ノルウェイの森

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ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

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平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1,323件 781〜800 40/67ページ
No.543
(4pt)

生まれて初めて村上春樹を読みましたが、数行読んだだけで電気が流れました。

私はビジネス書は1000冊以上読んだのだが、こと小説は読まない。正確に言えば読まない人間だった。私にとって、文字を読むことは苦痛に近く、もっぱら自分のスキルを上げるという効果を得るためにだけに読むものだった。だから、歴史ものとか、小説とかは全く読まない。そういう人間だった。サラリーマン生活を辞め、最近起業した私がふと、ノーベル賞受賞なるか?の話題で村上春樹氏の名前が出るたびに、気になっていた「ノルウェイの森」。1Q84の前に読んでおきたくて手に取った。初版が出たのは1987年というから、すでに23年が経過する。当時は「今週のランキング」で良くノルウェイの森が上位で紹介されてたのを覚えている。さて、本文を読んでみて数行で、虜になった。体中に電気が走るような感覚がありました。ちょうど私の年齢の37歳の主人公から始まる点、飛行機が好きでB747と言われるだけで具体的にジャンボジェットがイメージできるという自分の指向性がそこにあるのは町がいないのだが、それにしても、描写が美しい。声に出してみると、その語感もいい。そうか、これが小説か。村上春樹氏だから、こんなに美しい表現なのか。この本が良いと評価する人には初心者が多いとある方のレビューに書いてあったが、そうでもよい。初心者の私には、数行読んだだけで感動させるものがあります。最後まで読んで、下巻まで読んで、また感想を追記しようと思います。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.542
(5pt)

積極的に生きることを見出している作品

人生に傷ついたとき、人生に迷ったとき手にとって見るとより良い本でしょう。まだ世の中の成り立ちが今以上にわからなかった10代の時にはじめて読んで、その時にうまく解釈できなかった部分のディティールはよく覚えていませんでした。そして、あの頃は鮮烈に焼き付けたものが今にはそれほど響かなかったり、たいしたことじゃないじゃんと思ってみたり。再び33歳になって手に取りましたが、はじめて読んだ後の人生の危機の時に思い返してみたら心を強くできたかもなと思いました。今となってはですが。様々な批評がこの本に対してはありますが、自分にとっては、はじめて読んだ若いころの思い出が蘇ってくる、古い流行り歌みたいな存在でしょうか。どうしようもなく翳りのある設定ですが、最後にそこから積極的に生きることを見出している作品と自分では解釈しています。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.541
(5pt)

やはり凄い作品

今更ながら、この作品を読んでみた。村上春樹氏の作品を全て読んだわけではないが、この作品は村上氏の最高傑作に挙げてもおかしくないほど完成された作品であった。作品を通して、大きな事件が起きるわけでもなく、悪人が出るわけでもないのだが、飽きずに最後まで読むことができた。風景や心情の描写はとても細かく美しく、ひとつひとつのシーンを映像として頭に思い浮かべることができた。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.540
(5pt)

登場人物に病名をつけてみた

今回、この作品が映画化されるということでなんとなく手にとってみました。読み始めから「僕」の堂々巡りのような考えが延々、正直めんどくさかった。そして最後のレイコさんとのセックスシーンがあることでこの作品の後味が悪くなっている気がした。とはいえ、やはり登場人物の精神病や神経症系の細かい描写あたりは良く書かれてあると思った。 そして、登場人物たちの発言や行動から推測すると、直子とレイコは統合失調症、突撃隊は強迫性障害、「僕」は直子と死別したあと離人症になっていたと考えます。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.539
(5pt)

映画化されたので・・・

映画化されたのでそれをきっかけに手にとりました。17歳という多感な時期に一番の友達キズキが遺書もなく死んだそこから主人公ワタナベを取り巻く世界のバランスが崩れてしまった他人の人生に深入りをしなかったら自分も平常心を保っていられただろうに・・・でも、他人と一番近くに感じることができるのは高校から大学のある一時かもしれない。この本は37歳のワタナベくんの回想から始まっているだから少なくともワタナベくんは自ら命を絶つことなくこの世界に生きているんだと・・・・本を読み終えた今ほっとしている。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.538
(5pt)

捉えられないものに捕えられる

この小説を初めて読んだのは約10年前、まだ10代の頃でした。当時は特に何かを感じるでも無く、私にとって多くの村上作品がそうである様に、結局何が言いたいのか分からない、という言葉で簡単に片付けられる事が出来る存在でした。しかし今回久しぶりに手に取ったこの本は、それまで私が思っていたのとは全く別の物でした。私の知っている一般的な小説とは、物事のありとあらゆる物事や描写によって、如何に読者にそれを伝えられるかと言う、その本文こそが全てであるのに対し、村上春樹という作家のそれは、物事や描写はただの手段に過ぎず、もっと奥底に秘められている物が主体の様に感じられます。作者の中に確固たる意思があり、しかしそれが現れるはずの本文にこそその正体を現さない為、作中の出来事も描写であっても、良く分からない、と言う現象が起こるのではないでしょか。しかし凄いのは本質が分からないにもかかわらず感じる、その圧倒的な感覚が本の中だけに留まらずに現実の世界にまで後を追って来て漂ってしまうという点です。今回それまでの評価と全く別の物になったのは、他の作品では感じた事の無かったその様な感覚に捕えられてしまった事にあります。そしてその正体の明かされていないその物こそが、村上春樹の作品の最大の魅力なのではないでしょうか。様々な評価や憶測が飛び交っていますが、その本当の意味を知るのは作者本人が明かさない以上大変に難しい事の様に思います。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.537
(5pt)

人間が抱える欠落と人生との関係

この小説にはさまざまな人格上の欠落を抱えた人たちが多く出てくる。彼らの多くはそのことを自覚しながら生きていて、そのうちの何人かは人生の途上で自らの命を断つという道を選んだ。途中、「生も死の一部である」という語り手の言葉が示される。この言葉から、自死というものを「道徳的に悪いことである」という図式の中に容易に回収させないようにしようという作者の意思を読み取った。「自死を肯定することはできないが、自ら死を選ぶ人生は存在する。そしてその存在を否定することはできない」という作者の肉声を聞いたように思ったのだ。読み終えた後も、「自ら死を選ばなかった人々」が、欠落を抱えつつも互いにひしめき合い、危なっかしくも人生を全うしていく人間模様が、心の深いところに刻まれたように思った。下世話な言い方になるけれど、人間の存在そのものにたいする愛しさがこみ上げてきたように思った。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.536
(4pt)

一気に読みました

1Q84で初めて村上春樹さんの作品を読みました。それまで、松本清張さん、宮部みゆきさん、堂場瞬一さんらの作品を多く読んでいました。村上春樹さんの作品は”すかした純文学”というイメージで食わず嫌いでした。読後の感想は”深さのある現代の純文学”でした。”純文学”と思ったのは夏目漱石さんの作品と共通するものを感じたからです。”現代の”と感じたのは、夏目漱石さんの作品よりも身近に感じたからです。”深さ”を感じたのは、自分自身の事を振り返って考えさせられたからです。登場人物たちに、共感出来る部分と共感出来ない部分はありましたが、「生きていくって大変だ」と思いながら、楽しく最初から最後まで読みました。1Q84のレビューで「性描写が不適切」という感想を複数見ました。この作品にもそういう点があると思いました。しかし、「不可避な性から逃げていない」と感じられ、その点についても私は好感をもっています。他の作品も読んでいきます。また、上下巻では、下巻の方が、上巻以上にエキサイティングだと感じました。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.535
(4pt)

余韻の残る出会いと別れ

下巻に入って、ワタナベ君の周りの世界に環境の変化がいくつか起こる。いろいろな別れがあり、そのたびに、実際の知人を失ったような気持ちになる。登場人物たちはみな、環境が変わって、行動の様式は変わっても、輪郭を変えることなく、自分の人生を選んでいく。そして、賛否両論のある性描写であるが、あれだけ具体的な記述があるにもかかわらず(あるがゆえに?)、いやらしさも情緒も感じない。父親の葬式を淡々と済ませて、それから淡々と性行為におよぶ緑にとって性とはなんなのか、そしてレイコにとっては?それぞれに強烈な登場人物たちの生と死と性の意味についていろいろと考えさせられた。70年代初頭に青春を過ごしたワタナベ君や緑さんは、今頃どうしているのだろう。そろそろ還暦を迎えているであろう彼らにも少し会いたくなった。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.534
(4pt)

確かな読み応え

何年か前にこの本を読んだことがありましたが、その内容をすっかり忘れていました。 最近マスコミで著者の名前を何回か耳にしたので、その代表作をもう一度読んでみることにしました。 改めて、文章の巧みさ、読み応えさと言うものに、感動しました。 登場人物は、大学生が中心ですので、特別な境遇の人間では、ありません。我々の近くにいる人かもしれません。でも、それぞれの登場人物の、物の考え方は、非常に深いものがあります。 きっと、著者は、自身の考えを、いろいろな登場人物に言わせているのだな〜と思いました。 私の勝手な見方で、あたりまえなことですが、著者は、鋭い観察力と、考察力を持ってみえるのでしょうね。それらを作品を通して、知ることができ、味わえるのは、素晴らしい経験でした。 ただ、一つだけ気になるのは、では、著者は、この作品を通して、我々に何を訴えているのかと言う点です。著者の訴えが今一つ心に残らなかった私ですが、それは、きっとまだ私自身が著者の作品を読みこんでいないせいなのでしょうね。別の作品も読んでみたいと思います。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.533
(5pt)

17才の衝撃

わたしは高校生の17才のときにノルウェイの森を図書室で借りて読みました。我が強く、将来を展望していたあの頃。人に流されたくなかった、人に感情移入したくなかったので本は久しく読んでなかったのですが、赤と緑の装丁に目が止まり、久々に「読書」しました。あまりにも斬新で新鮮な描写でした。そして無機質で流されるままの主人公。すごいもの読んだ!と読んだあと余韻があったのは久しぶりでした。10代でこの本に出会えたわたしは幸せです。ぜひ若い皆さん読んでください。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.532
(5pt)

説明になってませんが。

15年前、白くて柔らかい、哀しさが美しい小説だという印象でした。しかし大人になり読み返すと、こんなにグロイ性描写だったっけ?と。あの頃の憂鬱は本当は輝きだった?小説よりリアルに哀しい気持ちになりつつ、読み返す度に変化し、成長というか退化している自分と出会うのでしょうか。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.531
(5pt)

「静かで平和で孤独な日曜日」

下巻は、あっという間に読み終えることができました。1969年頃、主人公ワタナベが20歳を迎えた頃を個人的な体験として描いています。この小説は、人の内面の柔らかい部分を刺激してくるようです。誰しも普通の顔つきをし、電車に乗って、会社に向かっていますが、傷つきやすい大事な部分を見つからないようにしています。誰にも喋らなければそれは誰にもわかりませんが、自分だけは知っていますし感じています。そんな部分を巧みに連想させられてしまいました。現実が歪んでいるのか、自分が歪んでいるのか。本当の自分はどこにあるのか。どれが本当の自分であるのか。内省的な人が暮らしている日常のようなものを感じられます。日常を内省的に捉えるとこの主人公のようになるのか。「静かで平和で孤独な日曜日」という言葉が印象的です。愛するものに見放されたと思うとき、どれ程理性を振り絞ってみても、それは耐え切れるものではないのです。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.530
(4pt)

映画化が決まりましたね。

お恥ずかしながらアラフォー世代にも関わらず、2010年になるまで村上春樹氏の本を読んだことがありませんでした。そもそも、小説というものをほとんど読んだことはありません。ビジネス書以外ほとんど読まずに人生を過ごしてきました。2010年になって今年も村上氏がノーベル文学賞を獲得するのではないかと盛り上がっていたたので、昔流行ったノルウェイの森を上下巻読みました。読み始めたら一気に読めました。出てくる人物の際立ったパーソナリティに興味が持てました。性の描写は読み手によっては嫌悪される向きもあるようですが、私自身はそんなこともなく、普通に読めました。でも、なんで「ノルウェイの森」というタイトルにしたのだろう。もちろん、彼女が好きだった曲で、レイコさんが最後に2回弾いてくれるのはわかるけど、でも、タイトルにするものなのかなぁ。小説って特に内容からタイトルが推測されるものではなくてもいいものなのだろうか。あまり読みなれないので、その辺に違和感がありました。でも、すごいですよね。やっぱり。目の前にありありと空間が現れるようでした。映画化される作品のワタナベ役は松山ケンイチ氏らしいですね。想定のワタナベよりは格好良すぎのような気がしますが、こちらも見てみたいです。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.529
(5pt)

積極的に生きることを見出している作品

人生に傷ついたとき、人生に迷ったとき手にとって見るとより良い本でしょう。まだ世の中の成り立ちが今以上にわからなかった10代の時にはじめて読んで、その時にうまく解釈できなかった部分のディティールはよく覚えていませんでした。そして、あの頃は鮮烈に焼き付けたものが今にはそれほど響かなかったり、たいしたことじゃないじゃんと思ってみたり。再び33歳になって手に取りましたが、はじめて読んだ後の人生の危機の時に思い返してみたら心を強くできたかもなと思いました。今となってはですが。様々な批評がこの本に対してはありますが、自分にとっては、はじめて読んだ若いころの思い出が蘇ってくる、古い流行り歌みたいな存在でしょうか。どうしようもなく翳りのある設定ですが、最後にそこから積極的に生きることを見出している作品と自分では解釈しています。
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4061848933
No.528
(5pt)

必然の性描写/“文章という不完全な容器”

この作品の評価は極端に別れるようですが、読者の反応を大きく左右する要素の一つに、度々登場する性描写があるようです。なぜ、登場人物が肉体関係を結ぶ必要があるのか、理解できないという意見をよく目にします。最近改めて読んで感じたことですが、この作品の性描写にはちゃんと必然性があります。性的なシーンがなくても物語は成立するという言う人もいるけれど、それは違うと思います。おそらく作者が性行為を描いたのは、作品世界と読者を、作者なりの方法で結ぶためです。他のレビュアーの方も指摘していますが、具体的な曲名や文学作品が多く登場する理由も同じではないでしょうか。ありふれた手法ですが、それらを介することで、作品に流れる時間と読み手の意識が繋がるわけです。この小説は、死者の記憶を共有する人々の物語だという言い方も可能でしょう。死んだ者の存在を、お互いの中に確かめ合おうとする彼/彼女等の想いが、この作品の一番奥にあるように思います。そしてその想いの深さは、同様の体験をしたことのない人間には、本来なら共有の難しいものではないでしょうか。言い換えるなら、物語という形式では、それを表現しきれない。文章という形式で伝えるには無理のある主題を、文章において表現しようするとき、この作者は一見必然性に乏しい行為を描くことで、その矛盾を飛び越えようとしたようのではないでしょうか。例えるなら、ストーリーという平面上の直線に対し、三次元的な振動を読む側の心に引き起こすことで、作品と読者を強く結ぼうとしているように思うのです。作中の生々しい描写は、多分読む手の心にぶつかります。違和感や不快感を抱くのは、自分の中に無理に踏み込まれたように感じるからでしょう。外側にある対象物であったはずの小説が、内側の予期していなかった場所にちょっと触れる。この小説を好きな人が、その魅力をうまく言葉にできないことが多いのは、こうした手法がうまく機能しているからのような気がします。反対に、嫌悪感を抱く人がいることも、作品の特徴を裏付けているのでしょう。はじめてこの本を手にする人には、村上春樹と言うあまりに有名な小説家の代表作であることはとりあえず置いておいて、作品の奥の方にあるものを汲み取るように読んでもらえたらと思います。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.527
(5pt)

青春・現実・喪失・再生

「でも、この大学の連中はほとんどインチキよ。みんな自分が何かをわかってないことを人に知られることが怖くって仕様がなくてビクビクして暮らしてるのよ。それでみんな同じような本を読んで、みんな同じような言葉を振り回してるのよ。」 「冗談じゃないわよ。他の人はたまに来て同情するだけじゃないの。世話をしたり痰を取ったり体拭いてあげたりするのはこの私なのよ。同情するだけでかたつくんなら、私みんなの50倍くらい同情しちゃうわよ。いい歳した人たちなのに、どうしてみんな世の中の仕組みってものが分かんないのかしら。あの人たち?口でなんてなんとでもいえるのよ。大事なのはを片づけるか片づけないかなのよ。」 「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。」 「そんな風に考えるのはやめなさい。物事は流れるべき方向に流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。偉そうなことを言うようですが、あなたもそういう人生のやり方をそろそろ学んでいい頃です。あなたは時々人生を自分のやり方に引っ張りこもうとしすぎます。精神病院に入りたくなかったら、もう少し心を開いて人生の流れに身をゆだねなさい。私のような無力で不完全な女でもときには生きるって何て素晴らしいんだろうと思うのよ。本当よ、これ!だからあなただってもっともっと幸せになりなさい。幸せになる努力をしなさい。」 「もちろんそのことは残念に思います。しかし、結局のところ何が良かったなんて誰にわかるのですか?だからあなたは誰にも遠慮なんかしないで、幸せになれると思ったらその機会を捕まえて幸せになりなさい。私は経験的に思うのだけれど、そういう機会は人生に2回か3回しかないし、それを逃すと一生悔みますよ。」
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.526
(4pt)

喪失感

●1回目主人公の学生時代の回想を中心に複雑な人間関係を描いた恋愛小説である。思春期の葛藤や人間模様、恋愛、喪失感などが巧に描かれている。 死を迎える事で何かを学び取る事が出来るのならば、他人には理解されない関係を構築し共有することがあっても違和感を感じることはないのかもしれません。 「自分に同情するな」「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」 この先、幾度となく深い喪失感や絶望感に駆られる事があっても自分に同情することなく強く生きていきたい。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------●2回目喪失してしまうこと、そして、それを受け入れること。抱えながら生きていく先には何が待ち受けているのでしょうか。 「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.525
(5pt)

本は読んで、映画は見ないほうがいい

昨日映画をみたのですが、なぜこんなに長く映画化(の話もたくさんあったであろうに)されず、20年もたってこのような不完全なかたちで映画化されるのかと疑問ですが、大方の予想通りでした。 この人の小説の魅力は、その軽快なエスプリのきいた会話の妙に多分にあるとおもうのですが、映画のではまったくそれが生かされておらず、(というよりも、会話量がすくなすぎるため、それぞれの登場人物の人となりが十分につたえられないまま上滑りに話がすすんでいく)原作の面白さがまったくでていない。(もしかして、外国人監督だから、日本語で理解もしくは日本語版で熟読してないのでは????)しいて言うなら、松山ケンイチさんにニュートラルなたたずまいがあるので、60−70年代背景の作品の中でも自然な感じがでてました。そのほかは、多分、すべてミスキャスト。(女優さんがわるいというのでなく、(女優陣はそれぞれに魅力的なんですが、)脚本と演出と人選の悪さ。) 一番のミスキャストはレイコさん、その次ミドリ その次直子、ハツミさん。 レイコさんは外見はもっとボーイッシュで、人生の哀感を軽いジョークで流すような、痛々しさのあるもっとも魅力的な登場人物だと思うんですが、キャステイングされた女優さんはなんだか女性っぽすぎて、そういう、笑顔の下にある乾いた哀愁が感じられない。ミドリはもっと現実的でジーンセバーグのような雰囲気の、軽快さのある生き生きとしたイメージで、この点が、この小説の中で、直子の非現実的な静的な美しさのある陰の世界と、ミドリの現実に根を張った動的な魅力の間で主人公が行き来するという対比をなしていると思うのですが、映画ではそのメリハリがでてない。  永沢さんは(ちょっと年齢はちがうが、)イメージとしては佐藤浩市さんっぽいもっと骨太な凄みのある感じで、やはりナメクジのエピソードははずしてはいけなかったと思う。なにより、療養所で3人がもつ、「親密であたたかな」心のつながりを描かなくてはこの話の意味そのものが描けない。また、僕と直子が誕生日を祝った夜に直子が延々と異常なまでにしゃべってぷっつりと糸が切れたようになったところとか、僕とレイコさんが二人で歌って直子の弔いをしたシーンを省いては、そのあとにつながる、関係をもつことの意味が説明できない。 もし原作を読んでない方は、原作は読んで、映画は見ない、もしくは少なくとも映画を先に見ないことをお勧めします・・・・。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.524
(4pt)

一気に読みました

1Q84で初めて村上春樹さんの作品を読みました。それまで、松本清張さん、宮部みゆきさん、堂場瞬一さんらの作品を多く読んでいました。村上春樹さんの作品は”すかした純文学”というイメージで食わず嫌いでした。読後の感想は”深さのある現代の純文学”でした。”純文学”と思ったのは夏目漱石さんの作品と共通するものを感じたからです。”現代の”と感じたのは、夏目漱石さんの作品よりも身近に感じたからです。”深さ”を感じたのは、自分自身の事を振り返って考えさせられたからです。登場人物たちに、共感出来る部分と共感出来ない部分はありましたが、「生きていくって大変だ」と思いながら、楽しく最初から最後まで読みました。1Q84のレビューで「性描写が不適切」という感想を複数見ました。この作品にもそういう点があると思いました。しかし、「不可避な性から逃げていない」と感じられ、その点についても私は好感をもっています。他の作品も読んでいきます。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925