アフターダーク

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評判

アフターダークの評価:

3.48/5点 レビュー 468件。 C ランク

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平均点3.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全225件 161〜180 9/12ページ
No.65
(3pt)

よくわかんないけど・・

2日くらいかけて読みました。なんというか話に山場がなくて、終わり方もまだ続きがありそうで、正直わかんない事だらけでした。でも読まなくて良かったとは決して思わないし、読んで良かったと思っています。もう一度時間をあけて読み直したいけど、どうかなぁ。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.64
(3pt)

うーむ。残念!

私の中で一番好きな作家。村上春樹。今回もやはり発売と同時に購入。3時間程度で読了。感想は、これが普通の小説家の小説だったら、うん、いい小説だなぁと満足するところなのだが、村上春樹の小説となると、やはりかなり期待していたので、失望してしまった。もっと深い、ドストエフスキーのような長くて深い小説を期待していたのだが、まるで短編映画のようなサラッとした小説だった。いいように考えると、文体は変化しているので、きっと次の小説のための新しい技術を試しているんだろう。まぁ、でも、個人的な意見としては、これから購入を考えている人は、買う必要はないと思う。次の作品が出た後に、そして次の小説が面白ければ、読めばいいと思う。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.63
(2pt)

浅い闇から淡い光へ

「納屋を焼く」「象の消滅」「沈黙」などと同じく、普段意識されていない闇の世界との関係性がテーマになっているように感じた。だが、上記3作品のほうが遥かに遠く、深くまで、闇の世界を探索していると思う。誰も知らないところで起こる、誰も気づかない決定的な変化。名もなき人々、誰からも注目されない人々の、声なき声…それらを描き出そうとする視座は、この作品にも十分に感じられた。だが「ねじまき鳥」以後、村上作品に闇の深遠さへの到達距離を求めてきた自分にとって、今作は手応えがなかった。3人称だとか、カメラの視点だとか、そうした表層のテクニックがそんなに重要なのだろうか。不自然なだけで、逆に意識の妨げになった。もしかしたら、自意識を持ち続けて読ませるための装置なのかもしれないが…。…と、読んだ直後には思っていたが、時間の経過とともに新たに感じることがあったので追加します。この作品は今までの作品で言えば「蜂蜜パイ」に一番近いのではないだろうか。闇を描きつつ、最終的に光のあるほうへと読者を誘うという意味において。殺人の低年齢化など、混迷の度合いを深める日本社会の中で、たとえ微かなものでも光を見出そうと、もしくは光があることを期待しようと、著者は必死で模索しているのではないだろうか。そう思って内容を思い返してみると、新たな手応えが感じられる。現実の混沌をより混沌としたものとして描く作家が多いなか、村上春樹の視点はその先を行っているのかもしれない。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.62
(2pt)

哀しき終焉の証?

 村上春樹は、「ノルウェイの森」で心ならずも踏み込んでしまった迷宮から未だに脱出できず、彷徨い続けているかのようである。 生還を待ちわびる読者にもたらされた前作「海辺のカフカ」は、異常ともいうべきキャンペーンもあり商業的には大成功を収めたようであるが、その文学的惨状が大方の「村上離れ」を加速してしまったことも否定できない事実であろう。 さて、残念ながら、本作こそはという儚い期待も木っ端微塵に打ち砕かれてしまう。 そこにあるのは、寂寞たる既視感のみであると言っても過言ではない。 仮に、初めての読者であれば、村上春樹の名声に首を傾げることになるのは必定。 それにしても、派手な広告こそ慎んだとはいえ、このようなものを臆面もなく売りに出す編集者と出版社の罪は限りなく深いと言わざるを得ない。 「昔は良かったのに。」と言うのは旧来の読者にありがちな常套句ではあるが、せめて、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「羊をめぐる冒険」の水準を保持してくれることを願ったのが「木に拠りて魚を求む」行為であったとすれば、自らの不明を恥じるほかない。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.61
(2pt)

未完の短編小説?

地の文がほとんどなく、会話で展開されていくストーリーは、さらさらと読みやすく、あっという間に読み終わり、あれっ?バラバラに展開された全てのものが結びつき、ねじれながら展開していくのが村上春樹の作品と決めてかかっていたので、予兆のみで終わってしまった結末には、肩透かしを食らったような気分になりました。他の小説家が書いたものなら、合格点に面白い。でも、村上春樹に求めているものとしては・・・。読み終わってから、辻褄合わせに考えたこと。これは、夜中から朝が来るまでの7時間足らずの出来事を、ドキュメンタリー風に切り取っただけのもので、なんの結末へも向かうつもりはなかった。その後の時間については、読者がそれぞれ想像出来るようにわざと放り投げるように終わりにしたのではないかということ。それとも、現代を切り取ろうとするには、村上春樹が歳を取りすぎて、俯瞰しての視点という手法を取らざるを得なかった。はたまた、「僕」という一人称での小説は得意だが、女性の視点を描くには深みがない。苦手?重要な主人公の一人に19歳のマリを据えたことにより内容が希薄になってしまった。いずれにしても、夜中にファミレスで2時間程度を潰すにはもってこいの小説。なかなか寝付けない時、ふと夜中に目が醒めたとき、ザーザー音を立てるテレビの画面を見て、戯れに想像するような、小さな作品。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.60
(3pt)

永い夜が明けた後に

村上春樹待望の新作。小説は時系列に沿って進められており、ほぼその時間の流れに沿って、ちょうど一晩かけて一気に読んだ。「神の子供たちはみな踊る」の中の「蜂蜜パイ」で、『これまでとは違った小説を書こうと思う』と語った筆者であるが、正直この小説はその変化の過程であり、これが完成系であるとは思いたくない。過去の作品にあるような、洒落た会話や比喩はところどころ見受けられ、また物語の終わりには「世界」と「個」との繋がりのようなものが感じられ、過去の村上作品で追い求められていたものが見つかったような気がして少し安心したような、安らかな気持ちになることが出来た。しかし、戯曲のような客観的な短い文体は「私たち」という一人称による視点の誘導を含めて、文体の実験としては面白い試みかと思ったが、まったく良いとは感じられなかった。筆者は簡素な表現によって読者の想像を求めたとのかも知れないが、これほどすばらしい文章を書ける筆者なのだから、筆者自身の文章をもっと味わいたかった、物足りなさが残ったという読後感が評価の理由となった。話の筋としても物語全体が収束しきっていないという印象が、筆者がそれを狙っていたのだとしても、好きになれなかった。大好きな、本当に大好きな作家なので、次回作に期待しています。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.59
(3pt)

次のステップへ

今村上春樹さんの中にある物をできるだけ自然な形で取り出し、書き留めた感じの作品です。海辺のカフカが重厚な一枚の作品なら、こちらはスケッチ集といったような。かつて次のステップへ進むためにスプートニクの恋人を書いたように、アフターダークも新たな作品を生み出すためのステップではないでしょうか。おそらくこの何枚ものスケッチを元にして次の作品の方向を確認し、重厚な作品に繋げていってくれることでしょう。次回作に期待です。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.58
(2pt)

思うこと

うーん、正直言うと厳しい作品。今までの春樹作品というと、緻密に計算された文を構築している所が好きだった。例えば、「ねじまき鳥~」では、「井戸」はフロイトのいう「イド」、(快楽主義)の暗喩であるなど・・他にも沢山あるのだが、今回はそういった緻密さは感じられなかった。「わたしたち~」のエリの部分は極論なくてもいい。会話ばかりの、シナリオ調で進む本作は25年を意識しすぎた、やっつけ仕事的にもみえなくない。村上春樹を愛するからこそ、今回の作品は残念だった。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.57
(3pt)

初めて春樹さんの本を読んだのが、アフターダークだった方への知らせ

春樹さんを知っているかたなら、当然のごとく買うだろうので、説明は不用だと思います。ここでは、中高生といった若い方に一言申し上げます。 結論からいえば、アフターダークを読む前に次の二冊(村上春樹著)は読んでください。1,ノルウェイの森2,ねじまき鳥クロニクル  そして、この二冊を読み終わってから、アフターダークを読んでもらえると、「ああ、この作者は新境地に挑んでいる最中なんだな」と肌で感じることができます。 特にして欲しくないのは、アフターダークだけを読んで、「なんだよ、ムラカミハルキってツマンネーよな」なんて、言うことです。 あなたが私の推薦した本をよんだら、、この作品よりも、もっとずっと引き込まれることをお約束します。 もちろん、この本も「それなりに」はおもしろいのですが、若い人が求めるものではないと、私は思います。   こんな風に考えるといいかと思います。  昔、イチローはもっと上手に打てる打法を研究していましたが、研究中は色々試していたので、以前よりもダメになってしまいました。 しかし、色々試してみて、打法が完成したら、打率が4割近くになり、ビシバシ打てるようになりました。 さらに、完成した打法だけではなくて、以前の打法でも上手に打てるようになったとさ・・  とにかく、(初めて春樹さんの本を読む方は)アフターダークを読む前に上の二冊を読むか。 あるいは、アフターダークを読んでから、図書館に行って、ノルウェイの森とねじまき鳥クロニクルを有無をいわずに借りてきてください。そして、ノルウェイの森は(できれば)夜の9時前に・・いや8時かな? 読んでください。(眠れなくて学校に遅刻すると悪いので)  以上、うだうだ言ってきましたが、「春樹さんは、こんなんじゃねーよ。もっともっとスゲーんだゼ」ということです。 ・・しつこいようですが、アフターダークだけ読んで、彼の作品を読むことを中止することは「絶対に」やめてください! 
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.56
(3pt)

読みやすい

読みやすい。その一言につきると思います。理解しやすい。お馬鹿なあたしは、情景がうまく想像出来なかったり、前に書いてあった事の記憶があやふやになって、途中前後して読んだりするのですが、この本に限っては、一切ありませんでした。とにかくさらりと読めます。裏を返せば、それほど話が入り組んでいないとうこと。後読感としては、自分の好きな春樹さんの短編一つよりも軽い。こう、後まで引きずる思いがなかった。他の人も書いてらっしゃいますが、かなり・・・な感じです。長編なんですよね。。。うーん。。。読者としての自分が春樹サンの物語の構造に慣れて新鮮みをかんじなくなったと言えば、そうなんですが。。。なんて言うかね、、、出題と回答を一緒に渡されちゃった感じ。。考える余地を与えてくれない。「世界の終わり~」が自分は一番好きなんですが、一緒に考えてる感があったんですよ。それがもうない気がする。「世界の終わりは~」何だか分からないけど、書かなきゃいけない事があるから、どうなるか分かんないけど書く。って感じがしたんだけど。今回は、これをこうしてこうつなげて、こう終わろうみたいなのが、読んでて分かっちゃった感じ。宿題やってないのに、答え合わせだけしてる。みたいな感じかな。。。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.55
(3pt)

現代版理想的社会小説

明治末期ならば閉塞感に対し、島田清次郎の熱さや葛西善蔵の諦観で対処した。が現代東京は、熱くも諦観にもリアルはなく、もちろん癒しにもなく、ただ閉塞感の中で戸惑いつつも、欠点が長所でもあるそんな当たり前の性質をもつ身近な人との、ちょっとした出会いからしか閉塞感の脱出はないし、また時に脱出し、時に脱出できないしという現実を受け入れながら、魅力はないが、あった方がいいだろうといった各駅停車のようなライフスタイルを再構築している等身大の読者を多少デフォルメした社会小説。「わたしたち」という表現には、誰もが内包している、実は個にさほどのこだわりのないテレビやインターネットといったマスメディアに依存した人々の、総体的な観点と心境を感じる。そしてその犠牲者として世間価値に無意識に踊らされていた姉が価値の再生へ向けて冬眠、いや充電をし、いままでの価値観に違和感を感じつつも地道にでももちろんアヤフヤさのど真ん中で「個らしいもの」を確立していく妹たちの、孤独前提の価値観を構築している様子をタンタンと見せ、メッセージ性を隠すことで、読者は春樹の世界観に現実の自分らもいることを実感するから、かえって説得力がでている。登場人物と読者の垣根がとっばらわれた、実生活と物語が実感で調和できる位置を示唆した参加共住型小説とも言える。無機質な交換不可能性の一切ないデニーズやラブホテル。言葉と物語の希薄なセックスといった刹那的ゆえ浅い快楽に囲まれた可視的な環境までもイビツになっている現状に対し国民作家という立場から、精一杯の再生プロセスメッセージになっていると思う。しかし現代版夏目漱石だけにどうしてもマジメさが鼻につき、必死にマジメさを隠しても、本質は明治文壇の系譜的人生、自我模索小説から今回も一切はみ出ていない。つまり芸術という基準からいえば?
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.54
(3pt)

つまらないが、退屈はしない

 読み終わっても体の奥にじわりと残る、あの心地よい読後感が今回の作品では微塵も感じられなかった。つまらない映画の長大な予告編を文字に起こしたみたいな作品だった。とにかく登場人物である若者たちにリアリティーのかけらも感じなかった。もちろん、そうしたリアル感のない若者の存在もある種の小説的世界には必要な場合もあるだろうけど、その小説世界に入って行けないのだからどうしようもない。一人一人が思わせぶりで、何かの予兆だけを残し、小説が終わってしまった。この話から何か教訓めいたものが引き出されるのかな。  ああ、できれば村上さんの実年齢に近い、初期の「僕」の感覚をもった主人公を中心にした物語を、もう一度読んでみたい。 しかし、こんなにつまらない話を退屈させずに最後まで読み通させる村上春樹の力量は、やはりすごいんだろうなあ。 
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.53
(3pt)

村上春樹の時代性

私は、角川書店から刊行された『THE ANSWER』という本の著者の鈴木剛介と申します。(次回作も角川書店から刊行されます)私はまだまだ駆け出しのひよっこですが、同じ専業作家として村上さんの最新作である本書を読み、「作者と読者の乖離」ということについて考えさせられました。デビュー作からページが剥がれ落ちるほどに繰り返し読んできた氏の作品は、恐らくは『アンダーグラウンド』により社会のダークサイドと深くコミットしたことを契機に、『海辺のカフカ』から作風が完全に変わりました。個人的には、『カフカ』と『アフターダーク』は、もう一度読みたいとは思えなくなりました。もともと氏はそんなことは考えずにこれまでやってきたのだと思いますが、私は「本」も商品として流通する以上、ある意味で作家も「サービス業」的な側面も持つ必要があると考えています。そのような意味で、『カフカ』と本書は、完全に読者のことは無視されて書かれているように感じました。村上作品が、10年後に、現代における(一昔前の作家である)「大江健三郎」さんのようなポジショニングになるのか、それとも若い世代に読み継がれていく作品群となりうるのか、ちょっといやらしいですが、そんな興味を持って今後の成り行きを見ていきたいと思っています。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.52
(3pt)

もうちょっと欲しかった

村上春樹本はせめて上下巻以上欲しい私にとっては、期待しすぎだったのか、さらっと終わってしまいました。もちろん、読みながら安心できる春樹節の箇所もあるんですけど、いっきに読んだあとの感じが私には物足りなかった気がします。村上春樹ビギナーさんにはいいと思いますが、春樹ファンの私は次にもっとがっつり読めるようなものを期待します!
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.51
(3pt)

試みの序章はつづく

極端な評価は差し控えたいので。しかし心情的には★5であり、★0です。もし、小説的試み(既に多く触れられている人称や体言止め、地の文における<視点>などなど)を求めている人であれば、大いに楽しめる作品だと思います。それらの試みは作品にある種の緊迫感を持たせることに成功していると僕は思います。しかし、否応無く引きずり込まれる体験を求めている方には、残念ながら今のところ僕は肩をすくめてしまいます。因みに僕にとってのそれは、氏の作品であれば「国境の南、太陽の西」でしょうか。ですからこの読後感は決して量的な問題では無いと僕は思います。「国境~」も決して長い作品ではないですから。もしあなたが、読後にここにレヴューを書いて、誰かの参考になると、心から信じられる人であれば、この限りではありません。多分満足されると思います。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.50
(3pt)

天に落ちる地,屈折する光

「身体代謝」,サンタフェ研究所を筆頭に研究が推し進められている「複雑系」のなかでも「自己組織化」と「創発」理論,「DM-3」・・を村上春樹 氏 は,「文節」と「論理」を用いて描こうとした,という感想が一つ.しかし,サンタフェ研究所が研究する「複雑系」のなかでも,スチューワート・カウフマン 氏 らが提唱している「自己組織化」と「創発」理論・・を「文筆」業の作家として「アフター・ダーク」のなかに「装置」として「組み込み」書かれてはいるが,しかし作品の全体としては,サンタフェ研究所が研究する「複雑系」の「創発」理論を「感性」と「調査」のみでは,「創発」理論を書ききれていない,という感想が一つ.では,村上春樹 氏が「アフター・ダーク」をいかにして書いたのか?という疑問が私のなかで発生する.その疑問の応えを示唆するテクストを私なりに思索してみた.「アフター・ダーク」を文学として,成立させているのは,“JAZZ”だ,という印象を,本作の「文節」と「論理」を読んで「アフター・ダーク」に「バタフライ・効果」としてみることを,私は拭えない.つまりは,即興で奏でる“JAZZ”が「アフター・ダーク」を文学作品として纏め上げているデジタル的一貫性がある,という感想が一つ.しかし,「闇」は「空間」を持っています.「闇」は,「沈黙」を内包しています.それ故に,「アフター・ダーク」を読んだ感想を私は私なりの印象をできるだけ「素直」に書いたつもりです.星3つは,僕にとってでは無く,私にとって確かな感想の数です.
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.49
(1pt)

正直がっかりした

何ヶ月も前から予約して、待ちわびてた作品なのですが、この作品を読みながら、これ、ほんとにあの村上春樹が書いたの?って何度も表紙を見返しました。単に表現手法が今までと異なるという意味ではなくて、どうにも彼の美意識でもって精査され推敲された文章とは思えなかったからです。初期3部作のようにスタイリッシュでもなく、『ねじまき鳥』のように骨太のストーリーがあるわけでもなく、『ノルウェーの森』のようにムーディでもなく・・・そりゃ、どんな作家も変化していくのだから、昔の作品と同じような物を期待しても仕方ないのはわかってますが、レベル的にはどうしても上記のような名作と比較してしまってがっかりします。何より致命的なのは、ありとあらゆる登場人物に魅力が乏しすぎます。少なくとも、何度も何度も読み返したくなるような作品ではありませんでした。付け加えると、彼にとって実験的な位置づけであったとしても、これと同じような手法で書かれた小説は世の中にはごまんとあると思います。もっとコンパクトにして短編集の中のひとつであったなら、別の評価になったかも知れませんが。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.48
(3pt)

読者が主人公の実験小説

 文章のうまさ、ストーリーテリングの見事さはいつもどおり発揮されているが、問題は、「で、何が言いたいのか」だ。読者によってさまざまな読み方ができるのがよい作品だろうとは思う。とはいえ、その作品がまず読者の心の深いところに届かなくてはならない。読者は何かを考える材料を充分に与えられただろうか。主人公はだれか、それさえも明らかではない。ひょっとして主人公は読者か。 今回の作品は実験小説と呼べるだろう。登場人物の会話以外のいわゆる地の文は、シナリオのト書きのような文体で、読者の視線を誘導する役目しか果たさない。これは、読者が小説世界に迷い込むような仕掛けだ。著者は村上ワールドへ読者を招待する一方で、なるべく寡黙であろうとしている。実験は成功しているか。読者は出口を見つけることができるだろうか。 本を読み終わり、改めて「アフターダーク」というタイトルを思い起こしたとき、心に響くものがあれば、その試みは成功したといえるのだろう。正直言って、私の心に届くものは少なかった、が、新しい何かを感じさせる作品ではあった。「人にはそれぞれの戦場があるんだ」「人間いうのは、記憶を燃料にして生きていくものやないのかな」という登場人物の言葉が心に残った。これらをキーワードに、もう一度時間を置いて読み返してみようと思う。新しい発見があることを期待して。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.47
(3pt)

夜明けまでの時間

25年という歳月に、今更ながら驚き、村上春樹氏のデビュー作を雑誌で読んだことが遙か彼方の事になった・・・・・・と、自分の来し方を思い返したりしました。真夜中12時少し前から夜明けまで、「私たち」という言葉に自然と引っぱられて、カメラの視点で19歳のマリに関わるいろいろなことを、つぶさに見ていくことになります。何かが起こりそうな予感めいた言葉が、私を突き動かしていきました。これまでの村上氏の描き方と異なるので、多少の違和感はあったものの、作中の“視点”に忠実に読んだつもりです。マリという、少し頑なで少しコンプレックスも持っている女の子が、一夜、関わる人々がマリに少しずつ影響を与えていくさまが興味深かったです。しかし、夜明けに向けて、彼女の心を一番揺さぶったのは、「高橋」。きちんと語る事ができるところまでいってないという、姉エリのことを、マリに再考させる契機になる人物と、ぽつぽつ話をする場面は、まさに青春。近づいてくる誰かを拒否しつつ、受容しつつ、話せる部分だけを話すということ、あったっけ、とそんなことまで思い出しました。夜明け前、マリがとった行動は、明らかにこれまでの姉への見方が変化したからだろうと思わされるものでした。何かが変わる気配をみせて、夜明けが来ます。この、朝の描写が、とても美しい。夜の闇を抜けて、カメラのような視点とともに辿ってきた物語は終わるけれど、始まりの予感が残されていることにほっとしました。状況の描写の連続なのに、こちらに感情を喚起させる村上氏の力量を、楽しむことができました。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.46
(2pt)

なんだろう、これは

 この小説を「村上春樹」の名前を伏せて読んだときに、果たして村上春樹が書いた小説だと理解できるだろうか?確かに主人公の一人高橋の台詞だけはまさに春樹らしいと言えるだろうが、それ以外の点については文体さえもが異なる、まさに「夜明け」というか変化の予兆とも言える作風。 だが、春樹の独特の童話のようなフィルターがすっぽり失われ、まるで凝った文章のミステリを読んでいる気分だった。文学作家の小説としては文章の存在感があまりに煩雑では無かろうか。元より春樹のキャラクターは現実離れした感が強いが、今作はそれすら悪い方向に働いているように感じられるし、軽薄な印象はどうしても拭えない。 ストーリーにおいても、要所要所がどうしても「仕様も無い」事ばかりでたまらないし、台詞ばかりで進み、地の文が印象に薄いのも、どうにも奇妙だ。いうなれば、戯曲を読んでいる感じであるのだけれど、地の文が嫌にしつこい感じでリズムも良くない、という事か。今後、この路線で村上春樹という小説家が進んでいくのなら、正直たまらないものはある。僕は村上春樹ファンだったからこそ、残念でならない。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366