冬のオペラ

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評判

冬のオペラの評価:

3.84/5点 レビュー 25件。 C ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

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全49件 41〜49 3/3ページ
No.9
(4pt)

職人芸

巫弓彦シリーズがこの一冊で(今のところ)終わっていることが、最後まで読んでなんとなく分かった気がした。最初の一編二編は最後の中編「冬のオペラ」の伏線-といって悪ければ序章なのである。この「冬のオペラ」は謎解きもなかなか本格的なのだが、著者の人を見る目がやさしいのだ。だからこそ、内容自体はこんなにも残酷である。しかし北村薫はホントに若い女性の「つぶやき」を書くのが上手い。職人芸ですね。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.8
(4pt)

本当の「探偵小説」。

 推理小説のと言うのは不思議なモノで、探偵がというものが暗黙の了解の上でなりたってしまいます。事件が起こり、そこに居合わせた(または、依頼を受けた)探偵が調査をして、推理して、事件の謎を解き明かす。それは、ひとつの当たり前の流れであり、おもしろさでもあるわけですが、果たしてこの日常生活で起こる事件に実際に「探偵」という人が現れたなら、何も違和感を感じずに受け入れることができるでしょうか。 「どんな事件もあっと言う間に解決してしまう。」なんて都合のいいことはありえません。小説の中の探偵は実際にありえそうなことであって、実は非現実的なのです。  しかし、著者はこの小説の中で見事に日常の中に「探偵」を表現しました。それも、とびきり腕のいい。 ぜひ、一度身近に「探偵」を感じてみて下さい。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.7
(5pt)

名探偵とは存在であり意志である

ある時、自分のことを「名探偵」と気づいた巫弓彦と、
彼の記録者に立候補した物書き志望の姫宮あゆみの物語。
▼「三角の水」
 証拠隠滅を謀った企業スパイが行った放火方法とは?
 トリックは自体は、化学的知識に基づく単純なもの。
 本作においては、謎解き興味より、二人が奇妙なコンビを組むに至る経緯や、
 いかにも現代的で卑小な人物たちと、超然として自らの道を歩む巫との対比の
 構図が読みどころです。
 世知辛く散文的な今の時代に、「名探偵」という孤独な
 生き方を貫く悲哀と覚悟を、淡々と軽妙に描いていきます。
▼「蘭と韋駄天」
 上野のニコライ堂周辺を舞台に、足疾鬼の
 仏舎利盗難になぞらえられる蘭盗難事件。
 〈アリバイ崩し〉がテーマ。
 被害者も犯人も俗物で、醜い虚栄心の応酬を繰り広げていく展開に苦笑。
 彼女たちの友人で、本件の依頼者でもある椿雪子は「冬のオペラ」にも登場します。
▼「冬のオペラ」
  冬の京都の大学。
  2階にある研究室で、教授が殺害された。
  窓からはザイルが垂らされ、地上には被害者の衣類がばら撒かれていた。
  犯人は、ザイルを使って部屋に出入りしたのか?
  実質的に密室状況であった犯行現場が生じた背景には、
  「蘭と韋駄天」と同様、足疾鬼の影が……。
  レッドへリングを適度に泳がしながら、結末で巫がダイイング・メッセージの
  意味を告げる、その一点に向かって物語を収斂していく様は、哀しくも美しいです。
  
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.6
(4pt)

雪が降る

円紫師匠と《私》シリーズから読んでいるので、私にとっての初めての北村薫流”探偵”。個人的には「行動であり結果」でもあり「存在であり意思」でも結局起こる事象にはあまり大差ないと思うのだが。
さておき。
相変わらず伏線や小ネタが多すぎてちょっと田中潤司の解説がないときつかった。文章が難解なのではなく、文章の意図するところが難解なのかな。
内容も今冬ぴったりの作品。
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.5
(4pt)

正に韋駄天!

北村薫作品を読むのは2作目です。
初めて読んだ「ターン」とは、若干毛色が違いますが、名探偵「巫(かんなぎ)弓彦」と言う強烈なキャラクターが登場します。
3つの短編が収録されていますが、2作目と3作目は併せて完結という感じです。
前奏曲、間奏曲として謡曲「舎利」の一説が挿入されています。
巫弓彦が自らを、「韋駄天」に例えているからなのでしょう。
仏舎利から歯を盗んだ俊足の「足疾鬼」を捕らえたのが、それを上回る俊足「韋駄天」だったことによるのですが、状況を聞くだけで犯人が分かり瞬く間に解決してしまう巫弓彦は正に「韋駄天」である訳です。
3作目は、やるせない結末ですが、後味が悪くならないのは名探偵「巫弓彦」が新聞配達やビヤガーデンのウェイター等をしながら生活の糧を得ていると言うキャラクター設定によるところが大きいですね。
巫弓彦の次作が出ればまだ是非読んでみたいと思います。
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.4
(4pt)

原色

この本の色をもし表すなら、其れは間違いなく「原色」であると私は思う。
私はいくつか北村薫の作品を読んでいるが、其のどれとも似通わない、新しい匂いの作品であると言えよう。
でも、読みやすいということ、其れであっても「本格」だといえること、キャラの素晴らしい個性など、良い面での北村薫らしさは失われていない。
北村薫が好きな方も、はじめての方も、楽しんで読める作品だと思う。
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.3
(5pt)

雪の中にいるような、身にしみる寂しさ

最初はユーモラスな作品なのかと思っていました。
しかし、読んでいくうちに哀しく寂しくなってきました。
北村薫って、ちょっと残酷ですよね。
自分の心が他人より醜いことに気づいていないヒトへの一刺し、そして、哀しい運命から懸命に逃れようとするヒトへの哀悼...
いずれも、この作品では声を荒げることなく、静かに描写されています。
それだけに、心に色々と積もっていくような気が。そして、探偵が雪の中を背中を丸めて歩いていく姿がそこに重なります。
でも、ヒロインの素直な明るさが、ポツンと心に灯りをともしてくれるのです...
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.2
(4pt)

巫弓彦が気になる

昔北村薫のデビュー作を読み、うまくはできているが好みではないと遠ざかっていた私。久しぶりにこの本を手に取り、この人の世界好きだと思ってしまいました。巫探偵の事件もっと読みたいです。この探偵のある一言心に染み渡りました。私も気づけているのかな・・・
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054
No.1
(5pt)

文庫版もね

最初にこの三つの物語を手にしたのは、ハードカバーだった。そして、また読みたいと思って書架に手を伸ばす前に、文庫版発売の報せを知った。毎回読み返すたびに、この類まれな探偵の存在にエールを送り、悲しい結末を「今回は違うんじゃないかな」と期待しながら読み進めずにはいられない。文庫版の解説は珍しい人が書いているので、これまた驚いた。
冬のオペラ (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (角川文庫)より
4043432054