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空に浮かぶ密室の評価:
4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク
Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点4.50pt
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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フェアネスと丁寧さと緻密なロジック
探偵小説が楽しめます
舞台は、1938年、ロンドン。ワトソン役は、弁護士、エドムンド・イブス。彼は、空中に浮かぶ観覧車のキャビン内で至近距離から射殺されたドミニク(銀行支配人)と共に同乗していた妻のカーラ・ディーンの弁護団の一員として一連の事件に巻き込まれていきます。カーラはキャビンに同乗していたが故に容疑者として逮捕されていました。
イブスは、アマチュア奇術師の卵として、高名な奇術師であるパオリーニ教授が復帰公演を行う<ポムグラニット劇場>へ出向きますが、教授が或る演目を実演した後、箱の中から或る男性の死体が転がり出る事件をも目撃してしまいます。イブスは、まるで初期のヒッチコック映画を喚起させるもう一人の「巻き込まれ型」の主人公としてそこにいます。
果たして二つの事件に繋がりはあるのか?(ないはずはないか(笑))。犯人は?何故?
純粋パズラーですから、これ以上ストーリーを明かすことはできません。探偵役は、前作に引き続き奇術師、ジョゼフ・スペクター。
まずは、<ポムグラニット劇場>の見取り図が掲載され、途中、いくつかの部屋の内部も図示されています。また、数多くの謎解きについては、手がかりがしっかりと埋め込まれており、尚且つ注釈が示され、<読者へのフェアネス>という作者の思想が貫かれています。それは、簡単なようでいて実はかなり困難な命題ではないだろうか?いずれにしろ、本書については、書き過ぎてはいけません。
尚、巻末の杉江松恋さんの解説も見事なものだと思います。
原題は、勿論、「殺人の輪」と直訳できますが、"Wheel"はまさしく第一の事件でもある遊園地の"観覧車"が巡る人生の機微を象徴しているようでもありますね。
◻︎「空に浮かぶ密室 "The Murder Wheel"」(トム・ミード 早川書房) 2025/11/13。