身体と金をむしり取られながら、
十和子はいつしか、陣治が黒崎を殺し、そうして今度は嫉妬から、
水島を狙っているのではないかという妄想にとらわれる。
しだいに壊れてゆく十和子。
陣治を殺すしかない、自分の幸せのために。
そう決意してその前にもう一度水島に会う十和子。
しかし実際に水島に会った十和子のとった行動とは・・
最後のページを閉じて、本当に手がふるえた。
解説を読み、またもう一度、ページをめくる手が止まらない。
苦しい。気持ち悪い。息が出来ない。
本にもし温度があるのならこの本は、間違いなく灼熱だ。
喉からぐいぐい、熱い棒を押し込まれて涙が止まらなくなって、
ようやく解放されたような脱力感。
気持ちよい読後感とはほど遠い。
初めてだ。本で悪酔できるなんて。
読み終わって自分がちゃんと現実に帰ってこられた、それに感謝した。
覚悟を持って読むべし。
そして読んだら絶対に、最後まで読め。
最後の最後に来る衝撃は、超・ド級の切なさだ。
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)より
4344413784
No.9
(5pt)

埋もれさせたくない小説

十和子は同居人の陣冶が虫唾が走るほど嫌いだ。黒い顔も中途半端な天然パーマもだらしのない食べ方も小さい陰嚢も白髪交じりの陰毛も全てが気色悪い男、その上他人から蔑まれていることに気付かず小心者のくせにデカいことばかり吠える、それが陣治だ。十和子はそんな陣治にあらん限りの悪態と罵声を浴びせる。陣治は卑屈な笑みを浮かべ十和子の世話をする。十和子はなにもしない。レンタルしてきた映画を部屋で転がって観ているだけの日々。こちらも壊れかけの駄目人間だ。ヘドが出そうなほどどうしようもない中年カップルの話が延々と続く。
この先、この陰々滅々な物語のラストが、あんなにも苦しいような純情と愛情とを鮮やかに描ききることになるなんてとても想像できなかった。まったく脱帽です。
共感を覚えるのは、十和子は駄目な方を自ら選んで生きていること。なげやりのようだったり運がなかったように見えても実はやじろべえのように不安定ながら自分自身で負のバランスを保っているのだと思う。
この小説は2006年に出版されたものですが、すでに絶版になってました。文庫本も出てません。出版社も書店もこういう良書に力をいれて多くの人に読まれるようにしてもらいたいものです。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.8
(5pt)

ラストシーンで泣きました

カスタマーレビューを読み、図書館で予約して、期待しながら読み始めた。
最初の方は、心が弱く我儘な十和子と、同居人の醜悪な感じの繰り返しだったが、
だんだんサスペンス調を帯びてきて、最後の最後に悲しいドンデン返し。
ラストシーンでは、不覚にも涙がこぼれてしまった。
まさに「純愛サスペンス」です。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399
No.7
(5pt)

なにかもが、リアルで、共感できる。

話の大半は、十和子の、愚痴のオンパレード。
黒崎はステキだったな。とか
それに引き換え陣司は、汚いし、下品だし・・・みたいな。
うつうつと、文句が書かれているのに
全然、読む気を失わない。
しかも、「この女、壊れてるなぁ」って感じたのは、なんと物語の最後の方だった。
主人公の女にも若干、嫌悪は覚えるものの、
やっぱり、主人公と一緒に、陣司をうがった目で見てしまう。
水島が、嫌がらせを受けるようになり、陣司の仕業じゃないのかと、十和子に聞くものの
認めれば、それを理由に捨てられると焦る気持ちとか、
出会うきっかけとなった、クレーム対応で、用意された35000円の時計が
実は、3000円で売られていたと知ったときの粟立つ気持ちとか
しばらく会えなくて、やっと会える時に、水島にネクタイを選んで妻の振りをする浮かれた気持ちとか
なにかもが、リアルで、共感できる。
で、十和子側から物語りは書かれているので、陣司の件の鵜呑みにしてしまってたかも。
けれど、こんなでも、離れない理由が、きちんとあったのです。
1冊の本に、永遠、愚痴っても別れない理由が。
それは、読んでのお楽しみです。
彼女がその名を知らない鳥たち Amazon書評・レビュー: 彼女がその名を知らない鳥たちより
4344012399