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風の中のマリア



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【この小説が収録されている参考書籍】
風の中のマリア

風の中のマリアの評価: 4.21/5点 レビュー 334件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全267件 261~267 14/14ページ
No.7:
(5pt)

こんなにドラマチックだなんて・・・!

主人公はメスのオオスズメバチ――TVで紹介されたとき、その興味だけで読み始めたのですが、ぐんぐん引き込まれて最後まで止まることができませんでした。登場する虫たちすべて無理に擬人化もされず、オオスズメバチの働き蜂の生涯を追いかけているだけなのに、それだけでこんなにドラマチックな物語ができるなんて・・・! すごいです。筆者の力量にも、スズメバチの生態も、どちらにも脱帽です。
物語の面白さに魅かれて読み終えると、スズメバチだけでなく、ミツバチや他の虫の生態にも詳しくなれる上、「利己的な遺伝子」ばりの遺伝手学的な説明もすんなり頭に入ってきます。これでスズメバチの写真でもついていたら、立派な科学書ともいえるかもしれません。
風の中のマリアAmazon書評・レビュー:風の中のマリアより
4062153645
No.6:
(5pt)

百田尚樹がまたやってくれました!

百田尚樹の名前は「BOX!」で知った。前作は、実に爽やかで純粋な青春小説だったが、今回の主人公は何とオオスズメバチのマリア(笑)。冒頭で、彼女たちが普通に会話を始めて、こりゃなんだと瞬時固まったが、読み進める内にページをめくる手が止まらなくなった。
マリアは成虫してから30日とは生きれない運命、ハンター=戦闘マシーンの異名に相応しい並外れたスピードとスタミナ、戦闘能力を持ち、女王に仕え、妹たちの成長に尽力し、日々獲物を追い続ける。
まるで「ファーブル昆虫記」のごとくハチの生態を細部まで緻密にレクチャーしたと思える描写、戦闘こそ唯一無二の日常、正に闘う為に生まれてきたと思える身体能力が生み出す狩猟シーンの生々しさとリアル感。
たかだか30日間の一生にも拘わらず、自然界のサイクルの激しさと、食うか食われるかの生存競争、交尾と産卵のみで一生を終える様々な虫たちの短き運命を見続けるマリア。限られた時間をただ戦闘にのみ命を燃やすその儚さと過酷さを、感傷的にではなくひたすら毅然と凛々しく描いていくが、それでいて死んでいく(狩られていく)者たちへの痛みや鎮魂も感じさせる。
「私たちは何の為に生まれてきたの?」。物語の中で、何度も繰り返されるこの自問、ある使命感の下で一生を捧げてそれに殉じる生き様を通じて、生きる事の尊さと意義を改めて考えさせられる秀作。
そして、誇り高いアリアたちの姿に、そう"たかがハチの一生"に感動させられ胸が熱くなる、これは冒険小説でもあるのだ。
エンタメ本としても、児童文学としてもお薦め!
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4062153645
No.5:
(5pt)

ハンターとして生きるオオスズメバチのワーカーの一生

自分自身は子供を生むことができず、女王が生んだ妹たちを育てるためだけに短い一生の全てを捧げるオオスズメバチのワーカー。その中でも、ハンターとして他の生き物を狩り、ひたすら妹たちのエサを運ぶだけのマリアの一生。全ての生き物は恋をして自分の子孫を残すためだけに生きるというのに、オオスズメバチのワーカーは自然界の掟に従うことも許されず、ワーカーとして妹たちのために戦い抜いた短い一生は、力強くも切なくて感動的な物語で、最後まで飽きることなく一気に読んだ。物語の核となるオオスズメバチの生態もしっかりと描かれており、オオスズメバチ以外のキイロスズメバチやミツバチ、そしてエサとなる他の生き物のこともよく調べられていてとても読みやすかった。
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4062153645
No.4:
(4pt)

すごくおもしろい。でも。

まさしく、「みなしごハッチ」のオオスズメバチ版。
ただし、ハッチは幼児用アニメでしたが、こちらはそれを大人対象にした感じ。
主人公は働き蜂(戦士)なので、メス。
つまり「オオスズメバチ版 女の一生」ということもできます。
生まれてから死ぬまでのメスの一生のドラマ。
母や姉妹への尊敬と愛情、恋や出産へのあこがれ、自らの闘い(一生の仕事)への誇りと未練。
メスの蜂を擬人化した視点で描いているので、人間の女性のドラマみたいです。
すごくおもしろかった。
でも。
……虫、蜂やアリなんかの生態をそのままなぞっただけ、ともいえますね。
蜂やアリの一生は、素人の私がちょっとのぞいてみただけでも、すっごいおもしろい世界なんですよ。まさしくドラマ満載の世界。
それをすなおにテキスト化したらこの本になるんじゃないだろうか……
というような感想から、どうしても離れられませんでした。
こんなにおもしろいと思う反面、何がそんなにひっかかるのかというと、
この本、まるで、「ドラマの骨格だけを読んでいる感じ」が最後まで消えないんですね。
この先、この本を、アニメ化とか、漫画化とか、もっといえば、もういちどこれをノベライズすることもできるんじゃないの、と思わせるくらい、
「ドラマの血肉部分にあえてふみこまない距離感をずっと保ち続けている」んです。
つまり、二次制作者によって書き込む隙間がありすぎる脚本みたいな。
そういうポリシーの描き方なんでしょうか。
文章は、短く読みやすいです。
中学生の時、英語の副読本として読んだ、短いカラー絵本の和訳解答が、こんな感じの文章だった。
すごくわかりやすくて正確だけど、常に乾いた距離感がある。
これはこれでおもしろい文章ですが、さいごまで、ずーーーっとこのままの調子で続くのはちょっと悲しいと思いました。
何か、作者のほんとうにいいたいことは、読者の目からはかくされているような感じ。
それは読む人の何かに任されている、のかもしれませんが。
「源氏物語」みたいに、一度外国語に翻訳されてから、それがもう一度日本語になおって出てきたら、こんな感じの文章になっちゃいそうです。
そこに残された謎のような、秘密のようなものについて知りたくて、読み終わったあと、これの続編が読みたいと思ったり、この人の似たような他の作品を読みたいと思ったりするわけですが、
この作者の前作はボクシングの話だったとかなので……
たぶんもう、虫の話の続編とかはないんでしょうね。
この世界や、この虫たちの視点を、もっと突っ込んで広げてほしかった。
それが残念です。
ちなみに、繰り返しますが、すっごいおもしろいです。
読み終わるまで、本が離せなくなります。
読み終わったあと、また何回も読みました。
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4062153645
No.3:
(4pt)

神秘的な世界

"みなしごハッチ"のオオスズメバチ版?
こんな予断を持って読み進むと痛い目に遭います(笑)
主人公マリアの目を通してみる神秘的なオオスズメバチの世界は、生命を創造された"神"の意図を感じさせるものでした。
何だか"National Geographic"の世界に引きずり込まれたような感じ。。。といっても俯瞰的な視点でなく読みモノとしても練りこまれているし、「永遠の0」とも「Box!」とも違う趣きのある面白さは、"参りました"というしかないですね。
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No.2:
(5pt)

奇跡の小説!

面白い!面白い!
最高に面白い!
かつてこんな小説があっただろうか!
この作者にはずっと注目していたが、今回の小説には度肝を抜かれた。
おそらく、これまでに一度も書かれたことのない小説だと思う。
一級品の科学ドキュメンタリーかと思うほどに、オオスズメバチの驚くべき生態が忠実に描かれていると同時に、感動的な小説に仕上がっているのだから、これはもう「奇跡の小説」と言うしかない。
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No.1:
(5pt)

今年度のNo.1小説

戦うためだけに生まれてきた女戦士マリア。
彼女が経験する出会いと別れ、仄かな恋の予感、うるわしき姉妹愛が、勇猛果敢な戦闘シーンのなかに織り込まれていく。
やがて帝国に大いなる転換の時が訪れ、マリア自身も戦い続けることへの疑問を抱き始める・・・
などと書くと、「うわ、また『ゲーム原作系お子様小説』かよ」と思うだろうが、なんとこの小説の主人公は
オオスズメバチ
なのである。主人公はひたすら殺戮を繰り返し、「肉団子」を作り続ける。そのシーンが「生き生きと」描かれているのだ。
もう、この設定だけで私のようなひねくれものは飛び上がって喜んでしまう。
しかし決して「着想の妙」だけではない。
プロット・人(蜂?)物造型・世界構成とも実に優れている上に、読み終えると「オオスズメバチ博士」になれる!!という『ダーウィンは見た!』みたいなオマケつきのサービス精神満点の作品。
著者は「専業作家」ではない。専業でないからこそ、心から楽しんで小説を紡ぐことができるのかも知れない。『永遠の0』『BOX!』も抜群に面白かったし、また3作ともジャンル・舞台設定ともまったく異質であることに、著者の「引き出し」の多さと深さに感銘する。
面白い小説は年に何十冊と出会うが、これだけの「驚き」を伴った「超面白い小説」は『鹿男』&『鴨川』以来だろう。
迷うことなく、現時点での今年度No.1小説である。
風の中のマリアAmazon書評・レビュー:風の中のマリアより
4062153645

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