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永遠の0



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【この小説が収録されている参考書籍】
永遠の0 (ゼロ)
永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0の評価: 3.96/5点 レビュー 2076件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全162件 141~160 8/9ページ
No.22:
(3pt)

ゼロ戦の誕生から終焉まで

この本を読む前に他の方のレビューを読んだが、ゼロ戦の誕生から終焉までの戦いをうまく描いている、というより回想録形式で中国戦線から沖縄特攻までの流れだが、真珠湾、ミッドウェー、ラバウル、レイテ、沖縄とゼロ戦の活躍については数限りなく色々な作家が色々な角度から描いているので、この辺の流れは新しい物ではない。全編の約8割は回想録形式の流れである。私の父親はゼロ戦のパイロットであった。ゼロ戦二一、二二〜五二、紫電改を愛機としてお国のために戦った。予科練時代の話、空中戦の話、化け物かと思ったF6Fの話は父親がしてくれた。ただし、特攻の話は一切口を噤んだ。同期の艦爆、艦攻のパイロット、偵察員、通信員は沖縄、硫黄島等に出撃したからである。
話はそれたが、この本が何故1位なのかよくわからない。
確かに主人公のパイロットとしての生涯は卑怯者、臆病者と罵られているが、何故最後に特攻に行かなくてはならないのか、、、、しかも土壇場で機種を部下と変えてまで出撃する必要はあったのか???私はこの本を読んだ後、父親にもぜひとも読んでもらい、感想を聞きたかった。が、他界して早8年。真実を知る機会に巡り合えなかった。ただ、生前父親が言っていた言葉、「特攻はお涙頂戴の茶番劇ではない、誰も好んで爆弾積んで空母目がけて体当たりでお国のために御奉公と願う奴はいない」という言葉がが頭をよぎった。
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406276413X
No.21:
(3pt)

面白いんですけど・・・重みが

私の職場ではこの夏5人がこの本を読みました。
評価をわけたところ、★4が2人、★3が3人。で平均して3、4
その理由は戦争小説としてはタッチが軽くて時代の違和感をおいかけてしまうのと
あとは主人公の調査に入る過程が唐突だったと気がします。
でもこれだけ売れたのですが、百田さんにはたくさんの戦争もののオファーが来ているんじゃないでしょうか。
私なんかよりもう十歳、下の世代は読みやすいと思っているかもしれませんし、
どんどん挑戦していってください。ボックスよりこっちのほうが私はのめりこめました
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No.20:
(3pt)

泣けるが、全体的なレベルは「?」

それなりに面白く、泣ける作品ではある。その意味で☆3つ。
ただ、構成等において、浅田次郎の「壬生義士伝」に似すぎている。
多数の人物の語り口調なのはいいとして、主人公の死が序盤で明らかにされ、それを生き残りの話で追っていく点、
歴史を順に語っていく点、さらには主人公を含む登場人物の性格等まで似ているというのは???
まあ偶然と信じたいけども。
また、結局なぜ特攻に行くことになったのかがはっきりと解明されていない点も気にかかる。
一番の謎だったはずだが……。
あと高山(新聞記者)がいくらなんでもレベル低すぎる点はどうかと。
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No.19:
(3pt)

「小説」としてのレベルはちょっと

面白かったと思います。
すらすら読めて最後は泣いてしまいました。
ただ、小説というよりも調べた資料をまとめた感が否めません。
語り手達の話は宮部のことではなく戦争の細部や戦術を説明することに重きを置いている印象です。
すらすら読めたのもそういった戦闘機の話が面白かったからで肝心の「なぜ宮部は死んだか」は曖昧なままでした。
というか宮部が「完璧」に描かれすぎてちょっとリアリティが無く、彼の心情が浮かんでこなかったです。
他の方も書いておられますが孫たちの描写のチープさ、語り手以外の心理描写の甘さなどをみると「小説」としては
あまりレベルの高いものとは思えませんでした。
戦争小説の入門としては素晴らしいんじゃないでしょうか。
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No.18:
(3pt)

読みやすい。が、松本零士さんの話と似ている。

私は20代ですが、太平洋戦争に関しては子供の時から父親に教えられ、小学生の時には松本零士さんの「戦場まんがシリーズ」を熟読していました。一般人から見ればオタクのように思われますが、戦争の辛さ・惨たらしさは世間の若者よりも知っていると思っています。
本作は戦争の「汚い面」を理解するのには非常に分かりやすい作品だと思います。主人公・宮部久蔵の人生や孫たちの心情の変化などは見ていて感情移入しそうになりますが、残念なことに話が浅い(特に孫たち)。
終盤にいくつかのストーリーが結ばれ、話は終息に向かいますが、読後の感想は「あぁ、こんなものか」といった感じで、他の方たちがいうような「号泣する」「感動した」事はありませんでした。
星の数が少ないのは、模擬空戦時の巴戦の様子が松本零士さんの漫画(零戦とグラマンが激しい巴戦の末、零戦が勝つが空中分解してしてしまう話と、終戦時に零戦とグラマンが模擬空戦し、誤って零戦を撃墜してしまう話)をそのまま引用したように感じられ、熱が一気に冷めてしまった事にあります。
それにジャーナリストの男性の知識が稚拙すぎ。見ていてここまで日本人は太平洋戦争に無知なのか、と見ていて非常に不快でした。
あくまで浅く広い、戦争を知る上で入門書のような印象を受けました。
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No.17:
(3pt)

話としては良いが、現代シーンに難あり?

太平洋戦争を題材にした小説は、どちらかと言うと好きなジャンルで、浅田次郎の「シェエラザード」なんかが好きです。
前評判どおり涙を誘われ、作られた話であったとしても、当時の兵隊達の気持ちに思いを馳せる気にさせる小説でした。
内容を極々簡単に言うと、歴戦の優秀なパイロットでありながら、家族のために生き残ることに執着し、その優しさゆえに生き残れなかった男の話です。
物語としては十分にいいのですが、それを表現する文章が、ところどころ白けさせてしまうのが残念でした。
全般的に、戦争当時を回想するシーンで、淡々と語られていきます。
その合い間合い間に現代のシーンが挿まれ、その孫達が話を回していくわけですが、この孫達の台詞がどうにも安っぽい。大根役者が棒読みで喋っている台詞が聞こえてきそうなくらいに安っぽい。
さらに、いかにも悪役として登場させられた新聞社の男も、いかにもわざとらしくて安っぽさを助長している。
宮部と言う男の生き様として、涙を誘われずにいられないストーリーだっただけに、「もっといい小説にできたのでは?」と思ってしまう。
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4778310268
No.16:
(3pt)

エピローグ。

エピローグまでは感動しました。 エピローグは正直受け入れられませんでした。 最後まで読んだ方々ならば米軍に向かっていったのは誰か解ります。 その人を讃えるのは良いんですけど・・・どうやって亡くなったのを書いてあるのが正直きつかったです 戦場では当たり前の光景なのかも知れませんが・・・
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No.15:
(3pt)

少しも、楽しくない

第二次世界大戦の海軍メインの話ですが、戦闘機乗りたちが話の中心人物でしょうか。
話の背景にあるのは、ミッドウェーやガダルカナル、サイパン、そして沖縄と
どれも皆、名前くらいは聞いたことがある有名所ですので、詳しい方はすでにご存知のお話がほとんどかと思われます。
どのようにして日本が負けていったのか、
そしてその中でどれだけの尊い命がいとも容易く失われたのかが綿密に書かれています。
物語を読むというよりは、ドキュメンタリー要素のほうが強い気がしますが、それだけしっかりと調べて書かれたという印象を持ちました。
さて正直に言いましょう。
読んでいて少しも、楽しくなかったです。
最初から最後までまったく面白くなかった。
こんなに読むのが苦痛だった小説は初めてです。読みたくないのに投げ出せない。
帯に「真実と感動の歴史」とありましたが、感動なんかしませんでした。
読んでいて手が震えました。怒りなのか、悲しくてなのかはわかりません。
日本人もアメリカ人も一人の人間としては暖かく、やさしい人だと信じています。
人間の本質は時代だけではそう簡単に変わるものではないはずなんです。
だけどそれが戦争になると覆される。人道も命の重さも、普段ならば誰が考えても常識であるような当たり前のことが
簡単に壊れてしまう。戦争は人を人でなくしてまうんですね。
戦争は悪だという理由は、それに尽きるのではないのでしょうか。
じきそう遠くない未来、この物語の語り手のような戦争経験者の方々はいなくなられるでしょう。
だけどもう二度と、この物語のようなことが現実に起こらないことを、ただ祈るばかりです。
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No.14:
(3pt)

あまり戦争の話を読んだことがない人向け

悪い話ではない。十分途中で涙腺が緩んだ。
特攻隊の生き残りの人が、バリッバリの現代語でしゃべったり
小説というよりも読みやすいコラムを読んでいるような前半部分には
違和感があったのだが、読み進むうちに引き込まれた。文章が
この1作の中でどんどん文章が上手にうまくなっていくのが見て取れた。
ただ、他の人も言っているようにエピソードはすでに出ている
本の中から選ばれているので、戦争ものを読んでいる人ならば
初めて知る話ではないと思う。むしろ実際に体験してきた
大岡昇平などのもっともっとぐっとくる作品がある。
また、賛否両論があるところはうまく逃げているのがわかる。
利口ではあるが、戦争の小説をよく読む人から見るとわかりやすいので
「ここで予防線張ったな」とかわかり興ざめがする。
ただ、今まで戦争ものを読んだことがない人にわかりやすく
あらためて紹介してくれていると考えれば、こういった作家が
でてくるのもいいのかもしれない。今まで第二次世界大戦の話が
苦手で読んだことがない人の取っ掛かりとしてはいいのだろう。
また全体の感想だが、最初から最後まで「浅田次郎っぽいな」と感じた。
浅田次郎は実力のある作家なので「ぽい」と思えるということはそれだけすごいの
だとは思うけれども、とにかく「浅田次郎っぽい」なので、浅田次郎の新刊がでなくて
待っている間などに手を出したら楽しめるかも知れない。
永遠の0 (ゼロ)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (ゼロ)より
4778310268
No.13:
(3pt)

うーん・・・

この本を読んでいるとあたかも帝国海軍、陸軍の上層部のすべての人間が責任逃れしかできない無能な人物のように誤解してしまう。たしかに酷い将校が多かったのは事実だが、今村均中将や岡田資中将のように非常に責任感の強い将校がいたのも事実。上層部の無能が太平洋戦争敗北の原因の全てみたいな書き方が・・・単純化しすぎな感が否めない。あと気になった記述としては、日本軍は敵をいかに攻撃するかばかりを考えて兵器を作っていた。防御のことなど何も考えてないという記述がでてきたが、攻撃は最大の防御という言葉もあるように一概に言えるのか?それに戦闘機の例をとっても少なくとも陸軍機に関しては隼など大戦初期の戦闘機にも防弾装備が施されていた等々う〜ん、うまく書けないけどなんか極論をいってるようで読んでいて違和感を感じる部分多かったです。
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No.12:
(3pt)

小説の形を借りた、太平洋戦争の海戦史および特攻隊戦史

新聞などの書評が良いので、買ってみた。
本の帯に、児玉清氏絶賛、!!「僕は号泣するのを懸命に歯を食いしばってこらえた。が、ダメだった。」とある。
そんなに感激するような本だろうか。
冒頭に出てくる「ぼく」(健太郎)と姉の慶子が主人公かと思ったら、単なる狂言回しに過ぎなかった。
この二人が第二次大戦で戦死した祖父(宮部)の最期の消息を求めて戦友を訪ね歩く。
行く先々で、戦友は祖父のことはもとより、あるひとは真珠湾攻撃の真相を語り、ある人はガダルカナルの凄まじい死闘を語る。こうして、回っているうちに、いつのまにか太平洋戦争の日米海戦についての一通りの知識を身につけるようになる。最期はフィリピンの攻防戦、沖縄攻防戦でのゼロ戦特攻隊の実情についても知ることができる、という筋立てだ。
一応、小説仕立てにはなっているが、筋書きも荒っぽく、小説としては不合格だ。
読み進むうちに太平洋戦争の海戦・航空戦の一応の知識は身に着くが、これとて今まで他の書物で語りつくされたものの要約に過ぎない。
巻末の「主要参考文献」をみると、なんだ、この程度の本しか参考にしてないのかと思う。
他に沢山のみなさんがレビューを書いておられるように、確かにすいすいと読み進められて、ひっかるところがない。それだけに、読み終わっても、空気が通り過ぎたようなスカスカな内容しか感じられない。
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No.11:
(3pt)

「戦争を扱った小説」なら

もっともっと胸を打つものが、世の中にはたくさん出ていますよ。 この作品を「戦争を知らない世代に!」と仰ってる方々は、おそらく「本を読んだことがない」方々かと思われます。だってこの作品、文体があまりに素人地味ていて、いとも簡単に読み手に「先回り」を許しているんですよね。例えば、第3章が始まってすぐ「ああ、おじいさんは『おじいさん』を知ってたんやなー」って分かってしまったり(で、それは勿体ぶって最後まで明かさないんでしょ?やっぱりねー、みたいな?)。「体験談」も、まるでどこかの資料を一人称で語らせただけのような薄っぺらさ。 「現在の若い人たち」のリアリティーの無さ。『おじいさん』がああいう「最期」を選んだところに、この作品の「本題」があるはずなのに、そこが甘い。いずれにしても、残念な一冊となりました。
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No.10:
(3pt)

できすぎた主人公にリアリティはあるのか?

絶賛評で埋め尽くされたこの本ですが、
正直、う〜んという感じでした。
何が何でも妻と子供のために生きるという主人公。
にもかかわらず最後の最後であっさりそれを翻してしまう。
そして見事な美談に収まるリアリティのなさ。
生きたいという前半の主人公像から考えたら、
最後に死の選択を選んだのでしょうか?
仮に飛行機を越えたとしても、
特攻せずに生き延びる方法を考えたのではないでしょうか?
戦争の苦悩が描かれた素晴らしい内容を
最後の美談で台無しにしてしまう後味の悪さ。
最後まで主人公像を貫いてほしかった・・・。
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No.9:
(3pt)

現代の書き方にがっかり

発行と同時に購入していましたが、第1章のたどたどしさと語り手の姉の無知さ(ライターという設定なのにこんなことも知らないのか、と幻滅)にイライラして、途中放棄。でも、今年の終戦忌を切っ掛けに再び読み始めました。徐々に明かされる特攻で死んだ語り手の祖父の真実と家族との繋がりに魅せられ、一気読みしました。当時の海軍・陸軍の姿と、兵士たちの本心の描写が詳細に、そして丁寧に書かれており、現代史を再確認させられると同時に、作者のこの作品に対する思いが強く感じられ、圧倒させられました。最初に読み始めた時に挫折せず、読み遂げればよかった、と後悔したほどです。
しかし、最初に書いたように、主人公の姉の行動と発言、その考え方にイライラさせられたのも事実です。これが現代日本の若者の姿なのかもしれませんが・・・。
この作品は特攻の過酷さを語っているともいえますが、やはり若干美化していると思うのは私だけでしょうか。辛い事実ほど美化しないと受け入れられない、というのが人の心ですが。
再び特攻のような悲劇が起こらないように、現在を生きる私たちが努めないといけない、と読後に酷暑の真夏の太陽を見て感じたのでした。
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No.8:
(3pt)

なんとも言えない後味の悪さ・・・

フェリーで洋上の旅をしているとき、1日で一気に読み終わりました。
特攻隊で散っていった先人たちの描写は素晴らしく、今、平和な日本があるのは彼らのおかげだと改めて感謝させられる気持になったと同時に、文章から鬼気迫るものを感じました。
ですが、独白に近い形で語られる本編の間に挟まれる姉弟のエピソード、頭の固すぎる新聞記者、最後に明らかになる祖父母の馴れ初め、これらがあまりにもとってつけたような話すぎて、折角の話の腰を折ってしまっている。
また途中まで読み進めて、「この話の構成、どっかで読んだのと似てるなぁ」と気になり始め、これまた話に集中できず。よくよく考えると、「壬生義士伝」と「嫌われ松子の一生」を足した感じかなと自分で勝手に納得してしまいました。最後に明かされるミステリーもいらない。
加えて他の人も言っているように、主人公がなぜ最後にカミカゼアタックを決意したかが、消化しきれず、また最後の主人公の死に様も歯がゆさが残り、しばらく悶々と考えてしまいました。読後の爽快感は全くありませんでした。
でもおそらく、私のような感想をもつ人は少数派だと思うので、こういう感想を持つ人もいるのだと聞き流してください。
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No.7:
(3pt)

責任とは何か?

本書に描かれている回想録が事実だという前提の上で、太平洋戦争の現場の一端を伝えるという意味では、とても意味のある作品であると思う。
戦争というものがどういうものであったかというのを、自分のような考えようともしていなかった人間にきっかけを与えられるというのは、どれだけの意味があることだろうと考える。
ただ、ひとつの小説の作品の評価となると個人的には別の感想を持った。
単純にこの物語は何を描こうとしているのかという部分については、正直今ひとつ分からなかったというのが本音なのである。
文庫本の中に「百田尚樹の世界」というパンフが入っており、そこには「『誰のために生きるのか』そのことを現代に問おうとした作品です」との記述がある。
そうだったの?
そういう印象なのである。
そして、そうだと見ると自分の中で結末に対して「?」な意見が残るのである。
そのような部分も含めて、多くの人に読んでもらい、意見を聞いてみたい作品かもしれない。
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No.6:
(3pt)

読む価値は高い

 戦記物はわりと好きで結構読んでます。本中で紹介されるエピソードはほぼ知っているものでした。巻末の参考文献の欄を見てなるほどと。読んだことある本がたくさん並んでました。作品の構成は、戦時のエピソードを軸に、そのエピソードの周辺にいたという設定の架空の人物が思い出話を語る部分が9割で、元特攻隊員の祖父について調べる現代を生きる姉弟の物語が1割って感じですかね。作品の殆どを占める戦時の思い出話部分には特に目新しいものはなく良く知られるエピソードをしっかりなぞったという感じ。その視点、切り口にも特段新鮮に感じるものはないけど、代わりにというか昔の同僚か上司の孫を相手に彼らの祖父との思い出を語るには明らかに語りすぎでしょうと思われるところが多々あります。まあその辺は作者も分かっていながら敢えて書いているんだろうとは思いますが。残り1割ほどの作者の完全な創作部分である現代の姉弟の物語については、はっきりいって白々しいというかなんというか、正直、素人小説っぽいです。「小説」としては出来のよい本ではないかなというのが偽らざる感想です。
 ただ、この本がいいなと思うのは、ありきたりなことですが、今のこの恵まれた時代を再発見でき、頑張らなければという気持ちにさせられるところですね。さらに生意気なことを言わせて貰えれば、戦記物に興味を持っていない人や抵抗がある人って多いのではないかと思うのですが、そういう人に小説というスタイルで、戦時を生きた方々のエピソードを伝え、残酷で過酷な戦争の現実や、そういう時代を生きざるを得なかった人たちの生き様、想いを伝えることができるだろうと思われることです。言うなれば小説作品としての評価は??ですが、メッセージ性に富み、読む価値は高い(という類の)本であると思います。
 最後に不満を少々。多少ネタばれ要素ありで・・・。明らかに語りすぎと思われるところがあると前に言いましたが、語りすぎ過ぎでちょっと不問に付せないところがふたつほど。ひとつは、老人が戦時の思い出を語る中で、「その夜狂ったように妻を抱きました」というようなことを語るシーンです。会ったばかりの他人に、奥さんとの過去の密かな営み、しかも狂ったようにという恥ずかしいことまで赤裸々に語る人間がこの世にいるでしょうか?さらに言えば80才を超えた老人が。その手の調査だというなら分かりますが、昔の同僚か上司の孫に祖父の思い出話をしているわけですから、自分の妻との性交体験談は全く関係ないんです。作品を情緒的に膨らませたいという作者の気持ちは分かりますが、現実離れの許容範囲を明らかに超えていると思います。もうひとつは最後の、誰にも言わず墓まで持っていこうと思っていたという亡き妻(姉弟からすると祖母)の秘密の過去の話。その話は、娘には語れないなら孫にはもっと語れない内容です。最後にヒネリを効かせたいと思った作者の意図は分かりますがはっきりいって強引すぎてシラケました。ヒネるんだったら別にそこに至る背景を語る必要はなく、単に「やくざ風の男に転落しそうな危機を救われた。その男は「生きろ」と財布を投げ渡し名もいわず立ち去った」で十分だったんではないですかね。背景は推して知るべしで。
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No.5:
(3pt)

編集者がえらい

この原稿を最後まで読んで本にする決断をした編集者が偉い。その人が偉いと思う。わたしなら最初の50ページで捨ててしまった。
なんといっても現実味に乏しいストーリー。
戦後60年たって主人公の生前の言動を鮮明に記憶する80代の高齢者が、数人もいるなんてまずありえない。可能性は1パーセントもないだろう。この小説の「孫」がどういう方法を用いたのか知らないが、最も効率がいいのは国会図書館に寄贈されてある戦友会の記録をあたること、靖国神社に協力依頼することだが、作中で「孫」がやったようにひと月やふた月でできることではない。
また「エリート」として出てくる新聞記者。おそらく朝日か毎日をさしているのだろうが、1970年代じゃあるまいし、今時こんな考え方をする奴はいない。「エリート」といわれるなら防衛や世界史、国際関係論をもっと現実的に見る。この作品のように「特攻とアルカイダは同じ」とするやつが全国紙の東京本社で企画担当記者になれるわけがない。日本の新聞社は「SAPIO」で小林よしのりがいうほどに馬鹿ものだらけではない。
それでもこの小説は面白い。なぜだろう。おそらく、文庫のあとがきに児玉清氏が書いているように「心を洗われる感動的な出来事や素晴らしい人間と出逢いたい」という私たちの願望を、見事に叶えてくれたからだろう。登場人物が善人で純粋な人ばかり。「こんなはずはないだろう」と思いつつも面白く読み進める。
これは戦記文学ではないのに、そのように論じるレビューが目立つ。物を知らなすぎる人の意見だ。日本には吉田満や大岡昇平や長谷川四郎などの多数の優れた「戦記文学」が、世界に誇れるレベルですでに存在している。一方、この作品はただの、しかしよくできた、エンターテインメントである。地平が異なる。そこをきっちり強調しないと、罪深い情報を存在させることになる。
この作品が今の読者に受け入れられると感じた編集者は、やはり褒められなければならない。著者の筆力を早々に評価したのだろうから。本当に偉い。そこでだが、私は著者に歴史物の続きを期待したい。ボクシングもいいが、やはり逢坂剛なみに緻密なものを望みたい。たしか筆者はフルトヴェングラーマニアでなかったか。その辺を題材にとった作品は私の知る限り、日本にはなかったはず。期待しています。
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No.4:
(3pt)

泣けるけど…

書評が高く、期待して読みました。…泣けました。感動もあるが、悲しくて泣いた感じ…。未消化な部分も多少残るし、戦争についてある程度の知識が無いと、イマイチ分からない部分もあるかと…特に、戦争など全然知らない若い世代の人は、知らない言葉が沢山出て来て、一気に読むのは難しいかも…ただ、命の尊さや戦争の残酷さは伝わってきて、多くの人によんでもらいたい本ではある…
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406276413X
No.3:
(3pt)

残念泣けなかった

どんな感動が待っているのだろうかと、結末まで興味津々で読んだのだけど、
ちょっと肩透かし。
主役のお祖父ちゃんは、報われないじゃないですか。
第二次世界大戦に対する考察は非常にしっかりしており、
歴史の参考書としては読むに値するかもしれませんが、
戦争文学の金字塔とは、とても呼べる価値はないと思う。
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