下山事件 最後の証言

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

下山事件 最後の証言の評価:

4.09/5点 レビュー 88件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.09pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全123件 61〜80 4/7ページ
No.63
(1pt)

他殺説、いい加減にしろ

読むに値しない本。矢板某の件は思わず吹き出しそうになった。だいたい下山事件は完全に自殺だ、私とは主義主張は違うが佐藤一氏の著作、十数年前のNHKの特集、北大の錫谷教授の考察で明らかなはずだ。
はじめに他殺ありきのバカげた考えの代表作のひとつだね。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.62
(4pt)

衝撃的なノンフィクション

衝撃的なノンフィクションです。

今まで昭和史の大きな謎だった下山事件。その関係者の一人の孫がジャーナリスト
となり、全貌を関連写真を紹介しながら明らかにして行く内容に引き込まれ、一気
に読破しました。しかし読後はしばし呆然とさせられました…….。

今まで松本清張を始め下山事件には諸説が入り乱れていましたが、完璧に犯人が特定
されており、また戦前戦後の関係者達の黒い歴史や人間を簡単に消す事ができた時代。
著者はそれを行動的な取材と緻密な調査、鋭い観察眼と判断で解き明かしていきます。

そしてこの時代ほど直接的ではないにせよ、今日でも権力の恐ろしさを感じさせます。

登場人物が多い為付箋を付けながら読みました。
下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3) Amazon書評・レビュー: 下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)より
4396333668
No.61
(4pt)

衝撃的なノンフィクション

衝撃的なノンフィクションです。

今まで昭和史の大きな謎だった下山事件。その関係者の一人の孫がジャーナリスト
となり、全貌を関連写真を紹介しながら明らかにして行く内容に引き込まれ、一気
に読破しました。しかし読後はしばし呆然とさせられました…….。

今まで松本清張を始め下山事件には諸説が入り乱れていましたが、完璧に犯人が特定
されており、また戦前戦後の関係者達の黒い歴史や人間を簡単に消す事ができた時代。
著者はそれを行動的な取材と緻密な調査、鋭い観察眼と判断で解き明かしていきます。

そしてこの時代ほど直接的ではないにせよ、今日でも権力の恐ろしさを感じさせます。

登場人物が多い為付箋を付けながら読みました。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.60
(1pt)

n番目の仮説

下山事件についての新たな物証、または信頼に足る証言が載っているのかと
思って読んだが期待はずれであった。

本書の推理の土台は矢田氏や松本清張によって
すでに書かれていたことがメインになっている。
著者はその土台の上に、亡き祖父の属していた組織の人脈を掘り起こし、
推理の楼閣を組み立てていくのだが、それは「亜細亜産業説」とでも言うべき一つの仮説だ。
オリジナリティはある。戦後の空気に触れたような生々しさはある。
だがこの仮説を信じるかどうかは、読者次第だろう。

著者の推理のキモであるたった一度の矢板氏との面会に、誰も立ち会っていない。
祖父の英文日記も焼却されていて、著者自身は実は1Pたりとも読んでいない。
すべては状況証拠か、著者の主観であって、物証は何一つない。
特に故人である矢板氏とのやりとりをだれも証明してくれる人がいないのは、致命傷ではないだろうか。

残念ながら私には、父を知らず祖父に溺愛されて育った男が
すべての事象や証言を強引に「敬愛する祖父」に結び付けているようにしか読めなかった。
下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3) Amazon書評・レビュー: 下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)より
4396333668
No.59
(1pt)

n番目の仮説

下山事件についての新たな物証、または信頼に足る証言が載っているのかと
思って読んだが期待はずれであった。

本書の推理の土台は矢田氏や松本清張によって
すでに書かれていたことがメインになっている。
著者はその土台の上に、亡き祖父の属していた組織の人脈を掘り起こし、
推理の楼閣を組み立てていくのだが、それは「亜細亜産業説」とでも言うべき一つの仮説だ。
オリジナリティはある。戦後の空気に触れたような生々しさはある。
だがこの仮説を信じるかどうかは、読者次第だろう。

著者の推理のキモであるたった一度の矢板氏との面会に、誰も立ち会っていない。
祖父の英文日記も焼却されていて、著者自身は実は1Pたりとも読んでいない。
すべては状況証拠か、著者の主観であって、物証は何一つない。
特に故人である矢板氏とのやりとりをだれも証明してくれる人がいないのは、致命傷ではないだろうか。

残念ながら私には、父を知らず祖父に溺愛されて育った男が
すべての事象や証言を強引に「敬愛する祖父」に結び付けているようにしか読めなかった。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.58
(4pt)

矢板玄との対峙

なぜなら一連の報道の中の「彼」こそは、実は「私」なのである。

序章の一文は衝撃的だ。矢板玄との対峙も緊張感が伝わる。墓場まで持っていこうとする人たちから証言を引出そうとする様には執念を感じるし、(血縁者というアドバンテージがあるにせよ)得られた証言は貴重だ。「最後の証言」と銘打っても大げさではない。

ただ、文庫への修正等については、他に指摘がある通りだろう。
下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3) Amazon書評・レビュー: 下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)より
4396333668
No.57
(4pt)

矢板玄との対峙

なぜなら一連の報道の中の「彼」こそは、実は「私」なのである。

序章の一文は衝撃的だ。矢板玄との対峙も緊張感が伝わる。墓場まで持っていこうとする人たちから証言を引出そうとする様には執念を感じるし、(血縁者というアドバンテージがあるにせよ)得られた証言は貴重だ。「最後の証言」と銘打っても大げさではない。

ただ、文庫への修正等については、他に指摘がある通りだろう。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.56
(4pt)

矢板玄との対峙

なぜなら一連の報道の中の「彼」こそは、実は「私」なのである。 序章の一文は衝撃的だ。 矢板玄との対峙も緊張感が伝わる。 墓場まで持っていこうとする人たちから証言を引出そうとする様には執念を感じるし、(血縁者というアドバンテージがあるにせよ)得られた証言は貴重だ。 「最後の証言」と銘打っても大げさではない。 ただ、文庫への修正等については、他に指摘がある通りだろう。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.55
(3pt)

そこそこ面白かったです

そこそこ面白かったです。これをベースにした小説の方は、伏字になってる人・推測の部分を埋めるために小説としたのだと思いますが、小説の方はちょっと残念な感じだったので、こっちを読んでおけば十分鴨。
下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3) Amazon書評・レビュー: 下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)より
4396333668
No.54
(4pt)

魑魅魍魎

作者の親族が下山事件に関係しているかもしれないという思いから、時間をかけた調査が始まりこの事件の核心に迫っていく。
読み応えのある力作だと思う。それにしても某大物右翼が作者に放った言葉が忘れられない。「おもえも政治家だけにはなるなよ」と。
下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3) Amazon書評・レビュー: 下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)より
4396333668
No.53
(3pt)

そこそこ面白かったです

そこそこ面白かったです。 これをベースにした小説の方は、伏字になってる人・推測の部分を埋めるために小説としたのだと思いますが、小説の方はちょっと残念な感じだったので、こっちを読んでおけば十分鴨。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.52
(4pt)

魑魅魍魎

作者の親族が下山事件に関係しているかもしれないという思いから、時間をかけた調査が始まりこの事件の核心に迫っていく。 読み応えのある力作だと思う。 それにしても某大物右翼が作者に放った言葉が忘れられない。 「おもえも政治家だけにはなるなよ」と。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.51
(5pt)

下山事件は、従米国家というレジームの下での戦後日本の方向付けが決まった重大事件であった

著者の新作『下山事件 暗殺者たちの夏』を読むための予備知識として、本書(2005年刊行)を読み始めたが、予想以上に面白く、一気に読み終えた。著者の祖父が事件の関係者かもしれないとの疑念を出発点に調べ始めたという点がユニークである。本書を読んでの感想は、結局のところ下山事件は、従米国家というレジームの下での戦後日本の方向付けが決まった重大事件だったということである。

下山事件については、自殺説対他殺説、GHQ主謀説対共産党主謀説、戦前の特務機関人脈暗躍説(731部隊を含む)、その他諸説が入り乱れている。たとえば、GHQ主謀説(実行部隊は日本人)は松本清張『日本の黒い霧』が代表的であり、この本をずっと昔に読んだ評者も、そんなものかとある程度は納得した記憶がある。

本書の著者の祖父・柴田宏は、かつて特務機関員であり、戦中から陸軍関連の軍需会社「亜細亜産業」の幹部社員だった。戦後復員してからその亜細亜産業の総帥・矢板玄に誘われ、再び幹部として活躍する。著者の叔母や母親も事務員として同社に就職する。こうして一族が深く関わった亜細亜産業と下山事件の関わりがふとしたことから明らかになり、著者の事件探索の旅が始まる。親族だけでなく、多くの関係者へのインタビューや各種の資料から著者は、事件の独自の全体像を明らかにしている。特に、めったなことでは会えない矢板玄との面談は本書の圧巻である。

著者は、事件を探索する上で、人・金・物・情報などがすべて亜細亜産業に関連している(つまり「ハブ」である)ことを改めて確認する。戦時中に国内や国外で強制的に回収された貴金属(少なくともかなりの部分)が亜細亜産業に保管され、拠点であるライカビルの一室には金の延べ棒が隠されていたという複数の証言が紹介される。この金を目当てに、保守・共産を問わず政治家、GHQ関係者、旧軍関係者、情報屋などを含む魑魅魍魎がこのビルに出入りしていた。その中には、事件の当人である下山貞則も含まれる。また、旧軍関連の利権で得た資金により、亜細亜産業は多くの子会社・工場を北区などに有し、中国での謀略に暗躍した鉄道専門家や731部隊関係者にも人脈を持っていたという。

著者の事件全体像は、GHQが主導して実施しようとしていた外資による国鉄取得から国鉄(利権)を守るため、日本政府首脳筋により下山総裁が抹殺されたのではないか、というものである(ただし、文庫版ではこの筋書きが入れ替わっているとのこと)。その目的は、謀殺をCIAによるものと見せかけてスキャンダル化し、単独講和や日米安保条約の締結を白紙に戻そうというものである。CIA謀略説を確からしく見せるためにGHQとCIAの対立関係が巧妙に利用され、またありとあらゆる謀略情報が意図的に流された。謀殺の実行組織は亜細亜産業である。にわかには著者の説の当否は判断できないが、戦後史の流れの中で一読に値する。

下山事件は、アメリカの権力を巧妙に利用し、日本の政治家や官僚、それにつながる財界や右翼が利権を確保する、という今も続く日本の戦後レジームの原型とも言える事件である。同時期の三鷹事件や松川事件との関連も気になる。本書で示された事件の全体像がどこまで明らかにされるのか、著者の新作『下山事件 暗殺者たちの夏』を読むのが楽しみになってきた。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.50
(1pt)

労作だが陰謀論満載

戦後の不可解な事件の一つの下山事件。
本書は関係者の孫が著作するスタイルです。

GHQ・CIA・G2・CIC・731部隊・戦後の右翼・鉄道弘済会などが登場する複雑さです。

しかし、著者が他殺説にこだわり袋小路に迷い込んだような著作です。

以下疑問点。

1他殺説としての死後轢断と鑑定したのは東大法医学の古畑氏です。古畑氏の鑑定に問題が多いのは有名です。証拠の捏造が疑われているケースまであります。冤罪事件を生み出す鑑定までした疑いもあります。

2三越などで多数の下山目撃証言がありますが偽証だ、警察による偽証強要だとの記述もあります。一人や二人ならば考えられますが多数の人間に偽証させられるでしょうか。

3下山氏の替え玉を準備したとありますが荒唐無稽です。似ている人間を探すのは大変です。探せても当人が承諾するとは限りません。時の人である有名人下山氏を見間違うとは思えません。

4血液を抜いて現場まで運搬して列車に轢かせるなんて非現実的です。自殺に見せかける他殺ならばもっと簡単な方法がいくらでもあります。

5下山油や身体の傷は自殺のためらい傷の可能性があります。油をかぶって死のうとしたが失敗し喫煙具を無くしたのかもしれません。

6他殺説通りだと463ページにある通り100名以上の人間が関与していますが彼らが秘密を守り通したとは信じられません。

7当時絶大な権力を保持していたGHQなどの組織が下山氏が邪魔ならば、くびにすれば済む話で、多数の人間を動員して殺すメリットが彼らにはあるでしょうか。

本書の中盤からは他殺論の立場で延べられる陰謀論や当時の時代背景解説などです。

そもそも自殺だった、つまり、生体轢断の鑑定が正しかったら、本書の意義はあるのでしょうか。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.49
(2pt)

微妙でした

うーん。。。矢板インタビューは超面白かったけど下山本としては正直微妙でした。
矢板氏にあと2,3回インタビューしてほしかったな
それの裏取った(超難しいけど)らとても面白い作品になったと思うので残念でした。
しかし森達也氏の捏造を指摘し「事実捻じ曲げてしまった人」と断罪し、「事実を捻じ曲げる過程を見たような気がした」というのは大いに同意してしまいました。
しかし著者が黒幕だと断罪したX某氏について、著者はなんの根拠もなく著者の推測の推測の推測の推測・・・の結果という感じなので、「おいおい、事実を捻じ曲げる過程を見たぞw」と突っ込んじゃいましたw
あと、他殺説の法医学的な根拠となっている「生活反応がないことから死後轢死」の古畑教授の鑑定についてですが、古畑教授という人は冤罪事件4件生み出した誤鑑定ばかりしてるいわくつきな人だということは別の下山本にも出てくるし事実でもあるので著者が知らないわけないと思うのですが、あえて明記していないところに著者が森達也氏に対して断罪した「仮説に誘導とする意図」と同様のものを感じてしまったので残念でした。
こういう類の本は、納得させてほしいと思い、納得させられると「面白い本だな、凄い本だな。」、と思います。
肝心のところで憶測の憶測の憶測の・・・みたいなお話だとちときついな、というのが正直な感想ですが、もう年月が経ちすぎていて難しいんだろうな、と思いました。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.48
(5pt)

下山事件

この本は凄いです 戦後のどさくさの日本の様子が良くわかりました。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.47
(5pt)

正に決定版!

矢板玄、この人の名前はよく憶えておくべきでしょうね。
登場人物が多いので、自分でよく整理せなあきません。
でも最後まで読ませます。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.46
(5pt)

利権はいつも闇の中

戦後のいわゆる国鉄三大ミステリー事件の一つと言われるこの事件に、実は作者の祖父が関係していた?
その真実を究明すべく、取材を重ねていく。フィクションという形を取りながら、実は限りなくノンフィクションに近い小説である。作者のその緻密な検証には定評がある。

興味深いのは、当時のいわゆる国鉄利権の構造は、そのまま現在の電力会社の利権構造とほとんど同じだということだ。戦後の電力会社分割に絡む利権をたどれば、おそらく深い闇に踏み込んで行くことになるだろう。

日本の政官財利権は、明治の国策会社の払い下げや、戦前の満州利権の時代、そして今日の利権に至るまで、様々な人間を巻き込みながら、脈々と生きている。
そう、利権はいつも闇の中。

さて、作者の出した「下山事件」の結論は、、、是非本書を読んでください。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.45
(5pt)

戦前、戦後の闇、そして未来もこの闇は続くのでしょうね

ジャーナリストとして、作家として緻密な取材と現実的な結果を推察しています。まさに完全版ではと思いました。この書籍の参考資料も併読すると現在の政権の動きや未来予想もできるかなとおもいました。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525
No.44
(3pt)

下山事件のひとつの推論

事件に取り組むきっかけになった出来事から十年以上の時間をかけて、膨大な資料や、新しい証言を基に、これ程の大著を書き上げた著者の胆力には頭が下がる。
自分を持ち上げるような描写が散見され若干鼻につくし、構成があまり上手くなく、当時の社会情勢、事件の検証、証言等がランダムに書かれていて読者を混乱させるきらいはあるものの、これまで定説とされてきた「GHQ主謀説」とは違う観点の仮説を打ち出したという点も、素直に評価したい。
占領下の日本で、権力者や支配者たちがどのような思惑で行動していたのかを知り、時代の雰囲気を感じる事が出来るという意味でも、大変興味深い作品になっている。

吉田茂主謀説や三菱の関与などは、なるほどと思わされる。ただ、GHQが仲の良い下山総裁を殺すはずがないとしているが、政財界にも知人の多い有名人を同じ日本人である吉田茂が殺す事を自然に受け入れている部分は、少し首肯しかねるか。

しかし本書で最も納得出来ないのは、他の方も書かれているが、事件の結論をはっきりと示していない点。
ハードカバーで400頁以上読まされて最後の最後、随所で見られるやや気取った体の文章で書かれた結論は、曖昧で分かりにくく(少なくとも下山事件初級者の自分には)、これには軽い憤りを覚えた。
事件の性質上「真実は分からない」でも仕方がないとは思うが、著者は「ほぼその全容を解明できたと確信している」(p.430)と書いている。それなのにだ。
ここに関しては、同じく推論ながらも結論を明確に述べている松本清張の「日本の黒い霧」の方が遥かに潔い。
殺害の実行犯や、下山総裁の替え玉の名前を知りながらもそれを明かさないという姿勢も、釈然としない。

部品のひとつひとつは精巧なのだが、それらを組み上げるための設計図が無いため未完成に終わっているのに、製作者は完成品だと自負している。

情報量の多さと密度の濃さは頭抜けているだけに、そのような読後感を拭い去れなかった事が、残念でならない。
下山事件―最後の証言 Amazon書評・レビュー: 下山事件―最後の証言より
4396632525