ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編

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評判

ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編の評価:

4.08/5点 レビュー 132件。 B ランク

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平均点4.08pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全204件 81〜100 5/11ページ
No.124
(5pt)

エネルギーをもらえる

僕の愛読書のひとつです。 村上作品は全部読んでますが、エネルギーの質はこの作品が一番好き。 喪失、再生を描く圧倒的筆力で、グイグイ引き込まれます。 純粋に、出会って良かったと思える小説です。 この小説が与えてくれるものを、まずはしっかりと受け止め考察しましょう。その上で、「私はそんな風には思わない」という結論に至れば、その考えもまたあなたの財産で、この作品を読んだ価値があるというもの。 でなければ、時間とお金がもったいない。けっこう長いしね。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.123
(5pt)

エネルギーをもらえる

僕の愛読書のひとつです。 村上作品は全部読んでますが、エネルギーの質はこの作品が一番好き。 喪失、再生を描く圧倒的筆力で、グイグイ引き込まれます。 純粋に、出会って良かったと思える小説です。 この小説が与えてくれるものを、まずはしっかりと受け止め考察しましょう。その上で、「私はそんな風には思わない」という結論に至れば、その考えもまたあなたの財産で、この作品を読んだ価値があるというもの。 でなければ、時間とお金がもったいない。けっこう長いしね。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.122
(4pt)

広がりとしては…

第1部が強烈だっただけに最終的にどんな結末なんだろうと期待してしてしまったので、最後まで読むと「?こんな感じ?」という感覚がないでもない。第1部はそもそもの発想も歴史的な事件も常人の想像を超えた感じで、第2部はその結末への通過点として読み、第3部はとてつもなく現実から遠のいたように感じたが、結局とても現実的なところにおさまり、想像していた広がりではなかったように思う。
ただ、村上春樹ファンとしてはここまでの力作を途中でやめるわけにはいかないと思うので、最後まで読むべきということででこの評価。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.121
(4pt)

広がりとしては…

第1部が強烈だっただけに最終的にどんな結末なんだろうと期待してしてしまったので、最後まで読むと「?こんな感じ?」という感覚がないでもない。第1部はそもそもの発想も歴史的な事件も常人の想像を超えた感じで、第2部はその結末への通過点として読み、第3部はとてつもなく現実から遠のいたように感じたが、結局とても現実的なところにおさまり、想像していた広がりではなかったように思う。
ただ、村上春樹ファンとしてはここまでの力作を途中でやめるわけにはいかないと思うので、最後まで読むべきということででこの評価。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.120
(5pt)

ハルキ・ワールド全開!

第3部ではこの作品を終わらせるための、そしてこれからのハルキ・ムラカミの作品につなげるための重要なキャラが続々と登場する。ウシカワしかり、ナツメグとシナモンしかり・・・・・。

 中尉と獣医は単なる語呂合わせか、満州の新京動物園は繁盛していたのか、ノモンハンはアナタハン? 読者に様々な想像力を要求しつつ、物語は大団円に・・・・・といいたいとこだが、何ら何も一つも解決しないままずるずると・・・・・
 
 「僕」はクミコを再び満足させることができるのか、そして、夫婦の危機は解消されるのか・・・・・・・こちらも何ら何も解決しないままずるずると・・・・・
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.119
(5pt)

ハルキ・ワールド全開!

第3部ではこの作品を終わらせるための、そしてこれからのハルキ・ムラカミの作品につなげるための重要なキャラが続々と登場する。ウシカワしかり、ナツメグとシナモンしかり・・・・・。

 中尉と獣医は単なる語呂合わせか、満州の新京動物園は繁盛していたのか、ノモンハンはアナタハン? 読者に様々な想像力を要求しつつ、物語は大団円に・・・・・といいたいとこだが、何ら何も一つも解決しないままずるずると・・・・・
 
 「僕」はクミコを再び満足させることができるのか、そして、夫婦の危機は解消されるのか・・・・・・・こちらも何ら何も解決しないままずるずると・・・・・
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.118
(4pt)

楽しみました

複雑で難しい部分もあり、全部を理解した、とは思えません。
それでも、深さ、を感じました。
さらに大切だと思ったのは、面白い、と思ったことです。
難解でも面白さを提供してくれる村上春樹さんの作品は素晴らしいと思っています。

他の作品も読んでいこうと思います。

ただし、本筋とははずれるかもしれませんが、この作品を、中国、モンゴル、ロシアの方が読んだらどう思うんだろう、と心配になりました。こんな風に描かれたら、気分を害するのだろうと思います。もちろん、”全ての人が賛成する意見”などどこにも無いのだとは思います。それでも、暴力や残酷さの描写はやりすぎなのではないかと心配になりました。
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4103534052
No.117
(4pt)

楽しみました

複雑で難しい部分もあり、全部を理解した、とは思えません。
それでも、深さ、を感じました。
さらに大切だと思ったのは、面白い、と思ったことです。
難解でも面白さを提供してくれる村上春樹さんの作品は素晴らしいと思っています。

他の作品も読んでいこうと思います。

ただし、本筋とははずれるかもしれませんが、この作品を、中国、モンゴル、ロシアの方が読んだらどう思うんだろう、と心配になりました。こんな風に描かれたら、気分を害するのだろうと思います。もちろん、”全ての人が賛成する意見”などどこにも無いのだとは思います。それでも、暴力や残酷さの描写はやりすぎなのではないかと心配になりました。
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410100143X
No.116
(5pt)

村上氏が最も深いレベルで物語の可能性を追求した作品

意識と無意識の世界、複数の人間の、時空を超えた内面世界が、融通無碍に交錯する、村上春樹の小説の中でも最大のスケールをほこり、おそらく最も深いレベルで物語の可能性を追求した作品。

当初は「第1部」「第2部」で完成させるはずだった本作。それらと「第3部」との間には、執筆期間のブランクがあることもあって、作品の色合いのようなものが両者の間で若干違っていますが、この「第3部」を書ききることによって、作者はこの物語にさらなる深みと救いをもたらしています。

年末から読み返した本作、3回目です。

抗うことのできないような、この世の中に確実に存在する(あるいは存在した)圧倒的な暴力の、息苦しくなるほどの生々しい描写、「こちら側」の世界と「あちら側」の世界との間を自在に往復させる筆致が印象的でした。

実は、10代のときに初めて読んだときは、「なんだかよく分らないな」という印象を持ったのだけれど、そうした印象が読み返すたびになくなっていくのは、世界に存在する圧倒的な暴力や抗い難い理不尽さ、無意識の世界の深み、独りで闘うということ、そういうものについて思いを馳せるようになったからかもしれない。

これからも読み返すことになるであろう、人生で出会った最も大切な小説のひとつ。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.115
(5pt)

村上氏が最も深いレベルで物語の可能性を追求した作品

意識と無意識の世界、複数の人間の、時空を超えた内面世界が、融通無碍に交錯する、村上春樹の小説の中でも最大のスケールをほこり、おそらく最も深いレベルで物語の可能性を追求した作品。

当初は「第1部」「第2部」で完成させるはずだった本作。それらと「第3部」との間には、執筆期間のブランクがあることもあって、作品の色合いのようなものが両者の間で若干違っていますが、この「第3部」を書ききることによって、作者はこの物語にさらなる深みと救いをもたらしています。

年末から読み返した本作、3回目です。

抗うことのできないような、この世の中に確実に存在する(あるいは存在した)圧倒的な暴力の、息苦しくなるほどの生々しい描写、「こちら側」の世界と「あちら側」の世界との間を自在に往復させる筆致が印象的でした。

実は、10代のときに初めて読んだときは、「なんだかよく分らないな」という印象を持ったのだけれど、そうした印象が読み返すたびになくなっていくのは、世界に存在する圧倒的な暴力や抗い難い理不尽さ、無意識の世界の深み、独りで闘うということ、そういうものについて思いを馳せるようになったからかもしれない。

これからも読み返すことになるであろう、人生で出会った最も大切な小説のひとつ。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.114
(5pt)

現代日本文学の最高峰

僕にとってこの作品はすごく大事なものであるし、何度読み返しても色あせることのない輝きが作品の中にある。
この物語の最も大きなテーマはたぶんワタヤノボル的な世界に対してオカダトオルがどのように振る舞うかということだと思うのだが、そこが理解に難しい。簡単な文章や比喩を多用することで読みやすいものになっているが、内容は難解なテーマを扱っているために、1度読んだだけだと読み終わったときに疑問点がかなり残ってしまう。
読み進めていくことで「暴力」というのがキーワードであることに気づく。現代の暴力の象徴であるワタヤノボル。そして過去(戦争中)の暴力の象徴である皮剥ぎボリス。
思想がなく、考えが浅いが頭が非常によい人間の発する言葉というのは概して影響力がある。自分には守るものがなく、相手を攻撃する方法を考え付くことが出来るから。そしてどうすれば自分がよく思われることが出来るかということがわかって行うから。
そのような人の発言というのは周囲の人間自身の判断を出来なくさせる。彼(彼女)が言っていることが正しいのだと思ってしまうから。その発言に力があるというだけで。
ワタヤノボルという存在はそのように描かれている。彼は非常に頭がよく、自分の立ち振る舞い方が完全にわかっていた。そしてマスコミというツールによって世間は判断なしに彼を受け入れさせられた。
主人公は自分で深く考えることによって判断するタイプの人間なので、ワタヤノボルの本性がわかり、そのためにワタヤノボルは彼を無視できなくなったのだろうと思う。
妻を取り返すという行為はそのようなワタヤノボルが作り出した暴力的な世界と関わりを持たなくてはならないことであり、それには危険が付きまとう。しかし彼はギリシャに行くのではなく妻、つまり自分の作り出した世界を取り戻そうとする。ここがこれまでの村上作品と大きく違うところだと思うし、それが僕がこの作品を最も気に入っている理由でもあります。
それ以外でもたくさんの場面で心を動かされました。妻がいなくなり、手紙が届くシーンはとても心が痛むし、サワラが返ってきたシーンは本当にうれしくなります。また、最も好きな登場人物が笠原メイなのですが、彼女の言葉は本当に大好きです。
「茶碗蒸しのもとを入れてチンして、それがマカロニグラタンに変わることもたまにはあるのよね」
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.113
(5pt)

現代日本文学の最高峰

僕にとってこの作品はすごく大事なものであるし、何度読み返しても色あせることのない輝きが作品の中にある。
この物語の最も大きなテーマはたぶんワタヤノボル的な世界に対してオカダトオルがどのように振る舞うかということだと思うのだが、そこが理解に難しい。簡単な文章や比喩を多用することで読みやすいものになっているが、内容は難解なテーマを扱っているために、1度読んだだけだと読み終わったときに疑問点がかなり残ってしまう。
読み進めていくことで「暴力」というのがキーワードであることに気づく。現代の暴力の象徴であるワタヤノボル。そして過去(戦争中)の暴力の象徴である皮剥ぎボリス。
思想がなく、考えが浅いが頭が非常によい人間の発する言葉というのは概して影響力がある。自分には守るものがなく、相手を攻撃する方法を考え付くことが出来るから。そしてどうすれば自分がよく思われることが出来るかということがわかって行うから。
そのような人の発言というのは周囲の人間自身の判断を出来なくさせる。彼(彼女)が言っていることが正しいのだと思ってしまうから。その発言に力があるというだけで。
ワタヤノボルという存在はそのように描かれている。彼は非常に頭がよく、自分の立ち振る舞い方が完全にわかっていた。そしてマスコミというツールによって世間は判断なしに彼を受け入れさせられた。
主人公は自分で深く考えることによって判断するタイプの人間なので、ワタヤノボルの本性がわかり、そのためにワタヤノボルは彼を無視できなくなったのだろうと思う。
妻を取り返すという行為はそのようなワタヤノボルが作り出した暴力的な世界と関わりを持たなくてはならないことであり、それには危険が付きまとう。しかし彼はギリシャに行くのではなく妻、つまり自分の作り出した世界を取り戻そうとする。ここがこれまでの村上作品と大きく違うところだと思うし、それが僕がこの作品を最も気に入っている理由でもあります。
それ以外でもたくさんの場面で心を動かされました。妻がいなくなり、手紙が届くシーンはとても心が痛むし、サワラが返ってきたシーンは本当にうれしくなります。また、最も好きな登場人物が笠原メイなのですが、彼女の言葉は本当に大好きです。
「茶碗蒸しのもとを入れてチンして、それがマカロニグラタンに変わることもたまにはあるのよね」
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.112
(5pt)

歴史に踏み込み 改めて現実社会へと歩み始める

3巻では新たに、ナツメグとシナモンの姉弟が登場し、あの「1Q84」でも出てくる「牛河」さんも登場します。それから、1巻で出てきた、あの残酷な「皮むきロシア人」も登場するし、井戸での体験もクライマックスを迎えます。この作品は1、2巻がまず刊行され、作者の村上春樹は、それで終わりにもできたのですが、謎解き編であり、1、2巻の成長版として3巻を書いたようです。1、2巻を読んだ読者にとって、いろんな伏線が集約され、面白いです。物語も一回り大きくなって現れます。やはりこの3巻は書かれていてよかったと思います。
現実と言うのは不条理で、混沌としていて、ときには戦争など圧倒的な暴力が個人の人生を飲み込んでしまいます。できれば、そんな社会や歴史とかかわることなく、自分の真実の道を進みたいのですが、主人公は、結局、愛する妻を探しに、ノモンハンやシベリア抑留などの歴史の中に踏み込んでいきます。
この小説を一つの焦点に、作者は、次は歴史ではなく、あのオーム事件や阪神大震災という現実の世界におきた大事件と向き合うことになります。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.111
(5pt)

歴史に踏み込み 改めて現実社会へと歩み始める

3巻では新たに、ナツメグとシナモンの姉弟が登場し、あの「1Q84」でも出てくる「牛河」さんも登場します。それから、1巻で出てきた、あの残酷な「皮むきロシア人」も登場するし、井戸での体験もクライマックスを迎えます。この作品は1、2巻がまず刊行され、作者の村上春樹は、それで終わりにもできたのですが、謎解き編であり、1、2巻の成長版として3巻を書いたようです。1、2巻を読んだ読者にとって、いろんな伏線が集約され、面白いです。物語も一回り大きくなって現れます。やはりこの3巻は書かれていてよかったと思います。
現実と言うのは不条理で、混沌としていて、ときには戦争など圧倒的な暴力が個人の人生を飲み込んでしまいます。できれば、そんな社会や歴史とかかわることなく、自分の真実の道を進みたいのですが、主人公は、結局、愛する妻を探しに、ノモンハンやシベリア抑留などの歴史の中に踏み込んでいきます。
この小説を一つの焦点に、作者は、次は歴史ではなく、あのオーム事件や阪神大震災という現実の世界におきた大事件と向き合うことになります。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.110
(5pt)

時代の遭難から脱するための漕ぎ手

僕たちはこれだけ世の中の不穏な状況とか未来への不安とかを目の前にしても、やっぱりどこか世界は首尾一貫したものだと思ってるし、そう思おうとしているのかもしれない。
この作品はその「一貫性」に対して真っ向からの疑問を投げかけている。
システム側が我々に提示する「経済的有効性」は戦後〜高度経済成長期にまでかけて実務的な規範として敷衍するのに強力なテクスチャーとして機能していた。
だがバブルがはじけた今もシステム側から提示されるバブリーなメンタリティは衰えず、「経済的有効性」以外の哲学、精神性は生み出されることはあまりなかったといえる。
このメタファーこそが「綿谷ノボル」の存在である。
村上は「海の真ん中で遭難して方向を失ったときに、チカラのある熟練したこぎ手が揃っていても無意味」と書いている。
つまり、必要なのは遭難からどうやって脱するか、必死で考え想像する。
それこそが今の時代に必要な「こぎ手」であると思うし、僕たちが獲得しなきゃいけない「規範」なんじゃないか。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.109
(5pt)

時代の遭難から脱するための漕ぎ手

僕たちはこれだけ世の中の不穏な状況とか未来への不安とかを目の前にしても、やっぱりどこか世界は首尾一貫したものだと思ってるし、そう思おうとしているのかもしれない。
この作品はその「一貫性」に対して真っ向からの疑問を投げかけている。
システム側が我々に提示する「経済的有効性」は戦後〜高度経済成長期にまでかけて実務的な規範として敷衍するのに強力なテクスチャーとして機能していた。
だがバブルがはじけた今もシステム側から提示されるバブリーなメンタリティは衰えず、「経済的有効性」以外の哲学、精神性は生み出されることはあまりなかったといえる。
このメタファーこそが「綿谷ノボル」の存在である。
村上は「海の真ん中で遭難して方向を失ったときに、チカラのある熟練したこぎ手が揃っていても無意味」と書いている。
つまり、必要なのは遭難からどうやって脱するか、必死で考え想像する。
それこそが今の時代に必要な「こぎ手」であると思うし、僕たちが獲得しなきゃいけない「規範」なんじゃないか。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.108
(5pt)

法則性を持ったカオス、レイヤーとリンク

とにかく物凄い作品だ。
カオスが溢れる。
その混沌は徐々に法則性をもちはじめ、
やがて幾重にも重なるレイヤーとなり、
レイヤーに横たわるパーツと、別のレイヤーに横たわるパーツが
リンクしたかと思うと、レイヤーが持つ時空の境界を全く無視し、
いつの間にかそれらは同一化している。
人間の持つ深淵という、やがて何者かへと変貌を遂げる運命を背負ったカオスを
ここまで描ききった作品は今後なかなか現れることはないだろう。
人間にとっての本当の救済とは、何なのだろうか。
それはもしかしたら死という至極単純な現象かもしれない。
それはもしかしたら愛という至極使い古された表現かもしれない。
自分の頭でものを考えられる全ての人間に読んでほしい一冊。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.107
(5pt)

法則性を持ったカオス、レイヤーとリンク

とにかく物凄い作品だ。
カオスが溢れる。
その混沌は徐々に法則性をもちはじめ、
やがて幾重にも重なるレイヤーとなり、
レイヤーに横たわるパーツと、別のレイヤーに横たわるパーツが
リンクしたかと思うと、レイヤーが持つ時空の境界を全く無視し、
いつの間にかそれらは同一化している。
人間の持つ深淵という、やがて何者かへと変貌を遂げる運命を背負ったカオスを
ここまで描ききった作品は今後なかなか現れることはないだろう。
人間にとっての本当の救済とは、何なのだろうか。
それはもしかしたら死という至極単純な現象かもしれない。
それはもしかしたら愛という至極使い古された表現かもしれない。
自分の頭でものを考えられる全ての人間に読んでほしい一冊。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X
No.106
(4pt)

クロニクルへの道筋

というよりむしろ、
私はそうやってアリさん的にわき目も振らず働くことによって、
だんだん「ほんとうのじぶん」に近づいるような気さえしちゃうのです。
なんというのかな、
うまく説明できないけれど、
自分について考えないことで
逆に自分の中心に近づいていくというみたいなところがあるのね。
私が「ちょっと変」というのはそういうことです。
現実的にまったく何の指標も持たずに人が行動することは不可能である。
そこには少なくとも暫定的・仮設的なプリンシプル・モデルが必要とされる。
日本という国家が現在の時点で提供できるモデルはおそらく「効率」くらいのものである。
しかし、「効率性」は方向性が明確なときに有効な力がある。
ひとたび方向の明確さが消滅すれば、それは瞬時に無力化する。
海の真ん中で遭難して方法を失ったときに
力のある熟練した漕ぎ手が揃っていても無意味なのと同じだ。
効率よく間違った方向に進むのは、
どこにも進まないより悪いことである。
正しい方向性を規定するのは、より高度な職能をもつプリンシパルでしかない。
しかし我々は今のところ、それを欠いている。決定的に欠いている。
「だから、どうすればいいのだ?」
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編 Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編より
4103534052
No.105
(4pt)

クロニクルへの道筋

というよりむしろ、
私はそうやってアリさん的にわき目も振らず働くことによって、
だんだん「ほんとうのじぶん」に近づいるような気さえしちゃうのです。
なんというのかな、
うまく説明できないけれど、
自分について考えないことで
逆に自分の中心に近づいていくというみたいなところがあるのね。
私が「ちょっと変」というのはそういうことです。
現実的にまったく何の指標も持たずに人が行動することは不可能である。
そこには少なくとも暫定的・仮設的なプリンシプル・モデルが必要とされる。
日本という国家が現在の時点で提供できるモデルはおそらく「効率」くらいのものである。
しかし、「効率性」は方向性が明確なときに有効な力がある。
ひとたび方向の明確さが消滅すれば、それは瞬時に無力化する。
海の真ん中で遭難して方法を失ったときに
力のある熟練した漕ぎ手が揃っていても無意味なのと同じだ。
効率よく間違った方向に進むのは、
どこにも進まないより悪いことである。
正しい方向性を規定するのは、より高度な職能をもつプリンシパルでしかない。
しかし我々は今のところ、それを欠いている。決定的に欠いている。
「だから、どうすればいいのだ?」
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)より
410100143X