インシテミル

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評判

インシテミルの評価:

3.55/5点 レビュー 211件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.55pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全246件 201〜220 11/13ページ
No.46
(5pt)

ありふれたようでそうでないような

 読んでてすごく楽しいものです
 
 トリック云々のタネについてはすごいとは言えないものの
 奇抜なキャラ、物語の運び方は最高です
 最後にあなたを待ちうけるものは?
 
 まさかの展開と最後のすっきりしない終わり方に注目
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.45
(4pt)

不完全だからこそ・・・面白い・・・。

ぶちゃけ、疑問点や矛盾点はありまくりです。
いくらでもあらさがしが可能で、その意味では完成された小説とはいえないかもしれません。
しかし、それを補って、尚ありあまるほどのパワーがこの小説にはあります。
面白いです。痛快です。
これは、小説にとっては大事なことで、完成度を求めるあまり面白さをないがしろにする他の作家にも見習って欲しいです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.44
(4pt)

不完全だからこそ・・・面白い・・・。

ぶちゃけ、疑問点や矛盾点はありまくりです。
いくらでもあらさがしが可能で、その意味では完成された小説とはいえないかもしれません。
しかし、それを補って、尚ありあまるほどのパワーがこの小説にはあります。
面白いです。痛快です。
これは、小説にとっては大事なことで、完成度を求めるあまり面白さをないがしろにする他の作家にも見習って欲しいです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.43
(5pt)

ゲームの参加者の心理状態がよく描かれていて緊迫感があった

7日間24時間、暗鬼館という館でモニタリングされながら過ごすだけで時給十一万二千円。参加者の12人はそれぞれ鍵のかからない個室と相手を死に至らしめるための凶器が与えられ、殺人ゲームに参加させられることになる。ゲームの参加者の心理状態が非常によく描かれていて、とても緊迫感があった。誰が犯人なのか、その凶器を持っていたのが誰なのか分からず最後まで楽しめた。最後の終わり方は続編を期待させる終わり方だったので、続編も楽しみにしたい。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.42
(5pt)

ゲームの参加者の心理状態がよく描かれていて緊迫感があった

7日間24時間、暗鬼館という館でモニタリングされながら過ごすだけで時給十一万二千円。参加者の12人はそれぞれ鍵のかからない個室と相手を死に至らしめるための凶器が与えられ、殺人ゲームに参加させられることになる。ゲームの参加者の心理状態が非常によく描かれていて、とても緊迫感があった。誰が犯人なのか、その凶器を持っていたのが誰なのか分からず最後まで楽しめた。最後の終わり方は続編を期待させる終わり方だったので、続編も楽しみにしたい。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.41
(4pt)

時給11万2000円のバイト・・怪しすぎる〜!

時給11万2000円のバイトに、応募した12人の男女。7日間、館での生活をクリアできたらいいわけです。もちろん生きて。。。応募した時はもちろん内容はわかりません。
ルールもいろいろあって時給以上に稼げることもできます。
さて、12人は生き残れるのか。生き残っていくら稼いで元の生活に戻れるのか。
ええ。よくある話なのですが、、、これが面白いんです
自分の部屋は鍵はかかりません。そして箱の中にはひとつ凶器が。。「皆の部屋にもあるのだろうか、、、」謎が一つ増えます。ルールは予想通り誰かを殺すと稼げるわけです。
凶器。お金。見知らぬ12人。鍵のかからない部屋。あなたは眠れますか?
館のつくりも巧妙で、ポイント獲得のルールも細かく、心理作戦あり、密室殺人あり、
トラップあり、メカあり。それに、美しく品のある須和名はなんのためにいるのか。そして、この7日間の目的とは?
ありきたりなミステリーと思いきや!!!新しいミステリーを読んだ気がします。
一気に読んでしまう面白さスピード感あり!おすすめです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.40
(4pt)

時給11万2000円のバイト・・怪しすぎる〜!

時給11万2000円のバイトに、応募した12人の男女。7日間、館での生活をクリアできたらいいわけです。もちろん生きて。。。応募した時はもちろん内容はわかりません。
ルールもいろいろあって時給以上に稼げることもできます。
さて、12人は生き残れるのか。生き残っていくら稼いで元の生活に戻れるのか。
ええ。よくある話なのですが、、、これが面白いんです
自分の部屋は鍵はかかりません。そして箱の中にはひとつ凶器が。。「皆の部屋にもあるのだろうか、、、」謎が一つ増えます。ルールは予想通り誰かを殺すと稼げるわけです。
凶器。お金。見知らぬ12人。鍵のかからない部屋。あなたは眠れますか?
館のつくりも巧妙で、ポイント獲得のルールも細かく、心理作戦あり、密室殺人あり、
トラップあり、メカあり。それに、美しく品のある須和名はなんのためにいるのか。そして、この7日間の目的とは?
ありきたりなミステリーと思いきや!!!新しいミステリーを読んだ気がします。
一気に読んでしまう面白さスピード感あり!おすすめです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.39
(4pt)

ゲーム感覚で楽しめる「クローズド・サークル」ものミステリ

 複数の登場人物が、外部からの出入り不可能な場所に隔離され、その中で殺人事件が起きる。ひとり、またひとりと殺されてゆく。いわゆる「クローズド・サークル」もののミステリとして、これは面白かった。
 面白かったその一として、話がかなり予想外の方向へと展開していったこと。スリリングなRPG(ロール・プレイング・ゲーム)にも似て、話が分岐点にさしかかった時、ひょいひょいと、全くノーマークだった方向に進んでいくんですね。著者が繰り出す次の一手が、途中から全然読めなかった。で、その予測不能なところがいけてるなと。
 面白かったその二は、連続殺人ゲームのルール設定、場の設定など、その趣向が気が利いていたところ。舞台となる【暗鬼館(あんきかん)】に配置された部屋の役割。登場人物に与えられた各人各様の武器と、そこに付されたメモ書き。殺人ゲームの主催者が用意したいくつかの【ルールブック】。こうした大道具、小道具が、今しも話の盤上で、『そして誰もいなくなった』的連続殺人劇の雰囲気を出していて、わくわくさせられましたね。
 面白かったその三は、語り手の結城理久彦(ゆうき りくひこ)はじめ、登場人物のキャラがいい意味でカリカチュアライズされていて、イメージが描きやすかったこと。殊に、お嬢様な諏訪名祥子(すわな しょうこ)のキャラが、キラキラと光っていたなあ。「こんなヤツ、絶対いないだろ」と思いつつ、こうした「クローズド・サークル」ものミステリではいて欲しいアイドル・キャラ。ミスリードの危険さえはらむ彼女の魅力に、一票。
 ディクスン・カーやエラリー・クイーンなど、海外の本格ミステリ好きのすれっからしのファンに、「気晴らしにひとつ、こんなんどうですか」とおすすめしたい一冊。ミステリ大好きな私、初めてこの作家の作品を読んだのですが、面白かったです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.38
(4pt)

ゲーム感覚で楽しめる「クローズド・サークル」ものミステリ

 複数の登場人物が、外部からの出入り不可能な場所に隔離され、その中で殺人事件が起きる。ひとり、またひとりと殺されてゆく。いわゆる「クローズド・サークル」もののミステリとして、これは面白かった。
 面白かったその一として、話がかなり予想外の方向へと展開していったこと。スリリングなRPG(ロール・プレイング・ゲーム)にも似て、話が分岐点にさしかかった時、ひょいひょいと、全くノーマークだった方向に進んでいくんですね。著者が繰り出す次の一手が、途中から全然読めなかった。で、その予測不能なところがいけてるなと。
 面白かったその二は、連続殺人ゲームのルール設定、場の設定など、その趣向が気が利いていたところ。舞台となる【暗鬼館(あんきかん)】に配置された部屋の役割。登場人物に与えられた各人各様の武器と、そこに付されたメモ書き。殺人ゲームの主催者が用意したいくつかの【ルールブック】。こうした大道具、小道具が、今しも話の盤上で、『そして誰もいなくなった』的連続殺人劇の雰囲気を出していて、わくわくさせられましたね。
 面白かったその三は、語り手の結城理久彦(ゆうき りくひこ)はじめ、登場人物のキャラがいい意味でカリカチュアライズされていて、イメージが描きやすかったこと。殊に、お嬢様な諏訪名祥子(すわな しょうこ)のキャラが、キラキラと光っていたなあ。「こんなヤツ、絶対いないだろ」と思いつつ、こうした「クローズド・サークル」ものミステリではいて欲しいアイドル・キャラ。ミスリードの危険さえはらむ彼女の魅力に、一票。
 ディクスン・カーやエラリー・クイーンなど、海外の本格ミステリ好きのすれっからしのファンに、「気晴らしにひとつ、こんなんどうですか」とおすすめしたい一冊。ミステリ大好きな私、初めてこの作家の作品を読んだのですが、面白かったです。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.37
(4pt)

ちょっと『CUBE』?

作中にも出てきますが所謂「クローズドサークル」、或いは「嵐の山荘もの」というのは、ミステリ読みにとって普遍的に魅力的、と同時に矢張り古典的は古典的な訳で、
要はどうプレゼンテーションするか、という。
青春小説のホロ苦さ、とか人間関係のドラマ、とかは(多分)意図的に抑制され、ミステリのロジックを描く事に徹底して淫してみた作品、といえるでしょうか。米澤さんが。
ハード(外枠)は凝った古典、ソフト(プロット)はこれでもかというか、なんならクイーンばりの論理展開がミステリ好きを待ってます。
解決部分とかでは、実は相当ややこしい描写(証明)してくれてるんじゃないかと思いますが、極めてスムーズに理解できる文章力は流石なんじゃないでしょうか。
良品。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.36
(4pt)

ちょっと『CUBE』?

作中にも出てきますが所謂「クローズドサークル」、或いは「嵐の山荘もの」というのは、ミステリ読みにとって普遍的に魅力的、と同時に矢張り古典的は古典的な訳で、
要はどうプレゼンテーションするか、という。
青春小説のホロ苦さ、とか人間関係のドラマ、とかは(多分)意図的に抑制され、ミステリのロジックを描く事に徹底して淫してみた作品、といえるでしょうか。米澤さんが。
ハード(外枠)は凝った古典、ソフト(プロット)はこれでもかというか、なんならクイーンばりの論理展開がミステリ好きを待ってます。
解決部分とかでは、実は相当ややこしい描写(証明)してくれてるんじゃないかと思いますが、極めてスムーズに理解できる文章力は流石なんじゃないでしょうか。
良品。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.35
(5pt)

★五つは伊達じゃない

あらすじなどは 他の方が書いているので省略します。とにかく設定にグッときて キャラに引っ張られて 計算されたミスリードにより鮮やかに騙されて 清々しい読後感を得られたので 買ってよかったと思いました。登場人物12人。大体20歳前後で美形が多いのも 私的にポイント高かったです。展開の割に陰鬱さが少ないのは 主人公のノンキな思考と 表紙の彼女の存在の賜物でしょう。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.34
(5pt)

★五つは伊達じゃない

あらすじなどは 他の方が書いているので省略します。とにかく設定にグッときて キャラに引っ張られて 計算されたミスリードにより鮮やかに騙されて 清々しい読後感を得られたので 買ってよかったと思いました。登場人物12人。大体20歳前後で美形が多いのも 私的にポイント高かったです。展開の割に陰鬱さが少ないのは 主人公のノンキな思考と 表紙の彼女の存在の賜物でしょう。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.33
(5pt)

極限の状況下での恐怖 おすすめですっ★

時給11万2000円
あなたはこのとんでもない時給をみてどう思うだろう?
何かの間違いと思うだろうか。それともこれは怪しいぞ、と疑うだろうか。
暗鬼館という地下の施設で7日間を過ごせば、時給11万2000円×7日分を支払うと約束され、
この高額なアルバイトに応募してきた12人。
暗鬼館に足を踏み入れるや否や、入口は固く閉ざされ7日の間外に出ることは許されないと告げられる。
暗鬼館は地下にあるため窓はいっさいなく、照明も極限にしぼってあり、
そのような外界と一切隔てられ、光に乏しい状況の中で生活を強いられる。
しかし、そこには「人を殺せばボーナスとして報酬が2倍になる」などというルールが存在した。
さらに参加者各々には武器が与えられていた。一人は鉄の棒、一人は毒物といったように…
誰もが疑心暗鬼に陥り互いを牽制する中で、三日目の朝、遂に一人目の犠牲者が出た。
犯人がいつ襲ってくるとも分からない状況を作り、恐怖の演出が上手い。
主人公が自分の部屋の扉がわずかに開いていたことに動揺するところが印象的。
まるでホラー映画を観ているかのような、気持ちのいい緊張を味わうことができた。
それぞれに役割があり、キャラクタも立っている。
ライトノベル出身からだからか一人リアリティのない人間がいたが、それはご愛嬌か。
しかしミステリとして十分に読み応えのある作品である。
この状況下で動じない人間なぞいないのに、一部の人間はその描写が薄かった気もする。
だが、ここ最近、もっとも楽しませてくれた本であることは間違いない。
(装丁と内容が一致していないからあまり手に取られないのかも。オススメですよ!)
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.32
(5pt)

極限の状況下での恐怖 おすすめですっ★

時給11万2000円
あなたはこのとんでもない時給をみてどう思うだろう?
何かの間違いと思うだろうか。それともこれは怪しいぞ、と疑うだろうか。
暗鬼館という地下の施設で7日間を過ごせば、時給11万2000円×7日分を支払うと約束され、
この高額なアルバイトに応募してきた12人。
暗鬼館に足を踏み入れるや否や、入口は固く閉ざされ7日の間外に出ることは許されないと告げられる。
暗鬼館は地下にあるため窓はいっさいなく、照明も極限にしぼってあり、
そのような外界と一切隔てられ、光に乏しい状況の中で生活を強いられる。
しかし、そこには「人を殺せばボーナスとして報酬が2倍になる」などというルールが存在した。
さらに参加者各々には武器が与えられていた。一人は鉄の棒、一人は毒物といったように…
誰もが疑心暗鬼に陥り互いを牽制する中で、三日目の朝、遂に一人目の犠牲者が出た。
犯人がいつ襲ってくるとも分からない状況を作り、恐怖の演出が上手い。
主人公が自分の部屋の扉がわずかに開いていたことに動揺するところが印象的。
まるでホラー映画を観ているかのような、気持ちのいい緊張を味わうことができた。
それぞれに役割があり、キャラクタも立っている。
ライトノベル出身からだからか一人リアリティのない人間がいたが、それはご愛嬌か。
しかしミステリとして十分に読み応えのある作品である。
この状況下で動じない人間なぞいないのに、一部の人間はその描写が薄かった気もする。
だが、ここ最近、もっとも楽しませてくれた本であることは間違いない。
(装丁と内容が一致していないからあまり手に取られないのかも。オススメですよ!)
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.31
(5pt)

次もあり?

米澤作品は好きでほとんど読んでいます。今回も期待してました。これから何が起きるんだろうと、期待が膨らむ書き出しでした。途中で、これはアガサのアノ作品みたい?と思って、でも読み進むていくと、予想とは違う展開になり、そうきたか、と思いました。まさか結城が…。そこからがまた予想外で、よかったです。しかも、結城のアノ言葉で、かなり救われた気がしました。それと、ラストの手紙はまるで次もあるかのような内容。シリーズ化されるのでしょうか?
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.30
(5pt)

次もあり?

米澤作品は好きでほとんど読んでいます。今回も期待してました。これから何が起きるんだろうと、期待が膨らむ書き出しでした。途中で、これはアガサのアノ作品みたい?と思って、でも読み進むていくと、予想とは違う展開になり、そうきたか、と思いました。まさか結城が…。そこからがまた予想外で、よかったです。しかも、結城のアノ言葉で、かなり救われた気がしました。それと、ラストの手紙はまるで次もあるかのような内容。シリーズ化されるのでしょうか?
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.29
(5pt)

米澤穂信の「人文科学的な実験」

本作の登場人物たちは「人文科学的な実験」と称する、
殺し合いを前提としたゲームに参加させられることになります。
いわば、昨今流行のデスゲーム小説的装いが施されているわけですが、著者の
真の狙いは、そうした状況下で、文字通りの「実験」をすることにあったといえます。
 すなわち、
  ミステリの「お約束」が通じない人間が多数派を占める
  ミステリ的状況下で、いかにロジックによる解明を成立させるか
 という試みです。
デスゲーム小説では、極限状況に置かれた人間の
異常な心理と行動を描くことに眼目が置かれます。
言い換えれば、読者を驚かせた者勝ち、ということです。
鬼面、人を威すキャラや展開がまず求められ、
回りくどいロジックなどは二の次にされます。
また、本作ではミステリ的な道具立てがふんだんに用意されていながら、
その意味を読み取れる者が少ないため、十分には活かされ切れていません。
そして「空気の読めないミステリ読み」であるゲームの黒幕によって、
「解決」には、多数決という非論理的な手段が設定されています。
  ミステリのお約束が成り立たない状況
しかし、著者はこうしたアウェー的状況下において、ジャンル読者と
一般読者双方が納得できる論理的解明を見事に成し遂げています。
「実験」は成功だったのではないでしょうか。
▼付記
 本作における「黒幕」は、ミステリのガジェットを
 雰囲気作りのためだけに流用する作家の隠喩、
 と見るのは、少しうがち過ぎでしょうか。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708
No.28
(5pt)

米澤穂信の「人文科学的な実験」

本作の登場人物たちは「人文科学的な実験」と称する、
殺し合いを前提としたゲームに参加させられることになります。
いわば、昨今流行のデスゲーム小説的装いが施されているわけですが、著者の
真の狙いは、そうした状況下で、文字通りの「実験」をすることにあったといえます。
 すなわち、
  ミステリの「お約束」が通じない人間が多数派を占める
  ミステリ的状況下で、いかにロジックによる解明を成立させるか
 という試みです。
デスゲーム小説では、極限状況に置かれた人間の
異常な心理と行動を描くことに眼目が置かれます。
言い換えれば、読者を驚かせた者勝ち、ということです。
鬼面、人を威すキャラや展開がまず求められ、
回りくどいロジックなどは二の次にされます。
また、本作ではミステリ的な道具立てがふんだんに用意されていながら、
その意味を読み取れる者が少ないため、十分には活かされ切れていません。
そして「空気の読めないミステリ読み」であるゲームの黒幕によって、
「解決」には、多数決という非論理的な手段が設定されています。
  ミステリのお約束が成り立たない状況
しかし、著者はこうしたアウェー的状況下において、ジャンル読者と
一般読者双方が納得できる論理的解明を見事に成し遂げています。
「実験」は成功だったのではないでしょうか。
▼付記
 本作における「黒幕」は、ミステリのガジェットを
 雰囲気作りのためだけに流用する作家の隠喩、
 と見るのは、少しうがち過ぎでしょうか。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4163246908
No.27
(5pt)

設定・展開ともに退屈しませんでした

実はこの作家の作品を読むのは3作目になるのですが、
前回読んだシリーズものの2作品の感想は「いまひとつ何かが物足りない感じ」でした。
それ以降は読まずにいたのですが、「このミステリーがすごい」の中にこの作品が出てきて、
その中の簡単なストーリー紹介に惹かれて読んでみることにしました。
もともと「館」的な話が好きだったこともあり「設定だけの話でなければ」と願いつつ読み始めましたが、
設定・人物・展開・描写ともにしっかりしていて、期待を裏切られることなく、最後まで楽しめました。
最近のミステリーにしては読みごたえがあり、それなりに読む時間もかかりましたが、一気に読んでしまいました。
久しぶりに、読み終えた時に気持ちのよい作品でした。
インシテミル Amazon書評・レビュー: インシテミルより
4167773708