告白
評判
告白の評価:
3.64/5点 レビュー 935件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全249件 201〜220 11/13ページ
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告白の評価:
3.64/5点 レビュー 935件。 A ランク
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まぁ、それは難解な哲学書とかの場合で、1行を理解するのに、あれこれ考えたりする場合だけれども、それでも、他人と比べてもやはり遅いようである。
ところが、この本、そんな遅読の私でさえ、たまたまテーブルの上に転がっていたのを何気なく手に取り、たった冒頭1行読んだがために、あっというまにこの世界に引きずりこまれていき、たぶん、2, 3時間で読んだ。もしかしたら、それでも遅いのかもしれないが、遅読の私としては驚異的なスピードである。
そして、
わぁ、面白かった!!!
という感じには、残念ながら、ならなかった。
うーむ、なんだ、この不快な感じは。。
告白者それぞれに、それぞれもっともらしい言い分がある。
聴いているとふむふむ、そうか、ごもっともだと肯き、もっともだけど、もっともすぎて嘘臭くも感じたり、何言ってんだこいつ、と思いながらも、そっちの方がより現実味があるような気にもなってきたりする。
が、やはり、森口先生、私はあなたに同情するが、
あなたは、最初に「私は教育者です」と宣言している。
その「教育者」が、最後に、渡辺と同じレベルにまで降りて、
復讐を遂行してはいけない。私はそう思う。
私は、この救いのない物語が容赦なく進行していくなかで、
あなたが苦悩の果てに何かを見つけ、最後に、救いのような何かが結晶するのだと、
そう期待した。それは、あなたが「私は教育者です」と宣言したからだ。
ところがどうだろう。あなたが苦悩の果てに見たものは、渡辺と同レベルの、救いのない復讐ではないか。
私は実際に自分がこの事件を体験したらどうだろう、と考えてみた。
たぶん、私もあなたと同じことをする。私はそれなりに感情的な人間だ。たぶん、あなたよりも。だからこそ、かえって、あなたには、あのような復讐をして欲しくはなかった。
あなたが、あなたの愛した「世直しやんちゃ先生」から学んだことは何だったのだろう。「生命は大切だ」、それを渡辺にわからせる方法は、苦悩の果てに出した結論は、それで良かったのだろうか。
物語は、現実ではない。それは一つの架空の作り話にすぎないが、この物語を通過した人々が渡辺に、否応なく憎悪の感情を抱き、彼が最も苦しむやり方で復讐することを是とするなら、そんな物語は不要である。単に憎悪を煽るだけ煽り、最後に、最高の復讐を遂げ、最高のカタルシスを得るだけなら、それは本屋大賞的な痛快大衆読本で、はい終わり、それで良い。
しかし、湊かなえはもっと別の結論を考えるべきだった。いや、考えようとした。
考えようとしたが考えつかなった、のではないか。。
遅読の私が、サクサクと2時間弱で読めてしまうような、ただただ面白い、本屋大賞的な危ういテクストを編みたかったなら、湊かなえはこの先、書き手として伸びないだろう。
だが、中島哲也が湊かなえに手を差し延べる。
中島は湊にチャンスを与えているのだ。
彼がこの作品を映画化するなら、私は別の結論があって良いと思う。
私は「復讐しない」、という結論を望んでいるわけでもない。
復讐をしようがしまいが、それは構わない(というと語弊があるかもしれないが)、
観ている人々に、何らかの救いを、登場人物たちの苦悩の果てに、「復讐」というあり方ではない、別のあり方が導きだされるなら、私は、「是」とする。