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風の中のマリア
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風の中のマリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全267件 241~260 13/14ページ
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ファンタジー仕立てだが、充分ノンフィクションとして通用する!こんなに嫌われ、怖れられているスズメバチに対しての見る目が変わる。子供から大人まで読める。 | ||||
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百田氏の作品ということだけで全く予備知識なしに読み始めたので、最初はまさか擬人化されたオオスズメバチが主人公だとは気付かなかった。主人公のマリアは、偉大なる母・女王アソトリッドに仕えるオオスズメバチの若きワーカーで、この女王を頂点とするオオスズメバチの帝国を支えるために働いているのだ。 オオスズメバチはスズメバチの中でも最強で、オニヤンマを除いては敵う虫は殆どいない。本書はこのオオスズメバチの帝国の中でも優秀なハンターであるマリアの目を通して、オオスズメバチの驚くべき能力・生態・社会構造が描かれている。 オオスズメバチの生態について理解するだけでも十分面白いが、本書の白眉はやはり狩のシーンである。スズメバチでも手こずるカマキリやスズメバチでも分が悪いオニヤンマとの対決といった1対1の戦闘シーンも迫力があるが、何と言ってもすごいのは終盤のミツバチや同属であるキイロスズメバチの巣を襲撃する団体戦で、息を呑むような壮絶な内容が描かれている。 ワーカーの命はわずか30日程度であるが、マリアの短い生涯を通じてオオスズメバチの驚くべき世界が描かれているこの作品は最高に面白く、また通常では窺い知ることができない世界を目の当たりにすることができるセンス・オブ・ワンダーに溢れた傑作である。 | ||||
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ひたすら餌となる昆虫を殺戮して肉団子にする描写に最初すこし抵抗がありました。 しかし正確な生物学の資料(巻末に記されている)にもとづくリアルな昆虫の世界と、作者の圧倒的な描写力により、自分がオオスズメバチや襲われる昆虫になったような気がして、いつしかどんどん読み進んでいきました。 マリアたちは「与えられた運命」を忠実に守り狩りをつづけます。でもそこに陰湿さや暗さはありません。それはマリアたちの狩りには「不条理」はないからだと思います。 すべての狩りは、生存競争に生き残るために必須のものだからです。決して「恨み」「ねたみ」「快楽」のための不条理な殺戮ではないからでしょう。 マリアは自分の務めを果たすために全力で生き抜きました。これは私たちが生きていく中で最も大切なことの一つだと思います。 百田尚樹さんも書かれていたように「どんな人生でも、そこから逃げてはいけない。最後まで生き抜くこと、務めと責任を果たすこと。」これらを私は「風の中のマリア」から教わりました。 「生きる力」が弱いと言われ、「優しいことが大切」と教わってきた若い人たちに是非読んでもらいたい本です。 | ||||
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百田さんの本を読んだ中では、これが一番面白かった。 物語を読み進めながら、マリアと一緒に空を飛んでいるような気分になれる。 行間でそういう気分を楽しみながら、懸命に生きるマリアの姿を追っていくのは、子供に返ったような素直な気持ちで感動できた。 お勧めです! | ||||
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オオスズメバチのワーカー、マリアのお話。 虫の世界のことと言えばそれまでだが、強く望んだか、望まなかったかは別にして、 子どもを産まない選択をした女性には、少々身につまされるお話かも。 もしそういう方がいたとしたら、後半に描かれる女王バチの姿をよくよくご覧になるといい。 どんな選択をしたとしても、良いことと辛いことはすべての人生でイーヴンです。 責任を果たすということは身を削ることでもあります。 しかし、その「生」はどの「生」も素晴らしい。 そんなお話でした。良かった。 | ||||
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今までに、動物の生態を描いた作品はけっこう読んでいる。だが、擬人化し、壮大なドラマに した作品を読んだのは初めてかもしれない。オオスズメバチの世界は、メスだけの世界だ。 そのメスたちが、同種族との壮絶な闘いや、命をかけての狩りに挑む。未帰巣は「死」を意味 する過酷な世界だが、読んでいてワクワクする。また、巣の中での子育ての様子も読み応えが あった。。外の世界の喧騒とは対照的に、静かな命の営みが続く。克明に描かれている生態は 実に興味深く、物語の世界へとぐいぐい引き込まれていく。獲物を狩り、せっせと肉団子を作り、 幼虫を育てていく行為の裏側には、こんな面白さがあったのか!そして、生き抜くということは これほど厳しいものなのか!読んでいて圧倒される。 大人だけではなく、子供にも読んでほしい作品だと思う。 | ||||
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百田さんって何者だろう!? 色んな引き出しがあり過ぎて、興奮してしまいます!! この作品のタイトルを見た時は、 ロマンスを感じたのです。 ちょっぴり悲しい切ないロマンスもありました。 主人公は、オオスズメバチの戦士・マリア!! ひたすら『肉団子』を妹達に送り続ける戦士。 戦士・マリア達は樹液でしのぎ、自然に立ち向かい、縄張り争いにも引かない。 オオスズメバチの生態なんて、全く知らなかったですよ。 興味深くて、蜂は苦手なんですが、認識が変わりました。 強く悲しくはかなくて、運命に涙する作品です。 | ||||
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「永遠の0」のあとに読んだが、本当の同じ作家?と思う。スズメバチの女戦士の一生を細かく描く異色作。面白いのはハチを擬人化するのではなく、喋りはするがハチをハチのまま描いている。殺戮を繰り返すマリアだが、自然界の掟とはこういうものということを学ぶ上でも、子供に読ませたい作品だと思う。ラストは不覚にも涙が出そうになった。「永遠の0」「風の中のマリア」そして「ボックス!」・・・。この作家は本当にすごいですな。 | ||||
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最高の面白さです!!詳しい内容については他の方々が詳しく書いているので割愛しますが、まず蜂の視点で進む物語の描写がとても細かく、美しい!!本来なら生々しく感じる程細かい描写も多く、ましてや虫の生態等はキチンと昆虫学にもとづき素人目には手抜きはないように思えます。視点も虫目線だからグロく感じてもおかしくないほどなのに、繊細で美しく風の薫りさえ感じるような読み心地!!凄いの一言です!!なんでもっと大々的にブームにならないか不思議です | ||||
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不思議な読後感の残る本だ。 主人公は一匹のスズメバチ(名前はマリア)。 * 自分は何のために、毎日毎日他の昆虫を殺戮しているの? * 同じメスなのに、自分はなぜ女王蜂のように恋や出産ができないの? * 自分はなぜ、死に向かって突き進んで行くの? 時折浮かぶそんな悩みにも、“まずは眼前にある自分の役割をこなすこと” と、自分に言い聞かせながら、結局は闘いに明け暮れて一生を過ごすハタラキバチのマリア。その「自分の役割」が、“自分達のゲノムを次世代に残すため作業の一部分”だったことが知った時、マリアの生涯は既に最終章に入っていた。 マリア自身の口で淡々と語るその生き様は、物語としてもスリリングで一気に読ませてくれる。と同時に著者は、「生きるということ?、死ぬということ?」という重いテーマを、深刻な顔付をしないで読者に問いかけてくる。 あの獰猛なスズメバチに、著者が“マリア”と命名した理由を最終章まで読み終えて初めて理解できた。大人も子供も楽しめる良書。 追記: ミツバチ養蜂を趣味とする自分にとってオオスズメバチは憎っき天敵。これまでは、ミツバチ巣箱の周りにスズメバチが近づくと、憎しみを持ってネットで捕殺してきたが、この小説を読んだ後はその戦意が鈍りそうだ。 | ||||
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主人公のマリアはヴェスパ・マンダリニアの勇敢な戦士、というとまるで壮大なファンタジー小説か何かのようだけど、これは実はオオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ)の一生の物語で、登場するのはみな擬人化された昆虫。たった30日前後の一生、自分は子どもを残すことなく、母と妹たちのためにひたすら戦い、多くの姉妹を失い、新たな女王となる妹の巣立ちを見届けて、誇らしく命を燃やし尽くす。 無駄に複雑に無駄に欲深く生きている私らのすぐそばで、こんなにもシンプルで美しい物語が展開していることにひたすら感動。 そう言えば子どもの頃お気に入りだった『アリの子ツク』(だったと思う、多分。)という本はこれの蟻バージョンだった。懐かしい。 | ||||
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最初は虫を狩るシーンとかは思わず目を覆いたくなる箇所もありましたが、 多少迷うこと疑問があっても、 まっすぐで強いマリアの生き方に次第に惹かれ 読むたびに興奮を覚えずにはいられませんでした。 オオスズメバチの生態についても細かく、 そしてわかりやすく書かれているので勉強にもなりました。 普段は怖いとしか思っていない蜂たちは どう生きているのかを深く知ることが出来た気がします。 (怖いことには変わりないので、そこは注意!!です) ページをめくるたびに、 物語に惹き込まれその面白さに次のページ、列を早く読みたくなる本でした。 | ||||
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なんというか――読む前に想像してたのとは全然違った。 蜂を人間として描いたファンタジーなのかと思ってたんだけど、蜂を蜂として捉えたまま繰り広げる「生きる」ことの「闘争」インセクティック(?)ドラマだった。素直に脱帽! リアルを逸脱しない擬人化が感動を誘うこと請け合い!! 私見でモノを言えば、ファーブル昆虫記よりコレを読んだほうが“やつら”のことを好きになれるかな。――あいつらは本当の意味で、つぇ〜 | ||||
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本嫌いの10歳の長男が、はまって読んでいます。漢字にルビが振っていないので、8歳の次男にはルビを振って読ませてやろうと思っています。 | ||||
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こういった生き物を主人公にした物語は、擬人化されることによって、本来の生態とは掛け離れたファンタジーであることが多い。 しかしこの作品は、生物学的資料に基づいたリアルな昆虫たちの姿が描かれている。 スズメバチのオスはメスとの交尾のためだけに生まれ、その役割を終えると死ぬ、というのは知っていたが、パートナーと結ばれるには、ここまで過酷で命がけだと言うのは、この本を読んで始めて知った。 生と死。そして性が物語の底に敷かれている。マリアの姉であるアンネ=ゾフィーが話すワーカー(働き蜂)についての解説は、性教育アニメの「ふしぎなメルモ」を彷彿させた。 知的好奇心を満たしてくれる作品ではあるが、もうちょっと物語としては膨らませられなかったのか?と惜しいと感じる部分もある。キイロスズメバチの巣の襲撃シーンの描写は、単調に感じた。 しかし、決して退屈した訳ではない。むしろ面白くて一気に読んでしまった。 感傷的ならずに、昆虫たちがそれぞれの運命を受け入れながら生きて行く、クールな作風はむしろ好みである。 子供にも人気だそうだが、中学生以上でなければ理解するには難しい部分もあるのでは? それにしても、読んで損はない1冊としてお勧めする。 | ||||
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感想を一言で言うと実に面白い本です。 本の中の里山の生物の世界に完全に入り込んだ状態で読み進める事が出来、読み終えた時に非常に高い充実感を味わう事ができました。 『風の中のマリア』はオオスズメバチ(学名:ヴェスパ・マンダリニア)の1つの帝国の興亡史をその帝国一番の戦士(ハンター)であるワーカー(ハタラキバチ)のマリアの目を通して語った物語です。1匹の女王バチからはじまったささやかな巣が巨大な帝国に成長し、そして次の世代の帝国へと命を繋いで行く壮大なドラマが描かれています。 とにかく生き生きとした描写が、あたかも自分がヴェスパ・マンダリニアの戦士になったかのように物語の中にいざなってくれます。 自然界における絶対的な前提である、圧倒的なまでの弱肉強食の厳しさには目がくらみそうになります。文字通り生きるか死ぬかを賭けて、毎日生存の為の激しい戦いが日常となっており、種の存続の為に自分の命をかけて戦うマリアの壮絶な生き様とその強い意志には、思わず畏敬の念を持ってしまう程です。オオスズメバチの生態についても、今まで知らなかった事実を知る事が出来、理科や生物の副教材にしても良いくらいではないかと思います。特に、より強い個体の遺伝子が継承されるように、遺伝子的に組み込まれた生き残るためのシステムのプログラミングは恐ろしいまでの精密さを感じます。自然が作り上げた仕組の深遠さをかいま見る気がして、圧倒されました。 自然の中の生存競争の厳しさ、そして自然が組みあえげた種を存続させる為の仕掛けの数々に圧倒されながら、一人の戦士と一つの帝国を巡る壮大なドラマを味わう事ができる名作だと思います。 | ||||
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日経新聞の塾の先生のコラムで、教え子の子供たちに昆虫ブームを巻き起こした本とかいてあったので、なんだか気になって読んでみました。 最強の捕食昆虫オオスズメバチの戦士の一生が、その帝国の盛衰とともに描かれているのですが、ストーリー的にも面白かったです。 主人公は、周囲の昆虫たちからみれば殺戮者なんですが、自身は戦士以外のなにものでなく、といいつつ悩みながらも、しかし一途な健気さがあり、これには私は滅法弱いのです。 捕食といっても、成虫は肉食ではないんですね・・・ ゲノムとかの説明があり、小説ぽくないところもあるのですが、逆にこの図解が秀逸といえます。 言葉でいって伝わらりにくいことは、図で書くとよくわかる・・・文字がない時代や社会でも、人間はこうやってつたえていたんだろうな、って思います。しかし、こういった手段をもたない昆虫たちが、本能で一生を生きていくことにあらためて驚嘆させられます。 たしかに、子供たちは夢中になるはずです! | ||||
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女王の治める帝国の女戦士マリア。 ワーカーと呼ばれる彼女たちは,子を産むこともなく女王に仕え,城の建造から幼い妹たちの世話をし,一人前となった暁にはハンターとして獲物を狩るヴェスパ一族。 時には軍団を率い,領地を守り,帝国に飢餓の危機が迫れば略奪者となって他種族のみならず,同種族までも軍団で襲い,城を攻略し,皆殺しにする。 ・・・と,どんなファンタジー世界かと思われるが, この壮絶な一生を送る主人公は,なんとオオススメバチのメス(!) なんでハチに名前がついてんの!っとつっこみたくもなるが, フリートムント,ヴェーヴァルト,アストリッド,ドロテア,フローラ・・・ と名前のせいか, キイロスズメバチの巣への攻防戦が壮絶なクライマックスは,まるで北欧神話の“神々の黄昏”かゲルマン神話の英雄譚のような風格さえ感じられる。 また,学説にもとづくオオスズメバチやニホンミチバチ,セイヨウミツバチなどの生態や遺伝子を次世代にいかに効率よく受け継がせるかの驚くべきシステムがわかりやすく描かれている。 受精卵を埋めなくなった女王バチをワーカーが殺し,ワーカーが擬女王バチとなって オスバチを生むなど,帝国の誕生から終焉までを描く。 虫に生まれ変わったらこんな世界かも,と短い一生(寿命は約30日)を生ききった感が充実した昆虫小説。 | ||||
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オオスズメバチのワーカーを主人公にしたこの書き下ろし。 「どうせ虫の話」と甘く見ていたら、壮絶な戦いの人生を描いていて目を見張った。 血を絶やさない為にワーカーだけでなく女王バチをも、自己よりも務めを果たす弱肉強食のこの世界が広がり声を失う。 オオスズメバチの世界を、個々に名前を持たせたことで個性が生まれ一つの社会が出来、そこにオオスズメバチの本能を除くことなく挿入されているので、虫が生きることの過酷な世界がよりダイレクトに伝わってくる。 全力疾走で短い命を燃え尽きる虫の生涯は、その熱さがこちらにも伝わる完成度になっている。 『永遠の0 (ゼロ)』で命の尊さを描いた百田尚樹が、ゲノムの為に自己を犠牲にする虫の世界を書いたのも面白い視点だった。 | ||||
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「永遠の0」で深い感銘を受け、購入しました。 今回はスズメバチのワーカーが主人公。オオスズメバチの驚くべき生態を踏まえつつ、マリアの潔い生き方、、戦士としての勇敢な姿が描かれています。 いつ命を落としても不思議ではない過酷な日々の中、マリアは必ず巣に戻ってくる。多くの仲間が1匹、1匹、と命を落としていく。その様は「永遠の0」の主人公を髣髴とさせます。 メスだけの帝国にやがて訪れる崩壊の日。その日に向けて大きな戦いが…。 こんな小説もあるんだ!と舌を巻きました。 ハチの生態なんて、普通に書かれたら全く興味ありませんが、こうもドラマチックにされてしまうと、「ためになった」を通り越して感動でした。 | ||||
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