ノルウェイの森

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評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,323件 701〜720 36/67ページ
No.623
(5pt)

彼だけ

物語に、序破急は必ずしも、必要ない。

 読中読後に、自身が内包されている世界の、時の刻み方、

密度といった基調が揺らぎさえすれば良い。

 そんな、望まれた、少し憂鬱な気分を与えてくれるのは、

彼だけ。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.622
(4pt)

喪失?再生?個人的な感想です

率直に言って好きです。結末も序盤からわかってしまいますが、綺麗な表現でところどころ切ないです。とくに蛍の光を眺めて、それに手を伸ばす箇所が美しく、主人公の男の子の寂しさが伝わります。けれど私はあまり「可愛いよ」だの「好きだよ」だの、違う相手にぽんぽん言える勇気はありません。章が変わるごとに別の女の子に「好き」と言っていますが、だったら直子が去ってから会わなければいいのに、死んでから会えばいいのに、と思ってしまいます。
 よく喪失と再生の対比を売りに小説が販売されますが、この作品は概ね喪失ですね。緑が再生側に立っているかどうかも疑問です。むしろ主人公は緑を手にする機会を取り損ねたように思えます(もちろん緑もワタナベ君を取り損ねている)。下巻の最後に「どこでもない場所で緑を……」とありますが、場所(自分のいる位置)も失っている。
 キャッチ・コピーは素敵ですけど、「物語の終わりはどうであれ、前向きに行こう」という方にはおススメしません。切なさを煽るキャッチ・コピーには騙されず、作品自体と向き合ったら考えさせられる作品ではあります。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.621
(4pt)

生きるということ

確かにアホほど人が自殺していきます。
これだけ回りで人が死ぬと、自分はもしかして死神ではないかと
勘違いしていまうくらいですね。
 性描写も男の都合のいい考え方で書かれていて、それはぁ・・・
という場面が多々ありました。小説だからね・・・。

 主人公はもんもんとその中を生きている。学校や社会に寄生し
ないで、自分と自分の回りのひとたちだけと繋がっていわば自由
に暮らしています。学生だから仕方ないか・・・。
 でもその淡々と生きている主人公が一番大切な人を失ったとき
壊れますよね。今にも自分が死にそうなくらい。
 でも生きる。
 傷付いても失っても、生きようとする。死と対峙することで
生の重みが増すっていうか、強靭になっていきます。
がむしゃらに生きて、大人になって段々タフになり、図太くなり
無関心になっていく私たちはこういった感受性を忘れてしまう。
 この本はその感情を掘り起こしてくれます。
 最後のレイコさんとの性も生きていく者同士の儀式みたいな
もので、レイコさんはワタナベに抱かれることによって今までの
生活を浄化させたのだと思います。そして生き残った者は改めて
これからお互いに強く生きていくのです。


ノルウェイの森(下) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(下)より
4062035162
No.620
(4pt)

高校生には刺激が強すぎました

初めて読んだときは高校生のときで、村上春樹、エロくない?
と衝撃を受けた覚えがあります。

そのときの衝撃が強かったので、
大学のとき再び読んだのですが、何となくいい本のような気がするようなわからないような.......。

先日も映画をやっているとき、思い出したように読んでみたのですが、
やっぱりよくわからない......。

歳や経験を重ねればわかるようになるのか、
それともいつまでたってもわからないのか、もう1回だけ読んでみようかな〜と思っている作品です。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.619
(4pt)

生きるということ

確かにアホほど人が自殺していきます。
これだけ回りで人が死ぬと、自分はもしかして死神ではないかと
勘違いしていまうくらいですね。
 性描写も男の都合のいい考え方で書かれていて、それはぁ・・・
という場面が多々ありました。小説だからね・・・。

 主人公はもんもんとその中を生きている。学校や社会に寄生し
ないで、自分と自分の回りのひとたちだけと繋がっていわば自由
に暮らしています。学生だから仕方ないか・・・。
 でもその淡々と生きている主人公が一番大切な人を失ったとき
壊れますよね。今にも自分が死にそうなくらい。
 でも生きる。
 傷付いても失っても、生きようとする。死と対峙することで
生の重みが増すっていうか、強靭になっていきます。
がむしゃらに生きて、大人になって段々タフになり、図太くなり
無関心になっていく私たちはこういった感受性を忘れてしまう。
 この本はその感情を掘り起こしてくれます。
 最後のレイコさんとの性も生きていく者同士の儀式みたいな
もので、レイコさんはワタナベに抱かれることによって今までの
生活を浄化させたのだと思います。そして生き残った者は改めて
これからお互いに強く生きていくのです。


ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.618
(4pt)

高校生には刺激が強すぎました

初めて読んだときは高校生のときで、村上春樹、エロくない?
と衝撃を受けた覚えがあります。

そのときの衝撃が強かったので、
大学のとき再び読んだのですが、何となくいい本のような気がするようなわからないような.......。

先日も映画をやっているとき、思い出したように読んでみたのですが、
やっぱりよくわからない......。

歳や経験を重ねればわかるようになるのか、
それともいつまでたってもわからないのか、もう1回だけ読んでみようかな〜と思っている作品です。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.617
(4pt)

生きるということ

確かにアホほど人が自殺していきます。
これだけ回りで人が死ぬと、自分はもしかして死神ではないかと
勘違いしていまうくらいですね。
 性描写も男の都合のいい考え方で書かれていて、それはぁ・・・
という場面が多々ありました。小説だからね・・・。

 主人公はもんもんとその中を生きている。学校や社会に寄生し
ないで、自分と自分の回りのひとたちだけと繋がっていわば自由
に暮らしています。学生だから仕方ないか・・・。
 でもその淡々と生きている主人公が一番大切な人を失ったとき
壊れますよね。今にも自分が死にそうなくらい。
 でも生きる。
 傷付いても失っても、生きようとする。死と対峙することで
生の重みが増すっていうか、強靭になっていきます。
がむしゃらに生きて、大人になって段々タフになり、図太くなり
無関心になっていく私たちはこういった感受性を忘れてしまう。
 この本はその感情を掘り起こしてくれます。
 最後のレイコさんとの性も生きていく者同士の儀式みたいな
もので、レイコさんはワタナベに抱かれることによって今までの
生活を浄化させたのだと思います。そして生き残った者は改めて
これからお互いに強く生きていくのです。


ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.616
(4pt)

高校生には刺激が強すぎました

初めて読んだときは高校生のときで、村上春樹、エロくない?
と衝撃を受けた覚えがあります。

そのときの衝撃が強かったので、
大学のとき再び読んだのですが、何となくいい本のような気がするようなわからないような.......。

先日も映画をやっているとき、思い出したように読んでみたのですが、
やっぱりよくわからない......。

歳や経験を重ねればわかるようになるのか、
それともいつまでたってもわからないのか、もう1回だけ読んでみようかな〜と思っている作品です。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.615
(4pt)

好き

ワタナベ君が 優しくて 何でも受け入れてくれて 読んでいて 幸せな気分になりました。きっと 20年前じゃわからなかったな 今だから この優しさがうれしくて 自分も優しさだけで生きたいと 思いました。ただ 1960年代の大学生って 結構 奔放だったんだな と思いました。一部だけの人ですか?
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.614
(5pt)

まるで自分の青春の一部のよう



なんともいえない気持ちになる本です。
何度も読み返したので、まるで自分の青春の一部であるような、過去の記憶の一部のような感じがします。

初めて読んだ時は高校生のときで、さらっと読んでしまって、話そのものと言うより性描写が目につき、
「なんでこんな誰とでもやっちゃうのかな」とワタナベの都合のよさに釈然としませんでした。(特にレイコさん。)


が、それから何年か経ち、東京での大学生活を経験したのち、読み返すと全く違った思いを抱きました。


ものすごく、人は孤独で、永遠に一人で、だからどうしても他者との繋がりを求める。
セックスはそんな孤独な他者同士が行う祈りであり、救済なのです。
そして、死にながら生き続ける私たちの死への反抗でもある。


ワタナベは、優しく見えるけれどとても残酷でもある。なぜなら彼は嘘をつかないから。嘘をつけないから。
思った通りに行動するし、思った通りにしか行動できないから。
それで多くの人を惹きつけ、かつ、傷つけてしまう。


村上作品の中でも異色のリアリズム感が、手触りまで感じられそうで私は好きです。
こんなに時間がたってもみずみずしくて、これからも、若者がいる限りこの作品の輝きは失われることはないと思います。
むしろ、ひとりひとりの繋がりが無くなり、「個」になっていけばいくほど、この作品は必要とされてくると思います。


これからも、読み返すたびにまた違った感想を抱くことになるのでしょう。
この作品はそっとしまっておきたい、大切な宝物です。


ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.613
(5pt)

素晴らしい作品

映画が公開になったのをきっかけに久しぶりに読み返してみました。
好き嫌いは別にしてこれだけ吸引力のある小説は今までに読んだことがありません。
死を全面に出した作品であるにも関わらず、読後感がすっきりしているのは、
やはり作品に出てくる登場人物がみんな生を望んでいるからなのでは。

閉塞感の漂う時代ではあるけれども、本質的に、皆「生きたい」と願っているからこそ
この作品が現代社会に受け入れられてるのではないでしょうか。

素晴らしい作品だと思います。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.612
(4pt)

好き

ワタナベ君が 優しくて 何でも受け入れてくれて 読んでいて 幸せな気分になりました。きっと 20年前じゃわからなかったな 今だから この優しさがうれしくて 自分も優しさだけで生きたいと 思いました。ただ 1960年代の大学生って 結構 奔放だったんだな と思いました。一部だけの人ですか?
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.611
(5pt)

まるで自分の青春の一部のよう



なんともいえない気持ちになる本です。
何度も読み返したので、まるで自分の青春の一部であるような、過去の記憶の一部のような感じがします。

初めて読んだ時は高校生のときで、さらっと読んでしまって、話そのものと言うより性描写が目につき、
「なんでこんな誰とでもやっちゃうのかな」とワタナベの都合のよさに釈然としませんでした。(特にレイコさん。)


が、それから何年か経ち、東京での大学生活を経験したのち、読み返すと全く違った思いを抱きました。


ものすごく、人は孤独で、永遠に一人で、だからどうしても他者との繋がりを求める。
セックスはそんな孤独な他者同士が行う祈りであり、救済なのです。
そして、死にながら生き続ける私たちの死への反抗でもある。


ワタナベは、優しく見えるけれどとても残酷でもある。なぜなら彼は嘘をつかないから。嘘をつけないから。
思った通りに行動するし、思った通りにしか行動できないから。
それで多くの人を惹きつけ、かつ、傷つけてしまう。


村上作品の中でも異色のリアリズム感が、手触りまで感じられそうで私は好きです。
こんなに時間がたってもみずみずしくて、これからも、若者がいる限りこの作品の輝きは失われることはないと思います。
むしろ、ひとりひとりの繋がりが無くなり、「個」になっていけばいくほど、この作品は必要とされてくると思います。


これからも、読み返すたびにまた違った感想を抱くことになるのでしょう。
この作品はそっとしまっておきたい、大切な宝物です。


ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.610
(5pt)

素晴らしい作品

映画が公開になったのをきっかけに久しぶりに読み返してみました。
好き嫌いは別にしてこれだけ吸引力のある小説は今までに読んだことがありません。
死を全面に出した作品であるにも関わらず、読後感がすっきりしているのは、
やはり作品に出てくる登場人物がみんな生を望んでいるからなのでは。

閉塞感の漂う時代ではあるけれども、本質的に、皆「生きたい」と願っているからこそ
この作品が現代社会に受け入れられてるのではないでしょうか。

素晴らしい作品だと思います。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.609
(4pt)

好き

ワタナベ君が 優しくて 何でも受け入れてくれて 読んでいて 幸せな気分になりました。きっと 20年前じゃわからなかったな 今だから この優しさがうれしくて 自分も優しさだけで生きたいと 思いました。ただ 1960年代の大学生って 結構 奔放だったんだな と思いました。一部だけの人ですか?
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.608
(5pt)

まるで自分の青春の一部のよう



なんともいえない気持ちになる本です。
何度も読み返したので、まるで自分の青春の一部であるような、過去の記憶の一部のような感じがします。

初めて読んだ時は高校生のときで、さらっと読んでしまって、話そのものと言うより性描写が目につき、
「なんでこんな誰とでもやっちゃうのかな」とワタナベの都合のよさに釈然としませんでした。(特にレイコさん。)


が、それから何年か経ち、東京での大学生活を経験したのち、読み返すと全く違った思いを抱きました。


ものすごく、人は孤独で、永遠に一人で、だからどうしても他者との繋がりを求める。
セックスはそんな孤独な他者同士が行う祈りであり、救済なのです。
そして、死にながら生き続ける私たちの死への反抗でもある。


ワタナベは、優しく見えるけれどとても残酷でもある。なぜなら彼は嘘をつかないから。嘘をつけないから。
思った通りに行動するし、思った通りにしか行動できないから。
それで多くの人を惹きつけ、かつ、傷つけてしまう。


村上作品の中でも異色のリアリズム感が、手触りまで感じられそうで私は好きです。
こんなに時間がたってもみずみずしくて、これからも、若者がいる限りこの作品の輝きは失われることはないと思います。
むしろ、ひとりひとりの繋がりが無くなり、「個」になっていけばいくほど、この作品は必要とされてくると思います。


これからも、読み返すたびにまた違った感想を抱くことになるのでしょう。
この作品はそっとしまっておきたい、大切な宝物です。


ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.607
(5pt)

素晴らしい作品

映画が公開になったのをきっかけに久しぶりに読み返してみました。
好き嫌いは別にしてこれだけ吸引力のある小説は今までに読んだことがありません。
死を全面に出した作品であるにも関わらず、読後感がすっきりしているのは、
やはり作品に出てくる登場人物がみんな生を望んでいるからなのでは。

閉塞感の漂う時代ではあるけれども、本質的に、皆「生きたい」と願っているからこそ
この作品が現代社会に受け入れられてるのではないでしょうか。

素晴らしい作品だと思います。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.606
(5pt)

続: 本は読んで映画は見ないほうがいい

〔(上巻)のレビューからの続き〕  レイコさんのピアノの教え子のあの強烈な美少女は ティーンエイジだった頃の観月ありささん(衝撃的な美少女でした)あたりがイメージ。(この辺のエピソードも映画で端折ってほしくなかったんですが時間的に無理なのか・・・・) 直子は、いまの かぼそさのままで若くした宮沢りえさんのイメージ。 レイコさんは・・・難しい。課題。(いつか思い当たったら追記したいです・・・・)  たくさんのレビューを拝見すると、評価が真っ二つに分かれているのが面白いところで、また、この話は、死人が間接的にもたくさん出るため、暗いイメージがぬぐえないと思うが、本質的にはポジティブな話しであると思う。100%の恋愛小説では決してなく、主人公の成長物語であり、再生の物語だ。 大方の人は程度の多少こそあれ大人への成長過程のある時点で、死んでしまいたい、(死んではいけないが)と思うほど悩んだりする時期があると思う。「僕」にとっては、下巻の孤独な春がその最たる時期に思える。この小説は、主人公が、キヅキと直子に象徴される死の世界と、緑に象徴される生の世界の間を行きつもどりつしながら「生きることを選」び、大人になってゆくいわゆるcoming-of-age ストーリーであると思う。伏線には、ヘルマンヘッセの車輪の下、サリンジャーのライ麦や、トーマスマンの魔の山などがちらしてある。  全体として明るい話ではないといいながらも、レイコさんや緑と交わす会話の中には、いきいきとしたウィットが感じられ、暗く重たい通奏低音の中で魅力的なコントラストを描いている。それも、単に明るいのではなく、前述したが、乾いた哀感を裏返したような明るさであると思う。 そのような強烈な個性と運命をもった人たちの中で濃縮された多感な時期を過ごしつつ、主人公は最終的には生を選び取る。 ラストシーンは(映画ではビルの1Fの公衆電話でしたが)本では電話ボックス。「僕」は緑に電話する。緑の声はいつになく「静か」だ。(彼女はそのとき「僕」が緑との新しい関係を築く用意ができたことを予感していただろう。)周りは雑踏。生も死も渦巻く混濁する世界(=「どこでもない場所のまん中」)から(生の世界の象徴としての) 緑を「僕」は呼び続ける。(映像化するならここでカメラをゆっくり回転させながら上方にひいてゆき、周りを行き交う人々の雑踏をいれてほしいところ) たくさんのコメントに、否定的な見解もあったのですが、私はかなりまじめな(どちらかというと抑えた熱のある、むしろ生真面目な)小説のように思えました。  ただ、この小説を友人知人に薦めるか、というと多分薦めませんし、大きな文学賞をとるタイプの純文学か、というとそれも違うと思えます。 知人に勧めないであろう理由は、この類の小説は、読後感がプライベートな人生観と密着しすぎるので、よほど気心の知れた人でない限り、読んで面白かっただの、読んだほうがいいだのと、あえて紹介する気はしません。逆に、このような作品は、個人の好き嫌いに強烈にくいこむからこそ、読み手が各々のバックグラウンドに重ねて味わえるという小説本来の魅力を確かに持っていると思います。 また、日本のクラッシックな文豪と照らして論じる向きもありますが、私の感覚では、ユーモラスでウィットに富んだ和田誠さんのイラストレーションと、重厚で格調高いな青木繁や黒田清輝の絵画を、どちらが優れているかと比べているようなもので、比べる必然性をあまり感じない。(のですが、やはり大きな賞をもらうような予兆がある場合、論じざるをえないのでしょうね・・)  
ノルウェイの森(下) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(下)より
4062035162
No.605
(5pt)

続: 本は読んで映画は見ないほうがいい

〔(上巻)のレビューからの続き〕  レイコさんのピアノの教え子のあの強烈な美少女は ティーンエイジだった頃の観月ありささん(衝撃的な美少女でした)あたりがイメージ。(この辺のエピソードも映画で端折ってほしくなかったんですが時間的に無理なのか・・・・) 直子は、いまの かぼそさのままで若くした宮沢りえさんのイメージ。 レイコさんは・・・難しい。課題。(いつか思い当たったら追記したいです・・・・)  たくさんのレビューを拝見すると、評価が真っ二つに分かれているのが面白いところで、また、この話は、死人が間接的にもたくさん出るため、暗いイメージがぬぐえないと思うが、本質的にはポジティブな話しであると思う。100%の恋愛小説では決してなく、主人公の成長物語であり、再生の物語だ。 大方の人は程度の多少こそあれ大人への成長過程のある時点で、死んでしまいたい、(死んではいけないが)と思うほど悩んだりする時期があると思う。「僕」にとっては、下巻の孤独な春がその最たる時期に思える。この小説は、主人公が、キヅキと直子に象徴される死の世界と、緑に象徴される生の世界の間を行きつもどりつしながら「生きることを選」び、大人になってゆくいわゆるcoming-of-age ストーリーであると思う。伏線には、ヘルマンヘッセの車輪の下、サリンジャーのライ麦や、トーマスマンの魔の山などがちらしてある。  全体として明るい話ではないといいながらも、レイコさんや緑と交わす会話の中には、いきいきとしたウィットが感じられ、暗く重たい通奏低音の中で魅力的なコントラストを描いている。それも、単に明るいのではなく、前述したが、乾いた哀感を裏返したような明るさであると思う。 そのような強烈な個性と運命をもった人たちの中で濃縮された多感な時期を過ごしつつ、主人公は最終的には生を選び取る。 ラストシーンは(映画ではビルの1Fの公衆電話でしたが)本では電話ボックス。「僕」は緑に電話する。緑の声はいつになく「静か」だ。(彼女はそのとき「僕」が緑との新しい関係を築く用意ができたことを予感していただろう。)周りは雑踏。生も死も渦巻く混濁する世界(=「どこでもない場所のまん中」)から(生の世界の象徴としての) 緑を「僕」は呼び続ける。(映像化するならここでカメラをゆっくり回転させながら上方にひいてゆき、周りを行き交う人々の雑踏をいれてほしいところ) たくさんのコメントに、否定的な見解もあったのですが、私はかなりまじめな(どちらかというと抑えた熱のある、むしろ生真面目な)小説のように思えました。  ただ、この小説を友人知人に薦めるか、というと多分薦めませんし、大きな文学賞をとるタイプの純文学か、というとそれも違うと思えます。 知人に勧めないであろう理由は、この類の小説は、読後感がプライベートな人生観と密着しすぎるので、よほど気心の知れた人でない限り、読んで面白かっただの、読んだほうがいいだのと、あえて紹介する気はしません。逆に、このような作品は、個人の好き嫌いに強烈にくいこむからこそ、読み手が各々のバックグラウンドに重ねて味わえるという小説本来の魅力を確かに持っていると思います。 また、日本のクラッシックな文豪と照らして論じる向きもありますが、私の感覚では、ユーモラスでウィットに富んだ和田誠さんのイラストレーションと、重厚で格調高いな青木繁や黒田清輝の絵画を、どちらが優れているかと比べているようなもので、比べる必然性をあまり感じない。(のですが、やはり大きな賞をもらうような予兆がある場合、論じざるをえないのでしょうね・・)  
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.604
(5pt)

続: 本は読んで映画は見ないほうがいい

〔(上巻)のレビューからの続き〕  レイコさんのピアノの教え子のあの強烈な美少女は ティーンエイジだった頃の観月ありささん(衝撃的な美少女でした)あたりがイメージ。(この辺のエピソードも映画で端折ってほしくなかったんですが時間的に無理なのか・・・・) 直子は、いまの かぼそさのままで若くした宮沢りえさんのイメージ。 レイコさんは・・・難しい。課題。(いつか思い当たったら追記したいです・・・・)  たくさんのレビューを拝見すると、評価が真っ二つに分かれているのが面白いところで、また、この話は、死人が間接的にもたくさん出るため、暗いイメージがぬぐえないと思うが、本質的にはポジティブな話しであると思う。100%の恋愛小説では決してなく、主人公の成長物語であり、再生の物語だ。 大方の人は程度の多少こそあれ大人への成長過程のある時点で、死んでしまいたい、(死んではいけないが)と思うほど悩んだりする時期があると思う。「僕」にとっては、下巻の孤独な春がその最たる時期に思える。この小説は、主人公が、キヅキと直子に象徴される死の世界と、緑に象徴される生の世界の間を行きつもどりつしながら「生きることを選」び、大人になってゆくいわゆるcoming-of-age ストーリーであると思う。伏線には、ヘルマンヘッセの車輪の下、サリンジャーのライ麦や、トーマスマンの魔の山などがちらしてある。  全体として明るい話ではないといいながらも、レイコさんや緑と交わす会話の中には、いきいきとしたウィットが感じられ、暗く重たい通奏低音の中で魅力的なコントラストを描いている。それも、単に明るいのではなく、前述したが、乾いた哀感を裏返したような明るさであると思う。 そのような強烈な個性と運命をもった人たちの中で濃縮された多感な時期を過ごしつつ、主人公は最終的には生を選び取る。 ラストシーンは(映画ではビルの1Fの公衆電話でしたが)本では電話ボックス。「僕」は緑に電話する。緑の声はいつになく「静か」だ。(彼女はそのとき「僕」が緑との新しい関係を築く用意ができたことを予感していただろう。)周りは雑踏。生も死も渦巻く混濁する世界(=「どこでもない場所のまん中」)から(生の世界の象徴としての) 緑を「僕」は呼び続ける。(映像化するならここでカメラをゆっくり回転させながら上方にひいてゆき、周りを行き交う人々の雑踏をいれてほしいところ) たくさんのコメントに、否定的な見解もあったのですが、私はかなりまじめな(どちらかというと抑えた熱のある、むしろ生真面目な)小説のように思えました。  ただ、この小説を友人知人に薦めるか、というと多分薦めませんし、大きな文学賞をとるタイプの純文学か、というとそれも違うと思えます。 知人に勧めないであろう理由は、この類の小説は、読後感がプライベートな人生観と密着しすぎるので、よほど気心の知れた人でない限り、読んで面白かっただの、読んだほうがいいだのと、あえて紹介する気はしません。逆に、このような作品は、個人の好き嫌いに強烈にくいこむからこそ、読み手が各々のバックグラウンドに重ねて味わえるという小説本来の魅力を確かに持っていると思います。 また、日本のクラッシックな文豪と照らして論じる向きもありますが、私の感覚では、ユーモラスでウィットに富んだ和田誠さんのイラストレーションと、重厚で格調高いな青木繁や黒田清輝の絵画を、どちらが優れているかと比べているようなもので、比べる必然性をあまり感じない。(のですが、やはり大きな賞をもらうような予兆がある場合、論じざるをえないのでしょうね・・)  
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X