アフターダーク

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評判

アフターダークの評価:

3.48/5点 レビュー 468件。 C ランク

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平均点3.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全287件 121〜140 7/15ページ
No.167
(5pt)

闇のあとには光がくるさ

 本作の最大の特徴は文章内に読者の視点を作り出したことではないだろうか?人を通して語られるのではなく、事実のみを述べる。まるで本を読みながら映画を見ているような感覚が得られた。とはいえ今までのスタイルが失われてしまったわけではない。登場人物たちの会話は面白いし、静かな描写も好きだ。マリが姉のエリのベッドにもぐりこみ眠るシーンは「救い」を感じた 主人公が固定されるわけではなく、さまざまな視点から描かれた点も、今までになかった特徴だろう。 村上春樹はこれからどのような作品を生み出していくのだろうか?
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.166
(4pt)

上下巻ぐらいの厚さがあったならば・・・

「私たち」という視点としてのみの存在を軸に据え、無関係だった人たちが、ある夜にバーで出会い、それぞれの人物たちの夜明けまでを、完結した文章で、描かれた作品。文体は、今までと似通っているようで、少し違う気がする。文体がより完結的になり、曖昧さを許さない、論理的かつ濃密な文章の連続。もちろん、会話ではある程度の曖昧さはあるが。アフターダーク、と名付けられた本書には、一貫したテーマがあるのかもしれない。しかし、それを読み取るのはできませんでした。あくまで私の考えとして推測するのならば、混沌に満ちた社会で生きる精神体の危うさ、希望を描かれた作品ではないかと思う。私は村上春樹さんの小説をそれほどたくさん読んだことがないので、氏の新境地だとかそういうことはわかりませんので省いて、結論としては、消化不良が残った作品でした。村上春樹さんを読み始めようと思っている方には、本書から読み始めることをお勧めしません。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.165
(4pt)

闇、というもの

~~この本を読み終わってから1ヶ月後、ファミレスで夜を明かすことになった。何より怖かったのは、ファミレスを目指して夜道を歩いているとき。偶然携帯を持っていなかった。誰もいないのはわかっているのに、だからこそ誰かが現れることを恐れた。自分が誰にも守られていないことをはっきり意識した。情けないくらい怖かった。「人にはそれ~~ぞれの戦場がある」「思い出を燃料に生きている」「楽器を演奏するのは空を飛ぶことの次に楽しい」こんな立派な台詞には出会えなかったけど、その十数分、わたしも闇をくぐり抜けたのだと思う。切実な小説だ。~~
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.164
(4pt)

学生時代に

ハメをはずして終電に乗り遅れ、朝まで時間を潰していたころを思い出します。繁華街って終電がなくなると雰囲気変わりますよね。この本の、そういう特殊な空間の描写が好きです。ストーリーは確かにパッとしないけど、だからこそ情景描写が際立って見えてきます。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.163
(5pt)

思わず涙が出そうに・・

読んだ後、なぜだか涙ぐみそうになった。いきつけの喫茶店で読んでいたので我慢したけど。悲しいんじゃなく感動しているわけでもないのによく分からないけど。私は村上春樹フリークであると思う。しかし、どうやら春樹ファンの中ではこの本は賛否両論でどちらかといえば古くからの春樹ファンの人には読後物足りなさを感じている人が多いようだ。私はといえば、こんなにもリアル感があり、読後何ともいえない静かな気持ちになったのは初めてだ。今までは、よく村上作品に登場する「あっちの世界」は非常に魅力的で、その世界観に引き込まれはしたのだが、何かを比喩しているのだな~くらいにしか思っておらず、つまり頭で理解していたが、実際に感じてはいなかった。しかし、今回はありありと感覚として伝わってきた。明らかに今までの作品と違う。一時期、離れていたこともあったけどこれからの村上氏にまた期待したいと思う。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.162
(5pt)

新たな角度

良くも悪くも、今までの村上Worldとは、異なった匂いのする作品なのだ。私もいわゆる『村上フリーク』で、小説からエッセイまで、”村上春樹著”と書かれてあれば、何でも手にして十数年というヤカラなのだが、同じフリークでもこの作品の評価は星1と星5という大きな開きをうんでいるようだ。個人的には、この作家の『進化』が好きだ。面白いと思って読みつぶし始めた作家の大抵は、数冊目で同じことの繰り返しであることに気づき飽きるが、そういう”期待”をことごとく裏切ってくれるという意味で村上春樹は稀有な作家という位置付けを勝手にしている。『本物』の作家であると思う。この作品に至っては、確かに”都会的な雰囲気””孤独感”的ものはない。内容も謎をそのまま放ったままっちゅう所も随所見られる。しかし、初めてなのだ。村上春樹の作品を読んで、人との繋がりという暖かさをジーンと感じさせ、涙させられたのは。いままでの作品の面白さとは、また違う深みが増している。また、進化した・・・・やられたねッ(^^;
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.161
(5pt)

新しいヒーロー・ヒロイン像がそこに

 デビュー作からのファンですが、『ねじまき鳥クロニクル』『アンダーグラウンド』を経て、河合隼雄先生にも逢い、ついにここまで来たのだなあ!という感じです。 これからの世界では突出した英雄や豪傑が出ない(出ないほうが安全な気がする)だろうけれど、巷に生きる一人ひとりの中に、ずるさや弱さと共に存在する善なるものが確かにあって、それが共鳴しあって、普通の人を一瞬ヒーローやヒロインにしていくのだろうな、と思いました。スーパーマンのクラーク・ケントみたいに、その一瞬をすぎればまた唯の人になるのだけれど、だからこそ、健全で、すばらしい!! 地に足をつけたまま、『自分以外のものにならずに』ちゃんとヒーローやヒロインになれる生き方や、関係性の作り方を示してくださっていると思います。 そうした大切な瞬間を掴み取っていく感性や精神的タフさがこれから求められてくると思うので・・・。 この本にはまさにその答え、ひとつのモデルがあると思います。 ブラボー!村上春樹先生!!
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.160
(4pt)

新鮮でした。

読みやすいです。「読者が肩すかしを食らった」というコメントは納得できます。ストーリーらしいストーリーがないんです。そういう点では『風の歌を聴け』を思い出させます。春樹が新しい挑戦をしています。55歳なのに。小説家は定年がなくっていいですね。むしろ人生経験が豊かになるほどいいものが書けるのかもしれません。ふたつの話が交互に織りなす。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と同じパターン。「こちら」「我々」「カメラ」、視点が新しい。ラブホテル「アルファヴィル」で中国人の娼婦がオトコに暴力を振るわれる。コオロギ、カオルさん、マリ、エリ、コムギ、カタカナの名前ばっかり。意味あるのか?夜0時から午前7時までの出来事。特に何が起こったというわけではない。特別に面白かったわけでもないが、春樹の新刊を十数年ぶりに読めてよかったと思う。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.159
(4pt)

春樹版「マルホランドドライブ」…か?

終わりと始めがノリシロで貼り付けられているみたいな…ラブホテルと監視カメラ。都心の空き部屋に塗りこめられたor心身症雑誌モデル姉のイメージ療法みたいな…反社会組織が人質監視のためにカメラを設置していて、それがもう一人の夢と通行可能な世界。それは外の市民監視用カメラとも通じている。家の外皮さは容易に剥がされることを宣言され、それの侵入や喪失を予言する。夢は現実可能性なのかイデオロギー的シミュレーションの意味なのか、ただの演技性なのか、記憶の整合性を得る前の軋みなのか。その不確かさのなかで循環する。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.158
(4pt)

古い読者は・・・

村上春樹にかつての名作を期待している頭の固い人たちは読まないほうがいいかもしれません。そういった保守的な人たちが、作家にとっても一番頭を悩ませる人たちなんでしょうね。でも彼はすっぱりと切り捨て新しい作品を作っちゃいましたよ。前作の「海辺のカフカ」よりも自由に場面を展開し、テンポよく読ませてくれます。短編並にすっと読めてしまうのに、読んだあとに引きずってしまう作品ってそんなにないんじゃないかな?読み終えても謎だらけだけどヒントはちりばめられてるし、短いから何度でも読んでみようと思うし、その度に発見がありそう。そのうちレイモンド・カーヴァーのように短編で全てを表現してくれたら最高ですね。今の彼ならそれができるんじゃないかななんて思ったり。そうそう、最近映画や小説のレビューでリアルじゃないって批判してる人いるけど、そこに何の意味があるんでしょうね?要は、そこに何を感じるかじゃないのかな。所詮、フィクションですよ。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.157
(4pt)

新しい文体を試みる村上氏

自他の関係性の不確かさとそれを埋めようとする虚しい努力、見るものと見られるものの主客の転倒、個人的な体験と総体としての事実の差、そんなキーワードについて考えさせられました。個我の独立性を保ちながら、社会内存在として生きていくことの舵取りの難しさと言えるのかもしれません。それほど長い作品ではないのに、私は一回読んだだけでは不思議と全体像が把握できませんでした。でも何度か読むうちに細部がつながっていきます。何となくオムニバス調なところが、ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を彷彿とさせるような雰囲気を醸しだしていて、いつになくビジュアルな作品に感じました。本書で、村上氏は今までの文体から、またさらに変化したように思います。『神の子どもたちはみな踊る』あたりから「僕」という一人称の世界から自由になり、三人称の世界へと移行しつつある氏ですが、本書ではさらに視点を自在に動かしていて、新鮮です。氏がさらに新しい文体を実験している、そんな印象を受けました。「僕」から自由になった村上氏の次なる長編が楽しみです。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.156
(4pt)

わかってないねえ

全ての登場人物が不完全に見えるのは、すなわち彼らが他ならぬ不完全な社会の一部であり、最初の描写は不完全社会の明示のためにある。『風の歌を聴け』ほど重要な場面を見せないにしても、ヒントや布石はあちこちにばらまいてある。それを読み取るのが真の村上春樹の読者であり、書いてある羅列をそのまま羅列と取るからいつまでも答えは出ない。メモ書きしながら読めと言うつもりはないが、3,4回読むぐらいの気を利かせるべきである。不完全な存在が様々な存在と交わる事で、行き着こうとすれど行き着けない完全な存在へと向かっていくほんの一部の過程を描いており、その点、今までの作品とあまり変わらない。変わっているように見えて実は変わってない。いや、村上氏はそこに行き着かざるを得なかったのだと思う
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.155
(4pt)

恐怖と闇

日常の裏の闇に潜む暴力と恐怖を感じました。私としては、「アンダーグラウンド」と同質の感じを受けました。最初の出だしを読んだときは、いつもと違う調子に?と思いましたが、読み進めて行くとテーマは同じだと懐かしい思いがしました。細かいことは気にならなくなって、闇とそこから忍び寄る形のない敵対するものと静かに戦う、抵抗する登場人物達を自分の生活に投影しながら読みました。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.154
(4pt)

楽しめましたけど・・・

村上春樹の新作です。一気に読めます。いまだに進化し続ける「春樹ワールド」が楽しめます。話者の視点が映画のカメラになってみたり、まるで台本のようなせりふ場面があったり、遊びたっぷりです。3時間の濃密な時間が楽しめますが、読み終わった後の「?」の感覚を楽しめるかどうかで評価が分かれると思います。私は楽しめましたけど。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.153
(5pt)

期待を込めて

困惑した方も多いようだが、これまでの一人称形式から三人称形式に移行している。村上さんの一人称が好きだったので残念ではあるが、かなり期待しているのもまた事実である。一人称から三人称に移る作家は少なくない。村上さんも何か考えがあってのことであろう。何冊か村上さんの作品を読まれた方なら分かっていることだが、あらためてここで言うと、氏の作品はキーワードを他の作品と共用している。(そこが人々が春樹ワールドに浸かっていくゆえんだと個人的には思っている。)そこに何かの意図があるように、形式の変化も何か意図があるに違いない。それがどういうものなのか、これからの作品を読み、考えていくのが楽しみである。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.152
(4pt)

闇の手触り

今まで何冊もの本を読んできたけれど、私の場合、思えばそのなかの気に入ったものは、匂いや、手触りや、空気の濃さなどがタイトルを見ただけで蘇る。といった共通点があるように思います。「アフターダーク」を思い出す時、これを読んでいる間自分がつつまれていると感じていたそういう「手触り」のある時間が瞬時にかたち造られ、その世界にやわらかくしかも強力にとりこまれます。うまく言えないけれど、空気の粒子が降るのが見えるような、こんな心地よく静かな闇があることを知ったことが、わたしは例えようもなく、嬉しいです。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.151
(4pt)

青春小説!?

今、読み終えました。いつもの通り読書後は、不思議な浮遊感に取り憑かれてここちよい気分でした。読み始めから、最後はやっぱり読者を迷子にして気持ちの置き所がないんだろうなと思いつつ、やっぱり、期待を裏切らないところはさすがでした。どの主人公もやるせな感が青春小説。はやくまた新刊を書いてください。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.150
(5pt)

鏡に映した私たちの世界

大型資本に乗っ取られたかのような東京―――デニーズ、すかいらーく、シェル石油、セヴン・イレヴン、スター・バックス。なんとか自分のアイデンティティを確立しようと努力する娘、マリ。(多分親の)期待に応えてそれを演じきろうとして疲れ果てたマリの姉、エリ。過去に傷を負いながらも自分を確立しようと努力する高橋。過去がいかに過酷なものであれ、それが燃料になって今を生きているという、ラブホテル、アルファヴィル従業員コオロギ。(コオロギの傷はわたしにどういうわけか短編『とんがり焼きの盛衰』を思い起こさせて、村上さん大丈夫かな・・・などと、ついつい作者へ思いをはせてしまうことになる。コオロギに関してはなんだか『神の子はみな踊る』の『アイロンのある風景」を思い起こさせて、村上さん、窒息してないといいけど・・・・なんて、長年のファンととしてはいらぬ心配までしてしまった)ひたすら掘り下げることを一旦やめて(いくらだって今までの路線でいけたはずなのに、本当に勇気のいることだったと思う)、視点が空に移ったのは、長年のファンであればあるほど、期待を裏切られた気分になるのかもしれない。おそらくはそんなことは作者は承知の上で書いているのだとわたしは思うのだけれど・・・。一旦、掘り下げることをやめ、鏡にうつしてみた私たちの世界。わたしにはそのように思える。少なくともわたしにはひどく身近に感じた。でないとなんでわざわざ大型資本のチェーン店オンパレードになんかするだろう?わたし(たち)は、一生『本当の自分の姿』を『実際には』目にしないまま一生を終えるのだ、と実感させられる一冊。(だって、そうでしょ?鏡に映った自分は本当の自分じゃないでしょ?なんかの漫画みたいに目玉を取り出して自分を眺めない限り、本当に自分を見たということにはならないのだから・・)日本の姿を眺めるには一旦日本を離れてみないと見えてこない姿があるように・・・。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.149
(4pt)

意図した不完全

まるで戯曲のト書きが延々と続くような地の文。登場人物の関係は吉本ばななさんの作品のようでした。なにもかもが不完全なまま終わってしまい、肩透かしを食ったような感じでしたが、ある一夜の出来事、夜は明日もその次もつながっている、という意図した不完全さではなかったのかと自分なりの解釈をしてみました。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.148
(4pt)

夜の闇と世の闇

一夜の出来事をモンタージュのようにつなぎあわせている短編小説の延長にある中編。それぞれ人物のプロットは、なじみのあるもので、高橋は「カフカ」の少年の成長した姿のよう。穴を掘ったり、壁を通してつながったり、二つの世界がつながる話は彼のお手のもの手法である。高橋とマリは、ノルウェーの森の「ワタナベ君と緑」を思わせるが、出会いだけが描かれ、二人の間には、恋愛の予感があるだけだ。村上春樹の代表的な恋愛小説である「ノルウェーの森」が出版されたのは1987年だった。当時の感想として、今覚えているのは、直子より緑にひかれ、緑が幸せになってほしいなと思ったこと、レイコさんがとても魅力的な女性であると感じたこと、こんな精神病の書き方はウソっぽいと思ったことなどである。なによりも、レイコさんのように直子に回復してほしかっし、なぜ直子が回復しないのかが分からなかった。他者に共感を覚える直子は「精神病」の中で自殺し、ハツミさんも自殺とみんな死んでしまう。人を支えてきたワタナベ君や緑は、自分を守るために、ハリネズミのようになっていて、一人で自立して生きていく強い永沢さんは、ハツミさんを死に追いやる傲慢な男になってしまう。私は他者に共感を覚え、人を支え支えられ、できるだけ傲慢にならない生き方を選択することも可能であるように思いたい。そんなことが「ノルウェーの森」に対しての不満であった。 それから、17年たち「アフターダーク」で、村上は姉エリの回復を支えるマリと、マリを見守る高橋やカオルさんなど重層的な関係を描いている。こんなに強く回復をイメージさせる村上春樹への評価は二分されるだろう。私は今この世界で、この世の闇を深く覗き込んだからこそ、前作「海辺のカフカ」と同様に明確に回復とそれを支える人々を描く村上春樹を支持したい。アフターダークとはこの小説の設定そのものであるが、「夜の闇」は明けていくが、「世の闇」は深まるばかりである。こころの闇を覗くことはできるが、世の闇を知ることはとても危険だし、取り返しのつかないことになる可能性もあるだろう。村上春樹はもはや「闇の世界」を書かないことにしたのだろうか。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366