ノルウェイの森

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ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

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平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

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全1,323件 961〜980 49/67ページ
No.363
(5pt)

恋愛小説ではなく・・・

まさに「限りない喪失と再生」を描いた恋愛小説だと思う。
しかし、100%恋愛、とはいえない。というより、ただの恋愛小説として読んだらひどくつまらないものにもなりうるのかもしれない。
この「ノルウェイの森」を読んだ人(僕の身近にもいるが)の中には、やはり少なからず「とても、ベストセラーになった作品とは思えない」という人もいる。また、「意味不明な性的描写が多すぎる」という批判もある。もしかしたら、僕が村上春樹を知らなかったら、自分もそう思ってしまったかもしれない。
しかし、この本を読んで”何も得るものはなかった”ということはないと思う。
少なくとも、自分はこの本を読んで、人生に対する見方が変わった。具体的にどう変わったのか、と聞かれたら正確に答えることはできないが、何か感じるものがあると思う。
是非、主人公に共感できる時期に読んで欲しい。そして、そこからなんらかの共感できることが(または、得られるもの)があればうれしいと思う。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.362
(5pt)

わかる人には純文学の傑作。わからない人にはただの官能的純愛小説

純愛小説と銘打たれているのですが、それだけの小説ではないので長く評価されています。
この小説でこの作家が日本の戦後生まれの代表的な作家であると、読書好きの人に認識されました。
テーマは思春期の喪失とそこから大人へと成長する再生です。
青春期の過程であらゆるものに含まれる死や破滅につながるもので死を選んだり、道を踏み外して大人になれなかった人たちへの悲しみが、この小説が共感を得ている理由でしょう。
恋愛、性、思想、孤独、思春期の少女の美しさと危うさなどが、この小説には描かれております。
軽い文体なのですが、村上文学にはめずらしくリアルな描写で書かれています。
この小説は日本の純文学史に残るでしょう。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.361
(5pt)

あとがきを読むと

この本はとても暗く迷路のようでした。しかし、とても共感しました。
私と主人公が同じ学生で似た環境にいるからでしょうか。
性描写が多いのには正直参りましたが、何か確かめ合っているかのようにも思えました。
読んでいる最中や、読んだ直後は「なにこれ」と思いましたが、
しばらくしてあとがきを読み「ふーん」と思いました。
何に共感したんだと聞かれると上手く言えません。不思議な本です。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.360
(5pt)

永沢さんや小林緑との軸がおもしろい、僕にとっての特別な小説

 村上春樹の『ノルウェイの森』を読んだ。この本を読むのは、これで3度目になる。初めて読んだときは、発売当初の1987年。大学を出て2年目の年だ。2度目は10年前。そして今年2007年、ひと月かけて、ゆっくりと一字一句ていねいに読んだ。今回読んでみて、20年の月日を感じた。「あれからもう20年経ったんだんなぁ」という感慨に浸りながら頁を送った。
 僕にとって、『ノルウェイの森』は特別な小説だ、と今回読み返してみて感じている。この物語は短編小説『蛍』が元になっているが、この短編を読んだとき、僕は上野から急行で14時間かかる雪の積もる町の大学に席を置いていて、ちょうど小説の主人公の様にふたり部屋の学生寮に入っていた。『蛍』を読んだのは大学が夏休みになって、上野に向かう急行列車の中でだ。この主人公と自分のおかれた類似を考えながら『蛍』を読んだことを覚えている。そして、1987年『蛍』を焼き直した『ノルウェイの森』が出版された。『蛍』も『ノルウェイの森』も出版当初はただ単に自分との類似しか意味を持たなかったが、20年経った現在これらの小説、とくに長編の『ノルウェイの森』は憧憬をもってくる。
 今回町の図書館で、僕は『ノルウェイの森』を手にとった。主人公ワタナベトオルが『グレート・ギャツビィ』にしたのと同じように、僕はデタラメに頁を開きその部分を読んでみた。やはり楽しい。それがこの本との再会の第一印象。『ノルウェイの森』は他の村上春樹の長編と異なり、ユウレイやモノモケの類いが出てこない。そこがいい。この小説のおもしろさはワタナベトオルと直子の恋愛にあるのではなく、ワタナベと永沢さんや小林緑との軸にあるのだと今回あらためて思った。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.359
(4pt)

とりあえず

とにかくこの小説に関しては、村上春樹の過不足ない流れるような美しい文章と、
分かったような分からんような(時には全く分からん)比喩表現を楽しめばいいんじゃないでしょうか。
それだけでこの小説には充分な価値があると思う。少なくとも星四つくらいの価値は。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.358
(5pt)

失われたもの

この小説は、ほかの村上春樹の小説と少し違うところがあると思う。
過ぎ去られたものや失われたものをみつめている時や、
その中にまだ含まれている自分の描写の中に
村上春樹自身もいるのではないかなあ、と感じることが多くある。
とても正直だから。
文章が、正直すぎて、ほかの彼の文章とは違って、少しいたいのだ。
なんというか、彼がこの作品を書くときに、自分の心に沿って書いていったのではないかな、と思う。
もう何かを失ったあとに、それが何だったかを、時間をかけてゆっくりと理解していくようで、とても哀しい。
たまらなく哀しい。
「いろんなことを気にしないで下さい。
 たとえ何が起こっていたとしても、たとえ何が起こっていなかったとしても、結局はこうなっていたんだろうと思います。」
本当にそうなのだろうか?
少しでも自分が何かが損なわれていくのを見過ごしていたのなら、
そしてそれによって親愛なる誰かを少しでも傷つけていたのなら。
そういうことを気にしないということは、
自分と周りの様々な事物との間に少しの距離を置きながら生きるということの中に含まれるのではないか。
この小説を読むたびに、
損なわれたもの、損なったものを見つめながら生きていくことほど哀しいことはないんじゃないかと思う。
死者は死んだままということだけが私たちの頭の上につよく決定されていて、
私たちは、しばしばその決定事項は残された人間が生きていくことよりも大きいんじゃないか、と感じる。
でも違うのだ。大切なのは残された風景・言い換えれば残った風景なのだ。
たとえそれがひどく弱弱しくみすぼらしくともとにかくそれが私たちに残された風景なのだ。
瞳は失われた風景を見ているし私たちはそこにいるように思える。
でも私はこの小説を読んで、本当に存在している場所は残された風景で、今で、そこにいることこそがすごく哀しいことなのだと思った。
そしてそれがキーなのだと思った。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
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No.357
(4pt)

いつまでも読んでいたい

村上春樹の小説には、一見優柔不断な主人公が登場する。好きな人のことを思いながらも、何をしたらいいのか、どうしたらいいのかを考える時間をいつも必要としている。ちっとも明るさがない、幸せそうに思えない。「ねじまき鳥クロニクル」のオカダトオルもそうだし、本書のワタナベもそう。そうこうしているうちに別の人と性的な行為に及んだり、人が死んでいったりする。そしてその流れが読み出すと止まらなくなるほど読者を捕らえてしまう。いったい何故なんだろう?
本書を再読して、確かに悲しい物語であり、純愛が綴られていると思う。ワタナベが成長していく過程も描かれている。でも、読み出したら風呂の中でも頁を繰ってしまうこの渇望に似た気持ちはストーリーの先を知りたいからではなく、この文章の中に居続けたいという不思議な気持ちであると感じる。
読み終えてそして、「海辺のカフカ」を買いに走ってしまう。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
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No.356
(5pt)

捻くれてはいるが、やたら素直な人生賛歌

村上春樹は初めて読みました。共感するかしないか、かなり分かれる
作品を書く方とお見受けしました。個人的には大共感。即、他作品も
読んでみようと思います。思うに、この作品に共感を持つ人は皆、
「自分が一番可愛い人」なのでしょうね。作品の中でも、主人公に
対し同じ指摘をされる箇所があります。表題にもある通り、この作品
は紛れもなく人生賛歌です。が、非常に独善的な人生賛歌であり、
結局、自分の幸せしか考えていない賛歌です。ですが、その潔さと、
それをそのままストレートに書いてしまうと身も蓋もないので、死と
の対比、世間と溶け込めず決して幸せではない主人公、という形で
上手にぼかす奥ゆかしさが素晴らしいです。その独善ぶりに、合わない
人は強い拒絶反応を示すし、合う人は「よくぞここまで問題の
ど真ん中を突いた」と賛辞するのでしょう。この物語が裏で恥ずかし
がりながら訴えるのは「自分が幸せじゃなきゃ人を幸せに出来ないん
だから自分の幸せを第一に考えるのは仕方ないでしょ」という正論で
あり、これを立地点にした人生賛歌です。他の立地点は受け入れません。
そして「まあこの考え方が完璧じゃなく異論があるもの分かってる」
と謙虚に認めつつ、その力強い主張を続けます。
読後に残ったぽっかりとした感じは、物語の哀しさではなく、「これ
に共感する自分も欠陥あるのかな」という自己憐憫であり、これが
結局は私も自分が何より可愛い人間である証拠なのでしょうね。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.355
(5pt)

学生さんに

もう随分昔に読んだ本です。
今思い返してみると、
読後、なんとも言えない。なんかこうどこにも持っていき様の
無い無常感を抱いた事を思い出します。
この本は高校生・大学生の青春時代、主人公と同年代の頃に
読むことオススメします。
村上春樹の独特な世界観はその頃に読むと一番感じるものが
あると思います。
今、働き出して、毎日現実に追われて、目の前のタスクをこなす日々
の中でこれを初めて読んでもきっと昔ほどの感情を抱くことは
できないと思うから。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
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No.354
(5pt)

ベストセラーとなった本当の理由とは?

 この作品の発表当時は、恋愛小説という表向きの評判と、大胆な性描写という反対の一面が評判を呼びベストセラーとなった。
 今、読み直しておもうのは、愛する人を失うことの喪失感を表現した純愛小説がベストセラーとなった本当の理由なのではないかとおもう。
 一人でも多くの人に愛する人を失うという喪失感をこの作品から感じ取ってほしい。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
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No.353
(5pt)

読み終わった時、時が止まる

読み終わった時、頭の中でゴォォオオオと何かが鳴っていた。そして何も考えられなかった。
小説を読み終わると、心に残るものはひとそれぞれで、言葉になど到底できないものもある。だがそのほとんどは、喜怒哀楽のなにかには、おおまかにだったら分類できるものではないだろうか。しかし、この作品は無理である。信じられないが、無理である。終わり方に大きく起因すると僕は考えるが、よくわからない。
この作品でしか絶対に味わえない、感じることのできないものがある。それだけは言える。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.352
(5pt)

喪失

 読書をしたことによって心に何かが残ることは多々ある.それが自分のお気に入りの物ならば尚更だ.感動,衝撃,活力,哀愁等々.感受性が豊かな人ほど本からそれらを掴み取り,己の糧とするのだろう.
 けれど「ノルウェイの森」を読むことにより生じるのは喪失.喜びも,幸福も,悲しみすらこの本は与えてくれない.読んだ人の心にぽっかりと穴を開ける.このような本,他には存在しない.
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.351
(5pt)

一冊の本

この小説を読んで、劇的に自分の中の何かが変わったりはしませんでした。
でも、自分がここ数年の間に何を手に入れて、
その代わりに何を失ったのかをそっと耳打ちしてくれました。
本を読んだ後に、「この本がいままで読んだ中で一番良い本だ。」と思うことが時々あります。
この本は、そんな本の中の一冊です。
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No.350
(5pt)

日々二択

こないだ、十何年ぶりかにこの本を読み返してみる。 昔読んだのは、ちょうど主人公のストーリーが展開してる年頃。 そしてもう一度読み返したコナイダってのは、 主人公がそのストーリーを回想してる年頃だ。 最初に読んだ時には、 かなりインパクトのあるコトの一部始終、ストーリーそのものに とにかく引込まれた記憶がある。 何しろ、やたらクセモノ揃いの登場人物たちが 2分の1くらいの確率で次々と死んじまうんだから。 そして、おそらくこの小説のテーマであろう生と死、喪失と再生について 書かれた言葉に少々憂鬱にも不安にもなったり。 「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ。 」「どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、  どのような優しさをもってしても、喪失という哀しみを癒すことは出来ない。  我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしか  出来ないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる  予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。」そして再び読み返したコナイダ。 ボク達は、死ぬこと・生きることを 意識しててもしてなくても毎日選びながら送っている。日々2択。 登場人物の2分の1が死ぬって設定も、そういうことを象徴しているなら かなり公平な設定だ。 そして生きることってのは、彷徨うココロそのもの。 そういうところに腹をくくると、どんな感情を体験しても、それが、たとえば耐え難い喪失の哀しみであったとしても 「あ~生きてんだなぁ。」と、傍らにいつもいるもうひとりの自分がそっと呟く。 そして、その後は確実に再生への喜びに向かって流れていくのだ。かつてボクを憂鬱にした生きることの法則が、コナイダ斜め向こうあたりから見たら、 実はちょい楽しみな法則だった。 また10年くらい経ったら、別の角度から見てみたい。
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No.349
(4pt)

読み終えたときの開放感

読み終えたときの感じが、何とも言えず心地よいもでした。それは、この長い物語が終わったという開放感でもあるし、主人公の開放感の追体験でもあります。これほど、前向きなラストだとは思いませんでした。“僕”が、これから幸せになりますように。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.348
(4pt)

あれから年月を経て読んでみた

 実は村上春樹の作品は初めて読みました。数ある作品の中で「ノルウェイの森」を選んだのは、発売当初のインパクトが私の中に強烈に残っていたからです。 緑色のベースに赤い文字で、赤い色のベースに緑色の文字で書かれた本の綺麗さに見とれ、どんな内容の本かも知らないまま、そのスタイリッシュな装丁に惹かれました。 物語は、世の中の歪みを受け入れきれない登場人物の生き方が淡々と語られていきます。彼等の様々な死が、私自身の心の弱い部分に共感するものがありました。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.347
(5pt)

それぞれの 「ノルウェイの森」

“恋愛モノ”に拒絶反応を起こす 夫と私。しかし、この作品だけは お互いにとって別格となった。私は 主人公と同じ19歳の時に 同じ様な経験をした事で。(彼氏の元彼女が自殺。その後私と付き合ったが やはり自殺してこの世を去った)夫は、結婚後も私が患ってた“躁鬱病”で私が自殺未遂を何度も起こした事で、この作品の深みにハマッたらしい。(ちなみに私はその後、夫の存在全てを賭けてくれた愛情によって病は完治してしまった・・・(^_^;)・・・)勿論、そう云った経験がなくてもこの作品の「愛するという事・愛されるという事・愛に報いるという事・愛が報われるという事・届かない愛が存在する事・・・etc」は伝わると思う。タフな奴。脆い奴。色々な人間像の中で様々な「愛」の「形」が描かれている。それは エゴでもなくナルシズムでもなく純粋に「人を愛すると云う行為」を活字として進行させ成功している。主人公が歳のわりに落ち着きすぎた傾向にあるのが少し不自然かもしれないが、そう言った要素を超えて尚 胸を締め付けるナニカを感じる。唯一無二の恋愛小説として、生涯大切にしてゆきたい作品だ。ただ... 一言あるならば... 主人公に最後の最期まで「救い」が無い所は何故なのか 理解し兼ねるし残念に思う。(作者の意図した事とは言え)
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406274869X
No.346
(5pt)

限りない喪失と再生を繰り返す

誰もが一度はふと自分という存在、ひいては「生とは何か?」について考えることがあるのではないでしょうか。これまで自分が持ち、叶えられると思っていた理想や幸福。しかしそれに反して迫ってくる絶対的な現実感。そんな時人は自分が絶対的な存在でないことを突きつけられ、喪失感を抱く。この本の中にはそういった喪失感を抱いた人間が多く登場します。主人公ワタナベは自分と他人を切り離して考える傾向は強いが、ごく普通の青年です。彼の話し方はどこか非現実的ですが、他者の話をうまく引き出させます。 それ故にある種の人間を強く引き付ける。物語はワタナベの親友キズキの突然の「死」によって始まり、キズキの幼馴染みであった直子、大学の同級生である緑、療養所で出会ったレイコなどとの交流によって展開し、さまざまな「死」によって大きく揺れ動く。そしてそのたびにワタナベ自身の感情も大きく揺れ動き、多くの考えを巡らせる。限りない喪失と再生を繰り返すが、そのたびにどれほど考えを巡らせても、確実に喪失は迫ってくる。それは暗くてじめじめした森を歩いているよう。下巻では、そんな繰り返しを経たワタナベが一つの決心をするまでに辿りつく。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.345
(5pt)

心優しき物語

 この物語が出版されたのは、バブルの頃だった。そして、大反響を巻き起こし、私の通っていた大学のキャンパスは、この赤い表紙と緑の表紙を持った学生たちであふれかえった。 この物語は、議論も巻き起こした。主人公の煮え切らない態度への批判が主だったように思う。 実際に、この主人公の立場におかれたら、他にどのようなことができただろう。そして、主人公たちの彼女に対する眼差しは、常に優しい。さらに、この主人公が冒頭で、ビートルズの「ノルウェイの森」を聴いて、過去を思い起こすように、主人公は、今なお、この頃のことをひきずっている。 バブルの頃というと、誰もが金を追い求めたような印象があるが、実は、この小説が大ベストセラーになったように、心優しい若者が多い時代でもあった。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.344
(5pt)

納得!

今まで本を読むのが嫌いだったんですがこれを機に読書が好きになりました。儚く・切ない恋愛小説。今流行の「セカチュー」なんかより全然中身が濃い!納得の一冊です!!
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
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