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永遠の0
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永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全402件 201~220 11/21ページ
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読みだして、ちょっとして。 あれー?零戦って、性能悪いイメージがあるんだけど、おかしいな~。 と、思い、もう一度ネットで零戦の性能について調べて。 で、もう一回小説に戻って。。。。。 あとは流し読み。 ヒーロー小説かなー。 | ||||
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映画にもなったようですが、 あくまで小説です。 臨場感は事実が一番です。 | ||||
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この人に興味あったので、早速、借りて読みました。 面白い!3流以下の物書きです。 これはケツの青い自論から織りなすくだらない話。 時間の無駄です。 | ||||
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話が出来過ぎで臭いと思う。物語は特攻隊で死んだ祖父について、孫の姉弟が当時の関係者を通じて真実を知るというもの。 戦闘シーンの描写や戦場最前線の有様を通じて(よく調べてるなと思うが、他の人は殆どパクリに近いといってるが)先の戦争に対する作者の考えを押し出す事こそが、この作品の真意ではなかったか? 臭さの1は他のレビューにもあるが、真珠湾攻撃(開戦)から順に最後自爆死に至るまで、ストーリーに応じて関係者に会っている。おまけに 最後に出てくるのは再婚した今のおじいちゃん。そんなんあるか?出来過ぎやろ?やらせやろ? 臭さの2 このおじいちゃん自身も特攻隊あがり。そんなん隠すか?死んだじいちゃんに感謝してんなら、皆で墓(ちゃんとあるそうです)行っ て拝むやろ? 臭さの3死んだじいちゃんから託されたばあちゃん(美人だったらしい)に戦後すぐに手をつけず9年目にものにしている。 すぐに手をつけてたらいかにもって感じで感動を生まないからでしょう。くっさー。 臭さの4死んだじいちゃんに対抗心を燃やしてた、同期で戦後やくざになったじいさんも、別のやくざ親分にかこわれてたばあちゃ んを助けるため、名乗らずに殺していた。くっさー。 臭さの5ギリギリまで死にたくないのに、何故か直前になって今のじいちゃんに生を譲り、何故か忠臣蔵の志士のように目覚め特攻していく 不可解さ。何故ぎりぎりやねん。その答えは感動を生むためです。つまりこの作者は感動を生もう、泣かせようとする魂胆がありありで、アホラシなってきます。 やはりこの作者、TV出身だけあって、TVにあっては視聴率至上、本にあっては売上至上というのが見え見えで品位も何もあったもんじゃないですね。 何も感動しませんでした。匂いました。 | ||||
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真珠湾攻撃の時に第三次攻撃隊を送り出していたら・・・。ガタルカナル島を戦艦大和が砲撃していたら・・・。 連合艦隊がレイテ湾に突入していたら・・・。という「タラレバ」が多く語られている。 しかし、圧倒的な資源と生産力と高度の技術力を誇るアメリカと、石油の確保もままならず技術力も低い日本とでは、戦力差は歴然としていた。 前記した個々の戦闘で日本軍が圧勝していたとしても、物量に勝るアメリカ軍にジワジワと追い詰められて敗北するのは時間の問題だったと思う。 この本は、宮部久蔵という架空の人物の生き様を描いたフィクション小説としてはそれなりに面白い。 しかし、日本の主な敗因を陸海軍上層部の戦略・戦術ミスや無責任体制に求めるのはおかしいと思う。 | ||||
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端的に言えば凡作以外の何物でもない 戦争描写は、いろいろと書き込みがあるように、 すでに出回ったものを超える秀逸さはなく、 ストーリーも平々凡々。 展開が読みやすく、オチが安すぎて感動とは程遠い。 他の人におすすめするような内容ではなかった。 | ||||
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なぜ、人々はこの作品にそんなにも感動をするのだろうか。 おそらく、私には永遠に分からない。そんなに自分は変わり者なのか。 音大に通う普通の女子大学生なのだが。 稚拙な人物設定、あまりにも不自然過ぎる構成、大学生の弟と姉のシーンのお粗末さ。 実際に書けるか書けないかは問題でなく、私でも書けるではないかと思えてしまうような作品。 特攻や零戦を美化しているというのも感じた。一瞬、零戦ってかっこいい零戦パイロットすごいと思ってしまった時もあったが、今思い返すと完全に洗脳されかけていたと。特攻も零戦もれっきとした日本の負の遺産なのに少なくとも百田はそれらを批判はしていない。零戦や特攻隊にかっこいいと思わずにはいられないことは認める。それが著者の巧妙なテクニックとそもそも著者自身の思想がばりばり露呈してしまっているということを我々は意識しなければいけない。感想を見てると、特攻隊を賛美をして感動している人達がやはり多い。百田尚樹という、美しい国日本とか子どもには日本の美しいところ素晴らしいだけ教えれば良いとか言っている日本の悪い所聞くの大嫌いな人が書いたというのは納得。 百田自身は賛美なんかしていないと言っているみたいだが、著者がそんなに必死に弁解しようともそう思ったのは事実。小説なんて解釈を誰かに強いられるものではない。音楽を専門としている身としても同じで、作品の評価なんて当然聴衆が決めるもの。表現者はあなたの解釈がおかしいなんて言える立場ではない。むしろそういう自分の意図と反した解釈を受け入れることができなくてはいけない。 そうはいっても、百田尚樹って南京大虐殺なはいとか、素晴らしい国日本とか、調子に乗り出したのかかなり過激な発言をしているし、結局右の人が書いた賛美な作品ってなっても納得せざるをえない。 私は、戦争ものなら浅田次郎の「終わらざる夏」を読んで、それこそ嗚咽をしてしまった。あれは何度でも読みたい。どこまでも戦争の理不尽さというのが描かれている。 自分は普通の女子大生だが普通の人とは違い、この作品は評価まったくもってできないと思う。 こんな作品に感動なんてしたくない。 | ||||
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非常に重大な事実誤認が散見されますのでいくつか指摘しておきます。 まず『旧日本軍は実は強かった説』ですがこれは当時の軍事知識として戦闘機で軍艦を沈められるという認識がなかったためその盲点を衝いたことによる初戦の快進撃による誤解であります。 やり方としましては戦闘機に魚雷をくくりつけまして急速垂直降下による慣性を十分に援用することで軍艦の分厚い鋼鉄に穴を穿つことが可能であった模様です。 また旧海軍の発明としまして〈空母機動部隊〉によるまるで忍者のような隠密必殺離脱作戦が御座います。ご存知の通りアメリカの第七艦隊はこのアイデアを〈接収〉したものであります。 上記の2種の戦術が組み合わさることで初めて戦果を挙げるものであり単純に零戦の性能やパイロットの技量によって戦果が上がるものではありません。 また零戦につきましては戦闘力を高めるため装甲をギリギリまで薄くしパイロットの生存性を全く考慮していなかったため熟練パイロットを次々に失い若手パイロットへの技術の継承も為されることがなかったという意味において〈設計思想〉から既に誤った機体であったと指摘せねばならないでしょう。 もちろん私はこの小説を読んでおりませんし読む気もありません。…アムウェイやねずみ講のビデオを本気で見ている人がいたらヤバいでしょう? | ||||
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作者は、伝聞形式を取ることで、「歴史考証の不正確さ」を、作中の語り手、つまりは老人の「記憶違い」か「主観」のせいにしてごまかしている。 また、このストーリーで何を伝えたいのかという主題が全く見えず、読後に何も心に残らない。 作中のキャラクターは形容詞的な説明文でその性格が規定されているだけで、描写の行間から感情が滲み出てくるような筆力も全くない。 つまり、登場人物に全く感情移入出来ないまま、淡々とストーリーが進んで行く。 これほど空虚で拙い表現力の作品がヒットしたのは、「ヒットさせるための仕掛け」がしっかりしていただけなんだろうと邪推してしまった。 この作者の作品を読む事は、二度とないだろう。 もしこの作品で大東亜戦争に興味を持ち始めた方がいたら、このファンタジー作品の内容を史実とは考えず、ちゃんとした歴史を記した書籍を読み、先入観なしで学んで欲しいと思います。 | ||||
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この本が戦争を礼賛する内容なのか?人の命を大事にというメッセージをこめた小説なのか?を確かめたくて、読みました。 しかし、内容云々の前に文章の陳腐さとプロの文章とは思えない文体についていけず、読むのをやめてしまいました。 残念なことです。 | ||||
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この小説を構成するために他の文献を200〜300冊を読破したと当人は豪語しています。 だだコピペするための作業に奔走していたのでしょう。 これが小説とは辟易します。 | ||||
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戦闘シーンは手に汗を握ります・・・それは当然ですね、 全て当時のパイロットの方々が書き残しているものをほぼそのままコピペしてますからね。 絡めている人間模様、恋愛模様は最近TVで良く見かけるようなストーリー、 作家としては、百田さん落第かな、 済みません、あくまで個人的感想です。 | ||||
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遅ればせながらこの人の小説を初めて読んでみた。 帯に「文庫歴代売上一位」なんて書いてあるものだからどんな小説なんだろうと。 コロッとだまされた講談社に。 最初から最後まで「初めて小説書いてみました」というような素人臭さに満ち溢れている。 特攻隊の物語というだけでいくらでも泣けるものは作れるのだ基本的に。 でもそこに「ぼく」と「お姉ちゃん」と「おじいちゃん」というような砂糖味のきつすぎる人物が設定されて、空気が甘くなる。 宮部久蔵は剣豪のような腕利きの零戦パイロットでありながら、なぜか新米の練習生に対してまで敬語を使って話すというこれまたあり得ない設定。 作者の好みなんだろうが、出てくるのがみんないい人ばっかりなんだ。 請われて戦争体験を語る人たちはみんな80歳を超えている。 ある人は病院のベッドの上で、ある人は老人ホームの一室で60年前の出来事を語る。 資料もなにもないのに理路整然、立て板に水、目の前にいる「ぼくとお姉ちゃん」のことなんか構わずにしゃべるしゃべる。 まるで昨日の出来事のように。 ムリでしょうそんなの。 そしてその話を聞いたあとお姉ちゃんは必ず「ひどい」とか「人間じゃない」とか言って泣くんですね。 まあ髪の毛を染めた不良の孫まで泣いて即更生するんですけどね。 とにかく反応がありきたりで当たり前すぎて興ざめ。 何度途中で読むのやめようかと思ったことか。 でも宮部が何で特攻に行くことになったのかは最後の方に書かれているので読むしかない。 読み終わって、はあーナルホドねぇそういう事かってちょっと待てよ。 ゼロ戦交換した?相手のゼロ戦にメモ残した?生き残ったら妻子を? なんかおかしくない? 大日本帝国軍人から卑怯者と言われるほど生きて帰ることを望んでいた宮部、でももう心が折れて特攻で死ぬ気になったというならわからないでもない。 でも最後自分のゼロ戦のエンジンが不調だとわかってたら、そのまま乗って生き残る可能性にかけるべきでしょう。 それをあえて自分が死んで人を生かして後のことをメモ一枚で人任せにする。 どういうこと。 一貫性がないにもほどがある。 まあ要するにヘタクソ小説だ。 もっとハードボイルドにしてほしかった。 こんなベタベタの小説じゃ感動のしようがない。 高校生の夏休みの読書感想文用にはいいかもしれないけど。 東野圭吾にでも書かせたら、どれだけ苦味の効いた物語になったかと思うね。 | ||||
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特攻隊の事を知らなかった人には新鮮なのか?感動やら落涙やらの感想にむしろびっくり。いまさらこういう話が感動を誘うとは思いもしなかったので、むしろ作者のマーケティング能力に感心する。個人の感情や精神論を抜きにすれば、どう美化しようが、どういいわけしようが、所詮ニッポンは戦争に「負けた」のだよね。過去の負けの延長に今があるわけで、今更「負け」のプロセスに感動してどうする?負け戦を美化して今更感動? | ||||
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特攻隊を題材にした単なるお涙ちょうだいのエンターテイメントだ。 特攻隊で亡くなられた人たちを作品が売れるために利用してている下衆な作品だ。 | ||||
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どこかの新人賞に出したら予選落ちだろうな、というくらい稚拙です。 小説としての完成度が極めて低く、読むのが苦痛でした。 一部では「戦争賛美だ」という批判の声が上がっているそうですが、むしろ、戦争をバカにしているようにすら思えます。 | ||||
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嫁さんと子供が困るから自分は死ねないといってひたすら逃げ回る主人公 ダメでしょ?死にたくないのはみんな一緒でしょ? 戦時徴用兵じゃないんですよ、開戦前から軍属で空母赤城の航空隊に所属してたってことは選抜されて 時間も金もかけて徹底的に訓練された超エリートパイロットですよ でも最後はなぜか特攻志願、訳わからないです あとこの手の話でお約束の無能で傲慢な上官とかわいそうな下士官 繰り返される「テロとは違う!」(当事者のおかれた状況とメンタル面は一緒だと思うんだが・・) ひたすら泣いてるねぇちゃん とにかく最初から最後まで不愉快でした | ||||
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今話題の映画の原作ということで読みました。 一気に最後まで読ませるエンターティメントとしては文句ない秀作だとおもいます。 しかしながら「特攻」をテーマにこういう構成ははたして?と言う思いが先に立ち、素直に感動というか納得出来ませんでした。 特攻に関する過去の体験談をもとに話を進めていくのですが、その過去の体験談はあまたのノンフィクションをこえる物ではありません、、というか引用の感が強い。つまり、お題を借りている感が否めない。作者の思いもあるのでしょうが、深みがないというか、、重みが薄い。 そこに、架空の人物を話である宮部を主人公とするのは良し。しかし、生き残ることに執着しながらも、なぜ最後の最後には特攻して死んだのかと言う謎をラストのラストまでひっぱるだけひっぱといて結論は中途半端。多少、なぜかと言うことを臭わせる描写は無い事はないのですが、読者に丸投げしている様で納得出来る物では無い。 またその人を探求する孫を狂言回しとして配置しながらもその人物像の掘り下げも浅く感じられる構成で、さらにまわりのステレオタイプなわき役の配置と、、どうも底の浅さを感じてしまいます。 零戦の話は大好きなだけに、残念でした。 | ||||
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優れて面白い作品だと感じる一方で、これは有害だなとも思わされた。 表現は非常に視覚的で、映画的な描写が続く。また、作品の大半の紙数がインタビューのまとめのようになっている。これは作者が放送作家であったことの名残かも知れない。登場人物の内面を描写する文芸的な楽しみは無かった反面、映像的な表現の中で登場人物たちの心理を想像する自由が読者に与えられていて、案外読みやすかった。 読みやすさ、分かり易さが優れていて、本書を読めばだいたい太平洋戦争の航空戦の概要がわかるような気持ちになる。そして、よくできた戦争映画のようにリアルで迫力があり、興奮する戦争シーンが随所に散りばめられているし、男と女の複雑で不思議な愛の有様や、意外などんでん返しの結末など、娯楽性にも富んでいて非常に面白かった。 主人公の宮部久蔵少尉を始め、彼との思い出を語る当時の兵士の生き残りの人々の語りを聞く中で、自分自身の生き様を問い直され、居住まいを正される面もある。自分はここまでして決死の覚悟で人を守ることができるだろうか。愛する人を本当に愛しているのか、愛する人のために命を捨てるほどの愛が己にはあるのか、と思わず自問自答してしまう。ああ、自分はここまで自分を投げ打って人を愛したことがあるだろうか、と背筋が伸びる思いがする。そういう力をこの小説は持っていると感じた。 しかし、「この小説は決して戦争や特攻を美化しているわけではない」と言われると、微妙に違和感を感じる。 確かに死ぬことしか許されていない極限状況で、それでも特攻隊員たちが自らの死の意味を必死に見つけ、自分の死が愛する家族や国を守ることになるならばと散ってゆく、その愛は美しい。自らの生き残りは無いという決定的状況だからこそ、その愛は完全に無私の愛であり、当然美しい。特攻隊員の方々は本当に立派な死に様を遂げた。彼らの家族や祖国を愛する心は真実に純粋であり、美しい。私たちも居住まいを正される。 ただ、問題なのは、戦争や特攻を語る時、いつもこういう一人一人の兵士がいかに清い心をもって死んでいったかという美しさを語ることで終わってしまうことである。こういう物事の処理の仕方は、はっきり言ってこの手の話題では月並みな手法だ。 追い込まれて行き場を失った者が絶望の中で取る愛に美を感じる感性を私たちは持っている。しかし、だからと言って、人間をこの絶体絶命の状況に追い込んで何らの責任も取ろうとしない(そもそも人の命を奪った責任など取り切れるはずもないが)命令者たちの罪が帳消しにされるだろうか。 確かにこの作品の中でも、命令を下した長官たちや大本営のエリートたちがどんなに非人間的であったかを責める言葉はある。しかし、その罪は最終的に突き詰められることもなく、いつの間にかストーリーの中で立ち消えになり、物語は結局個々の兵士の美談で終わってしまう。非常にありがちなパターンである。 そして、こういう美談で命をかけた愛国心や家族愛に憧れを掻き立てられた若者たちは、結局、こういう若者たち一人一人の命など消耗品のようにしか思っていない政治家に利用されてしまうのである。 郷土愛や家族愛、仲間意識などを強化された人間は、「国や家族を守るため」という美名で下された命令に逆らえない。「自分は祖国より家族より仲間より、自分一人のことが大事なのか?」という自責の念に人間を陥れる。国家権力は、そんな人の良心を利用して、戦争に参加させる。このあたりの政治家たちのしたたかな悪意を見抜くためには、この作品は全く役に立たないばかりか、むしろ政治家にうまく利用されるお人好しを生み出す。そういう意味でたいへん有害な作品である。 奇しくも、この作品の中でも、「戦後の民主主義と繁栄は、日本人から『道徳』を奪った」(p.357-358)という元日本兵の嘆きが描かれている。この言葉には安倍首相も我が意を得たりと喜んだだろう。著者とも親しい安倍晋三が推進しようとしている道徳教育は、民主主義と繁栄に罪悪感を抱かせ、国家の命令に反することに愛国心や家族愛から湧き上る良心の呵責を抱かせる、危険な思想教育なのだ。 「あの人たちが命を捨ててくれたから今の私たちがある」などと言う人がいる。騙されてはいけない。 彼らは命を捨てさせられたのである。彼らは全く死ぬ必要はなかった。絶対安全地帯にいた権力者たちの政策による犠牲者である。彼らは敵に殺されたと同時に自国の政府によっても捨て駒にされ、あるいは全く間違った作戦の失敗によって無駄死にさせられた。自分は死ぬと決められてしまった人間が、自らの死をどのように意味付けたか、その心がいかに美しかったかということと、彼らを死に追いやった者たちの犯罪の重さとは全く別の問題である。戦争命令者が、あの戦争で亡くなった約300万人の人々のぶん300万回死んで償っても、亡くなった人は戻ってこない。 その愚かさと罪深さを徹底的に冷徹に描く作品こそが本当に平和を願う芸術の名に相応しい。 「永遠の0」は娯楽作品としては面白い。しかし、殺された兵士の死に様を美談として語り、祖国愛や家族愛の美しい道徳の物語に仕立て上げ、これに感化された若者が国家権力の甘言に踊らされてしまう手助けをするとすれば、非常に有害な図書であると言わざるを得ない。 こういう作品がベストセラーとなって、「国民的文学」ともてはやされる社会もまた危ういと言うべきだろう。 | ||||
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この作家は文章が上手いよね。 反戦にもとれるようにも、愛国心を掻き立てられるようにも読める、上手い書き方だと思う。 でも、中身はない。 お涙ちょうだいのエンターテーメントと言うのがこの作品の評価だと思う。 | ||||
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