ノルウェイの森

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ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1,323件 821〜840 42/67ページ
No.503
(5pt)

オトナになって読み返して初めて分かった

いわずと知れた村上春樹のミリオンセラー。中学時代にハードカバーを買って、読んだ気になって実家の本棚に並んでいたのを、2月に帰国した時に持って来ていたもの。映画化っていう話もあるし、1Q84でまた春樹ブームだし。結局、今回の帰国で読みながら帰って、また置いてきましたけど。ちなみに俺が持っているのは第30刷。消費税導入前で定価1,000円でした・・・。中坊の時に読んだ印象は、病院の話もあって、人も死んで、ちょっとエッチな話くらいにしか思っていませんでした。実際はほとんど覚えていなかったし。そりゃしかたないですよね。サケもオンナも知らないお子ちゃまが読んだって面白いわけがありません。性描写に妄想を膨らませることだけはあっても。ココロの病気についての知識もまったくなかったし。あれから春樹の作品はいろいろ読んできているわけですが、ちょっと何かの欠けた男の主人公と、彼を取り巻くちょっと不思議な女の子という構図は絶対ですね。やっぱり。37歳になった僕が当時を振り返って文章にしたというスタイルをとっていますが、これはやっぱり30代半ばのオトナになってから読むべき本だったんでしょうね。死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。これは本文でも太字になっている言葉ですが、深い言葉ですね。20年間誤解していた、ノルウェーの森はエロ小説だという認識は捨てさらい、生死について、生き方について考えされされる大著だと、認識を変えておきます。話題の1Q84 BOOK3は既に入手済みなので、今度時間が出来たときに、じっくりと読みたいと思います。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.502
(4pt)

1987/2010

wikipediaによると、この作品は1987年に発表されものだという。2010年の現在から23年も前のことだ。日本はその頃、足下がふらふらとした不安定な、いつ割れるとも知れない巨大なる風船だということにも気がつかないまま、戦後空前のバブル景気に酔い、歌い、踊り狂っていた。日本人が大量消費という資本主義的な贅沢を覚え始めて間もない頃であり、性や人間性は好景気の溢れるような富という膜によって、逆説的に資本主義の浸食から逃れ、かろうじて尊重されてしかるものだった。溢れる物質と日本を包むオプティミズムは、喪失を、ファンタジーの中に存在するだけの、ロマンチシズムに占領されたペシミズムへと追いやっていた。翻って2010年現在。バブルの炸裂から20年が経過しようというのに、まだ日本は深い傷跡から立ち直れずもがき続けている。グローバリズム経済の終焉に追い討ちをかけられた、この空前の不景気という猛吹雪の中、守られなければならないはずの性や人間性は、何からも保護されることなく、援助交際や風俗、アダルトビデオ、日雇い派遣のように、ほんのはした金で取引される、ありふれ、凍てついた、下手をしたら誰も買い手のつかない、単なるつまらない消費財と成り果てた。すべての光を吸収する漆黒の暗闇のようなベールで包み隠された未来は、日本人の精神を極限まで疲弊さしめ、決して油の切れることのないドリルが、酷薄なる地面に、轟音をたてながら、見栄えの悪い、しかしながらとにかく巨大な穴を無遠慮に空け続けるかのように、心の奥底に喪失という深淵なる空洞を堀り進み続けている。この作品は、セックスが日常生活に氾濫し、グローバリズムが人間性を摩耗し尽くし、喪失が国民病となった現在の日本の予言の書だ。だからこそ、1987年の当時は画期的にその存在価値を燦爛とした暗黒の太陽のように輝かすことができた。「溢れるような量のセックスと精神病と喪失。なんだこの異様な世界は?」2010年の現在、そこに描かれる世界はほとんどそのまま、我々が細々と暮らす日常であり、1987年時点での暗黒の太陽の輝きは、まるでその輝きを受け身的に反射するだけの、三日月の微弱ではかない光となってしまった。「溢れるような量のセックスと精神病と喪失。 なんだ、そこらに転がっている、ありふれた、珍しくもない、ただの日常ではないか。」この作品は、だから、読み手の世代(読み手が過ごした時代)に依って、賛否両論、評価が分かれるのだろう。やれやれ、村上春樹が警鐘を鳴らし続けた、来るべき災難はすべて、どうやらとっくの昔に実体をもったリアルになってしまっていたようだ。この先の僕らはどうしたらいいのか、その答えはもしかしたらこの本の中に隠されているのかもしれない。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.501
(4pt)

静かに響く作品

ずっと手元にあったけれど、なかなか読めずにいました。触りの部分だけ読んでは頭に残らず本棚へ戻して他の本へ…忘れた頃にまた触りの部分だけ読むというのを何度も繰り返し。読破もせずなぜこの作品がベストセラーなのか不思議だと考えていました。しかし一度読み進めていくと静かに静かに引き込まれていくのです。不思議な感覚でした。自分の体に浸透していくかのごとくすんなり入ってくるのです。これから下巻を読み始めますが、「ノルウェイの森」読破後、自分の中に何が残るのか、楽しみです。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.500
(4pt)

喪失感

●1回目主人公の学生時代の回想を中心に複雑な人間関係を描いた恋愛小説である。思春期の葛藤や人間模様、恋愛、喪失感などが巧に描かれている。 歪んでいる事は正常から来るものなのか、あるいは異常から来るものなのか…。 「生」と「死」という暗く重いテーマが随所に垣間見れるが、どこか情緒的であり美しさを感じる作品である。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ●2回目ある事柄は対峙すればするほど無に近づいていくものなのでしょう。そして、それは予め想定が出来るものなのかもしれません。 「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」
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4061848925
No.499
(5pt)

惹きつけられるもの

賛否両論が繰り広げられる村上作品の中でも、特にその傾向が強い作品ではないかと想う。 当時この本を手にしたのは19才の時であり、その年代特有の微妙な感受性が強烈な共振、共鳴を受けた事を鮮明に覚えている。 それから20年近く経て読み返してみると、冒頭の主人公の回想する年齢と重なる故なのか、またまた違う意味での衝撃を間違いなく受ける事となる。 今改めて感じる事は、数ある村上作品の中で当作品はやはり自分にとっての原点であり、最も心に響くという事実である。 誤解を恐れずに咀嚼すると村上作品に魅せられる本質とは、金、女性、名声といった物事に執着しない主人公の生き様なのではと想う。多かれ少なかれ、男というものはそういう生き様に憧れており、求めており、同時に殆ど実現出来ていないからなのではないだろうか。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.498
(5pt)

悪くない一冊

普通に楽しく読めた。欠点もあるだろうが、面白さがそれに勝る作りで良いと思うな
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4061848925
No.497
(5pt)

楽しく簡単に読める!

上巻302p・下巻293pの読み応えある作品です。 全て読みきれるか不安に思う方もいるかと思いますが、 終始平易な文体で書かれ、また随所にユーモラスがちりばめられているので、飽きがこないようになっていると感じました。 登場人物全てが色濃い存在で、かなり親しみを感じる人物もいれば、激しく憎しみを覚えてしまうような人物もいました。これほど感受移入してしまうのは、一人一人に弱い面や人と明らかに異なるあるからだと思いますが、その弱い面や自分の偏向性を皆が見つめています。それゆえに登場人物全員が読者を魅了します。 時々性描写があり、赤面してしまう方もおられると思いますが、僕はこの性描写も好きです。なぜなら、ただ売れるために書かれたものではないと強く感じるからです。むしろこれがないと「愛」の形が表明的なものとなってしまい、作品全体が壊れてしまいます。激しい描写もありますが、僕は村上さんの性に対してオープンな姿勢が好きです。 非日常的経験や、ドキドキ感を味わえることは間違いありません。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.496
(5pt)

ALL THINGS MUST PASS

この本を読み終わったとき、(JOHNがLIVING THIS CRAZY WORLDと歌ったように) 世界はなんて無常なものだろうとおもった。人は必ずいつか死ぬし、時間は自分が何をしていようが無常に過ぎていく。時間は限られている。誰もが運命から逃れることは出来ない。そばにあるものは必ずいつかなくなるし、その重要性に気付くのは、いつだってそれをなくした後だ。誰もが自分の理想を追い求め、理想を実現するべく前に進もうとするが、なにもかもが思い通りになるはずはなく、自分の居場所もわからず、理想の森をさまようことになる。そういう意味で、この世界全体がノルウェイの森であり、そこかしこに野井戸があいている。野井戸の深さは落ちた人にしかわからない、ワタナベが直子の闇の深さを認識できなかったように、人の心の闇はその人自身にしかわからないのだ。だが、それでも、この世には愛がある。愛だけは世界を救うことが出来る。だからレイコさんはBeatlesを歌ったのだろう。この本には人生の教訓、楽しみ方、うまくやりぬく方法がつまっている。つまらないという人もいるが、この本が面白いという人ばかりだったら、世界はゆがんで、教室は静まり返り、窓の外を眺める人ばかりになるだろうと思うので、それはそれで良いと思うが、僕はこの本を好きな人と友達になりたい。ちなみにこの本を読むときは「SEA CHANGE」、読み終わったら「KID A」を聞くのが良いと思う。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.495
(5pt)

単純に、面白い

88年ころの高校2年生か、3年生のころに読みました。残っている印象は、やたら人が死ぬ、やたらすぐに寝るということだけでした。ただ、面白くて一気に読んだ記憶があります。2010年、39歳、レイコさんの年で改めて読み直しました。それも初めての病気入院のベッドの上で。やはり面白い。一日で一気に上下二冊を読みました。そして、ああ、こんな話だったのかと初めて読むように面白く読めました。何が面白いのかと考えるに、表現の軽妙さもさることながら、主人公のワタナベくんのこだわりのなさ、川に流されるように漂う感じが物語が次にどうなるのかと読ませられてしまうのだろうと思います。ただ、最後、さすがにワタナベくんとレイコさんの話には驚きましたが。あら、びっくり、そうくるか、とさすがに39歳でも思いました。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.494
(4pt)

人間の内面を描いた作品

初めて読んだときには、はっきりいって何がいいのか全くわからなかった。それどころか性描写が多かったり、まわりくどい表現に嫌悪感すら感じた。しかし、2回、3回と読み返すうちに、人間の内面の描写の奥深さに感嘆し、この作品を見る目が180度変わった。村上春樹作品全般にいえることだと思うが、この人は人間の心の奥、喪失感や孤独を描くのが本当にうまいと思う。この作品もしかりだ。登場人物の心の動き、孤独や悩み、葛藤や喪失感が実にうまく描かれていると思う。村上作品はかなり好き嫌いが分かれるし、あわないと感じる人の気持ちもわかる。しかし、この作品を評価するのであれば、2回以上読んでみてからにしてほしい。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.493
(5pt)

時の流れに対する先見性が見える,現状の社会問題をテーマとしている驚き

今更なんですが読んでみたわけです.下巻はこれからですが,当然の事ながら「1Q84」からの流れです.この小説は1987年に書かれており(小生はまだ学生(大学院で研究室に泊まり込んで実験に入り浸り)だった頃),村上春木の文章にも年齢(ここでは若さ?)を,今(23年後の2010年)からすると「ういういしさ」を感じるような印象です.内容を今更書き表すまでもなく,『はっ』とするようなシリアスな部分と,いつもながらの性描写が特徴の村上春樹文学,読者が若かりし青春時代に引き戻されてしまうことがその魅了だと思います.さて,この小説の中に描かれている『(精神的に)切れる』状況に対してヒトはどのような行動を取るのか,その悲しい一つの選択肢が「自殺」であり,現代社会の大きな問題になっている事実があります.実は村上春樹は30年近く前に年間自殺者3万人を超える状況が来ることを予想し,人の心のケアー(今で言うメンタルヘルスの重要性)が如何に重要であるかを説いていたのかもしれません? 時代背景はかなり昔であるにもかかわらず,取り上げているテーマに陳腐性が感じられないところがすごいと思いました.
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.492
(5pt)

村上春樹代表作かつ傑作

とにかく、この本が好きだ。初めて読んだ時から、何度読んでも、何年経っても好きだ。初期村上作品に登場する「僕」と同じ性格であろうと思われる「ワタナベ」と「直子」、そして「緑」との若き日々を記録した物語。どうしてこれほど、この物語が若い頃から私の心に居着いて離れないのだろう。それも性的な描写がふんだんに盛り込まれているにもかかわらず。まずは、登場人物のキャラクターに依るところが大きいのだと思う。この物語以前の村上作品には、とにかくクールな人物ばかりが登場し、やや浮世離れしていた感はある。しかし、「ノルウェイ」ではみんなが生きている。特に「緑」の生へのエネルギーは読む者を快く圧倒する。静的で内向的な「直子」とは非常に対照的であるところが、物語を面白くする。その間で「ワタナベ」は揺れ動く。こう端的に書くと、若者がただ二人の女性の間を揺れ動くだけの物語になってしまうが、まったく違う。これ以上深く書くとあらすじになってしまうのでやめておくが、そんな薄っぺらい話ではない。故にあれから20年近く経った今読んでも心を打つ内容なのだ。なぜならそれは、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」このテーマが、この小説の頭から最後まで一貫して色濃く流れているからだ。だから、悲しいほどに物語の中の「性」的な描写が「生」の象徴として違和感なく流れていく。改めて読み返して、この本からも自分は影響を受けていたことをまた見つけてしまった。数年前まで、酒のツマミにピスタチオを好んで食べていたのは、そういえばこの小説の影響だった。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.491
(4pt)

インチキな大人なりの楽しみ方

二十代後半で別の作品を読んで嫌いになって以来だが、四十歳近い今、それでも根強い昨今の評価が気になり。性やエロティシズムを俯瞰したり、ある程度自己が安定した今なお、内容や話自体はやっぱり好きにはなれないものの、楽しみ方は私なりに多々発見できた。若者に特有の自己と相反する他人との距離感と境界に対する考え方。高度成長時代のカオスを思春期時代で過ごした若者とその時代の空気のひとつという捉え方で読んでみたり。意味や答えや共感、とにかく何をも求めていはいない。心を限りなく忠実に表現しようとしたのではないだろうか。その時どう感じたか、考えたか、考えてもわからないことはそのままに、ただ生きること、正常か異状か、何が正しくて間違っているなかという違いについてこだわる潔癖さ、人が人を、自分を理解することの不可能さ、無意味さ、でもなおそうせずにいられなさについて語られる。少しおかしなキャラクターに社会に対する不満やうっくつを語らせるところは巧いのかずるいのか。。はっきりと断定したり押しつけないところがいいのか。カオスをカオスのままに簡潔に表現し、読ませるところが称賛されるのか。世代と世相へのうっくつに悩める若者がそんなに多いのか。(それに比べ自分の青春時代のお気楽さといったら。)読みやすく、だれもが論議に参加できる。論議によっては人の心模様も露わになる。好き嫌いと面白い面白くないが複雑に交差する。こうして新たなカオスを人々や個人の中に生み出してしまうところがたいへん興味深い。そんな私もまた「下劣な連中」「インチキなやつら」の一員なのかも知れないが。さあ、見知らぬ他人の皆様、年代とあわせてご意見をきかせておくれ。ただし、純粋でまだ悩みも知らない柔らかい心の若者、不安定な気分に揺れている人にはおススメしたくない気がする。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.490
(5pt)

春樹作品では間違いなく傑作です。

「作品の売上部数=傑作」という単純な判断にはならないとは思いますが、この作品のクオリティは売上に比例して村上春樹の作品の中でも最高傑作と言えると思います。内容云々では無く、読んだ時のはまり具合、衝撃、読了後の感覚、余韻など全部ひっくるめてこれほどエキセントリックかつノスタルジックかつナルシスティックな作品は無い、と思いました。賛否はあると思います。しかし、村上春樹に興味があるのであれば避けては通れない作品である事は確かです。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.489
(4pt)

一気に読みました

1Q84で初めて村上春樹さんの作品を読みました。それまで、松本清張さん、宮部みゆきさん、堂場瞬一さんらの作品を多く読んでいました。村上春樹さんの作品は”すかした純文学”というイメージで食わず嫌いでした。読後の感想は”深さのある現代の純文学”でした。”純文学”と思ったのは夏目漱石さんの作品と共通するものを感じたからです。”現代の”と感じたのは、夏目漱石さんの作品よりも身近に感じたからです。”深さ”を感じたのは、自分自身の事を振り返って考えさせられたからです。登場人物たちに、共感出来る部分と共感出来ない部分はありましたが、「生きていくって大変だ」と思いながら、楽しく最初から最後まで読みました。1Q84のレビューで「性描写が不適切」という感想を複数見ました。この作品にもそういう点があると思いました。しかし、「不可避な性から逃げていない」と感じられ、その点についても私は好感をもっています。他の作品も読んでいきます。また、上下巻では、下巻の方が、上巻以上にエキサイティングだと感じました。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.488
(4pt)

余韻の残る出会いと別れ

下巻に入って、ワタナベ君の周りの世界に環境の変化がいくつか起こる。いろいろな別れがあり、そのたびに、実際の知人を失ったような気持ちになる。登場人物たちはみな、環境が変わって、行動の様式は変わっても、輪郭を変えることなく、自分の人生を選んでいく。そして、賛否両論のある性描写であるが、あれだけ具体的な記述があるにもかかわらず(あるがゆえに?)、いやらしさも情緒も感じない。父親の葬式を淡々と済ませて、それから淡々と性行為におよぶ緑にとって性とはなんなのか、そしてレイコにとっては?それぞれに強烈な登場人物たちの生と死と性の意味についていろいろと考えさせられた。70年代初頭に青春を過ごしたワタナベ君や緑さんは、今頃どうしているのだろう。そろそろ還暦を迎えているであろう彼らにも少し会いたくなった。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.487
(4pt)

確かな読み応え

何年か前にこの本を読んだことがありましたが、その内容をすっかり忘れていました。 最近マスコミで著者の名前を何回か耳にしたので、その代表作をもう一度読んでみることにしました。 改めて、文章の巧みさ、読み応えさと言うものに、感動しました。 登場人物は、大学生が中心ですので、特別な境遇の人間では、ありません。我々の近くにいる人かもしれません。でも、それぞれの登場人物の、物の考え方は、非常に深いものがあります。 きっと、著者は、自身の考えを、いろいろな登場人物に言わせているのだな〜と思いました。 私の勝手な見方で、あたりまえなことですが、著者は、鋭い観察力と、考察力を持ってみえるのでしょうね。それらを作品を通して、知ることができ、味わえるのは、素晴らしい経験でした。 ただ、一つだけ気になるのは、では、著者は、この作品を通して、我々に何を訴えているのかと言う点です。著者の訴えが今一つ心に残らなかった私ですが、それは、きっとまだ私自身が著者の作品を読みこんでいないせいなのでしょうね。別の作品も読んでみたいと思います。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.486
(5pt)

17才の衝撃

わたしは高校生の17才のときにノルウェイの森を図書室で借りて読みました。我が強く、将来を展望していたあの頃。人に流されたくなかった、人に感情移入したくなかったので本は久しく読んでなかったのですが、赤と緑の装丁に目が止まり、久々に「読書」しました。あまりにも斬新で新鮮な描写でした。そして無機質で流されるままの主人公。すごいもの読んだ!と読んだあと余韻があったのは久しぶりでした。10代でこの本に出会えたわたしは幸せです。ぜひ若い皆さん読んでください。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.485
(5pt)

説明になってませんが。

15年前、白くて柔らかい、哀しさが美しい小説だという印象でした。しかし大人になり読み返すと、こんなにグロイ性描写だったっけ?と。あの頃の憂鬱は本当は輝きだった?小説よりリアルに哀しい気持ちになりつつ、読み返す度に変化し、成長というか退化している自分と出会うのでしょうか。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.484
(5pt)

「静かで平和で孤独な日曜日」

下巻は、あっという間に読み終えることができました。1969年頃、主人公ワタナベが20歳を迎えた頃を個人的な体験として描いています。この小説は、人の内面の柔らかい部分を刺激してくるようです。誰しも普通の顔つきをし、電車に乗って、会社に向かっていますが、傷つきやすい大事な部分を見つからないようにしています。誰にも喋らなければそれは誰にもわかりませんが、自分だけは知っていますし感じています。そんな部分を巧みに連想させられてしまいました。現実が歪んでいるのか、自分が歪んでいるのか。本当の自分はどこにあるのか。どれが本当の自分であるのか。内省的な人が暮らしている日常のようなものを感じられます。日常を内省的に捉えるとこの主人公のようになるのか。「静かで平和で孤独な日曜日」という言葉が印象的です。愛するものに見放されたと思うとき、どれ程理性を振り絞ってみても、それは耐え切れるものではないのです。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X